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■Mari Fujita Exhibition(2013年9月12~29日、札幌)

2013年09月28日 21時19分53秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 札幌の藤田真理さんは、かつては絵画に取り組んでいたが、現在は年1度、ギャラリーミヤシタでのインスタレーションを発表している。
 昨年までは、能面を自作して展示したこともあったそうで、それを米国のアーティスト・イン・レジデンスにともない Red Mill Gallery で発表したそうだ(筆者は見ていない)。
 今年は、以前のような、植物を精巧にかたどった立体に戻っている。
 題は Under The Ground

 …と書いてはみたものの、藤田さんのミヤシタでのインスタレーションは、入口に暗幕を張って、暗闇の中に展示されていることが多い。
 したがって、会期中に紹介の記事を書くことは、なんだかネタバレになってしまいそうで、どうやって書いていいのかわからなくっているうちに、会期末になっている。アップが遅れたことの言い訳なんだけど。

 暗闇なので写真も撮れないし、漠然としたことしかいえないが、植物の根の部分を模したような立体が、見る人の目よりも高い位置に据えられている―そんな展示である。
 これまでの彼女の作品と同様、すべての色が抜けた、真っ白な作品だ。
 素材としては、粘土、蜜蝋、ワイヤ、樹脂とのこと。

 率直な感想としては、わたしたちは美しい桜を見ても、紅葉や並木道をめでても、地面の下がどうなっているかまでは考えが回らないことが多いだろう。しかし、わたしたちが想像する以上に、木々や植物は、深く、そして強く、地下にたくましく根を張り、水分を吸い取っている。それは、単なる添え物ではなく、地上部分に劣らないもう一つの植物の姿といっても過言ではないだろう。
 
 ふだん目に見えない部分こそが重要だ、というのは、あるいは木に限らないのかもしれない。
 そういえば、星の王子さまにもあった。「大事なことは目に見えないんだよ」



2013年9月12日(木)~29日(日)正午~午後7時(最終日~午後5時)、月曜休み
ギャラリーミヤシタ(札幌市中央区南5西20)



【告知】MARI FUJITA EXHIBITION (2011)
Mari Fujita Exhibition (2008年)
北の彫刻展-心の中の自由な世界-(08年8-10月)
(これ以前は、上のリンクからたどってください)


・地下鉄東西線「西18丁目」駅1番出口から700メートル、徒歩9分
・市電「西線6条」から850メートル、徒歩11分
・ジェイアール北海道バス「南3西20」から340メートル、徒歩5分
・ジェイアール北海道バス「南3西25」から550メートル、徒歩7分


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