(承前)
澁木智宏さんは1986年、小樽生まれ。
武蔵野美術大でテキスタイルを学び、デザインとアートにまたがって活動しているそうです。
今回は、澁木さんが作りつづけている「ici(イシ)」シリーズが中心です。
冒頭の画像は、個展のタイトルにもなっている「線分」。
つぎの画像は、丸善という人の水盤を模した「遠く見ゆる」です。
もう多くの方が知っていると思いますが、これらはすべてウールでできています。
展示中の作品にはふれないのがマナーですが、実際に持ってみると、見た目は石でずっしりと重たいはずなのに、拍子抜けするほど軽いのです。
このギャップが、澁木さんの作品の魅力だと思います。
わたしたちは彫刻を見るとき、目で触れるという鑑賞法を、無意識のうちにとっています。
実際に触れなくても、目で質感や量塊の感じを味わっているのです。
澁木さんの作品は、目で触れる鑑賞法を、裏切るおもしろさをはらんでいます。
小品には、文学的ともいえる題がついています。
いわく
「とある美しいワイングラスを割った石」
「コンスタニチン三世が愛した石」
「一週間前、黄金に輝いた石」
どう考えても虚構なのですが、物語性を感じさせます。
5年前、札幌時計台ギャラリーでの「サッポロ未来展」で発表した「庭」と同系列のインスタレーション「niwa」を含め、澁木さんの作品には、意外性があります。 たしかにこれはおもしろい。
しかし「石に見えるけれど実はウールなんだよ」というネタバレで終わってしまう作家ではありません。
会場にあるポートフォリオを見ると、さまざまなアプローチで制作に取り組んでいることがわかります。
いずれは、このシリーズ以外の作品やプロジェクトも見てみたいと思うのでした。
2017年1月5日(木)~31日(火)午前11:00~午後7:00(月曜日・第三火曜日休廊)
※1月9日は祝日のため営業、10日は休廊
クラークギャラリー+SHIFT(札幌市中央区南3条東2丁目6 MUSEUM 2階)
□https://www.tomohiroshibuki.com/
□SHIFT のインタビュー記事 http://www.shift.jp.org/ja/archives/2016/11/tomohiro-shibuki.html
関連記事へのリンク
【告知】五人展「内向」 (2013)
■第11回サッポロ未来展 RENEWAL (2012)
澁木智宏さんは1986年、小樽生まれ。
武蔵野美術大でテキスタイルを学び、デザインとアートにまたがって活動しているそうです。
今回は、澁木さんが作りつづけている「ici(イシ)」シリーズが中心です。
冒頭の画像は、個展のタイトルにもなっている「線分」。
つぎの画像は、丸善という人の水盤を模した「遠く見ゆる」です。
もう多くの方が知っていると思いますが、これらはすべてウールでできています。
展示中の作品にはふれないのがマナーですが、実際に持ってみると、見た目は石でずっしりと重たいはずなのに、拍子抜けするほど軽いのです。
このギャップが、澁木さんの作品の魅力だと思います。
わたしたちは彫刻を見るとき、目で触れるという鑑賞法を、無意識のうちにとっています。
実際に触れなくても、目で質感や量塊の感じを味わっているのです。
澁木さんの作品は、目で触れる鑑賞法を、裏切るおもしろさをはらんでいます。
小品には、文学的ともいえる題がついています。
いわく
「とある美しいワイングラスを割った石」
「コンスタニチン三世が愛した石」
「一週間前、黄金に輝いた石」
どう考えても虚構なのですが、物語性を感じさせます。
5年前、札幌時計台ギャラリーでの「サッポロ未来展」で発表した「庭」と同系列のインスタレーション「niwa」を含め、澁木さんの作品には、意外性があります。 たしかにこれはおもしろい。
しかし「石に見えるけれど実はウールなんだよ」というネタバレで終わってしまう作家ではありません。
会場にあるポートフォリオを見ると、さまざまなアプローチで制作に取り組んでいることがわかります。
いずれは、このシリーズ以外の作品やプロジェクトも見てみたいと思うのでした。
2017年1月5日(木)~31日(火)午前11:00~午後7:00(月曜日・第三火曜日休廊)
※1月9日は祝日のため営業、10日は休廊
クラークギャラリー+SHIFT(札幌市中央区南3条東2丁目6 MUSEUM 2階)
□https://www.tomohiroshibuki.com/
□SHIFT のインタビュー記事 http://www.shift.jp.org/ja/archives/2016/11/tomohiro-shibuki.html
関連記事へのリンク
【告知】五人展「内向」 (2013)
■第11回サッポロ未来展 RENEWAL (2012)
(この項続く)