北海道美術ネット別館

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■「Photo Session 1006」My White Season (6月19日で終了)

2010年06月21日 22時42分54秒 | 展覧会の紹介-写真
承前

 写真グループ展の第1部。19日に展示替えを行い、20~27日には第2部「My eyes」がひらかれている。
 第1部には、遠藤祐司、掛端直美、神成邦夫、谷口能隆、戸井啓介、tokuchan、野呂田晋の7氏が出品している。
 暑ささえ感じる好天の日に、冬の写真を眺めるのも、悪くない。
 ちなみに、第2部は、掛端、谷口、戸井の3氏は続いて出品。ほかにKensyo、河野恵子、掛端博美、戸井あかりの4氏が加わっている。

 冒頭の画像は野呂田さんの「Traces」。モノクロ6枚。
 雪の上の足跡や、車輪の跡、ざくざく雪の路面のわだちなど、すべて夜の街角で撮影したものだ。
 単に雪を審美的にとらえたのではなく、あくまでそこで暮らす者の目線でとらえていることに好感を持った。
 新雪は、たしかに美しい。しかし、雪国で生活している者は、その美しさを愛でていれば済むというわけではない。時にはその雪と格闘し、そして降り始めや晩冬の汚い雪ともつき合っていかなくてはならない。
 雪とは、遠くにあって鑑賞するものじゃなくて(いや、そういう面があることを否定はしないけれど)、もっと生活に身近な存在なのだ。

 こんな文章が添えてあった。

冬の始まり/そして終わりの頃、雪は湿り気を帯びて粘着質となる。それはべったりと路面に絡みつき、そこには様々な痕跡が刻まれて重なりあい、やがては消えてゆく。


 おなじようなスタンスは、となりの谷口さんの作品にも感じられた。
 谷口さんは、パリの街角などにレンズを向けるととてもスタイリッシュな作品に仕上げてくるのだが、今回の「軒下」などは、幼少時代に冬のマチを歩き回ったころのワクワクドキドキした感じが表現されていて、楽しい。

 神成さんは「SNOW」と題したモノクロ8枚。
 吹雪の小樽駅や、大雪にかすむ街並み、海辺など、真冬の厳しさを写しているのが印象的。

 戸井さんはカラー8枚。
 青い神の子池や、舞うカモメなど、シンプルな構図が多い。
 掛畑さんは「My Life 毎日がphoto気分」と題したカラー3枚。
 Tokuchanさんは「photo日和」と題したカラー8枚で、うち6枚が女の子写真。ホワイトイルミネーションの撮影会なんだろうか、なかなかかわいらしく撮れている。
 遠藤さんは「Misty」カラー5点。大沼の凍り付いた湖面など、モノトーンで、静かな世界をカメラにおさめている。

 というわけで、一口に冬といっても、なかなかバラエティに富んだ写真展だった。


2010年6月12日(土)~19日(土)10:00~6:00(初日1:00~、最終日~3:00)、火曜休み
品品法邑(札幌市東区本町1の2)


6月17~21日の日記、続く


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます! (のろちゃん)
2010-06-22 22:30:38
見に来ていただき、ありがとうございます。

今回の作品は、本格的に写真を撮り始めてはじめての冬を迎え、自分の中の「冬」への視点を確認しながらの作業となりました。冬真っ盛りの頃にもそれなりに写真は撮っていましたが、今シーズンは今回の展示に示したような感じ方が多かったです。

それを少ない展示空間でどう見せるかにも腐心しましたが、意図したことを含めて作品から何かを感じ取っていただけたようで、少し安心しました。

今回もすれ違いでしたね。平日は仕事&出張で不在にすることが多く、なかなか会場にはいられず、失礼しました。

いつの日か、写真展会場で生でお会いできる日を楽しみにしています。
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のろちゃんさん、こんにちは (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2010-06-23 12:26:08
野呂田さん、どうもです。野呂田さんの写真は、美しく、それと同時に、北国の人間にとって身近な感じが強くして、良かったです。

勤め人が会場にいられないのは、しかたないですよね。
これから先、なかなかお会いできる機会が激減しそうですが、どこかでお話できればいいですよね。
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