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■第3回茶廊法邑ギャラリー大賞展 (7月14日まで)

2007年07月14日 14時48分31秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 こういうコンクール、アワードものの展覧会を見るのは、けっこう好きだったりする。
 個展ではもちろん、ふつうのグループ展ではぜったいにありえないような「顔合わせ」になり、つぎにどんな作品が展示されているのか、予想できない展開になるからだ。
 この「大賞展」も、15号ぐらいの絵ばかりなのがちょっとものたりないとはいえ、ふつうの油彩、いかにも道教大ふうの人物画、永沢まことふうのペン画、イラスト、伝統的な日本画などなど、幅の広さではちょっとほかにないであろう展覧会になっています。

 佐藤正人さん(「雪華」)と鳴海伸一さん(「燦燦と」)が出品していました。もうおふたりは、出品するんじゃなくて審査する側ではないかと思うんですが…。

 あと、個人的なこのみと、賞にえらばれた作品とが、これほど一致していないコンクールもめずらしい。
 筆者がいちばん好きだったのは、米森ヒデキ「移動式時計台」。
 ギターやキーボード、ミシン、その他ガラクタでどっさり覆われた車を描いたもの。ポップさと、押入れの奥から引っ張り出してきたような背景のほこりっぽい色調とがみごとに調和しています。古い写真や宣伝チラシのコラージュもいい味を出しています。
 伊賀信「生まれ、消える」は、ごく細い木の棒を、垂直に、あるいはアーチ状に組み立てて、板の上に規則的にならべてすえつけた労作。出品作のなかでは、かなり異色の作品。ミニマルというには、独特の味わいと余韻があります。
 四角や丸の板をちりばめた作品で昨年の新道展の協会賞を得た藤本絵里子さんですが、今回の「漂泊」では、きみょうな魚が泳いでいる様子を描いています。それにしても、こんな青や緑の正方形のうろこを持った魚なんてほんとにいるの?
 道都大学生の石井誠さん「cocoon」は、シャープさが光り、奨励賞を受賞しました。

 ほかの出品作は次のとおり。
渡邊七奈「優しい風」
中西保子「エニシダ」
富樫はるか「ラレンタント」
木屋文代「June」(奨励賞)
熊谷果歩「愁眠」
石井貴子「くつ」(優秀賞)
水戸部祥子「一歩」
蛯名洋帆「爽深」
佐野妙子「花の降る降る」
大野恵理「未来の街」
高橋あおば「人間」
古畑由理子「時と胡瓜」(大賞)
戸田遥「スープカレー」
為口紗衣「春に…」
松野愛「回復する傷」
川上牧子(題名記載なし)
藤田有美「北大ポプラ並木」
大崎紗代「春に」
源慶子「静物」
山木尚美「ゆめうつつ」(優秀賞)
竹屋優子「カラー」(同)
林由希菜「おやすみ」
麻生扶希「憩」
荒木彩花「幻想の生まれた日」
上倉怜「真夜中の犬」(奨励賞)
坂口紗亜理「パピヨン」
松田奈那子「虫歯」
小助川麻理那「無題」(奨励賞)
高木アキラ「チョウ」


07年7月4日(水)-14日(土)10:00-18:00
茶廊法邑Gallery(東区本町1の1-8-27)


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございました! (石井 誠)
2007-07-15 05:54:43
ありがとうございます!精進します。

ただ、今回規格外ということで表彰式後に少しだけ
かざられたミズノ(漢字が解らず失礼なのですが)さんの日本画はとても素敵な作品でした。
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Unknown (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2007-07-15 08:05:09
じぶんのすきな絵で、賞になってたのが、石井さんの作品だけだったよー。

さいきん法邑さんにお会いしてないんですが、お元気かなあ。
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