2010年1月19日、北海道新聞社会面から。
かなり大きく出ていたので、ご存じの方は多いと思います。
この件については、昨年12月5日、朝日新聞北海道版がベタ記事で報じています(下のリンク参照)。
■500m美術館」常設化を検討 札幌市長
「アートを気軽に、市民に親しんでほしい」
という趣旨は立派なように聞こえますが、どうなんでしょうかね。
役所が民間の貸しギャラリー業を圧迫するだけじゃないかと。
工費じゃなくて設計に1000万円というのも、なんだかなーと思います。じゃ、工費にいくらかかるんでしょうか。
そんなに税金使って、民業圧迫にいそしむんですか。
いまの札幌のアートシーンでいちばん問題なのは、発表場所の不足じゃないんですよ。
そんなの余ってます。
道内のアート作品が道内だけで発表され、しかも発表されるだけ。東京などとの接点がほとんどないし、しかも札幌じゃ売れないからアーティストは食って行けない。
仲間うちで見せ合って「良かったねー」って言って、それでおしまいじゃないかと。
まあ、じぶんの活動を否定してるよりは「良かったねー」と言い合えるほうがいいですけどね。
おんなじカネがあるんだったら、札幌の若手作家に、東京のアートショー出品のための助成をする方がよっぽど効果的だと思いますけどね。
ポートフォリオ印刷費とか東京までの往復交通費とか。
あるいは、アーティストインレジデンスって、応募するにもそれなりの金銭的余裕が必要な場合もあるから、それに対する助成とか。
なんぼでも使い道はあります。
新しい施設造るぐらいだったら、札幌芸術の森美術館や札幌彫刻美術館の購入費・事業費にあてたほうがまだマシかと。
まあ「芸術振興」っていやあ聞こえがいいから、なんか箱ものを造ろうかという、旧弊な役人らしい発想だよなって思います。ソフトに金を使うという発想がないんですよね。
もっとも、ほんとのニーズが何なのかを役所に提言していくことのできない、アーティストと市民の側の発想のほうが、よりいっそう貧困なのかもしれないけど。
かなり大きく出ていたので、ご存じの方は多いと思います。
札幌市は、市営地下鉄東西線の大通駅とバスセンター前駅をつなぐ地下通路に「500メートル美術館」を、早ければ2011年度中に開設する方針を決めた。通路の壁に、札幌を拠点に活動する芸術家たちの作品約100点を入れ替えながら展示し、通り掛かった市民が無料で気軽に鑑賞できるようにする。
総事業費は約1億円を予定。10年度予算案に約1千万円を計上し、設計を行う。市は「これほど細長い美術館は世界的にも珍しいのでは」(観光文化局)としている。
地下通路は幅約8メートル、高さ約3メートル。両壁に電照広告や標識が並んでいるが、作品展示には標識などの少ない北側を全面使用し、写真や絵画、造形などの芸術作品で埋める。
壁一面にパネルを張った上で、スポットライト、アクリル製の展示ケースを取り付ける。個々の展示ケースは作品が複数入るように、高さ約2メートル、幅5~30メートル、奥行き90センチを想定し、350メートルにわたって壁沿いに並べる。
展示作品は一般公募も行い、年3~4回入れ替える。(以下略)
この件については、昨年12月5日、朝日新聞北海道版がベタ記事で報じています(下のリンク参照)。
■500m美術館」常設化を検討 札幌市長
「アートを気軽に、市民に親しんでほしい」
という趣旨は立派なように聞こえますが、どうなんでしょうかね。
役所が民間の貸しギャラリー業を圧迫するだけじゃないかと。
工費じゃなくて設計に1000万円というのも、なんだかなーと思います。じゃ、工費にいくらかかるんでしょうか。
そんなに税金使って、民業圧迫にいそしむんですか。
いまの札幌のアートシーンでいちばん問題なのは、発表場所の不足じゃないんですよ。
そんなの余ってます。
道内のアート作品が道内だけで発表され、しかも発表されるだけ。東京などとの接点がほとんどないし、しかも札幌じゃ売れないからアーティストは食って行けない。
仲間うちで見せ合って「良かったねー」って言って、それでおしまいじゃないかと。
まあ、じぶんの活動を否定してるよりは「良かったねー」と言い合えるほうがいいですけどね。
おんなじカネがあるんだったら、札幌の若手作家に、東京のアートショー出品のための助成をする方がよっぽど効果的だと思いますけどね。
ポートフォリオ印刷費とか東京までの往復交通費とか。
あるいは、アーティストインレジデンスって、応募するにもそれなりの金銭的余裕が必要な場合もあるから、それに対する助成とか。
なんぼでも使い道はあります。
新しい施設造るぐらいだったら、札幌芸術の森美術館や札幌彫刻美術館の購入費・事業費にあてたほうがまだマシかと。
まあ「芸術振興」っていやあ聞こえがいいから、なんか箱ものを造ろうかという、旧弊な役人らしい発想だよなって思います。ソフトに金を使うという発想がないんですよね。
もっとも、ほんとのニーズが何なのかを役所に提言していくことのできない、アーティストと市民の側の発想のほうが、よりいっそう貧困なのかもしれないけど。
ギャラリーや劇場などは、プロアマ問わず「作品を発表したい!」という意欲ある人たちが申し込みさえすれば、まあ使わせてあげられる。実際出て来た物の優劣については、その作者や演者の力量の問題であって、ハコモノを作った行政の責任ではない。
でも、特定の作者や演者を支援するようにお金を使えば「なぜ、いろいろいる中で彼らが選ばれたのか」と役人が問われ、ギョーカイ内の引っ張り合いも招きかねない。そこまで腹をくくる勇気がないんでしょう。役人には。
それでもまあ、こまごまといろんな助成金は出ていると思います。「なんとか育成プログラム」とか、芝居のチラシでも官の支援マークが入ってるのをたまに見かけますんで、額はともあれ、ビタ一文出てないわけではないと思う。
たとえばさ、札幌市がアート系映画の上映に力を入れるとか言って、映画館作ってタダもしくは安く上映を始めたら、シアターキノや蠍座はつぶれるっしょ。
いま、札幌市がやろうとしてることは、そういうことじゃないの?
>でも、特定の作者や演者を支援するようにお金を使えば「なぜ、いろいろいる中で彼らが選ばれたのか」と役人が問われ
これはたぶん関係ない。だって、誰か専門家に丸投げすればいいだけの話。
美術館のラインナップだって、べつに役人が決めてるわけじゃない。役人がローマ美術を評価してるから展覧会が開かれたり、ドームのガラスの鑑定やってるんじゃないからさ。
本気で札幌をアートのマチにしたいんだったら、もう展覧会場なんていらないって。
それで才能あるヤツが食っていける回路を作んなきゃ。
木っ端役人にはそんな発想ないんだよ。
明るくしてコギレイにしても
所詮は、「通路」ですよね。
美術館と名乗るには、やはり
無理があるかも。
正直作品をみる施設としては
勝手が悪すぎます。結局は、
チラ見で歩くだけだし。
むしろ通路にラバーを貼り
ウォーキングロードにして、
運動施設として解放した方が
利用者が増える気がします。
往復で1キロか、どうだろう?
1億円あったら、なにができると思います?
ハードを作るにはハンパな金額です。
その一方で、写真ライブラリーを廃止するんだから、札幌市の芸術文化施策は、目を覆う迷走ぶりですね。
とある方が、美術館を名乗るにはコレクションを持つか、専属学芸員をつけるかしないと名乗れないといっておりました。その点はどうするんでしょうね?コレクション買うんですかね?その一億で。
ちなみに、市民ギャラリーが老朽化してきて、他の施設に市民ギャラリーの機能(公募展用会場としての機能)を移転した場合、あの廊下を絵画関係者がギャラリー巡りの時に通る通路になるんでしょうかね?
まぁーいろいろ思うところありますが、札幌市長様の考えることはわかりませんが、きっとなにか、壮大な事を考えているのでしょう。開始5年後の姿が楽しみです。
札幌をアートの町にするなら、まず1億予算があるなら、僕ならギャラリーを作るんでなくて、Artフリーペーパーを作り、そこで、評論・オークション代行・札幌市内全部のギャラリーの個展・グループ展情報などを掲載し、一般民とギャラリーのつながりを作る事が重要な気がします。東京でいうと、「Art_icle」のような物があるといいなぁーと思います。
http://www.art-icle.jp/
↑Art_icleサイト
ある人がいっていましたが、「ギャラリーを回る」ということ自体、非常に特殊な事だそうです。まず、その特殊な事という認識をなくしたい物ですね。
下のほうからいきますと、「1億」というのは誤りではありません。
本文中に引用した北海道新聞の記事中に明記されています。
それと、「Art_icle」というフリーペーパー、どっかで見たなあと思ってたら、札幌三越ギャラリーで手に入るやつですよね。
アートのフリーペーパーなんて行政の仕事じゃないだろ、と思ってましたが、札幌市は発行してます。
大通駅の北側にある赤いブースで配ってます。
ただ、えらそうな言い方で申し訳ないのですが、情報の網羅率は低いです。
北海道美術ブログの何分の一かだと思います。
で、「Art_icle」みたいのを札幌でだしても、道民しか読まないと思うんですよ。
それより、「Art_icle」に札幌や北海道の情報がどうやったら載るのかを、作戦立てたほうがいいと思います。
札幌のアーティストの情報がこういう媒体に載ったら向こうのお金持ちの目に留まって、いいことがあるかもしれないし。
市民ギャラリーの老朽化はいずれ考えられますが、道立近代美術館よりは新しいので、緊急の課題にはならないですよね。
北海道以外でもそう。あっても使えてないんです。
システムを作らないと動かない。
ゲームもハードだけじゃ遊べないっすもんね。
この話については近いうちに端さんと話したいと思っていた所です。
ただ、結局は自分が動くしかないんですよね。
札幌は、何かのせいにするのが多い気がします。
やる側(作る側)の人間がね。
つべこべ言わんとやれよ。って思うし
小さくてもいい動きをしている人は応援したいと思っています。
元気ですか?
すごく熱いコメント、感謝ですっ!
>ただ、結局は自分が動くしかないんですよね。
札幌は、何かのせいにするのが多い気がします。
その通りですよね。
ただ、上の引用部分では省略しちゃいましたけど、端さんは北海道新聞に肯定的なコメントを寄せてましたよ。
まさか、CAIの仕事(メシの種)になるとか、そんなケツの穴の小さい次元ではないと思いたい。
札幌で開かれるなんて!
、、しかも
何故一番忙しい水曜日?
http://blog.goo.ne.jp/h-art_2005/