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第21回 Bridge展(4月15日まで)

2006年04月14日 08時22分30秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 全7室ある札幌時計台ギャラリーのうちベテランの個展に用いられることの多いA室ですが、今週は20年余り続いている女性の絵画グループ展。C室が色鉛筆画の個展のほかは、各室とも絵画のグループ展が占めています。

 A室の「Bridge展」は、全道展会員のベテラン画家伏木田光夫さん(札幌)の教室出身の、岡和田暁子、片山美代、後藤やよい、武田直美の4氏がメンバーです。これまでに、顔ぶれは何度か変わったようですが。みなさん全道展に出品していると思います。それぞれが大作を持ち寄り、迫力のある会場になりました。いわゆる写実的な絵はなく、個性的な表現を目指しているようです。

 武田さんの絵としては、筆者は、いちばん上の画像の左に写っている「あなたはだれ」が好きなんだけど…。これは、琴似発寒川に題材を得た奥行き感のある風景画です。
 次は「平和な風景今は(II)」。(以下、画像が斜めになっていてごめんなさい)
     

 緑の公園と人々を、一気呵成に描いた絵だそうです。
 左側には鳩らしき白い鳥にえさをまく人物も見えます。
 ほかに、「平和な風景今は(I)」「雪の朝」「桜の時」「桜・そぞろ歩き」「赤い実」「花のあるテーブル」。

 岡和田さんは、4人の中でも、伏木田さんの影響が強い静物画が中心です。
 また、20号ぐらいのわりと小さいサイズの作品が多いです。
 画面は「電車の走る街」。
 高い位置から見下ろした三叉路です。斜めに力強く画面の上を擦過していく線は荒々しく、焦燥感すら感じられます。
      
 ほかに「卓上I」「卓上II」「卓上III」「卓上IV」「橋のみえる風景」

 後藤さんは、写真では分かりづらいのですが、成形した発泡スチロールを積み重ねていって支持体にし、奥行きが感じられるというよりも、ほんとに奥行きのある抽象画を制作しています。
 写真は「SORA-記憶」。
     

 以前は幾何学的なかたちの反復した画面が多かったですが、今回は、地図の等高線を思わせる曲線が支配的です。
 この作品は、四つの部分をつなげて制作したものです。
 ほかに、同題の作品と、「記憶の領域」と題した作品が4点。

 片山さんは画面を四隅までフルに使って力強い群像画を描きます。
 ここ何年かは、音楽を演奏する人がメインテーマのようです。
 画像は「ピアノ三重奏を弾く人」。

     

 この絵が安定して見えるのは、かっちりしたX形の構図がとられているためでしょう。右側のチェロの絃が効いています。また、このチェリストの開かれた脚は、水平線の少ないこの絵で重要な役目を果たしています。
 また、「ストラヴィンスキー“火の鳥”」では、指揮者も演奏者も全裸というのがユニークです。
 ほかに「花」「脚を組む女」「座る女」「髪を束ねる女」「イカのあるテーブル」「白鳥を弾く人」「魚のある卓上」。

4月11日(月)-15日(土) 10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A

□GOYA倶楽部 雲の座標(後藤さんのサイト)
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