北海道美術ネット別館

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■第46回はしどい展 北星学園女子中学高等学校美術部 (2月15日まで)

2009年02月15日 01時32分58秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 キャンバスでなく板をつなげて100号超の支持体にして、ガンガン描くのが北星女子流だと思う。ことしは、大作がならんでいて、頼もしい。技術的には稚拙かもしれないが、青春の悩みや思いをぶつけた画面は、まさに高校生でなければ表現できない世界だ。

 以下、学年表記は中高一貫のものらしい。

 吉島圭子さん(5年)「Baloons」=183×232センチ
 赤い風船が10ばかり浮かんでいるのだが、中央が透明で向こう側が透けて見えるのがふしぎ。中央に若い女性が白いワンピース姿で、脚を水につけて立っていて、手にした刃物で風船の紐を切ろうとしている。

 戸根谷沙紀さん(同)「廃棄物」F30
 大きな滝とそのたもとの人物を描いた大作「流るる」も悪くないが、「廃棄物」は、赤いメイド服姿の女性を描いていて目を引く。よく見ると、背後にプラグの差込口があり、床はフローリング。ということは、これは人間ではなく、捨てられる運命の人形なのだ。

 古藤愛梨さん(6年)「おもしろきこともなき世も」=183×218
 たしか学生美術全道展の出品作。室内でオレンジ色のソファにあぐらをかいて座っている少女は、右手に芽を出した薯を持ち、左手には園芸用ショベルを持っている。部屋には観葉植物があふれ、おしゃれな壁時計があるものの、右手の壁は壊れかけて遠い田園風景がのぞいている。命や自然環境の大切さを訴えているのだろうか。左端に大きく描かれたドアノブが効果的。

 野呂実木子さん(同)「いや、一緒に」=183×232
 これも学生美術全道展に出ていた。迷宮のような室内で、うしろを振り向く少女の姿が印象的。通路を歩く鳥や転がる赤いパンプスなど、比較的まとまった構図とはいえ、やはりなぞめいている。

 畠山真帆(5年)「I want to talk!!」=183×232
 空中に人間の口がたくさん浮かんでいる。

 ほかに、若原怜菜さん(同)、山田志乃さん(6年)などの絵が目を引いた。


2009年2月10-15日10:00-18:00(最終日-16:00)
コンチネンタルギャラリー(中央区南1西11、コンチネンタルビル地下 地図C)

・地下鉄東西線「西11丁目」徒歩1分
・市電、じょうてつバス「西区役所前」徒歩1、2分
・ジェイアール北海道バス「西区役所前」徒歩3分


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