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■市電でGO! (2015年2月20日~3月4日、札幌)

2015年03月03日 23時24分27秒 | 展覧会の紹介-写真
 はがきに「3月3日まで」と書かれていたので、急いで見に行ったら、ほんとうは「3月4日まで」とのこと。

 札幌や岩見沢の写真愛好家10人が、札幌の市電をモティーフにした写真計およそ150点を展示している。

 当初、お互いで選んだ計30~40点を、大きくプリントして額装し、並べる計画だったらしいが、選に漏れた作品も人に見せたくなったらしく、額装された作品のすきまに、サービス判ほどのプリントが所狭しと貼られている。

 西15丁目電停に滑り込む雪ミク電車や、南22条通を疾走する電車、中央図書館前に止まった最新鋭車両「ポラリス」や、真っ赤なガーナの広告電車、最古参のM101系など、車体を撮ったものも多いが、運転台、附近の建物、青空と架線、電車事業所まつりと親子、安全地帯で待つ人々など、およそ考えられる限りの「市電をめぐる風景」が撮影されているといえそうなくらい、バラエティにとんでいる。
 プリントも大小あり、トイカメラで写したようなものもあり、正統派の銀塩モノクロもあり、とにかく多彩だ。

 撮影者の名前や題名などの表記はいっさいない。
 ただ、店の出入り口に大通附近で撮ったものを配し、線路に沿って、すすきのへと、撮影地の順番にだいたい並んでいる。



 筆者は、もう40年ほど前に、この路面電車に乗って通学していたので、非常になつかしい。

 しかし、沿線は高層住宅だらけになり、往時の面影はほんとうにわずかしか残っていない。

 当時は「2」という系統番号の札をつけ、車体にぐるりと朱色の帯を巻いていた。
 「1」は、北24条―新琴似駅前だったが、1974年に廃止されている。だから、すでに当時は「2」番しかなかったのだが。

 朱色の帯は「ワンマンカー」を示すものだが、市民の評判は良くなく、のちに白に塗り直された。この白い帯はM101系に残されている。

 現在の「山鼻9条」は、「中央保健所前」、「西15丁目」は「交通局前」、「中央図書館前」は「教育大学前」と呼ばれていた。



 自分の見聞が一気に広まった10代のころに見た風景と世界は、いつまでも自分の認識の基礎になっている。
 しかし、月日は流れ、その基礎たる風景はどこにも残っていない。しいて言えば、記憶の中だけである。
 年を追うごとに、現実の風景はその基礎からかけ離れていき、わたしの心には、わだかまりのような感情が少しずつたまっていく。

 青春時代に見た懐かしい風景と、現在の風景の差について、考え込んでしまった。 


2015年2月20日(金)~3月4日(水)午前11時~午後10時、第1・第3日曜休み
画廊喫茶チャオ(札幌市北区北24西4 モンレーブビル3階)




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