「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

衣替え

2019年05月28日 | 和服生活

衣替え・・こんな言葉もいまや死語かもしれません。

洋服箪笥にはいつも冬物と夏物が下がっている。
しかし和服だけはそうもいきませんね。
夏冬の区別はしっかりとつけなくてはなりませんから。
それでも最近は正式の場でなければ、
かなり譲歩してもらえるようにもなりましたが。


思えば、昨年の暮れにお茶事に伺った時以来、
和服での外出は一度もありませんでした。
半年近く私の痛めた膝がそれを許しませんでした。

着物の手入れも、片付けもする気にならず、
ずっと出しっぱなしだった冬物のコートをたたみながら、
傷みと戦いながら過ぎて行った時間に思いを馳せています。
今年新調し楽しみにしていたコートも、袖を通すことなく眺めただけ。
秋には着られることを楽しみに箪笥に納めました。
久しぶりに開けた引き出しからほのかなショウノウの香り。
ああ懐かしやです。

今は日々の状態に一喜一憂しながら過ごす毎日ですが、
時間が薬と信じて、回復を待っています。

このような私のささやかな日々があるかと思えば、
とんでもない今朝からのニュースに心を痛めています。
一瞬にして理不尽に奪われた命に、人間の運命とは・・
語る言葉も見つからず、ただ胸が苦しいです。

 

 

 


お客様もお楽に

2019年05月26日 | お茶三昧

お客様用の籐の椅子です。

お膝が悪くて、立礼でのお稽古をしている方にも、
和室でのお客様をしていただけるようにと用意しました。

以前お茶事にお招きいただいた時に、
和室に、椅子と銘々に小さなテーブルを用意してくださり、
そこでお懐石を頂けてとても助かったことがあります。
三時間を超えるお茶事の間、ずっと正座でということはとても大変なことです。
若い方は若い方で、正座になれていませんし、
ご年配の方はお膝が痛い・・
お客様が身体的苦痛(?)なくお茶が楽しめたらそれが一番かしらと。

私などは正座をすることが当たり前と思っていましたし、
又そうすることが気持ちが引き締まったものですから、ずいぶん頑張りました。
その結果が膝を壊すということにもなったのですが。

これからは皆さんがそれぞれの形で、
お茶を少しでも長く楽しめる工夫をしていきたいと思っています。


退院からひと月経ちました。
家の中は何とか歩いて過ごせています。
さあ来週から、外を歩く練習を始めようかしら。
六月に入ると、ぜひとも行きたいリサイタルがあります。
行けるかしらね・・・。

 

 


動きが良くなりましたね

2019年05月23日 | 日記

はこねうつぎを一輪

玄関に薔薇の花

やはり花の有る空間は、贅沢ですね。

お稽古にいらした方が、
「先週より動きがいいですね」と。
遅々とした変化でも、一週間ぶりに見ると、
ちょっと違って見えるようです。
手術をしたほうの足を気遣って歩く姿も、
少しずつぎこちなさが減ってきているかもしれません。
皆さんがそういってくださると「そうかなあ」と嬉しくなります。

今日は自分で掃除機をかけてみました。
ゆっくりと気をつけながらできました。
ちょっと頑張ると膝が痛いような気がするので、無理はしません。
未知のことで加減がわかりませんのでね。

探り探りやれることを増やしていっています。

 


薔薇の季節

2019年05月21日 | 日記

昨年訪れた薔薇園の写真。

今年は花を求めて歩くことはできない状況が寂しくもありですが、
考え方によっては、去年行ってきてよかったとも言えますね。
一度行って見たいと思っていた薔薇園ですから。

日めくりのポタニカルカレンダーも、
ここ数日は薔薇の花でした。

それぞれに花の美しさ、良さがあり、
その時々で、どんな花も心を和ませてくれますから、
どれが一番ということはないのですが、
最後に行き着くところは、洋は「薔薇」で和は「椿」かしら。

普段は楚々とした、凛とした茶花に気持ちが寄っていますが、
時には薔薇のむせ返るようなあでやかさに、埋もれてみたい時も。

薔薇が終わると、次は紫陽花ですね。
そのころには少しは外を歩けるかしらと、
希望を繋ぐ毎日です。
( 左右の足の太さがほぼ同じになってきました。
腫れが引いただけでもよい変化。)

 

(六月の稽古日決まりました。)

 

 

 

 


初めてです

2019年05月19日 | 日記

胡蝶蘭の贈り物。
薔薇の花束は頂いたことがありますが、胡蝶蘭は人生で初めてです。
平穏に過ごしてきた私にとっては、
今回の手術騒ぎは、重大ニュースだったのかもしれませんね。

友達から、「実は骨折でした」とLINEが入りました。
捻挫をしたみたいだけれど、大したことないといっていたのですが、
二週間たって腫れが引かないので、医者に言ったら、骨折を告げられたとか。
松葉杖を使用中とのことで、思わぬ事態だったようです。
「あまり痛くなかったから」と言っていますが、
年を取ると( 失礼・・でも同類として)痛みの感じ方も鈍るということかしら。
お互いに、杖と松葉づえで気をつけて過ごしましょうと、変に励まし合いました。

もう一名を加えての長い付き合いの仲間なのですが、
去年の秋の旅行が、メンバーの一人の腰痛で延期になり、
その後私の膝手術、今回のもう一人の骨折と、
もう半年以上イベントが持てません。

こんな自分や周囲の様子に、
「なんでもやれるときに、やりたいことはやっておくべきね。
いつできなくなるかわからないから、悔いのないように。」
等と会う人ごとにそんな話題がでてしまいます。

 

お稽古で久し振りに「吉野棚」を出してきました。
吉野太夫ゆかりのお棚ですが、最近入門された方には初めて見るお棚。

少ないようでも、いつの間にか集まってしまったお棚。
数えたら10種類を超えるほどになっていました。

収納の奥になっていたりして、ついつい使わずにいることも多いのですが、
せっかくそろっているものを使わないのはもったいないと、
月代わりでいろいろと出して使うことに決めました。
これもまた「使えるときにどんどん使いましょう!」です。

膝を痛めてやれることが少し減りましたが、
中身は濃くなっていくような気もしています。
でも皆さん私をよくご存じで、
頑張りすぎないようにと、言われてもいます。
はいそうしますね・・・

 


少しずつ少しずつ

2019年05月16日 | 日記

今朝はゴミ出しのついでに、マンションの敷地の周りを、
フェンス伝いに歩いてみました。
杖を頼りに、術後一番長く歩いたことになります。
外の風も空気も、ゆっくりと味わう余裕はありませんでしたが、
なんだかちょっと自信も湧いて。
はたから見たら、杖を突いて歩いている変なおばさんだったかも。
でも今は他人にどう見えようとも、気にならないのが不思議です。
途中で、線路わきの小さな花を摘んできました。
リハビリ記念の花を器に入れて眺めています。

お稽古のない日に、車で銀行巡りと、
お菓子の調達に連れて行ってもらいました。
帰りがけに、「スーパーにでもよらない」と言われて寄ってみました。
カートを杖代わりにして、買い物ができました。
これも面白い体験でしたよ。

こんな風に少しずつ少しずつ、できることが増えています。
焦ることはないですね。

ところで残念なことに、
今までお抹茶を送ってもらっていた道具屋さんが、
五月いっぱいで店じまいとなりました。


最後の注文になるので、少し多めに送ってもらいました。
次ぎからはどのようにして手に入れるか考えています。

この世は無常です。
変わりゆくことに一つ一つ対処しながらですね。

 


母の日だったのね

2019年05月13日 | 日記

もうすでに母と呼ぶ人もなく、
母と呼ばれる子もなくの生活ですから、
あまり意識しなくなった母の日です。

二~三日前に、姪が街で莟でもらってきた一輪のカーネーション。
「咲くかしらね」と気にして見ていたら、
母の日当日の朝にはきれいに開いていました。
久しぶりに注目した、カーネーションの花でした。

先週は「令和」に代わって初めてのお稽古をしました。
半年ぶりの風炉というだけでなく、そんなおまけもつきましたから、
なんとなく新鮮で厳かな気持ちでお点前をしていただけたのではと。
ひと月空いてしまった稽古でしたが、
皆さんお変わりなく過ごされていたようです。
ただ一人、「交通事故で、救急車で運ばれたんです。」という方が。
幸い打撲程度で済み、元気にお稽古にいらしたので、本当によかったです。
ここのところの交通事故のニュースの多さには、
街をボーと歩いてはいられないと、怖くなりますね。

塩瀬饅頭も、こんな風にして売っていましたので、
ついつい手が出て、デパートの通販で届けてもらってしまいましした。

令和時代に入ってのお祭り騒ぎも、連休の終わりとともに、
少し落ち着いてきた様に思います。


新しい習慣

2019年05月09日 | 日記

入院中に着いた習慣、「早寝早起き」
退院した今も、すっかり身についてしまいました。
一時間以上床に就く時刻が早くなり、同様に目覚める時刻も早い。

おかげで朝が盛りだくさんに過ごせます。

食事前に日課の自主トレリハビリ体操ができ、
食後のコーヒーも、ゆったりと飲めます。
天気の良い日はベランダに出て、太陽の光を浴びながら、
15分ほどのんびりすることにしました。
今のところそんな朝が過ごせています。

昨日は一か月ぶりの稽古をしました。
久しぶりの着物も、疲れることなく着ていられたので、
体調は大丈夫のようです。

ちょっと慌てたのは、帯を締めるとき、
最近教えていただいた、簡単な結び方をすぐ思い出せなかったこと。
若いころに身に着けたことは忘れないのに、
新しく覚えたことは、少しの間でも使わないでいると忘れてしまうもの。
そういえば、帰ってきてパソコンを開こうとして、
パスワードを一瞬思い出せなかったことにも慌てました。
何事も忘れないためには、日々やり続けることですね。

おかげさまで、お点前は忘れてはいませんでしたので、ご安心ください。
これを思い出せなくなったら、身を引く時ですね。
そんなことの無いように、教え続けることにします。

久しぶりに会う皆さんのお顔に、ああここがわたしの居場所と。


連休が明けて

2019年05月07日 | お茶三昧

10連休が明けました。
明日から稽古再開です。

令和初めての稽古であり、風炉の初めての稽古であり、
退院後初めての稽古でもあります。


退院直後はこの日の稽古再開が、果たして迎えられるのかと、
正直一抹の不安もありました。
体調の悪さと、落ちた体力。
しかし日に日にそれを上回る期待が身の内から湧き上がるのを感じています。
しっかりと歩けるようになるまでには、まだ少し時間がかかりそうですが、
日を追うごとに良くなっているのを感じますし、体調もすっかり復活しました。

数日かけて少しずつ炉から風炉への準備も終えました。

稽古では十分にできないところもまだたくさんありますが、
皆さんに助けていただいて、今の私のできるお茶をスタートします。

明日は40日ぶりに、着物の袖に手を通します。
気持ちがシャキッと引き締まるでしょうね。
稽古は何よりのリハビリになるでしょう。

「令和」の幕開けに後押しされての出発です。


お見舞いありがとうございました

2019年05月03日 | 日記

初めての入院生活で、お見舞いに来ていただくということを経験しました。

本を何冊か頂きました。
その中の一冊が、昨年亡くなった樹木希林さんの、
インタビューなどでの折に触れての言葉をまとめた本でした。
何もすることのない時間がたっぷりありましたから、一日で読み終えましたよ。
病と闘っている者には、力をくれるところもあり、
これからの生き方を少し考え直してみようかしらと思うところもありで、
全体にプラス思考に読む人をいざなう本ですね。
贈ってくださった方の、ベストチョイスです。

お見舞いというと、どのように気持ちを表しましょうかと、
いろいろ悩むものでしょうが、最近は生花というのは遠慮するほうが良いようですね。
私は、いらしてくださることだけで十分と、心から思いました。

枕の脇において安眠を誘うようにと、ほのかな香りのこんな優しいものも。
看護師さんもふっと気が付いて、あらいい香りがしますねと。
他にはアイマスク、病室で羽織るケープなど。
食欲のない時のおやつに食べることができた、
チョコレート、ナッツ、おせんべい、ゼリーはとてもありがたかったです。

そうそう、病室で茶箱でお茶を点ててくださった方も。
これはたまたま個室だったからですが。

ご参考までに。

他にも、励ましの言葉なども、たくさんのお心遣いを頂きました。
本当にありがとうございました。

 




二度目の年明け「令和」

2019年05月01日 | 日記

スーパーで見つけたコラボ商品。
今年は正月が二度ある気分の昨日でした。

思えば元号が「令和」と発表された日に、膝の手術のために入院したのでしたっけ。
その一文字「和」は、使い慣れた私の茶名の一字でした。
秘かに「やった!」と思ってしまいましたが。

私がお茶名をお家元より拝受しましたのが、三十代の前半。
もちろん昭和の時代です。
その時は、昭和の「和」が使われているとは思いませんでしたけれど。

それはお茶名は、名前の一文字をとって頂くことが通常ですが、
私の場合は、それとは別の「和」の字を頂いたからです。
自分で想像していたものとは違ったことに、驚きつつも、
「ああよいお名前を頂けた」と嬉しかったのを覚えています。
それと同時に、それまでは自分に関係のなかった全く新しい名前に、
これからこの茶名で新しいもう一つの人生が始まるのだという感動が、
未来の茶道人生に大きな夢を抱かせてくれたように思います。

新元号に寄せる思いは様々でしょうが、
西暦では思い描けない歴史のページが、又一人一人に開かれたのだと、
今年二度目の年明けを味わっています。

さあ私も膝を直して新規一転です。