やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

文楽を久しぶりに見て

2014-09-16 | art
昨日のブログで、文楽「双蝶々曲輪日記」を見たことを書いたけど、
文楽自体に気づいたことを。文楽好きな方には自明のことばかりな
ので飛ばしてくだされ。

1、人形の手

首はもとより手から胴、足にいたるまで、手作りの人形が3人の人形
遣いによって動く。



ところが最後の場面で、人形の手が人間のそれに入れ替わったのが面
白かった。主人公・濡髪長五郎が追手から逃れるために、母に前髪を
剃り落としてもらうシーン。



3回くらいにわけて、剃り落とし、取除く髪を長五郎の手が持つ。そ
の時だけ、人間の手。大きいし、動きが変にリアルだからすぐわかるw
人形遣いが補助として手伝っても違和感ないのに、袖から人間の手に
すり替わった、しかもここだけ。

2,回転する床=「文楽廻し」

大夫と三味線弾きが演奏する舞台のことは「床」というそうなんだけど、
これがクルッと回ることに今回、改めて気づく。「NHKにほんごであそ
ぼう」でやってるのはこの仕組を持ち込んだんだと。いやいや忘れてい
るというか恥ずかしやw



この回転する床は「文楽廻し」といって、演目が始まると文楽廻しがく
るっと回って大夫と三味線弾きが登場。 語り終えると、また文楽廻しが
回って、裏に控えていた次の大夫と三味線弾きに交代する。

「段」とよぶ演目の途中でも文楽廻しはまわり、そのたびに口上が述べ
られるのも楽しい。「とーざいー、とーざいー・・」この口上の係は人
形遣い。黒いかぶり物をしたまま語りはる。

3、充実したカタログ

粗筋や、鑑賞ガイドもあって、初心者のボクにもわかりやすい。人間国
宝の9代目竹本源太夫さんの引退の挨拶もある。驚いたことに、「床本集
」といって薄目の文庫本みたいな本が挟み込まれてるでないの。

「双蝶々曲輪日記」だけでなく、夕方から始まる演目も入った台本。昔の
映画のカタログって、台本が印刷されていた。文楽にあるのにちょっと感
動。これで600円。さすが国がやってるだけある。

4、ランチが20分しかない

11時に始まり、15時30分までの長丁場なんだけど、なんと休憩が20分し
かないのが、歌舞伎とは違う点かも。ゆったり食事をする間がなかった。
お客は慣れたもので弁当ひろげて休憩席やロビーで食べる人が大半。

売店で助六かサンドイッチを買おうかと思ったけど、3階に喫茶室があって、
その名も「十八番」。ガラ空きの中でカレーをかきこんだ。時間をかけて煮
込んであってそこそこ美味。