やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

高校の橋本先生番組ご出演

2009-10-13 | その他
中学高校時代の時の国語の担任だった
橋本先生が昨夜のNHK総合「ザ・コーチ」に
出演された。

同窓生からのメール回覧で知ったので
見ることができたのも時代かも。

横道にそれてもいいんだ
~伝説の国語教師 橋本武~
というタイトルで97歳とは
ほんと思えないお元気な様子を
拝見できて、懐かしくも
学ぶことが多かった。



橋本先生は中学の3年間(2年間だったかもしれない)
をかけて、中勘助の『銀の匙』を徹底的に
読みこなすという、記憶に残る授業をされた。

『銀の匙』は幼少年時代の自伝的小説
なんだけど、時代背景が明治時代。
漢籍の素養もくそもない僕たちに、
不明なことにでくわしでも、
それを調べたり実際に体験することで
知るという方法論と楽しみを教えてくれた。



補助教材の『銀の匙研究ノート』は先生が
長年かけて作りあげたもので、宝物だ。
番組の後、久しぶりにしげしげと眺めた。

書き込むところも結構あって
まじめに書いているところもあるし、
空白もところどころに。
ちゃんと取り組んでおけばよかったと
後になって思うトコロだね。

七草という言葉のときは、家で七草粥を
作ってみたし、百人一首がでてきてからは
毎年カルタ大会をクラスでしたもんだ。

今でもいくつかの短歌や七草は諳んじられるし
十干十二支や節句だってみんなみんな
先生に教わったことだ。

その『銀の匙研究ノート』を現役の先生方への
参考用にと改訂版を執筆されていると
番組で紹介されて驚かされた。



数年前の同窓生での先生のスピーチも
忘れられないものだった。参加した
僕たちより誰よりも力のこもったスピーチ
だったから。スピーチの仕方を教わったなぁ
とみんなで頷きあったものだ。

その後、『源氏物語』の完訳にも驚かされた。
80歳代になって、未完で終わることを
恐れていたのを、大病を期にとりかかられた。
そして10年がかりで仕上げられた。

その一部をわけていただいたのだけど、
ガリ版刷り時代の先生の筆跡でびっしり
埋め尽くされた訳文の気迫に圧倒された。



番組では97歳の誕生日パーティでの
先生のスピーチが映されていた。

「生まれ変わったら国語の教師になって、
もう一回『銀の匙』の授業をしてみたい」
とおっしゃられたのには涙がでた。脱帽。