2012年8月号
表紙は『僕らはみんな河合荘』より、律さんですが、水着姿!
かなーりステキな感じで、8月30日発売・コミックス3巻の広告も同じデザイン・・・
なのですが、微妙な違いがあったりして面白いですね。 何でなのだろう?
『リュウマのガゴウ』は、ついに対峙する“リュウマ”とジン。 いきなりの大決戦に突入!
一方、「本物」のリュウマは謎の男との戦い。 どこかで見た戦い方と思ったら、あの人か!
“物欲し竿の7番”、“妖糸の2番”。 なるほど、その数だけリュウマはいるわけか・・・
『スピリットサークル』は、フータが視る過去の縁、その因果の一端。 精霊が視える少年。
フォンとレイの物語は、不条理とやるせなさを感じさせますが、この「配役」には驚きました。
てっきりレイが“彼女”かと思っていたのですがね・・・ どんな因縁があるのか気になります。
『それでも町は廻っている』は、なんと10年後のお話!? そして、物語は完結へ向かう・・・?
それぞれの未来は、ある程度予想通りで、まあ現実なんてそんな風に進むよね的な展開。
そんな「10年後」が楽しかったけど、最後の先生はそっくりでしたね(;´∀`) 伏線だったか。
『ワールドエンブリオ』は、ロストリバウンドの蔓延により大混乱となった世界。
いったん収まりはしたものの、後始末に対策会議と大わらわ。 深刻な事態になりましたが、
姫川さんの艶やかさに全部吹き飛んだよ!(ぇ。 最後のレナさんの言葉にも、驚きました。
『並木橋通りアオバ自転車店』は、アオバさんの同級生で、歌手をしているヒバリさんの話。
デュエットのパートナーとなった往年の大歌手・尾形キヨヒロ氏に、ダメ出しする小学生(^^;
2人はデュエットできるのか?という内容でしたが、尾崎紀世彦氏への哀悼話なのかな?
『アリョーシャ!』は、四葉高校の文化祭へ向けて、準備に入るアリョーシャたち。
食べ物関連の出し物したがるアリョーシャ可愛い・・・けど、FBIでも様々な動きがあったり、
何より“オリジナル”が動き出しているのが脅威。 さて、文化祭の平和は守られるのか!?(ぇ
『かみわたし 神様の箸渡し』は、ついに再会したタケルとテルヒメ。 涙の・・・とはいかず、
ちょっとだけ口論っぽくなりましたが、なんだかイチャつきムードになって、やってらんね(ォィ
神様の気まぐれが、神様を降臨させる。 結界の意味を考えると、これは吉凶いずれかな?
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
【新連載!】
●〇ア部!葉桜中アニマル部 (吉川景都 先生)
やたらと動物に好かれる少年の、アニマル・ライフ物語?
七緒純平くんは、女のコにモテたいけれど、なぜか動物ばかりが寄ってくる「体質」で、
そんな彼の特性に注目している真潮先パイに、助っ人を頼まれる日々。
その助っ人というのが、アニマル部への助っ人。
葉桜中の敷地内にいる動物たちの世話をするというその部活動で、
純平くんの“動物好かれ”が、とても役に立つということですが・・・ というお話。
広大な敷地をかけ回るノビノビ具合。
可愛かったり、たくましかったりする動物たちの存在感。
そして何より、純平くんや真潮先パイ、そして純平くんの友人・信夫くんなど、
おもしろい人々が織り成す学生生活が楽しくて、期待感が高まります。
ショートストーリーということで、1話が短いですけども、今後が楽しみです!
【コミックス3巻、発売中!】
●超人ロック 風の抱擁 (聖悠紀 先生)
囚われの身となってしまった超人を、はたして救うことはできるのか・・・?
着々と進む「保管施設」の建設計画。
ジャック・メレー大佐の辣腕ぶりが感じられる進捗具合に、不安ばかりが高まります。
そんな中、ヨシノ元長官も動き始めることになりますが・・・
という展開なのですけども、まことに申し訳ないことに、
ワタクシ、超人ロック・シリーズをきちんと読んだことがないのでありまして、
ヨシノ元長官などとの関係が今一つ把握できておりません(・.・;)
とはいえ、囚われたロックを救うべく、監視の目をごまかしながら準備を進めているようで、
そのあたりの緊張感と盛り上がりを感じられるのが、面白いです。
かなり手ごわそうなメレー大佐を相手に、はたしてロック救出計画は上手くいくのかどうか。
というか、ロック自身がどう判断するかもわかりませんよね、あの状況は・・・
などなど、気になることが多いまま、今後も楽しみです!
また、来たる7月14日、聖悠紀先生のデビュー40周年記念イベントが開催されるようです。
【いったん完結!】
●裸者と裸者 孤児部隊の世界永久戦争
(原作:打海文三 先生 漫画:七竃アンノ 先生)
カイトにとって、大きな目的の1つである母親の行方さがし。
その件に決着がついての、ひとまずの完結となりました。
2人の少女が荒事覚悟で情報収集。 ンガルンガニのメンバーでしょうね。
最初、「裸者と裸者」じゃないかと思ってしまったですよ(;´∀`)
そして、手がかりをもつ人物・横尾信二の居場所が突き止められましたが・・・
という展開に、緊迫感が高まります。
「君の戦争の決着を しかと見届けよう」
イリイチ中佐のこの言葉が、カイトにとって大きな区切りが来たことを示していますね。
横尾の涙も、その結末も、そしてカイトの言葉も、
すべて戦争という事象がもたらした、何がしかの悲しみに包まれています。
たしかに1つの終わりはやって来た。 しかし、それは1つの始まりでもある。
ただ、それだけのこと・・・
しかし、そんな戦争の中、とにかく突っ走って生きている人間もいる!
次号はお休みで、10月号より新シリーズ開幕ですが、
これは、あの双子が主役になるってことですね・・・? 楽しみです!
【最終回!】
●ウォースパイト マルスの目 (竿尾悟 先生)
コミックス1巻、発売中! ・・・ですが、最終回!?
人の欲望が、「戦争」という形をとって視えてしまう少年・東郷有希。
彼と同質の力を持つ集団によって、仲間に誘われていましたが、さてその顛末やいかに・・・
彼らの目的は「世界平和」。
その平和の内容を問うた有希くんに、組織のボスが見せたのは絶望の上に築かれる平和。
若者にとっては、そんな平和を受け容れられるはずもなく、交渉は決裂し、決戦へ・・・
という展開で、有希くんの反応はもっともではあるのですが、
残念なことに、組織のボスの言っていることは、意外と「現実的」なんですよね。
それが人間の業であり、歴史だったりもするわけです。
ただ、それが正しいかというと、そうとは言えないわけで、なかなか難しいものでもあります。
なので、有希くんが反抗したことは当然であると同時に、
組織のボスが“悪役”していながらも、決して貶められていないのは
面白い描き方だったな、と感じました。 一般的には大悪党ですものねえ(^^;
まあ、それだけ「現実の壁」が大きいものだという皮肉的表現だったのかもしれませんが・・・
最後の決戦は、ウォースパイトが活躍した「マタパン岬沖海戦」。
本海戦での勝利は、イギリス海軍、すなわちウォースパイト側にあるのですが、
それはあくまで歴史の上でのこと。 ここでの戦いの行方は、はたしてどうなるのか・・・?
ということで、本来いなかったはずの潜水艦がいたりと、かなり盛り上がった大決戦。
艦砲の撃ち合いとか、ホント燃えましたわ~。
そして、「ウォースパイト」の意味に、なるほど納得。
このあたりが大きなテーマでもあり、
だからこそ、アンチテーゼともいえる組織のボスの思想があったわけなのですね。
最後の大ピンチ、そして有希くんに訪れた大きな変化。
一筋縄ではいかない展開に、本作品の凄味をみた気がします。
結局、戦争は去りました・・・ が、大きな傷跡が残ったのは意味ありげ。
組織のボスは、有希くんを「戦争から遠ざけた」ような気もします。
もちろん、それは自分たち以外の者に彼の力を使われないように・・・
ということもあるのだとは思うのですが、も少し深い意味もあったのかな~と、
イアンとのやりとりなどを見ていると感じてしまいました。
また、最後に出てきた絵描きの青年。 ここには一瞬「?」となったのですが、
もしかすると、作者・竿尾先生の気持ちが込められている場面だったのではないかな?
なんてことも思ったりしました。 私は次回作、期待しております。
コミックス2巻は9月予定とのこと。
私は1巻買いましたし、もちろん2巻も買うつもりです。
本作品は、様々な「戦場」を見せてくれるという点で、私にとってはかなり貴重な物語でした。
歴史の大まかな流れは知っていても、個々の戦場については知らないことも多いので・・・
なので、欲を言えばもっと読んでみたかった作品ということで、終了は残念!
でも、楽しませていただきましたー!!
【毎月ピックアップ!】
●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)
いきなりジョゼフィーヌさんの「いい知らせ・悪い知らせ」から始まりましたが・・・
内容は、ナポレオンの妹・ポリーヌの男関係。 ああ、前回出てきてたアレですね・・・
って、ハニートラップじゃなくてプライベートだったのか!
そこでジョゼフィーヌが耳打ちしたのは、ポリーヌを外国へ追いやること。
これがナポレオンの思惑とも重なる部分があり、そうした方向へ話が進みますが・・・
女の恨みは恐ろしい、ということを思い知らせてくれるジョゼフィーヌの心中がすさまじい。
ナポレオンに対するときの笑顔と、本音の表情の落差が、それを物語っています。
そして、今回面白かったのは、パン屋さん。
なんだかタダ者じゃなそうなパン職人と、笑顔の店長さん。
“あの店長”がマジメに働いて、しかも順風満帆なのを見ていると、なんだか嬉しくなります。
しかも店長なのに、職人の方が偉そうというのも面白かった!
それもそのはず、この職人、あの人だったんですねえ・・・
「獅子の時代」で一応登場はしていましたよね。
しかも、因縁のあるマッセナさんとは不仲なようで、このあたりのやりとりも楽しかった。
カッコよかったし、何よりあのマッセナさんと渡り合っているのがスゴい!
史実だと、あんまり良いイメージないんですけどね(ォィ
一方、海外へ送られたポリーヌと、その夫・ルクレール。
ジョゼフィーヌのポリーヌに対する思惑とは別に、
ナポレオンにとってはルクレールに出世への糸口を与えたかったハイチへの出征。
しかし、これが大きな誤算であったことは、以前の大陸軍戦報で語られていましたね。
はじめ、パリから離れることを嫌がっていた恋多き女ポリーヌ。
しかし、ハイチでの惨状の中、ルクレールとの間に交わされるロマンスが、
心に響くほどの素晴らしさでありました・・・ これは本当に・・・
このロマンスが、一転して悲劇の場面に切り替わる瞬間が、もうね・・・ たまらんかった。
泥沼と腐敗と混沌の真実が、サン=ドマング(ハイチ)の惨劇を見せつける見事な描き方。
この場面だけで、どれだけの苦境なのか、悲惨な状況なのか、しっかりと伝わってきます。
私などは読みながら震えましたよ・・・ スゴイ、ただただ、スゴイ。
そんな感覚を覚えつつ、今後も楽しみです!
●ドリフターズ (平野耕太 先生)
進撃つづく、豊久軍団!
前回の一計により、敵主力に大打撃を与えることに成功。
そのまま一気に決着かと思いきや、敵は城門を閉め、籠城の構えを見せることに。
さすがに城攻めは厄介だと、ぼやく信長さんでしたが・・・
そこへ、今まで呆けていたハンニバルじいさんが、何やらジェスチャー。
「おい小僧」なんて、信長さんに呼びかけているのが面白かった!
年季の違いを感じさせつつ、さらに稀代の戦術家らしい凄味を見せつけてくれました。
というか、ハンニバルじいさん、普段呆けているのは演技なのか・・・?
それとも、戦場に立ったがゆえに、本来の感覚が戻ってきたという事でしょうか。
ここでの彼のしぐさが、めっさカッコよかった!
そして、その意味を瞬時に理解する信長さんもさすが。
すぐさま、「作戦」を伝達する信長さん。
ハンニバル考案の「作戦」は、効果抜群。
一気に城攻めを敢行できるもので、たいへん盛り上がったわけですが、
ここで興味深かったのは、伝達に使用した道具に対する信長さんの思考。
研究者と、為政者もしくは軍人。
たしかに、この道具の使用法は、扱う者にとって大きな違いを生み出すでしょうね。
そして、それこそが、“漂流者”の存在の意義でもあると・・・
なるほど、なぜ“漂流者”と呼ばれているのか、この話でわかったような気がします。
と同時に、信長さんが疑問として挙げていた“廃棄物”の意義。
これもかなり気になる所ですね。 恨みつらみの権化ともいえる彼らのもたらすものは・・・?
さあ、そんなこんなで、ますますヒートアップする戦い。
これからどうなりますか・・・ この後も楽しみです!