2012年6月号
表紙は、『リコーダーとランドセル』などなど・・・
今週くらいから忙しくなりそうなので、再び縮小モードに入るかもしれません。
今月の「ひとりでできるもんで賞」は、『ちぃちゃんのおしながき・繁盛記』より、ちぃちゃん!
いつでも、ひとりで店を切り盛りしている状態ではありますが、今回はちょっと特別。
商店街のアイドルとして活躍(?)するお話でした。 これがノリノリで楽しいのなんの。
その見事な“アイドル”っぷりが、なかなかよさげでした。 オチもおもろかった(^◇^;)
【ゲスト作品!】
●ボク恋 コンダクター (坂巻あきむ 先生)
ボクっ娘(姉)とIQ少女(妹)にふりまわされる少年の、女子力UP指導4コマ!?
女性が苦手な高校生・中村コウタくん。
幼なじみの歌恋さんに女子力向上をたのまれて・・・ と始まる物語。
一人称が「ボク」な歌恋さん。
外見は可愛らしいけれど、鉄アレイをふりまわしたりと、なかなかの豪傑(^^;
また、その妹・愛さんは幼稚園児ながらも頭がよろしい少女で、
高校生のコウタくんを思い通りに誘導したりする、なかなかの知恵者。
あまり乗り気でなかったコウタくんも、そんな2人に太刀打ちできぬまま、
何となくなし崩しに「指導」することに・・・?
といった感じのお話でしたが、可愛らしい絵柄で読みやすく、
姉妹の個性が両極端でありながら、仲良しっぽいのも好感触。(おもに妹のサポート)
彼女たちにふりまわされるコウタくんは大変そうですが、もっとつづきを読んでみたい。
他社4コマ誌でおなじみ、坂巻先生の作品でもありますし、つづき期待です!
●里中さん家のブサ夫くん (町田すみ 先生)
自意識過剰な青年と、ちょっと変わった美少女の、運命の出会い・・・?
自ら「ブサイク」を自覚していると述べる里中聡夫くん。
そんな彼につきまとう女子高生・楠ノ木揺さん。 そんな2人の物語。
ちょっとした親切をきっかけに、揺さんにつきまとわれることになった聡夫くんでしたが、
この2人のキャラクターが普通でないところが面白味となっていた印象。
まず、聡夫くんはブサイク(言うほどブサイクでもないと思うけど)を自覚している青年。
彼の自意識過剰な考え方が、拒絶の態度となり、揺さんとのやりとりを面白くしています。
また、揺さんの方は表情があまり変わらないけど、聡夫くんから「美人」と言われて
感激しているらしく、聡夫くんから拒絶されても押せ押せな感じにつきまとうのが面白い(^^;
といった感じのお話でしたが、聡夫くんの自意識過剰さは、
ある程度コンプレックスを感じたことのある人間であれば、
共感もしくは反感めいたものを覚えてしまう性質のものかもしれませんね。
そのあたり、多くの読者の反応が難しいかもしれませんが、そここそが面白味。
『ショーコちゃんは心配症』や『腐女子彷徨』の町田先生作品でもありますし、
前2作に期待していた私としては、つづきを楽しみにしております!
【最終回!!】
●ほんわかぱっぱ♪ (古川紀子 先生)
大衆食堂わかばのばーちゃんと孫娘のドタバタ面白4コマも、ついに最終回!
魚を焦がしたばーちゃんと追いかけっこするわかばさん。
そんないつも通りの風景から始まりましたが、スケールの大きな魚を焦がしてますな(^^;
タマキの大将や常連の青年くんなどもきちんと登場して、
面白4コマネタで笑わせてくれるのも、いつもと変わらず楽しい空間。
最後だけ、「未来」を感じさせるような気持ちの良いシメではありましたが、
大方はいつも通り・・・ でも、それがよかったですね。
つまり、これからも「わかば」は、いつも通りの日常でつづいてゆくんだよと、
そんな風に思わせてくれる安心感があるわけですから・・・
今のご時世、それだけでも素晴らしい事なんじゃないでしょうか。
本作品は、大衆食堂を舞台に、ズボラなばーちゃんとクールな孫娘のかけあいが
楽しく描かれてきたわけですが、なぜ祖母・孫娘の2人で店をしているのかなど、
ちょっとしたワケありだったりと、やや重めの背景を背負っている設定もありました。
さらに時折、ややさびしさを感じさせるようなシーンも出てきたりと、
かなり雰囲気が良い作品でもありましたね。 何より、「4コマ漫画」として面白かったです!
一度、作者先生のご都合でお休みだった時期もありましたが、
復帰されてからも「いつも通り」の日常が描かれて、その魅力は健在でした。
私としては好き作品。 完結は残念ですが、楽しませていただきましたー!!!
古川先生の次回作も、期待です!
●ランスカ! (中島沙帆子 先生)
アラフォー女性のダイエット目的なランニングが、いつの間にやら大事な趣味に・・・
はじめは、ランニングというよりもウォーキングだった若菜さんの走りも、
ついにフルマラソンを完走するほどにまで・・・ 何とも感慨深いものでありますな。
そんな最終回、今までよきランニング友達であった松風くんが海外勤務へ!
別れを惜しむのは関谷さんだけで、若菜さんは「へー」なんて普通の反応(´▽`;)
ここぞとばかりにアタックしかける関谷さんでしたが、「海外」の内容が物騒すぎてひるむ。
まあしかし、何だかんだで松風くん不在でも、走りを楽しむ2人が面白。
しかも、走る仲間が少しずつ増えていっているのが、さらなる楽しさ!
このあたりはじっくり楽しみたかったかもしれませんね~。
「走る楽しさ」を感じさせてくれる見事なラストでありました。
それにしても、若菜さんと松風くんの関係って何事もないままでしたね~。
キャラクターとしては前作『シュレディンガーの妻は元気か』の2人に
似通ったところがあるので、このまま人生も2人でゴールインする方向へ行くかと
思っていたのですが・・・ 終始「走る」(もしくは食べる?)を中心に置いた作品となりました。
そんなところが私は面白く感じられましたし、
何より、しだいに「走ってみようかな」と思わせるような展開になってゆくのが
心地よい高揚をもたらしてくれました。
などなど、楽しませていただきました! 中島先生の次回作にも期待です!!