五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 『みそララ』5巻 感想 : 仕事上のステップアップと自分の「柱」

2011年11月13日 | ◆4コマ漫画 感想

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 作者は、宮原るり先生。 (サイト:ヘッポコロジー  特典情報はこちら

 4巻感想

 

 小さなデザイン会社ではたらくライター・麦田美苑(通称:麦みそ)。

 ライターとしては新米からスタートした彼女の奮闘ぶりを面白おかしく、

 そして誠実にしっかりと描いた4コマ作品。 その第5巻!

 

 今回は、麦みそさんのインタビュー初体験を軸に、

 彼女のライターとしてのステップアップが重点的に描かれています。

 いつものように快活に楽しく、時にはうまくいかずツラいこともあったりするけれど、

 それでもよき先輩・仲間たちに囲まれて、着実に日々前進し続ける麦みそさんの姿に、

 心躍ること間違いなし。 笑いながら「喜び」を感じることができる・・・

 そんな面白さにあふれたお仕事物語になっています。

 

 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

【インタビューを軸に描かれるステップアップ】

・初めての仕事・インタビュー 緊張と挑戦

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 誰だって初めてのことには緊張するもの。 それが仕事であればなおさらなわけで・・・

 ライターとして順調に“成長”してきた麦みそさんでも、初インタビューにはガチガチ。

 ということで、上滑りする彼女の姿が描かれますが、その苦境をどのように打破するのか?

 そうした点に集中しつつ、堅く冷たい緊張感が、やわらかくあたたかく解けてゆく様子を、

 朗らかに楽しめる見事な内容となっていました。

 

 このエピソードで描かれたのは、麦田美苑のライターとしてのステップアップ。

 あとがきでも宮原先生が「ライターのステップアップには欠かせない」と書かれており、

 このインタビューというものが、麦みそさんにとって重要なものであったことが察せられます。

 先輩・大島さんとの食い違いを感じながらも、そこに自分なりのやり方を見つけ出してゆく

 という過程が、この巻でのキモとなる麦みそさん自身の「柱」へとつながるわけですね。

 

 そして、この“成長”が、大きな落とし穴とセットのように扱われている描き方も見事でした。

 終盤に描かれるステップアップしたからこそ陥りがちな失敗。

 でも、失敗があるからこそ成長もあるわけで、そのための挑戦は必要なモノなのだと、

 緊張や不安を伴いつつも、楽しみながら感じさせてくれる見事なつくりになっていますね。

 

 

・具体的なアドバイスの素晴らしさ

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 そして私が、お仕事モノ作品として何より感服させられる事柄がコレです。

 インタビューがウマく進行できない麦みそさんに、先輩・大島さんが的確なアドバイス。

 このほかにも大島さんは、事前のシミュレーションや「いい道具をそろえる」ことなど、

 麦みそさんへのサポートを欠かさないよき先輩っぷりを見せてくれるのですが、

 これがどれも具体的でよいんですよね~。

 

 抽象的な励ましや後押しなども力強く感じられることはありますけども、

 いっぱいいっぱいの時に必要なのは、具体性のあるアドアイス。

 本作品で描かれるこれらの事柄には基本的なことはもちろん、

 役立ちそう方法論がいろいろとあって、とても参考になることが多いです。

 

 また、宮原るりコレクションでは、各回の宮原先生コメントが収録されているのですが、

 「3秒ルール」は宮原先生ご自身が実際に教えてもらったアドバイスとのことで、

 そんな実経験から引き出されたからこその、説得力ある内容だったことが察せられます。

 

 さらに、原稿作成のエピソードにおける大島さんの文章講座や、

 チーフによる構成についての話などは、マンガという舞台を活かした「絵」による解説付で、

 わかりやすく読みやすいようにする工夫がほどこされている印象を受けました。

 こうしたアドバイスの具体性を補強するような描き方にも感服でありました。

 

 

・自分が働く上での「柱」を持つ

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 この巻での、麦みそさんにとっての大きな前進は、自分の「柱」を得たこと。

 インタビューというステップアップを経て手に入れたそれは、

 彼女の仕事への姿勢を支えることになるであろう大切なもの。

 

 宮原るりコレクションのコメントでも、「柱」=「譲りたくないこと」であることが語られています。

 そして、これを得たことが「一区切り」であるとも・・・

 全文引用するのもどうかと思うのでしませんけども、ここに書かれたことは、

 本作品、そして麦田美苑にとって重要なことであると感じました。

 このあたりが今後どのように描かれてゆくのか、注目ですね。

 

 

・仕事と恋愛

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 そして、それ以外で注目なのは・・・恋愛関連!

 大島さんにカレシがいるとか、連載時にもショック受けましたけどね(ぇ

 しかもカレシくんらしき人物が、この巻にはちゃっかり登場しているじゃないですかー!

 まあ、大島さんもアラフォー間近(すでに?)でしたから、むしろめでたいんですけども・・・

 

 おそらく6巻収録となる12月号の話では、麦みそさんの弟くんが大島さんのカレシくん?

 なんて疑ってしまったんですけどね、どうなんでしょうね?

 弟くんは地理的に離れてますし、半同棲ということなので違うだろうと推察しますが、

 大島さんは遠距離恋愛ということなので、可能性は少ないけどゼロではないかも!?

 顔も麦みそさんに似ているような、そうでもないような・・・?

 

 まあ、それはおいおい明らかになるでしょうけど、

 それと同時に気になるのが、美苑さんとカジさんの関係でしょうね~。

 4巻あたりで関係が深まったんじゃないか?と噂されるお2人の今後の展開やいかに。

 この巻でも、カジさんの大島さんへのアプローチを気にしているような美苑さんや、

 逆にそのことを言い訳がましく弁解するカジさんが描かれたり、

 また仕事の上でも2人の関係がさらに深まったようなエピソードもあったりと、

 水面下では盛り上がりつつあるようなお二人さん。

 

 マジメな話をすると、本作品では恋愛は描かれないかなと考えていたのですが、

 仕事を通じた恋愛、オフィスラブというものも、1つのテーマとして大切なものである・・・

 と感じるようになりました。 そんな点にも注目です!

 

 

 あ、あと粟屋さん話での「写真」には気づきませんでしたよー!

 おまけマンガで明らかとなった真実に驚愕。

 これに気付かなかったなんて毎月読んでる意味が半減、猛省を促されました。(そこまで?)

 気づいていれば、コミックス派の読者さんに対して優越感にひたれたのに(ォィ

 

 

 

【まんがタイム 連載時感想】

 以前の記事がデザイン崩れて表示されてしまうことがありますね・・・

 ・2010年11月号  大島さんの恋バナ!?

 ・2010年12月号  ハリセンにこめられた棚橋家の兄妹愛?

 ・2011年 1月号  インタビュー記事・序章 シミュレーション!

 ・2011年 2月号  インタビュー記事・序章2 大島さんレクチャー!

 ・2011年 3月号  インタビュー記事・本番 大島さんによる手本と・・・

 ・2011年 4月号  インタビュー記事・本番2 遠い声、そして本領発揮!

 ・2011年 5月号  インタビュー記事・原稿作成 文章の削り方講座

 ・2011年 6月号  インタビュー記事・原稿作成2 文章の構成講座

 ・2011年 7月号  粟屋さん話 体育会系だって悩むんです!

 ・2011年 8月号  梨絵さん話 人間関係と東京行きと・・・

 ・2011年 9月号  繁忙期 大きな穴に落ちる麦みそさん

 ・2011年10月号  繁忙期2 叱責とフォロー、信頼と感謝

 ・2011年11月号  繁忙期3 ホント~に、お疲れ様でした!

 

 などなど、毎回楽しませていただいている本作品。

 新たな仲間も加入して、パワーアップ間違いなし。 もちろん今後も楽しみです!

 

 


【お気に入り】 『パンむすめ』

2011年11月13日 | ◆「お気に入り」  4コマ漫画

「お気に入り」4コマ漫画の単巻作品。

『ポヨポヨ観察日記』などで知られる樹るう先生による、楽しさあふれるパン屋さん物語です。

こちらの「今月の新刊」で試し読み可

 

 

『パンむすめ』 (樹るう 先生)

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 「絶品パン 焼き上がりました~!」 (オビ文より)

 扇川東口にリニューアルオープンした「こぐまベーカリー」は、

 若き店長と、その相棒が切り盛りするパン屋さん。

 そこで作られるパンの美味しさは、あっという間に評判になるほど!

 ほかほかな味覚と、そこから生まれる楽しい雰囲気が満載の4コマ作品です!

 

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 「こぐまベーカリー」の要は、この2人。

 熊飼ちはるさん(19)と、その相棒・夏緒さん(22)。

 祖父の店を受け継ぎ、店長をつとめるちはるさんは、店を盛り立てようと思案・奮闘。

 一方、夏緒さんはパンづくりを一任されています。

 

 そんな2人がつくりだす楽しさあふれるパン屋の世界!

 ちはるさんのテンションの高さに、夏緒さんのクールながらも内に秘めた情熱が加わって、

 樹先生作品に共通した「踊るような楽しさ」を感じられる作品になっています。

 さらに、ちはるさんが祖父からパン屋を継ぐにあたり、1年間で達成しなければいけない

 条件がついていたりして、それを見事に成し遂げることができるのか?

 など、いろいろ気にしながら楽しめたりもしますね~。

 

 

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 そして何より本作品の大きな魅力は・・・ パン!

 正確には、パンから感じられる「美味しさ」でしょうね。

 これは視覚的に「美味しそう」と感じられる点と、

 作中の人物が本当に美味しそうにそのパンを食している点から生じる、最高の美味感覚!

 

 「こぐまベーカリー」のパンは創意工夫に満ちた絶品ぞろいなのだから、

 登場人物のみならず、読者までもが「食べてみたい!」とよだれをたらしそうになるほど、

 食欲をそそられてしまうこと間違いなし。

 そんな風に味覚を刺激されることで、作品の楽しさも倍増している気がします。

 

 そして、さんまパンに驚いているメガネ少年・山本くん。

 店の常連である彼の存在もまた、本作品の面白味の1つとなっているのですが・・・

 そのあたりはぜひとも一読いただいて、パンの美味感覚ともども、ご堪能いただきたい。

 はたして、ちはるさんは祖父から提示された条件を、1年でクリアーできるのか?

 単巻完結ということもあり、ハイスピード&テンションな内容となっていますが、

 それもまた、作品の楽しさをUPさせる要素となっているかもしれません。

 

 連載時・最終回感想

 

 


【お気に入り】 『オフィスのざしきわらし』

2011年11月13日 | ◆「お気に入り」  4コマ漫画

「お気に入り」4コマ漫画の1巻作品。

不思議な力(?)を持ったグータラOLのぐうたらな日常を描く、“普通のOL4コマ”。

こちらで試し読み可

 

 

●オフィスのざしきわらし (小坂俊史 先生)

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 「笑顔のなれるサボり術満載!!」 (オビ文より)

 とある会社に中途採用された志咲笑子さんは、たいした特技も持たないOLさん。

 しかも彼女はサボり魔! なのですが、同時に“座敷わらし”としての役割がありまして・・・?

 そんな笑子(えみこ)=ワラシさんと仲間たちの、サボりまくりOLライフ。

 

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 中途採用の面接試験を受ける志咲笑子さん。

 パッとしない受け答えをしているのが笑子さんですが、なんとこれで採用!

 TOEICを890点とる人材よりも、「おはじきクラブ副部長」が求められています。

 

 それはなぜかと言いますと、じつは笑子さんには、“座敷わらし”としてのご利益があるとか?

 でも、このご利益。

 勤めていた会社を辞めると会社がつぶれてしまうという、なんともネガティブなもの。

 そんなところを社長に見込まれて採用されることになった笑子さん。

 本作品は、彼女の座敷わらしとしての活躍が描かれる4コマ作品なのです・・・嘘です。

 

 

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 じつは笑子さん、とんでもないサボり魔だったりします。

 なにかといえばサボることばかり考えていて、しかも怖気づくことなく

 それを実践してしまうのだから、上司としては苦労が尽きない!

 なおかつ本人には悪気がないという、もうどうしようもない状態なのです。

 

 しかし、そんな傍若無人が許されるのも、“座敷わらし”という役割ゆえ・・・

 なのですが、途中からはあまり“座敷わらし”は関係なく、

 いかにサボりを面白おかしく楽しむか? という点が主要なネタとなっています。

 よき相棒・立花さんや、元歌手の南さんなど、サボり仲間たちとの気ままな会社生活。

 部長は厳しいけれど、その叱責もどこ吹く風で、楽をするための努力は惜しまない・・・

 

 そんなOLさんたちの姿には、眉をひそめたくなる読者も多そうですが(私もそうでした)、

 そこはそれ、ほんのちょっぴりブラック含んだコメディとして楽しむのが吉なのでしょう。

 前向きにダメさを楽しんでしまう、とでもいうのでしょうか。

 本作品については連載時にいろいろ書きましたけど、サボりを楽しむことにも意義がある

 ・・・かもしれないと感じる部分もありますし、何より小坂先生による安定した4コマ・ネタが

 笑える面白さの作品となっていますね。 “サボり”を楽しみましょう!←え!?

 

 連載時・最終回感想