作者は、宮原るり先生。 (サイト:ヘッポコロジー) 特典情報はこちら
小さなデザイン会社ではたらくライター・麦田美苑(通称:麦みそ)。
ライターとしては新米からスタートした彼女の奮闘ぶりを面白おかしく、
そして誠実にしっかりと描いた4コマ作品。 その第5巻!
今回は、麦みそさんのインタビュー初体験を軸に、
彼女のライターとしてのステップアップが重点的に描かれています。
いつものように快活に楽しく、時にはうまくいかずツラいこともあったりするけれど、
それでもよき先輩・仲間たちに囲まれて、着実に日々前進し続ける麦みそさんの姿に、
心躍ること間違いなし。 笑いながら「喜び」を感じることができる・・・
そんな面白さにあふれたお仕事物語になっています。
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
【インタビューを軸に描かれるステップアップ】
・初めての仕事・インタビュー 緊張と挑戦
誰だって初めてのことには緊張するもの。 それが仕事であればなおさらなわけで・・・
ライターとして順調に“成長”してきた麦みそさんでも、初インタビューにはガチガチ。
ということで、上滑りする彼女の姿が描かれますが、その苦境をどのように打破するのか?
そうした点に集中しつつ、堅く冷たい緊張感が、やわらかくあたたかく解けてゆく様子を、
朗らかに楽しめる見事な内容となっていました。
このエピソードで描かれたのは、麦田美苑のライターとしてのステップアップ。
あとがきでも宮原先生が「ライターのステップアップには欠かせない」と書かれており、
このインタビューというものが、麦みそさんにとって重要なものであったことが察せられます。
先輩・大島さんとの食い違いを感じながらも、そこに自分なりのやり方を見つけ出してゆく
という過程が、この巻でのキモとなる麦みそさん自身の「柱」へとつながるわけですね。
そして、この“成長”が、大きな落とし穴とセットのように扱われている描き方も見事でした。
終盤に描かれるステップアップしたからこそ陥りがちな失敗。
でも、失敗があるからこそ成長もあるわけで、そのための挑戦は必要なモノなのだと、
緊張や不安を伴いつつも、楽しみながら感じさせてくれる見事なつくりになっていますね。
・具体的なアドバイスの素晴らしさ
そして私が、お仕事モノ作品として何より感服させられる事柄がコレです。
インタビューがウマく進行できない麦みそさんに、先輩・大島さんが的確なアドバイス。
このほかにも大島さんは、事前のシミュレーションや「いい道具をそろえる」ことなど、
麦みそさんへのサポートを欠かさないよき先輩っぷりを見せてくれるのですが、
これがどれも具体的でよいんですよね~。
抽象的な励ましや後押しなども力強く感じられることはありますけども、
いっぱいいっぱいの時に必要なのは、具体性のあるアドアイス。
本作品で描かれるこれらの事柄には基本的なことはもちろん、
役立ちそう方法論がいろいろとあって、とても参考になることが多いです。
また、宮原るりコレクションでは、各回の宮原先生コメントが収録されているのですが、
「3秒ルール」は宮原先生ご自身が実際に教えてもらったアドバイスとのことで、
そんな実経験から引き出されたからこその、説得力ある内容だったことが察せられます。
さらに、原稿作成のエピソードにおける大島さんの文章講座や、
チーフによる構成についての話などは、マンガという舞台を活かした「絵」による解説付で、
わかりやすく読みやすいようにする工夫がほどこされている印象を受けました。
こうしたアドバイスの具体性を補強するような描き方にも感服でありました。
・自分が働く上での「柱」を持つ
この巻での、麦みそさんにとっての大きな前進は、自分の「柱」を得たこと。
インタビューというステップアップを経て手に入れたそれは、
彼女の仕事への姿勢を支えることになるであろう大切なもの。
宮原るりコレクションのコメントでも、「柱」=「譲りたくないこと」であることが語られています。
そして、これを得たことが「一区切り」であるとも・・・
全文引用するのもどうかと思うのでしませんけども、ここに書かれたことは、
本作品、そして麦田美苑にとって重要なことであると感じました。
このあたりが今後どのように描かれてゆくのか、注目ですね。
・仕事と恋愛
そして、それ以外で注目なのは・・・恋愛関連!
大島さんにカレシがいるとか、連載時にもショック受けましたけどね(ぇ
しかもカレシくんらしき人物が、この巻にはちゃっかり登場しているじゃないですかー!
まあ、大島さんもアラフォー間近(すでに?)でしたから、むしろめでたいんですけども・・・
おそらく6巻収録となる12月号の話では、麦みそさんの弟くんが大島さんのカレシくん?
なんて疑ってしまったんですけどね、どうなんでしょうね?
弟くんは地理的に離れてますし、半同棲ということなので違うだろうと推察しますが、
大島さんは遠距離恋愛ということなので、可能性は少ないけどゼロではないかも!?
顔も麦みそさんに似ているような、そうでもないような・・・?
まあ、それはおいおい明らかになるでしょうけど、
それと同時に気になるのが、美苑さんとカジさんの関係でしょうね~。
4巻あたりで関係が深まったんじゃないか?と噂されるお2人の今後の展開やいかに。
この巻でも、カジさんの大島さんへのアプローチを気にしているような美苑さんや、
逆にそのことを言い訳がましく弁解するカジさんが描かれたり、
また仕事の上でも2人の関係がさらに深まったようなエピソードもあったりと、
水面下では盛り上がりつつあるようなお二人さん。
マジメな話をすると、本作品では恋愛は描かれないかなと考えていたのですが、
仕事を通じた恋愛、オフィスラブというものも、1つのテーマとして大切なものである・・・
と感じるようになりました。 そんな点にも注目です!
あ、あと粟屋さん話での「写真」には気づきませんでしたよー!
おまけマンガで明らかとなった真実に驚愕。
これに気付かなかったなんて毎月読んでる意味が半減、猛省を促されました。(そこまで?)
気づいていれば、コミックス派の読者さんに対して優越感にひたれたのに(ォィ
【まんがタイム 連載時感想】
以前の記事がデザイン崩れて表示されてしまうことがありますね・・・
・2011年 1月号 インタビュー記事・序章 シミュレーション!
・2011年 2月号 インタビュー記事・序章2 大島さんレクチャー!
・2011年 3月号 インタビュー記事・本番 大島さんによる手本と・・・
・2011年 4月号 インタビュー記事・本番2 遠い声、そして本領発揮!
・2011年 5月号 インタビュー記事・原稿作成 文章の削り方講座
・2011年 6月号 インタビュー記事・原稿作成2 文章の構成講座
・2011年 7月号 粟屋さん話 体育会系だって悩むんです!
・2011年 8月号 梨絵さん話 人間関係と東京行きと・・・
・2011年11月号 繁忙期3 ホント~に、お疲れ様でした!
などなど、毎回楽しませていただいている本作品。
新たな仲間も加入して、パワーアップ間違いなし。 もちろん今後も楽しみです!