指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『浮雲』

2005年09月19日 | 映画
途中から『浮雲』を見たが、すごいとしか言いようがない。互いに依存し合っているのに、会えば傷つけあうしかない森雅之と高峰秀子。世界の映画を見ても、これほどまで男女の関係をきびしく見つめた作品はない。日本の下層社会の男女関係のいい加減さ、いかがわしさ、非道徳性を明確に描いている。そこには元々、性道徳などなく、適当にくっ付いたり離れたりしているのだ。
サイト名にも使ったミケランジェロ・アントニオーニの『さすらい』も同様な作品だが、主に男の孤独さを描いた映画で、男女関係を見つめたものではない。
高峰の死後、森は手伝いのばあさんの千石規子とできるのだろう、と思ったのは私だけでしょうか。

二重ではなく荷重だった。

2005年09月19日 | 映画
9月15日の「柳橋の路地がセットだった」の中で、路地も「二重」でできていたため壊れたと書いたが、「荷重」の間違いだった。
荷重は、元は舞台で使用するもので、6尺・3尺の長方形の台で、これを敷き詰めて家の床等を作るのである。