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Mikuのブログ

道徳担う教師の自覚がいじめを止める

2012-07-29 12:32:10 | 教育・いじめ問題・児童虐待・少子対策

□幸福実現党党首


 −−昨年10月に起きた大津市でのいじめ自殺事件が大きな問題となっています
 

 具体的な話を聞くにつけ心が痛みます。問題点はさまざまに指摘されていますが、現政権の中枢のコメントを聞いていると、やっぱり民主党では無理だな、という感じがします。輿石東幹事長は「学校が悪い、先生が悪い、教育委員会が悪い、親が悪い、と言っている場合じゃない」と発言し、責任追及に反対しています。日教組のドンであるだけに、いかに教員を悪い意味で“守るか”に腐心しているとしか思えません。責任追及なくして再発防止はありえないのです。
 野田佳彦首相もテレビに出演した際、「いじめで一番大事なのは、周りの生徒が見て見ぬふりをせず報告することだ」という趣旨のことを述べています。しかし大津の場合、生徒たちは「これはいじめじゃないですか」と教師にちゃんと報告しています。そうであるのに、十分な対応をせず、「あれはいじめでなくてけんかなんだ」という扱いにしているうちに、自殺に至ったわけです。
 いじめ対処の責任の所在ははっきりしています。教師です。教師、学校が責任をもって対処しない限り、いじめ問題は解決しません。
 

 −−警察も強制捜査に乗り出しました
 

 今回のケースは、典型的な暴力型のいじめであったようです。暴力型の場合、学校だけで止めさせるのは難しいこともあります。中学生ともなると体力的に大人並みの生徒が珍しくありません。そういう生徒が傷害、強要、脅迫などの暴力行為を重ねたとき、これを制止するためには積極的に警察に協力を求めざるをえないでしょう。
 日本の学校は、ある種の治外法権であり、学校運営や安全管理は教師たちの自治に任せられてきました。しかし、それでは今回のような悪質なケースには対応できません。明らかな暴力沙汰があった場合は直ちに警察に通報するとともに、暴力行為は犯罪なのだ、ということを明確にして、必要なら逮捕も辞さない方針を打ち出すべきです。
 以上がさし当たりの対応策ですが、やるべきことはまだあります。今回の一連の流れを見ていると、学校や教育委員会の隠蔽体質が改めて浮かび上がりました。こうした体質を改善するために新たな立法措置も必要であり、国レベルで「いじめ防止法(禁止法)」を制定すべきだと考えます。学校や教育委員会、PTAなどの関係者にいじめを隠蔽せず真正面から取り組むことを義務化し、違反すれば懲戒処分とします。また、暴力行為があった生徒は躊躇(ちゅうちょ)なく警察に委ねる強い措置を制度化すべきです。

 −−学校のカリキュラムや教員の質も問題にされています


 根本的には、教師の指導力が不足しているのが問題です。報道によると、大津の中学校の教師は、止めに入っても「やりすぎるなよ」としか注意せず、へらへら笑って怒らなかったと、生徒が証言しています。こうした態度は明らかにいじめを助長したといえます。教師の重要な役割の一つは、生徒に正義を教えることです。より大きくいえば、学校は知識教育にとどまらず、道徳教育の主体なんだ、ということをもっと明確にしないといけません。
 今までの戦後教育では、道徳教育が完全になおざりにされてきました。これは戦前、戦中の反動です。修身科があって、その中で皇国、皇民教育をやったけれど、結果として戦争に負けてしまいました。教育勅語は廃止され、修身科もなくなりました。戦後、占領期を終え、しばらくたって道徳教育が復活したのですが、日教組は「思想を強制するもの」として反対運動を展開し、形骸化してしまったのです。かくして教師が正義や善悪を十分教えることがないままに、いじめ問題が深刻化、低年齢化、多様化し、象徴的な事件が何年かおきに発生しているのです。
 必要なのは、教師はみな道徳教育の担い手であり、教師自らも道徳を実践しなければならないという意識を徹底させることです。大津の事件では、教師がいじめに対して「義を見てせざるは勇無きなり」という『論語』の教えを実践していれば、若い命が犠牲になることはなかったのです。教育とは何かを再定義し、今こそ道徳教育を強化すべきです。
                  

                                ◇


【プロフィル】ついき秀学
 ついき・しゅうがく 1971年、大阪府生まれ。東京大学法学部第3類(政治コース)を卒業後、宗教法人幸福の科学に入局。財務局長、専務理事などを歴任。2009年、幸福実現党に入党。10年7月、幸福実現党党首に就任。妻と3男の5人家族。趣味は読書と散歩。


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