Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

RRTのタイミングについてのレビュー

2019年06月20日 | 腎臓
Gaudry S, Quenot JP, Hertig A, et al.
Timing of Renal Replacement Therapy for Severe Acute Kidney Injury in Critically Ill Patients.
Am J Respir Crit Care Med. 2019 May 1;199(9):1066-1075. PMID: 30785784.


最近の複数のRCTの結果を踏まえ、具体的にどうしたらいいかについての提案。
言いたいことはFigure 2にまとまっている。

タイトル的にとりあえず手元に置いておかないといけないだろう程度の理由でダウンロードしたので、内容は期待していなかったのだけど、想像以上に良かった。
実際の臨床に直結した勉強用として、おすすめです。
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術後合併症が外科医の健康に与える結果

2019年06月19日 | その他
Srinivasa S, Gurney J, Koea J.
Potential Consequences of Patient Complications for Surgeon Well-being: A Systematic Review.
JAMA Surg. 2019 Mar 27. [Epub ahead of print] PMID: 30916741.


外科医に限らず、自分が何かした結果、患者さんに害が及ぶ(ミスではないとしても)のはキツイよね。
失敗しない人はいないし、失敗で多くを学べるのも事実だけど。

ちょっとズレるけど。
「えー、まだ〇〇歳なんだー、若くて羨ましーなー」
なんて言う人、少なくないけど。
間違えないかビクビクしたり、間違えちゃってガックリしたり怒られたりしていた、あの時代が羨ましいか?戻りたいか?
いやいや、今の方がよっぽどいいでしょ。
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慈恵ICU勉強会 190611

2019年06月18日 | ICU勉強会
6月11日 ARDSと早期の筋弛緩薬投与(JC-NEJM)

ROSE study、やりました。

いろいろ意見はあるところでしょうが、個人的には、proneも含め、ARDSという病態は介入によって予後が良くなる病態ではない、と直感的に思っています。
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電子カルテで同時に開ける人数の制限

2019年06月17日 | その他
Adelman JS, Applebaum JR, Schechter CB, et al.
Effect of Restriction of the Number of Concurrently Open Records in an Electronic Health Record on Wrong-Patient Order Errors: A Randomized Clinical Trial.
JAMA. 2019 May 14;321(18):1780-1787. PMID: 31087021.


まあ結果はね。
人数を制限してもオーダー間違いは減らないって、あーそんなんだ、くらいなんだけど。

こういう研究をやろうと思って実際にやっちゃうのが偉いな、と思う。
これからコンピューターは今以上に臨床の中に入ってくるけど、評価をRCTでちゃんと行うという姿勢はきっと大事。
そのことを考えさせられる研究です。
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家族のPTSD発症に関連する修正可能な因子

2019年06月16日 | 終末期医療
日本語だとまだるっこしー感じなるけど、つまりこんな感じで家族と接するといいかも(ダメかも)、という因子ってことね。

Wendlandt B, Ceppe A, Choudhury S, et al.
Modifiable elements of ICU supportive care and communication are associated with surrogates' PTSD symptoms.
Intensive Care Med. 2019 May;45(5):619-626. PMID: 30790028.


この二つ目の研究のpost-hoc解析。
家族のPTSD発症にもっとも影響したのは次の3つ。
・医療従事者が家族の懸念に耳を貸さなかった
・医者が患者の痛みの対応についてうまく説明できなかった
・宗教的サポートが十分に得られなかった(訳がちょっと違うかも?)
と、家族が感じた時。

一つ目と二つ目は、確かに修正可能かも。
ただし実際にどう対応したかではなく、家族がどう感じたかなので、そこは難しいけれど。
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悪性MCA脳梗塞に低体温

2019年06月15日 | 神経
Neugebauer H, Schneider H, Bösel J, et al.
Outcomes of Hypothermia in Addition to Decompressive Hemicraniectomy in Treatment of Malignant Middle Cerebral Artery Stroke: A Randomized Clinical Trial.
JAMA Neurol. 2019 Jan 18. [Epub ahead of print] PMID: 30657812.


定義を満たしたMCA梗塞を予防的に開頭するのは今や常識となりましたが。
この研究は、さらに低体温もやったらもっと予後が良くならないか、について検討した多施設RCT。サンプルサイズは324例と計算されたけど、計算の根拠が乏しいので50例で途中解析することにしてあった。そしたら50例で治療群の合併症が多くて中止。

過ぎたるは及ばざるが如し。
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世界のSAHの発生率の経時変化

2019年06月14日 | 感染
集中治療とは直接関係ないですが。

Etminan N, Chang HS, Hackenberg K, et al.
Worldwide Incidence of Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage According to Region, Time Period, Blood Pressure, and Smoking Prevalence in the Population: A
Systematic Review and Meta-analysis.
JAMA Neurol. 2019 Jan 19. [Epub ahead of print] PMID: 30659573.


SAHの発生頻度について報告した研究のメタ解析。32カ国75の研究が対象。
なんと、世界中でSAHはどんどん減っているのに、日本だけ増えているんだってさ。

It remains uncertain why the SAH incidence in Japan has increased substantially, despite the concomitant global decline. Hypothetically, this could be a consequence of the distinctly higher crude prevalence of smoking in Japan (26.1%) compared with the global population (19.3%) in our data set. Unfortunately, the limited age-specific, sex-specific, midyear-specific, and country-specific SAH incidence data did not permit further regression analyses in this respect.

さすがにその理由は違うと思うけどなー。
はて?
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意見を言える雰囲気作り

2019年06月13日 | その他
Weller JM, Long JA.
Creating a climate for speaking up.
Br J Anaesth. 2019 Jun;122(6):710-713. PMID: 30975383.


シミュレーションとはいえ、蘇生中に上司に間違った薬の投与方法を指示されたり、術中に上司に指示されてエホバの患者さんに輸血しちゃったりする人が、半分以上いるらしい。

うーむ。。。
自分がそういうタイプじゃないので、苦手な話題である。
1年目の研修医の時、教授回診で、「教授、それは違います」って言った気がするし。

そういう雰囲気作りが大事なのは、わかる。
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挿管チューブの固定方法のRCT

2019年06月12日 | 感染
Landsperger JS, Byram JM, Lloyd BD, et al.; Pragmatic Critical Care Research Group.
The effect of adhesive tape versus endotracheal tube fastener in critically ill adults: the endotracheal tube securement (ETTS) randomized controlled trial.
Crit Care. 2019 May 7;23(1):161. PMID: 31064406.


テープで留めるか、固定具(アンカーファスト)で留めるかでRCT、N=298。固定具の勝ち。

固定方法についてのRCTって、記憶にない。
Single centerだけど、結構違いが出ている。
新しい商品って、だいたいは高いだけであまりメリットなし、なんて結果になる印象だったけど、そうでもないらしい。
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慈恵ICU勉強会 190603

2019年06月11日 | ICU勉強会
6月4日 ICUでの正しい抗菌薬治療(JC-ICM)

ICMのレビューを薬剤師に読んでもらいました。
ちょっと、字が多いのは残念。
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