Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

バーンアウト、大きな脅威、大きな機会

2018年12月31日 | その他
Hawryluck L, Brindley PG.
Psychological burnout and critical care medicine: big threat, big opportunity.
Intensive Care Med. 2018 Dec;44(12):2239-2241. PMID: 29353460.


Big opportunity?
誰かが退職したらポジションが空くチャンスだ、なんて意味じゃないだろな?

さすがに違いました。
みんながバーンアウトのリスクを自覚すれば、それが改善の機会になる、というちゃんとしたお話でした。

あ。大晦日じゃん。
今年の最後がこんな話でごめんなさい。
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NGチューブによる医原性気胸

2018年12月30日 | 呼吸
Stefani A, Ruggiero C, Aramini B, et al.
An unusual drain in the pleural cavity: iatrogenic pneumothorax due to pulmonary misplacement of a nasogastric tube.
Intensive Care Med. 2018 Dec;44(12):2290-2291. PMID: 29974170.


おお。
この深さまで突っ込んで、気胸になっても、抜去しただけで何も起こらずに済んだらしい。
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CytoSorbのRCT

2018年12月29日 | 感染
Hawchar F, László I, Öveges N, et al.
Extracorporeal cytokine adsorption in septic shock: A proof of concept randomized, controlled pilot study.
J Crit Care. 2019 Feb;49:172-178. PMID: 30448517.


CytoSorbはサイトカイン吸着フィルターで、2011年から臨床で利用されているが、これまで小さな観察研究しかなく、本研究が初のRCTである。敗血症性ショック患者に対し、CytoSorb使用群の方が、ノルアドの必要量の減少が早く、プロラルシトニンも早く下がった、という研究。

あのー、実は僕、未来が見えるんです。大きなRCTをやったらどうなるか、お教えしましょうか?

いやいや、科学的な発言ではなかったですね。ごめんなさい。
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慈恵ICU勉強会 181225

2018年12月28日 | ICU勉強会
12月25日 非ARDSとlow tidal volume(JC-JAMA)
12月25日 HMEとHHのsystematic review(JC-CC)


今週もパラメディカル、しかも慈恵の分院二箇所からCEがネット接続での発表。
輪が広がる感じ、良いことです。
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韓国のECMO、症例数と予後

2018年12月27日 | ICU・システム
Tay CK, Cho YH, Park J, et al.
Extracorporeal membrane oxygenation in Korea - Trends and impact of hospital volume on outcome: Analysis of national insurance data 2009-2014.
J Crit Care. 2019 Feb;49:1-6. PMID: 30326390.


韓国の保険データ(日本のDPCみたいなものか?)を使い、約6000例のECMO患者の予後関連因子を検討、その一つは年間施行症例数が20以下。

先日のJSEPTICの簡単アンケートはVV-ECMOについてだった。
ECMOを題材としたのはこれで2回目で、今回は技術的な質問が主だったのだけど、最後の自由記載欄は多くがECMOセンター化とかについての意見だった。いろいろな視点があってちょっと面白かった。

常識的に考えて、ECMOセンター化というのは必要な形であって、それを進めていく上で発生する問題をどうしていくべきか、という議論の方向にいい加減移行するべきじゃないのかな、というのが個人的な意見です。
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ICU患者に対する鉄剤投与

2018年12月26日 | 消化器・血液
Shah A, Fisher SA, Wong H, et al.
Safety and efficacy of iron therapy on reducing red blood cell transfusion requirements and treating anaemia in critically ill adults: A systematic review with meta-analysis and trial sequential analysis.
J Crit Care. 2019 Feb;49:162-171. PMID: 30448516.


6つのRCTのメタ解析、合計805例。鉄剤投与はHbを少しだけ増やしたが輸血の頻度は減らさなかった。ただし、サンプルサイズが小さく、投与期間も短いけれど。

多施設RCTのネタとして、どうですか?
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夜間の退室を減らす方法

2018年12月25日 | ICU・システム
Parenmark F, Karlström G, Nolin T, et al.
Reducing night-time discharge from intensive care. A nationwide improvement project with public display of ICU outcomes.
J Crit Care. 2019 Feb;49:7-13. PMID: 30336358.


スウェーデンのICUデータベース。夜間退室は望ましくないから減らしましょうという運動をずっと行ってきた結果、頻度も減ったし夜間退室の死亡率も減った。
その運動の一つとして、データベースのホームページ上で病院の名前付きで夜間退室率を公表した、と。

きっとあるのだろうとは思っていたけど、スウェーデン語で書かれているせいか、ググっても見つけられなかった、スウェーデンのnational ICU databaseの存在を知ったことがまず面白かったのだけど、病院の名前付きでデータを公表すると言うのは更に面白い。ANZICSやICNARCもやっていないと思う。

見つけてしまえばグーグル翻訳で読めちゃうので、他の国のICUに興味のある方はこちらをどうぞ。
スウェーデンに84あるICUのうち77をカバーしているらしい。小さい国だと全体をカバーするのが簡単だから羨ましい。JIPADが真のnational databaseになれるのはいつのことか?
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ICUで生演奏

2018年12月24日 | ICU・システム
Petrucci N.
Beyond bleeps and alarms: live music by the bedside in the ICU.
Intensive Care Med. 2018 Dec;44(12):2282-2283. PMID: 29943087.


まあ素敵。

慈恵では、クリスマス(に一番近い平日)の夜に、看護学生が病棟をまわってクリスマスソングを歌い歩く、というイベンドがあって、毎年ICUにも来る。さすがに素人の歌なのでおやおやっというところはあるけれど、なんか良い雰囲気になる。

これは年に1回のイベントだし、ICUでクラシックの生演奏を定期的に行うなんて不可能に近いけれど、できたらいいだろーなーと思う。
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ICUにおける心房細動

2018年12月23日 | 循環
というタイトルのレビュー。

Bosch NA, Cimini J, Walkey AJ.
Atrial Fibrillation in the ICU.
Chest. 2018 Dec;154(6):1424-1434. PMID: 29627355.


慈恵のICUでは、AFが起こったらファーストチョイスはマグネシウム。
安いし、副作用少ないし(いつも同じ理由でごめんなさい)、効くかもしれないし。
でも以前JSEPTICでやった簡単アンケートでは選択肢にすら選んでもらえず、マイナーなんだなーと思っていた。

しかし、なんとこのレビューではマグネシウムがAFのファーストチョイスとして紹介されているではないですか。
といっても強い根拠があるわけでも、最近増えたわけでもないみたいだけども。

ちょっと安心。
それが紹介しようと思った理由。
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ScvO2低値が持続すると予後が悪い。

2018年12月22日 | 循環
がぎぐげご。

Protti A, Masson S, Latini R, et al.
Persistence of Central Venous Oxygen Desaturation During Early Sepsis Is Associated With Higher Mortality: A Retrospective Analysis of the ALBIOS Trial.
Chest. 2018 Dec;154(6):1291-1300. PMID: 29787743.


ALBIOS studyのpost-hoc。蘇生開始6時間後にScvO2が70%以下の患者は死亡率が高かった。結論は、個人に合わせた介入が重要ではないか。

そのEditorial。Vincent先生がお書きになっている。結論は、図付きで提唱した敗血症患者の循環管理方法について、
”Do we need a randomized, controlled trial to validate this approach? We do not think so, because it would be difficult, and hardly ethical, to simply observe a patient in the control group without attempting to treat further if the SCVO2 decreases to < 70%."
とおっしゃっている。

いやいや。
蘇生してもScvO2が低いというのは具合が悪いという意味であって、だから蘇生の指標になる根拠にはならないし、EGDTに似た管理方法を示してRCTは不要でしょうって言うのは無茶だし。
どちらもネームバリューで掲載されている感じ。

がぎぐげご。
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