Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

慈恵ICU勉強会のホームページがリニューアル!

2019年04月25日 | ICU勉強会
まあ実際はそんなに大きな変化はないんですけどね。
これまで、新しいスライドを見やすくするため、直近3ヶ月以前の古いものは折りたたんであったのだけど、これだと検索とかできないので、もう全部を表示することにしちゃいました。下にどんどんスクロールしないといけないのでちょっと見にくいかもしれないけど、ざっと見るアンド検索するを前提に、しばらくこれでやってみようかと思います。

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心停止患者からの心移植

2019年04月23日 | 循環
Chew HC, Iyer A, Connellan M, et al.
Outcomes of Donation After Circulatory Death Heart Transplantation in Australia.
J Am Coll Cardiol. 2019 Apr 2;73(12):1447-1459. PMID: 30922476.


オーストラリアでの23例の経験の報告。
いろいろ制限はあるけれど、移植まで行ければ予後は脳死移植と遜色ないと。

なるほどー。
それに比べて日本の移植は、、、色々難しっすかねー。
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KDIGO-AKI stage 1を更に分ける。

2019年04月22日 | 腎臓
Sparrow HG, Swan JT, Moore LW, et al.
Disparate outcomes observed within Kidney Disease: Improving Global Outcomes (KDIGO) acute kidney injury stage 1.
Kidney Int. 2019 Apr;95(4):905-913. PMID: 30819553.


アメリカの5つの病院に入院した8万例の患者さんを対象とした研究。同じStage 1のAKIでも、0.3mg/dl以上の上昇と1.5倍の上昇では予後が全然違うから、4段階にした方がいいのでは、という主旨。

ツッコミどころが多い。

まず、ベースラインを設定しておらず、48時間以内に0.3増えたか、7日以内に1.5倍になったか、で診断している。
これは間違いで、1.5倍の変化はベースラインからの変化であって、0.3とは基準が異なる。

以前、1施設でこんな研究をした時は、0.3と1.5倍はほぼ同じだった。

そしてEditorial
AKIのステージがどうこう言っているよりも、ちゃんと原因診断することの方が大事なんじゃねーの?という真っ当な指摘。

使うなら、正しく使おう、KDIGO定義。
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循環器系ガイドラインのエビデンスレベルの推移

2019年04月21日 | EBM関連
Fanaroff AC, Califf RM, Windecker S, et al.
Levels of Evidence Supporting American College of Cardiology/American Heart Association and European Society of Cardiology Guidelines, 2008-2018.
JAMA. 2019 Mar 19;321(11):1069-1080. PMID: 30874755.


循環器疾患なんて、メガトライアル目白押しでチョー羨ましい分野なのに。
それでも高いエビデンスで推奨されているのは全体の1割くらいで、しかもここ10年でその割合はちょっと減っているくらいなんだってさ。

医療なんて、分からないことばかり。

でもだからこそ、一つ一つの情報を吟味する必要があり、
継続的な勉強や情報収集が必要であり、
他人任せにせず自分たちで研究をしていくべきであり、
研究のネタなんて腐る程あるということであり。

ありあり。
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意識障害患者の誤嚥性肺炎をプロカルシトニンで診断

2019年04月20日 | 感染
Legriel S, Grigoresco B, Martel P, et al.; PCT INHAL study group.
Diagnostic Accuracy of Procalcitonin for Early Aspiration Pneumonia in Critically Ill Patients with Coma: A Prospective Study.
Neurocrit Care. 2019 Apr;30(2):440-448. PMID: 30267280.


ICUで人工呼吸管理をしている意識障害患者のうち、レントゲンで影があって、熱や痰があって、培養陽性だった患者を誤嚥性肺炎と定義。PCTとCRPとWBCを経時的に測定して、誤嚥性肺炎発生の予測能を検討したところ、どれも誤嚥性肺炎を起こした患者さんの方が高いけど、感度特異度や尤度比は大したことなかった。

嘔吐していたから、という理由で抗菌薬が始まり、なんとなく数日続く。
いつもちょっとダサい気がするので、なんかバシッと決めてほしいわ。

発生頻度も高いし、多施設研究のネタに良いかも?
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慈恵ICU勉強会 190416

2019年04月19日 | ICU勉強会
4月16日 ICUで使えるエコー特集

やった本人が言っていたけど、このタイトルを網羅する内容をやったら本が書けちゃうので、自分が興味のあるところをかいつまんで作ったと。
でもだからこそなのかな、それなりに面白くできていると思います。
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CRRTによる血小板減少

2019年04月17日 | 腎臓
Griffin BR, Jovanovich A, You Z, et al.
Effects of Baseline Thrombocytopenia and Platelet Decrease Following Renal Replacement Therapy Initiation in Patients With Severe Acute Kidney Injury.
Crit Care Med. 2019 Apr;47(4):e325-e331. PMID: 30585829.


CRRT開始後の血小板減少はIRRTと同程度だった、と。

CRRTをしていると血小板が下がる。やめると上がる。CRRTをやめるときは患者さんの状態が改善してからなので、血小板減少がCRRTのせいなのかそうじゃないのか、言い切れないのは確か。
でも、ずっとCRRTしていて、ずっと血小板が低くて、やめた途端に跳ね上がる人もいるので、ちょっと信じられないけど。
昔、CRRTの膜の前後で血小板数を測定した研究があって、それでは血小板は減るという結果だったのだけど、減少量よりも測定誤差とかが大きそうだし、なんとも言えない気もする。

ところで、この研究の趣旨は血小板がCRRTで減るかではなくて、血小板減少が予後と関連するかについて検討しているのだけど、やっぱりどこにもDICについては記載がない。Editorialもあるけど、やっぱり書いてない。

非常に、面白い。
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敗血症における血小板減少

2019年04月16日 | 消化器・血液
文献は読めていないけれど、とりあえず貯めておいたものをまとめて書いておく。

Menard CE, Kumar A, Houston DS, et al.
Evolution and Impact of Thrombocytopenia in Septic Shock: A Retrospective Cohort Study.
Crit Care Med. 2019 Apr;47(4):558-565. PMID: 30855327.


カナダの2つのICU、約1000例の敗血症患者の観察研究、なのだけど。
結果はいいとして、面白いのは、本文の中にDICについての記載が、
"We were unable to determine if a diagnosis of disseminated intravascular coagulation existed to contribute to both the observed thrombocytopenia and subsequent outcomes. "
しかないこと。
日本の一部だと、敗血症で血小板が下がったらニアリーイコールDICだと騒がれるのに。

CCMにもDICについての文献は掲載されるから、DIC大好きチームとDIC気にしないチームの存在って、日本だけではないらしいということが分かる。

ちなみにDICによるアウトカムの影響はこの程度です。
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慈恵ICU勉強会 190409

2019年04月15日 | ICU勉強会
4月は忙しいから嫌い。
文献を読む時間もない。趣味なのに。。。

4月9日 人工呼吸中の自発呼吸を考える

CEからの発表。よく勉強していると思います。
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JIPAD年次レポート2017がついに出た!

2019年04月06日 | JIPAD
もうすぐ元号も変わるというのに、2017年度って、とかは言わないで。
2017年度って2018年3月までだし。
ICUから退室した患者さんはしばらく退院しないし。
データをクリーニングしたり、問い合わせたり、解析したり、レポート作ったりしていると、2019年になっちゃうし。

まだこんな感じにかっこよくはなっていないけど、とりあえず、まずPDF版をどうぞ。
32施設、27000例のデータだから、それなりに日本のICUのことが分かります。

リンクはこちらから。
2017年度年次レポートを公開しました。
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