Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

605日間のECMO治療から生還した少女

2020年01月30日 | 循環
Nelson-McMillan K, Vricella LA, Stewart FD, et al.
Recovery from Total Acute Lung Failure After 20 Months of Extracorporeal Life Support.
ASAIO J. 2020 Jan;66(1):e11-e14. PMID: 30908288.


報告されている生存例では最長記録。
肺も元気、頭も元気、だそうだ。

だからみんなやるべきだー、かどうかは分からないが、とりあえずよかったです。
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脳腫瘍術後のICU入室

2020年01月29日 | 神経
Laan MT, Roelofs S, Van Huet I, et al.
Selective Intensive Care Unit Admission After Adult Supratentorial Tumor Craniotomy: Complications, Length of Stay, and Costs.
Neurosurgery. 2020 Jan 1;86(1):E54-E59. PMID: 31541243.


脳腫瘍に限らず、予定手術の術後モニタリングのためのICU入室に意義はあるのか、という問題はずっと言われている。そしてこういう研究をすると、まず間違いなく、あまり意味ないよね、という結果になる。

ここまで書いて、ふと過去ログを調べてみる気になった。
右上のボックスに予定手術と入れてみると、
脳腫瘍術後はICU?
予定手術後のICU入室
開頭手術後にICU入室は必要か
あれま、脳外ばっかりじゃんか。
なんでだろ?
そして毎回似たような感想。
やーねー。
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悪性脳梗塞とstrokectomy

2020年01月28日 | 神経
Journal of Neurosurgeryの今年の一発目の文献。
2019 Janってなっているから、あれ間違えて1年前のを読んじゃったかと思ったら、online pubが1年前だった。
それはそれでどうなのかと思うが。

Schwake M, Schipmann S, Müther M, et al.
Second-look strokectomy of cerebral infarction areas in patients with severe herniation.
J Neurosurg. 2019 Jan 4:1-9. PMID: 30611135.


今の職場はICUとしては5カ所目なのだけど(といっても13年経ったけど)、ここに来て初めて、”内減圧”と”外減圧”という言葉が存在することを知った。みんな普通に使っていて、知らないのはヤバイのかと最初はビビったのだけど、日本の一部でしか使われていない言葉らしいということが分かってホッとした。
マイナーな言葉と知って以来、使わないようにしているのだけど、”外減圧”は減圧開頭(decompressive craniectomy)でよいとして、”内減圧”はちょっと困っていた。
そっか、strokectomyという言葉があるのね。

と思ったら。
PubMedで引くと、あれま、8個しか出てこないやんけ。
うーむ。。。
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インフルエンザにタミフルって、実際どうなの?

2020年01月27日 | 感染
集中治療とはほぼ関係ないけれど。
みんな、興味はあるのでは?

Butler CC, van der Velden AW, Bongard E, et al.
Oseltamivir plus usual care versus usual care for influenza-like illness in primary care: an open-label, pragmatic, randomised controlled trial.
Lancet. 2020 Jan 4;395(10217):42-52. PMID: 31839279.


これまたFigure 3がすべて。これまた面白くて、しばらく眺めてしまった。
そーなんだ、やっぱり効果って1日なんだ。そして具合の悪い人ほど効果は高くなるんだ。
わかりやすい図だ。
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非ARDS患者では駆動圧は予後と関連しない。

2020年01月26日 | 呼吸
Lanspa MJ, Peltan ID, Jacobs JR, et al.
Driving pressure is not associated with mortality in mechanically ventilated patients without ARDS.
Crit Care. 2019 Dec 27;23(1):424. PMID: 31881909.


Figure 2がすべて。面白くて、しばらく眺めてしまった。
一回換気量はARDSじゃなくても予後と関係あるが駆動圧はない。
ちょっと不思議な気もするが、コンプライアンスの問題でしょうか?
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慈恵ICU勉強会 200121

2020年01月25日 | ICU勉強会
1月21日 集中治療のend of lifeを改善する

ICUは人の命を助けるところだけじゃなく、それが叶わなかった時に平和に死ねるところ。

とされていると思うし、そうであってほしいと思う。
でも現実はどうだろうか。

知識の普及によって少しでも良くなるよう、こういう勉強会は定期的にやっていきたい、と思っております。
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術前のNT-proBNPは術後の心血管イベントを予測する。

2020年01月24日 | 循環
介入できて合併症が減るよ、という話ではないけれど。

Duceppe E, Patel A, Chan MTV, et al.
Preoperative N-Terminal Pro-B-Type Natriuretic Peptide and Cardiovascular Events After Noncardiac Surgery: A Cohort Study.
Ann Intern Med. 2019 Dec 24. [Epub ahead of print] PMID: 31869834.


Hazard ratioが2.27〜5.82と高めで、どうせ術前のルーチン採血をするのなら、ついでに調べちゃえば、とちょっと思った。これより意味のないルーチン項目ってありそうな気がするし。
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ICU日記の効果のメタ解析

2020年01月23日 | ICU・システム
Barreto BB, Luz M, Rios MNO, et al.
The impact of intensive care unit diaries on patients' and relatives' outcomes: a systematic review and meta-analysis.
Crit Care. 2019 Dec 16;23(1):411. PMID: 31842929.


患者さんのうつは減らすが、不安やPTSDは減らず、家族には効果がない。

うーむ。残念。ちょっと期待していたのだけど。
でも日記って薬と違うので、導入の仕方とか書き方とかスタッフの理解とか、いろいろ効果に影響を与える因子はありそうだけれども。
果たして研究は続くのか、廃れるのか、それとも「やる人はやるしやらない人はやらない治療」になるのか。
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慈恵ICU勉強会 200114

2020年01月22日 | ICU勉強会
やっとやりました、ICU-ROX。

1月14日 人工呼吸中の酸素濃度(JC-NEJM)

このスライドの半分は過去の酸素濃度についての研究のレビューになっているので、お勉強にはちょうど良いかも。
それにしても、ANZICS-CTGともなるとphase IIbでもNEJMに載せられちゃうんだな、というのが最大の驚きだわ。
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慈恵ICU勉強会 200107

2020年01月14日 | ICU・システム
1月7日 CRASH-3(JC-Lancet)

ここ何年かで、トラネキサム酸の研究が随分増えた。
だいたいの傾向としては、
・通常の使用量でそこそこ止血効果がある。
・副作用はほとんどない。
・腎臓の悪い人にたくさん使うと痙攣する。
・何より安い。
という感じか。

個人的には、重症患者診療におけるトラネキサム酸の位置は定まった気がしている。簡単にいえば、出血していたらとりあえず1g入れとこ、という感じ。
有効性・有害性が不明な病態はまだたくさんあるけど、今後どんな研究が行われても、よほど過去と異なる結果にならない限り、この薬剤の位置は変わらないんじゃないかな。
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