Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

腎臓エコーとAKIの持続の予測

2018年11月30日 | 腎臓
Darmon M, Bourmaud A, Reynaud M, et al.
Performance of Doppler-based resistive index and semi-quantitative renal perfusion in predicting persistent AKI: results of a prospective multicenter study.
Intensive Care Med. 2018 Nov;44(11):1904-1913. PMID: 30291377.


うーん、残念。
いや、あーやっぱりか、の方が正しいか。

これまで良さげな感じの研究がいろいろあったので、すこーしだけ期待してたのですが。
やっぱりAKIの原因は循環がメインじゃないし、そもそもエコーによる測定ってちょっとビミョーだし、仕方ない。
でもさすがにAUROCが0.58なんてのは想像していなかった。ほぼコイントスじゃんか。それこそCVP並み。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

EUPHRATESのpost-hoc解析

2018年11月29日 | 感染
おっとっと。
SPECTRALウォッチャーとしては、これは外せない。

Spectral Announces Publication of the post hoc analysis of EUPHRATES trial in Intensive Care Medicine.

ICMへのリンクもあるので、どうぞ。

この文献、いろいろ面白いけど、一番は執筆者とそのCOIだな。JAMAと比べるとよく分かるよ。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フィルターで静脈炎を予防できる。

2018年11月28日 | その他
Villa G, Chelazzi C, Giua R, et al.
In-Line Filtration Reduces Postoperative Venous Peripheral Phlebitis Associated With Cannulation: A Randomized Clinical Trial.
Anesth Analg. 2018 Dec;127(6):1367-1374. PMID: 29697508.


これまた、へー、そーなんだー。
抹消ラインの静脈炎って、薬剤の刺激とか、カテそのものの刺激とか、感染とか、そういうので起こるのかと思っていた。そうじゃなくて、プラスチックや繊維の小さな粒子が原因のことが多いんだって。そしてルートにフィルターを入れると静脈炎が予防できるんだって。数十年前から知られていることなんだって。

このRCT、静脈炎の発生頻度がなんと10分の1以下になっている。
入院が長い患者さんで末梢Vを入れる血管がなくて困ることって少なくないし、結構重要なことなのかも??
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どうもHESはまだヨーロッパで売っているらしい。

2018年11月27日 | 循環
Weiss R, Wenk M, Van Aken H, et al.
HES or How to End Science.
Anesth Analg. 2018 Dec;127(6):1440-1444. PMID: 30234536.


「HESは毒だ」研究の問題点が書いてある。

どうも、これは間違いらしい。
というか途中で話が変わったらしい。

へー、そーなんだ。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

敗血症性ショックに血漿交換

2018年11月26日 | 感染
Knaup H, Stahl K, Schmidt BMW, et al.
Early therapeutic plasma exchange in septic shock: a prospective open-label nonrandomized pilot study focusing on safety, hemodynamics, vascular barrier function, and biologic markers.
Crit Care. 2018 Oct 30;22(1):285. PMID: 30373638.


20例の敗血症性ショックに血漿交換したらノルアドが減ったよ、炎症性サイトカイン濃度も下がったよ、というsingle-arm研究。

この話を聞いて、みんなはどう感じるんだろう。
僕は、わー懐かしい、だった。まだ血液浄化の可能性を、世界も僕も信じていた頃に、こんなRCTがCCMに掲載されていた。それを思い出した。

もう血液浄化で予後を改善させよう、というのは諦めたらどうかと思う。CRRTにしろ、PMXにしろ、PEにしろ。
そう考えるのに十分な情報はもうあるんじゃなかろか。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小児のAPRVのRCT

2018年11月25日 | 呼吸
Lalgudi Ganesan S, Jayashree M, et al.
Airway Pressure Release Ventilation in Pediatric Acute Respiratory Distress Syndrome. A Randomized Controlled Trial.
Am J Respir Crit Care Med. 2018 Nov 1;198(9):1199-1207. PMID: 29641221.


おお、APRVのRCTだ。そして死亡率が増えちゃったので途中で中止になっている。

一時期、流行りかけたけど、ECMOに持っていかれちゃった感じのAPRV。
なんというか、表現が難しいが。
直感的に言って、先日の血液浄化もそうだけど、ダイヤルをひねって予後を改善することはできないと思う。悪くすることはあっても。
患者予後の改善というのは、もっと全然違うところにある気がする。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

IVCの呼吸性変動は補液反応性を予測するか?

2018年11月24日 | 循環
Si X, Xu H, Liu Z, et al.
Does Respiratory Variation in Inferior Vena Cava Diameter Predict Fluid Responsiveness in Mechanically Ventilated Patients? A Systematic Review and Meta-analysis.
Anesth Analg. 2018 Nov;127(5):1157-1164. PMID: 29787412.


予測できるのは、一回換気量が8ml/kg以上でPEEPが5cmH2O以下の時。
それ以外では診断価値は乏しいです。
以上です。

つい先日、たまにはポジティブな結果でも示すか、なんて言ったけれど。
ま、この程度でしょ。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

慈恵ICU勉強会 181113

2018年11月23日 | ICU勉強会
11月13日 心外の輸血(JC-NEJM)

Figure 2のサブ解析が面白い。こんな綺麗に年齢で別れた図なんて、そうそう見ないのでは。
単に、高齢者はHbターゲットが低い方がいい、若い人は高い方がいい、という解釈は安直な気がする。EUROスコアが6点以上が対象なので、年齢が違うということはそれ以外の因子が違うということになるもんね。NEJMなので解析の数が少ないから、そこから先の情報がない。

ちょっと面白いが、臨床を難しくするのでちょっと困る。
サブグループ解析なんだからそもそも無視、というのが簡単か。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

血糖のターゲットは低い方が予後がいい。

2018年11月22日 | 消化器・血液
Hersh AM, Hirshberg EL, Wilson EL, et al.
Lower Glucose Target Is Associated With Improved 30-Day Mortality in Cardiac and Cardiothoracic Patients.
Chest. 2018 Nov;154(5):1044-1051. PMID: 29705217.


Cardiac ICUの患者の血糖管理のターゲットを、80-110か90-140で行い、その二群の予後を比較したら、80-110の方が良かった。ちなみにRCTではなく、propensity matching。

複数のRCTが行われて、どれも同じ結論(予後を改善しない、低血糖は増える)になったのに。
・DMかDMじゃないかでターゲットは変わるかもしれない。
・より厳密なプロトコル(コンピューターとか使ったりして)で血糖コントロールを行えば低血糖が発生しなくなるから、予後を悪化させる要素が減るので、有効性が示されるかもしれない。
という疑問が新たに生まれ、またちょっと混沌としてしまった感がある。
個人的には、もうごちそうさまなので、大きなRCTでやっぱりターゲットは低い方がいいですよと肩を叩かれない限り、気にするのはやめております。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

低Na血症に尿素

2018年11月21日 | 腎臓
Rondon-Berrios H, Tandukar S, Mor MK, et al.
Urea for the Treatment of Hyponatremia.
Clin J Am Soc Nephrol. 2018 Nov 7;13(11):1627-1632. PMID: 30181129.


いや、単純に知りませんでした。
ガサガサのかかとに塗るもの、くらいの認識だった。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする