Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
しかし、セミリタイアした人間の文献紹介なんて価値があるのか?

「薬剤の誤投与に係る死亡事例の分析」は冬に読むには寒過ぎる。

2022年01月27日 | 勝手に紹介
先日、集中治療医学会のメールで教えてもらったやつ。

医療事故の再発防止に向けた提言 第15号「薬剤の誤投与に係る死亡事例の分析」

過去5年間で起こった薬剤誤投与による死亡例36例の分析。

医療事故の事例って、単発では見かけるけど、死亡例がこんなにまとまっているものは初めて見たかも。
しかも、ICUでは見ないなと思う薬はほぼなし。インスリンとかリドカインとかボスミンとかメイロンとか、馴染みのあるものばかり。

マジで、ゾッとします。
暖かくして、読んでください。
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中国がICUリサーチで本気出すとこうなる。

2022年01月26日 | ICU・システム
Li Z, Ma X, Gao S, et al.; China National Critical Care Quality Control Center Group.
Association between hospital and ICU structural factors and patient outcomes in China: a secondary analysis of the National Clinical Improvement System Data in 2019.
Crit Care. 2022 Jan 21;26(1):24. PMID: 35062981.


ICU死亡率とかVAPの頻度とか公立病院の方が予後がいいとか患者看護比は予後と関連があるとか、
結果自体は普通のことで驚きはないけど。
Nが笑える。2820病院ですって。

AIもそうだし、なんでもかんでも中国が世界一になりつつあるけど、集中治療の臨床研究も、きっとそうなるのでしょう。
人口は3000万に満たないのにNが7000とかあるRCTをバンバンやるANZICSはすごいけど、数で勝負したら勝てるわけない。
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重症COVIDの挿管を回避するにはHFNCよりCPAPの方がいい。

2022年01月25日 | COVID-19
わお。
ちょっとすごいの出た。

Perkins GD, Ji C, Connolly BA, Couper K, et a.; RECOVERY-RS Collaborators.
Effect of Noninvasive Respiratory Strategies on Intubation or Mortality Among Patients With Acute Hypoxemic Respiratory Failure and COVID-19: The RECOVERY-RS Randomized Clinical Trial.
JAMA. 2022 Jan 24. Epub ahead of print. PMID: 35072713.


そもそもHFNCがNIVに負けるのを見るのが珍しいし、
日本ではCOVIDにHFNCをやりまくっていたので、これは一波乱ありそうな。
少なくとも、これはearly stoppingだからとか、このスタディデザインはとか、そういう議論なしにHFNCを使うのはちょっと難しいのでは。
あのRECOVERYだし。
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脈ありVTにカルディオバージョンしたら脈なしVTになった。

2022年01月24日 | 心電図
ECG OF THE MONTH
VOLUME 79, ISSUE 2, P113-115, FEBRUARY 01, 2022
An Adverse Outcome With Cardioversion of a Wide-Complex Tachycardia.


これ、僕だったら絶対同じことしたと思う。
気がついて誘導を変えられる自信はゼロだな。
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シクロフォスファミドは特発性肺繊維症の急性増悪の死亡率を上げる。

2022年01月23日 | 呼吸
Naccache JM, Jouneau S, Didier M, et al.; EXAFIP investigators and the OrphaLung network.
Cyclophosphamide added to glucocorticoids in acute exacerbation of idiopathic pulmonary fibrosis (EXAFIP): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial.
Lancet Respir Med. 2022 Jan;10(1):26-34. PMID: 34506761.


Lancet Respiratory MedicineはPDFが手に入らないので、ちゃんと読めてないのだけど。
結果がちょっと驚きなのと、間質性肺炎の急性増悪は日本発信のところがあるけど、RCTは海外で行われてしまう悲しさと、その両方が紹介理由。
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集中治療系雑誌のimpact factor 2020

2022年01月13日 | EBM関連
今更ですが、あけおめです。
最初は、去年やり残していたことを。



結構動きがあったよ。

・AJRCCMがぐっと伸びて、単独トップ。
・ICMが2年連続で低下。
・Crit CareがCCMを完全に抜き去って、Chestと同じに。
・Annalsが第3グループから抜け出した。

掲載されている文献の内容を見る限り、Crit Careが難しくなったという印象はない。狙い目だ。
それとAnnalsはフランスのICU学会の雑誌で、日本ではあまり馴染みがないけど、ここまで高くなると無視できないね。
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