明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



昨年の個展の前に、坂崎重盛さんとお会いした時、一休宗純の『狂雲集』の話が出た。そこには一休の実態があからさまに描かれている。反骨を通り越して殆どエロ爺い炸裂である。当時の常識からして男も女も両方行ってるし。しかし、多くの人が一休といえば、とんちの小坊主のイメージであって、案の定、私の不精髭の左卜全のような一休に驚いている人が多かった。友人なら知らないお前が悪い、と言ってしまえるが、わざわざ足を運んでいただいてる方には、これは私の捏造ではなく、曽我蛇足という、一休の弟子の絵師が、おそらく一休を目の前で描いたに違いない物を元に、と説明する事になる。 これを最初にやったのは、97年、作家シリーズの第一回の個展で、困惑した表情の美少女に、ふんどし姿で空中に浮かんでいる稲垣足穂を指差し、これタルホなんですか?と問われた時であった。おそらくお星様キラキラのイメージだったのか、そうです。といささかサディスティックな心持ちで答えた。 友人らはどうせなら、もっと魚が居そうな所で釣り糸を垂れろよ、というのだが、それでは面白くないのだから仕方がない。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )