昨夜、11時になったのでこれだ気起きていれば零時前に目を覚ますことが無いだろうと、ベッドで音楽を聴きながら本を手に取っていたら妻がやって来て、何か飲むものはないかと云った。
手には大刀洗の銘酒「三井の寿」を持っていたが、中身は40年物の仙山白酒を水で割ったもので、匂いを嗅いでみたらと言ったらまんざらでもなく、それを飲むつもりで台所へ下りて行った。
寝酒に酒を燗して呑むことが多いが、その酒を最近僕が呑まないものだから在庫が無く、酒庫を探して酒らしきものを見つけたということらしい。
可哀想になったので、ベッドを抜け出し台所へ下りたら、白酒を電子レンジで燗して吞み始めようとしていた。
この仙山白酒は1990年代に陶器入りのものを輸入したが、その強烈な臭いで思ったように売れず、仕方ないから5ケース位を買い取って家の倉庫に入れておいたのだが、何しろ匂いが凄くて積極的には飲めず、仙女の絵柄が綺麗な陶器だったので友人知人に配ったのだが、その後、誰からも美味かったとは言ってこなかった。
だが、水で割っていないものが台所の隅の焼酎のボトルに入れてあり、確か数年前に詰め替えたものだが、瓶に積もった埃を拭って飲んでみると、匂いが多少薄れて熟成感が出て美味かった。
確か原料はコーリャンとか粟で、北方の酒だから寒冷地で育つ穀類で作られている。
日本では九州などの暖かいところでは酒が腐るので蒸留して焼酎にして呑んでいるが、中国北部ではロシア同様身体を温めるために蒸留酒を飲んでいると思われる。
「貴州茅台酒」が白酒最高峰と云われて、角栄が中国訪問の折に盛んに乾杯とやったのがこの酒で、後の脳卒中の遠因ではないかと云われている。
今ではとびっきり高くなっているが、その酒質に迫っていると思われた。
30年以上前、「貴州茅台酒」は高かったが手が出ないほどではなく、美味いので良く飲んだ。
その頃の「貴州茅台酒」にまつわる友人知人の顔が浮かんだが、驚くべきことに皆さん冥界に入っていた。
妻は割水した燗の白酒が気に入らなかったらしく、1杯で止めていたので、僕が持っているサリエンテ赤を開けたらと云ったら、嬉しそうに2杯ほど飲んだ。
時間は25時になっていて、妻は二階に上がって寝たが、僕はグラスに注いだ白酒が残っていたので、それを飲んでから寝た。
一度5時半に目が覚めたが、二度寝を試み次に6時半に目が覚めた。