1月23日(月) 0時25分、本サイト公式掲示板において神鏡学斗代表首長より、バレンタインデーを記念した人気投票の実施が布告される。
この布告を受けて同日、水銀党執行部は冬月幹事長を議長とする緊急幹部会議を召集、党内にバレンタイン投票対策委員会を設置することを決議。
翌24日、党総務会を開催し正式に決定。水銀党選挙対策本部が発足。
水銀燈総裁を本部長とし、第一回作戦会議を召集。
参加者:水銀燈総裁、冬月幹事長兼総務会長、薔薇水晶政調会長
作戦会議議事録(一部機密情報あり)
銀様「・・・・・それで何?トロイメントも最終回間近で忙しいこの私を担ぎ出した理由は要するに?バレンタイン記念の絵を誰にするかっていう投票のため?ちょっと、寝言は鞄の中に入ってから言って頂戴よ」
薔薇「・・・わかりやすく通訳すると、『寝言は寝て言え』という意味です」
冬月「・・・・・別に私は『這い蹲るです』とも『靴を舐めるです』とも申しておりませんが・・・」
銀様「(無視)言っとくけど、私は今トロイメントに忙しくてバレンタインどころじゃないの!そもそもバレンタインなんて、男のミーディアムがいるドールだけが楽しめるイベントでしょう?真紅が例によって例の如く失敗作のチョコクッキーでもジュンのために焼いていればいいのよ」
薔薇『・・・失礼ね、それはクンクンよ』
銀様「下手な物真似はやめい。とにかく私は嫌よ、他をあたって頂戴」
冬月「そんな!もう神鏡に出馬を約束してしまいましたよ!それにただでさえこのサイトでの歴史が浅い我が党にとって、他のキャラでは知名度に劣ります。名実ともに水銀党の看板である貴女に出て頂かなければ、埋没は確実・・」
銀様「本当は挙党態勢でいきたいのにとか、総務会でこぼしてたわよね?候補を一人に絞って票が割れるのを防ぎたいなら、あなたの小説に出てくるその藤沢詩織さんという人に統一したらどうなの?そもそも私は、ここのオリジナルキャラじゃないし。党の看板が二次創作キャラじゃあ、あなたも困るんじゃないの?」
冬月「そんなことあるわけないじゃないですか!?どうやら誤解があるようです。この企画は実施形態こそ選挙ですが、趣旨はあくまでサイトを盛り上げるためのセレモニーです!
これを良い機会にサイト利用者の皆さんにキャラクターのことをもっと知ってもらおうと、一人でも多くのキャラが出た方が良いというコンセプトで、神鏡が新参者の私に二名分も参加わくをまわしてくれたんです。
わかりますか、これはいつものような勝ち負け重視の選挙じゃなくて、いわば親善試合なのですよ。選挙に勝つことが目的なのではなく、セレモニーに貢献することが目的ですから、出馬して候補に名を連ねるだけでも意義があるんです!」
薔薇「そうです、多分冬月さんの一票しか入らないでしょうが、それでも意義があります」
冬月「五月蝿い、お前はどうせ参加できないんだから黙ってろ。
とにかく、せっかくの神鏡の配慮なのです。
小説の華の詩織とブログの華の貴女がここで二名参加して、神鏡が世界に誇るフィリス嬢やソラの放つ新興人気爆発キャラの桜花と肩を並べて競い合う夢の祭典!
これは、水銀党にとってもサイト全体にとっても、歴史に残る輝かしいイベントになります!」
銀様「綺麗事は聞き飽きたわ。
選挙は選挙、結局は勝ちたいんじゃないの?代議員時代の血が騒ぐんでしょう。
大体ね、悪役の私がバレンタインの絵の投票に推薦されるだなんて、今の世の中どうかしてるわ・・・。
第一期の頃はねー、『水銀燈がきたぞー』って言うだけで村中の人が逃げていったものよ・・(しみじみ)。
その藤沢さんの方がよほどご立派だわ。
妹を守って、後輩も大切にして、国まで守るだなんて、中々できないことよ?
私なんか、たった一人を守るためなら全世界から憎まれても良いと思ってる、そんな小汚い人形よ。
そんな人形にちょっと人気が出てきたからって自分の大事に育てたオリキャラをないがしろにしてまで私を立てるだなんて冬月、あなた巷の『銀様人気』で目が曇ったんじゃないの」
冬月「全く、ああ言えばこう言う・・昔話は存じませんが、何をそんなに自虐的になってるんです?・・・あ、ひょっとして銀様、藤沢詩織に焼き餅とか焼いてません?」
銀様「・・・・・!そっ、そんな馬鹿なことあるわけないじゃない!」
冬月「あー顔が赤くなった。本当は投票出たいんでしょ?恥ずかしがることないんですから、もっと自分に素直になって下さいよ。たった一人を守るってことも、口で言うほど易しいことじゃない。だから今の貴女を、あれだけ多くの人が応援しているんじゃありませんか」
銀様「ああっもう、うるさいうるさい!
とにかく私は出ないのよ!めぐが参加しないのに私だけ出るなんてあの子が可哀想じゃないの!それとも何、この寒い中窓も閉めずに歌をうたって私を待ってくれているあの子に、『私はバレンタインの投票に出ていて忙しいから帰りが遅くなる』とでも言えっていうの、あんたは!?」
冬月「はあ・・(やべぇ、この人どんどんツンデレ化してるよ。なんにせよ、いい加減心変わりさせないと・・・)」
薔薇「(ひそひそ)幹事長、ちょっとお耳を・・・」
冬月「なんだ、貴様の下らない話なんぞ聞いてる場合では・・」
薔薇「(ひそひそ)水銀燈をその気にさせたいのでしょう?私に良い策があります」
冬月「・・・・・。どんな?」
薔薇「(ひそひそ)前回と同じ手を使います」
冬月「アレか?いや、さすがに今回は無理があるんじゃ・・・」
銀様「二人とも、何を仲良くこそこそ喋っているのかしら?」
薔薇「・・・総裁。投票に勝てば、めぐさんの病気を治せますよ」
銀様「・・・・・!な、何ですって!?(狼狽)」
冬月(うわっ、素で効いてるし・・・)
薔薇「『票』の力を持ってすれば、造作も無いこと・・・」
銀様「うう・・・そ、そんな、私はどうすれば・・・(おろおろ)」
冬月「(銀さん、あんた簡単に騙されすぎだよ・・・)ははは、ご安心を銀様。私にも一票あります。当然、銀様に投票させて頂きますよ」
銀様「え、ほんと!?ありがとう、冬月!!(途端に満面の微笑)」
冬月(うわすげぇ、もうさっきと言うことが変わってるよ、さすがトロ銀様)
薔薇「無駄です。その一票だけでは、めぐさんの病気は治せません」
銀様「え、え・・・!?(表情が笑顔から一気に絶望モードに!)」
薔薇「病気を治すには、『票』を全て集め・・・それを貴女の身体を通してめぐさんに与えることが必要です」
水銀燈「そう・・・じゃあ貴女の『票』も必要になるわね(第一期時代の冷徹な顔で)」
冬月(・・・おいおい、得票率100パーなんて、7人でやるアリスゲームとは違うんだから無理に決まってるだろうが。つうかこいつら『票』を何か違うものと勘違いしてないか?)
薔薇「ふふ・・・まずは選挙で勝つことです。めぐさんのために」
銀様「選挙で・・・勝つ・・めぐ・・・の・・ため・・(虚ろな瞳)」
冬月(・・・・・すみません、これどう見ても悪質なマインドコントロールでは?)
銀様「・・・・・冬月(何かを悟った顔で)」
冬月「はっ、はい!」
銀様「・・・宣伝カーとたすきの用意よ。
それに清潔な白手袋。
地元の後援団体と霞ヶ関に送る『果物の詰め合わせ』も。
新年の『もち代』で相当使ったから、今残ってる軍資金じゃすぐに底を尽きるわ。
資金集めのパーティーのために、赤坂のホテルの宴会場、すぐに確保しなさい。各県連幹部には私が電話で激励します。配布資料に載せるマニフェストの原稿は、もう出来てるんでしょうね?」
冬月「銀様!で・・・では・・・その、ご出馬は・・・」
銀様「ふ・・・幹事長のあんたにそこまで言われてしり込みしてるようじゃ、水銀燈の名が廃るわ。この勝負、上等じゃないの。私の命、あんたらに預けましょう。他候補を圧倒する選挙キャンペーンの展開を!」
冬月「そのお言葉を待っておりました!お任せ下さい、総裁!」
薔薇「(ひそひそ)どうです?上手くいったでしょう」
冬月「(ひそひそ)ああ、あの下手くそな洗脳でここまで簡単に堕ちるとは思わなかったぜ、ククク・・・越後屋、おぬしも悪よのう」
薔薇「では、仕上げに・・・水銀燈、貴女の特技は何?」
銀様「アリスゲーム!!アリスゲーム!!アリスゲーム!!」
薔薇「・・・この試合の目的は?」
銀様「ローザミスティカ!!ローザミスティカ!!ローザミスティカ!!」
薔薇「・・・貴女はめぐさんを愛していますか?このサイトを愛していますか?」
銀様「ガンホー!!ガンホー!!ガンホー!!!」
薔薇「ふふっ・・・『やりすぎのウォークライ』作戦、見事成功です」
冬月「・・・・・しかし銀様、貴女本当に今回の投票の形式とかわかってますか?」
薔薇「えー、神鏡先生のおつくりになった投票用紙を見ますと、女性キャラに限っては記名式の人気投票と選択式のバレンタイン投票で、一人二票持つことになります。
今の日本の国会議員選挙と同じですね。
それで、投票規約に『オリキャラ以外の記入の禁止』条項がありますので、上の人気投票の部分では水銀燈に投票することはできない仕組みと解釈できます。
バレンタインの絵の投票欄に水銀燈の名前がありますので、水銀燈はこちらでのみ立候補ということですね。候補は全部で9名」
銀様「よーするに比例と小選挙区の両方があって、私は比例単独で出ろってことでしょ?上等よ上等。いつもやってるアリスゲームは7名だから、それに2名増えただけじゃない?ビーストの誇りを見せてやるわ」
冬月「ボブサップ様が降臨されたところで事務の話を・・・党の公認ですが・・・藤沢さんと貴女両方に出すことになりますが、食い合いになってもよろしいですか?」
銀様「良いって良いって!これはセレモニーなんでしょう?公認でも刺客でも何でもオッケー、華の舞台なんだから、役者は多い方が良いわ。何セコイこと言ってるの!うふふふふ・・・」
冬月「では銀様!筆と墨汁を用意しました。出陣式をやりましょう!」
銀様「よろしい。あ、でもダルマが無いわよ?」
冬月「問題ありません、ダルマ代わりに薔薇水晶使いますから。ほらこっちに来いバラバラ!」
薔薇「・・・いやですっ!」
銀様「あんた随分鬼畜なことするわね~」
冬月「あ、駄目だ。考えてみりゃこいつ目が片方しか無いじゃん」
銀様「言われてみれば、そうね」
冬月「ったく、使えねーなー。ダルマよりも役に立たないなんてよー」
薔薇「・・・どうせ落選しますから、片目だけで十分な気もしますが」
冬月「お前、そんなに塗られたいのか!?ああ!?」
薔薇「・・・・・鬼畜(ぼそっ)」
銀様「ま、まあまあ、頑張ってキャンペーンやりましょう?ね、みんなで力を合わせて!」
薔薇「・・・アリスゲームを始めましょう」
冬月「・・・いいからお前は黙ってろ」