どうも、水銀党こと冬月です。
今日は七夕♪皆さん短冊に願い事は書きましたか?
お書きになった方、貴方の願い事がかないますよう、お祈り申し上げます。
もしまだの方がいらっしゃいましたら、このブログのコメント欄でも短冊代わりに使って下さい(笑)。ひょっとすると銀様のご利益があるやもしれません★
さて、今から皆さんにお見せするのは、この七夕の数日前に、実際に東京某所の商店街であった話を元に書かれたノンフィクションドラマ・・・・・のままだと色々とやばいので(汗)、毎度恒例『マーキュリーチャンネル』のキャストに演じさせるパロディにしました。
その名も『ミッドウェー海戦』。何がどうミッドウェーなのかと説明するのは長くなるのですが・・・・・・
二〇〇六年六月下旬
東京 水銀党本部ビル 第一状況説明室(←無駄にフルメタ風)
薔薇「・・・・・本日お忙しい中お二人にご足労頂いた要件は、他でもありません」
銀様「・・・その前にさ、ひとつ聞いてもいい、薔薇水晶?」
薔薇「なんでしょう総裁?」
銀様「あんたのデスクに積み上げられてる、その狐色の貝殻みたいなものの山は何よ?(汗)」
冬月「マドレーヌですな。バターと蜂蜜をたっぷり使ったケーキ生地を型に入れて焼いた伝統的なフランス菓子です。・・・・しかし薔薇水晶、こんなに沢山のマドレーヌ、一体どうしたというのだ?しかも、通常よりやや小さめだが」
薔薇「・・・・・これは、我が党の開発部が党のPR用に今回新たに試作したミニ・マドレーヌです」
冬月「ほう、新製品かね!」
薔薇「・・・・・肯定です。お手軽感覚を出すためにミニサイズにしただけでなく、糖分やバターなども可能な限り少量にしてカロリーの軽減を図り、若い女性の客層への浸透を目指して開発された、画期的次期主力戦略商品」
銀様「はあ?砂糖とバターを減らした?じゃあ味も薄くなったってことね。あのねえ、ダイエットしたけりゃ最初っから菓子なんか食べなきゃいいのよ、美味しくなかったら満足感が・・・」
冬月「ははは、銀様はお腹が無いからそんなことが言えグチャッ!(肉が裂ける生々しい音)」
薔薇「(飛んできた肉片を払い落としながら)・・・・・そこまでおっしゃるなら、ご試食下さい」
銀様「ふむ・・・・パクパク・・・・・あれ?これ、しっかり香ばしくて甘い!」
薔薇「・・・・・」
銀様「し、しかも・・・・・普通の焼き菓子のように甘くても重くない・・・・・軽い感じだから、いくらでも食べられる・・・・!」
薔薇「・・・・・良いところにお気付きになりましたね。今貴女は会話しながら自然に三個食べました。呼吸をするように食べられる新感覚の軽いマドレーヌ、それがこのミニマドレーヌなのです」
銀様「でもまあ、洋菓子って高いからね~食欲は平気でも、お財布がちょっと平気じゃないから、買って食べるのならさすがに呼吸をするようにはね・・・・・」
薔薇「ふふふ・・・・・このミニマドレーヌは、一個たったの20円で販売します」
銀様「に、20円!!?」
薔薇「それも、一個からの注文でも売ります」
冬月「・・・・・考えたな、すごいじゃないか」
薔薇「いえ、私には細切れの肉片からわずか数秒で再生したあなたの方がすごいと思いますが・・・・・」
冬月「(無視)これは消費者心理をついた巧妙な作戦だ。
最初からまとめ買いを強制されると、人間はあまのじゃくだからあまりありがたみを覚えない。だが、20円をバラで売られると、実際よりも安く感じてしまうもの・・・・・結果的に、客は通常より多めに買って、しかも得をした気分になってしまう」
銀様「なるほど!株が100株単位しか買えない会社と1株単位で買える会社で、若いネット投資家のマネーが1株に流れるのと同じ理屈ね!」
薔薇「これが、このミニマドレーヌが戦略商品とされる理由です。
まるで柿の種感覚でつまめる洋菓子。
80年代のジャンボパフ以来、我々はあれに匹敵する国民的なヒット商品を作れずに来ました。
この新型、成功すれば業績の停滞を打破する鍵となるやもしれないのです。しかし・・・・・」
冬月「しかし、何かね?」
薔薇「このミニマドレーヌの量産に、製造部内の保守派が難色を示しています。成功するとは思えない、と」
銀様「えっ、どうして!?」
薔薇「小さすぎるからです。
伝統的に、我々の製品はボリュームのある大きな物を安価で販売することによって成功を収めてきました。その歴史を象徴するのが先ほど申し上げたジャンボパフです。ジャンボパフの大成功から、製造部は大きな菓子でなければヒットはありえない、との考えが主流です」
冬月「トレンドを理解できない大艦巨砲主義者どもが・・・・・」
銀様「でも困ったわね・・・・・製造部が拒否権を発動すれば、MD(Merchandising)会議で商品化を決定できないはずよ」
薔薇「そこで、あなたがた二人に仕事をお願いしたい。・・・・・これを」
冬月「・・・・・市ヶ谷七夕祭り?」
薔薇「はい。市ヶ谷商店街では、毎年七夕の前に日中道路を前面封鎖、歩行者天国にして記念イベントを開催します。
イベント最大の目玉はサンバの行進ですが、お祭りですから当然屋台も出ます。
わが党の営業部も、地域社会との親睦を深めるという名目で、今年からここでの露店販売の参加枠を得ました」
冬月「話が見えてきたんだが・・・・・なあ薔薇水晶、まさか私と銀様に、屋台をやれと?」
薔薇「さすが冬月幹事長、飲み込みが早くて助かります(にっこり)」
銀様「ちょっと待ってよ!私見ての通りの格好だし、暑いのは苦手なの!真夏の炎天下に外売りだなんて・・・・・しかも二人だけでやんの!?」
薔薇「ご安心を、営業部からイベント専門の選り抜きの支援要員を10名ほど、お二人の監督下に付けます。それにそのドレスを着たままやれば、良い宣伝になりますよ♪7月はまだ真夏ではありませんし」
冬月「・・・・・まあいい。で、何を売るんだ?ひょっとして話の流れからしてこれは・・・」
薔薇「・・・・・言うまでもありません。このミニマドレーヌを、お祭りで販売して頂きます。なお個数は、1万個です」
冬月「な、何ィ!!?ちょ、ちょっと待て、薔薇水晶。
別に、このマドレーヌが不味いと言うつもりはない。
だが、商品にはそれを売るに相応しい場所と相応しくない場所があるだろう!夏の炎天下のお祭りの屋台といえば、普通の人間が連想するものは何だ!?どうですか銀様?」
銀様「そうね・・・・夏の祭りの定番といえば、目の前で炭火で焼いてる焼きトウモロコシ、焼き鳥、焼きイカ、ちょっとインターナショナルにいくとトルコ人がトラックの屋台でやってるシシカバブ・・・それに氷水でがんがんに冷やしたビール!子供だったらラムネね、あのビー玉で栓してあるやつ♪後は水飴に綿飴に・・・金魚すくい水風船、射的にヤクルトに・・・・・」
冬月「はいはいストップ、つうか最後のはあんたの趣味でしょ・・・と、とにかくだ!
今銀様が言ったようなのが、夏祭りに来る客の『需要』だ!
クーラーの利いた応接間でティータイムにつまむんじゃなくて、誰も暑い日に歩き回る祭りの最中に、あつぼったいマドレーヌなんて普通食べたくないよ。
売る場所を間違えてる。試作品への客の反応を見るテストだとしても、こんな本来の販売環境とは違うところで取ったデータに意味はない。再検討してくれ」
薔薇「・・・・・どうやら、誤解なさっているようですが」
冬月&銀様「何?」
薔薇「この七夕祭り参加は、何も祭りで売れるものを出すなどといった些細な戦術的目標でやるのではありません。
当日の売り上げに関係なく、より大きな戦略のために、ミニマドレーヌを販売します」
冬月「その言い草は気に入らんな。確かにイベント参加の売り上げなど微々たるものだろうが、そういう金の問題ではない。
はなから売れなくてもいいという態度は、組織全体の士気に関わる。私の誇りも許さん」
薔薇「まあまあ・・・建前はあくまで、地域社会に貢献し、自治体・市民との親睦を深めることです。一種のボランティア参加ですよ。
そして、実際の目標は、デモンストレーションです。・・・・・外部というより、むしろ内部への」
冬月「・・・・・ふん、また政治かね。相変わらずだな」
薔薇「あなたたちお二人に現場にご足労頂いて直接指揮を取ってもらうことで、我々がこのミニマドレーヌを本気で重視している事を見せつけ、製造部を牽制します」
銀様「だったら・・・・・なおのこと売れないといけないんじゃ?」
薔薇「そのためのあなたたちです。期待していますよ♪」
冬月「嫌だね、面倒くさい。誰か他の人間に・・・」
薔薇「そうそう、言い忘れていましたが」
冬月「なんだよ?」
薔薇「市ヶ谷はご存知の通り、陸上自衛隊のお膝元。当日は、陸自の東部方面警務隊が商店街の警備に参加します」
冬月「何、陸上自衛隊の勇姿が拝めるのか!なぜそれを早く言わない!よーし、早速準備だ!!」
薔薇&銀様(単純な男・・・・・)
・・・・・そして、七夕祭りの前日。
冬月「あーくそっ、委員会の石頭め!」
銀様「どうしたの冬月?委員会って、人類補完委員会のこと?」
冬月「違います!七夕祭りの実行委員会ですよ。あれから考えてやはりミニマドレーヌだけではつまらないだろうと、ドイツソーセージやカバブをやれないか委員会の申請を取ろうとしたのですが、連中曰く通りに面した住民・自営業者以外の参加団体は火や電気の使用を認めないと!で、だったら白ワインの外売りでもやってやろうと思ったんですが、それも外部団体は衛生上の理由から駄目だと。どんな差別だよ、ああもう!」
銀様「まあまあ・・・・・世の中なんて、そんなものよ。それよりさ、冬月。ちょっと気になることがあるんだけど・・・」
冬月「なんですか銀様?」
銀様「明日の天気なんだけどね、予報だと雨が降るらしいのよ。マドレーヌ、ばら売りしてると雨に濡れちゃうんじゃないの?」
冬月「ちっ、雨か・・・・・例年なら梅雨も明けて晴天のはずが、今年は異常気象ですな。ついてない。実行委員会の方も、今年も晴天だと想定してテントの用意は無いと」
銀様「私達だけテント使うのは?」
冬月「いや、地域社会との親睦が建前なら、周りが濡れながらやってるのに我々だけ自前のテントはまずいでしょう。第一、委員会が支給したもの以外の機材の持ち込みには委員会への事前申請が必要です。今からでは・・・」
銀様「じゃあどうするのよ?せっかくのマドレーヌが全部雨に濡れちゃうわよ?」
冬月「・・・・・わかりました。薔薇水晶と電話で協議してみます」
冬月「・・・・・というわけだ。仕方ないから、マドレーヌのばら売りは今回は中止だ。雨水に濡れたものを客に売るわけにはいかん。雨に濡れないよう防水ビニールの袋で包装して販売する。いいか?」
薔薇『・・・・・その提案は許可できません。販売計画は、気象状況に関わらず当初の予定通りに実施して下さい』
冬月「何故だ!雨が降る事がわかっているのに、何も備えをするなというのか!?」
薔薇『予報はあくまで予報ですよ。当てになりません。それに、あのマドレーヌは、ばらで売ってこそ商品価値があるもの・・・・あなたもわかっているでしょう?包装されて売っているものなら、他社の製品でいくらでもあります。意外性の欠片も無い。それにこれは開発部の強い希望でもあります。営業部にも、ばら売りの方針で根回しをして、今回の計画への協力を取り付けたのです。・・・・・今更計画の変更は、できません』
冬月「貴様の都合など知ったことか!それにもしばら売りに固執するなら、一個ずつばらで包装して売ればいいだろうが!」
薔薇『・・・・・わかってないですね、あなたは。原価計算を考えて下さい。一個一個包装していては、包装費用で一個20円での販売が不可能になります。価格は、徹底的に安くするために原料から物流まで可能な限り切り詰めてあるんです。他はもうどこも削れません。既に製造部に一個20円、と宣言してしまった以上、値上げもできません。我々の威信に関わります。ですから、包装は不可能です』
冬月「・・・・・私をなめるな、原価計算の講釈などされなくてもわかる。ではなんだ?この計画では、現場で雨が降ろうがクソが降ろうが、菓子を剥き出しでしか売れないということなんだな!?どういう頭をしてるんだお前達は、それでも作戦参謀か!どうして誰も、雨になった時のことを想定していない!!」
薔薇『・・・・・こちらの決定事項は、先ほどお伝えした通りです。ご要件がそれだけなら、もう失礼します。これから企画会議ですので』
冬月「き、貴様ー!!菓子は会議室で売るんじゃない、現場で売ってるんだっ!・・・・って、あ、切りやがった」
銀様「・・・・・大丈夫、冬月?なんか電話で怒鳴ってたけど。駄目よぉ、乳酸菌ちゃんと取らないと。怒りっぽくなるんだから」
冬月「はぁ・・・・・」
銀様「冬月?」
冬月(最初から、失敗することがわかっている作戦、か。つまらない意地や組織の論理で・・・・・もはや、雨が降らないことを神に祈るしかない、か)
市ヶ谷七夕祭り・当日
会場・水銀党販売ブース
天候:豪雨
銀様「降って来たわ!総員、対空防御用意!!」
冬月「傘です!ありったけの傘と私達の身体でマドレーヌを守るんです!一個たりとも雨水で汚してはなりません!!」
スタッフA「か、風だー!!横殴りの風で、雨水がマドレーヌにぃ!!」
冬月「ちぃっ!濡れた商品はすぐに廃棄!新しいものと換装急いで!」
スタッフB「換装って・・・・・見て下さいよ、こんな酷い雨じゃあ、客なんてきやしませんよ!」
冬月「今日一日で1万個売る計画なんです、今から弱音を吐いていては・・・・・」
びゅうっ!!!
冬月「くっ、突風だと!?」
「う、うわあぁ!!!」
「報告!第一、第二テーブルのマドレーヌ計2000が全滅しました!」
「第五テーブル、新品保存用の箱の中に浸水しています!」
「第三テーブル、突風にあおられて、トレーごとひっくり返りました!マドレーヌが全て地面にっ!!」
冬月(降雨からわずか2分で、3500個のマドレーヌが・・・・・!なんということだ・・・)
「傘が飛びました!取りに行かせて下さい!」
「駄目だ、今お前が持ち場を離れたら、お前が立っている場所のマドレーヌはどうなる!?」
「身体だ、身体で覆いかぶさって守るんだ!」
「ううっ、も、もう嫌だ~!!!帰りたい、家に帰りたいよお!!!」
冬月(じ、地獄だ・・・・・)
「そうだ、もうこんな無意味な事は止めだ!風邪を引く前に撤収しよう!」
冬月「ッ・・・・実行委員会から中止の決定が出ない限り、単独での撤収はできません!持ち場を離れないで!」
「もう嫌です!あたしはお菓子を売る仕事がしたくて入ったんです!こんな雨に打たれるなんて契約書に書いてませんでした!!」
冬月(くそ・・・薔薇水晶め、何が精鋭部隊だ、半分以上が短期採用アルバイトのひよっこじゃないか・・・・・計画は穴だらけ、これでは・・・・・・まるで、ミッドウェーの悪夢だ・・・)
銀様「ねえ冬月、このままじゃあマドレーヌが全部駄目になるわ!ほら、あっちのビルの軒下に入れば濡れないよ!あそこに屋台を移そう!このままだと全滅してしまう!!」
冬月「・・・・・ざ、残念ながら・・・予め指定されたブース以外の場所で販売活動をすることは、委員会に禁止されております・・・・・」
銀様「はあ!?ふざけるんじゃないわよ!だってこのままじゃ全滅よ!?わからないの?小さい頃食べ物を粗末にするなってお母さんから言われなかったの?規則がなんだというの!」
冬月「こ・・・・この祭りに参加する公式な目的は、売り上げよりも地域社会との親睦・・・つまりは信頼を得ること・・・・・。我々に課された任務は、例えマドレーヌ1万個がことごとく水につかろうとも、実行委員会の規則にしたがって販売計画を貫徹することです!マドレーヌを売ることなど、最初から求められてはいなかったのです!」
銀様「馬鹿!そんなの冬月じゃない!!(べしっ)」
冬月「ッ・・・・銀様?」
銀様「今のあんたの目よ!ひどい目ね、死んだ魚みたいに虚ろ。どうしてだかわかる?今のあんたがギブアップしちゃってるからよ」
冬月「ギブアップ・・・?私が」
銀様「そーよ!ずさんな計画のせい、雨のせい、部下のせい、実行委員会のせい・・・・何もかも自分以外の周りのもののせいにして、自暴自棄になって諦めてる。そうじゃないでしょ、これは私達の仕事よ!」
冬月「し、しかし・・・・・」
銀様「しかしもかかしもなーい!此処の責任者はあんたでしょう!?しっかりしなさいよ!!」
冬月「・・・・・・・!」
銀様「さあ、どうするの?」
冬月「・・・・・総員、11時の方角のビルの軒下に移動開始!
傘を持っている者は生き残ったマドレーヌを最優先で運んで!傘の無い人はそれ以外の機材を!一個でもいい、お客に食べてもらうまでは撤退しないぞ!」
実行委員会監視員「お、おいそこの君達!!何を勝手に移動しているんだ、規則違反だぞ!!」
銀様「や・・・やっばーい・・・・(汗)」
冬月「くっ・・・・・・・あ、あれ、雨が・・・・・」
スタッフ達「雨が止んでいく!止んでいくぞお!!」
銀様「見て冬月!雲の切れ目に青空が!」
冬月「奇跡だ・・・奇跡が・・・・・・・」
?「あ、ねえ君、これマドレーヌかい?美味しそうだね」
銀様「あら、自衛隊の人。いらっしゃいませ~♪」
警務隊自衛官「雨の中よく頑張ってたねえ。すまないがこれ、隊の仲間に食べさせたいんだ。箱ごと売ってもらえないかな?」
冬月「え・・・・箱とおっしゃいますと、こちらの100個入りのものになりますが・・・・?」
自衛官「そう、それそれ。5箱ぐらいあれば足りるかな。頼む」
銀様「は~い、ありがとうございます♪100個入りが五箱で合わせまして一万円になります♪」
冬月「・・・・・信じられん」
銀様「よく頑張ってたね、だって♪見ていてくれたのよ、私達を。ね?だから、諦めるなって言ったでしょ」
冬月「参ったな・・・・ははは、貴女には、いつも驚かされる」
銀様「さあ、お祭りはまだ始まったばかりよ!残ったマドレーヌじゃんじゃん売っていこー!」
スタッフ一同「おー!!」
夜 水銀党本部
薔薇「・・・・・お仕事お疲れ様でした」
冬月「ああ。おかげさまで、浸水して廃棄したもの以外はほぼ完売したよ(皮肉たっぷりに)。それでも赤字だろうがな。この数字では、製造部の反対派は納得しないだろう」
薔薇「いえ、これで十分です。製造部の説得には、あなたも協力して下さるのでしょうね?」
冬月「嫌だといいたいところだが・・・・・これでも文字通り身体を張って売ったものだからな、愛着もわいた。また後日、な」
薔薇「どこに行かれるのですか?」
冬月「帰るんだよ。見てわからんのか、全身ずぶ濡れだ。風邪を引いちまう・・・くしゅん!」
薔薇「あらあら」
冬月「誰のせいだと思ってる!・・・ではな」
バタン。
薔薇「全ては・・・・・・予定通り(←お約束の台詞)」
―了―
ちなみに翌日、冬月は発熱で一日安静(涙)