水銀党本部執務室

冬月のブログです。水銀党本部の活動や、政治社会問題、日常の中で感じた事など様々なテーマで不定期に更新されております。

水銀党試験終了!

2006-07-28 02:03:45 | Weblog

The War is over!!

(ペルシャ湾上の水銀党海軍原子力空母『リーエ・タナーカ』艦上・特設スタンド)

テレビをご覧になっている親愛なる国民の皆さん、こんばんは。
今日は私にとっても皆さんにとっても、とても喜ばしいお知らせがあります。

試験が終わりました!

ソラ・神鏡に遅れること数日、この水銀党もついに試験から解放されたのです!
もはや空襲警報(?)で眠れない夜は終わりました。私達は自由です。
兵士達は国に帰り、そして私は公開早々更新が停滞していた自分のHPの工事を・・・・・

げしっ!!

銀様「やかましい!たかが手前の試験終了報告のために空母から演説してる暇があったら、さっさと更新する!!ほら早く!」

えーと、まだ終わってないのは頂き物のコーナーと、組織概要と、党員プロフィールの残りの回収と、やれやれ・・・(←現実に引き戻された

薔薇「・・・・・公開早々こんなに未完成の箇所があるだなんて、冬月らしいというかなんというか・・・・・」

仕方ないだろう、神鏡のサイトのリニューアルオープンに合わせたら、公開日が試験の最中だったんだもん、突貫工事でぎりぎりオープンしたんだよ。

銀様「言い訳しない!神鏡先生だって試験中で、しかもレポートが山のようにあったのにきちんと約束の日にリニューアルオープンしたじゃない!」

薔薇「そうですよ、帝国海軍だって、戦艦陸奥を建造する時は根性で突貫工事をやってワシントン条約の発効前に間に合わせたじゃないですか」

陸奥は機関部が出来上がっただけで武装や艦上建造物ができてなかったのを海軍旗を掲げて無理矢理完成艦と主張したんだから、客観的には間に合ったとは言いがたいし英米も完成艦とは認めなかったが(汗。
あの状態の陸奥を完成と見なすなら、公開の段階で主要コーナーが全て完成していた私のHPなんか当然完成だ。

薔薇「ふーん・・・・・天皇の統帥権の下にあった帝国海軍が『完成だ』と言った艦を、あなたは未完成だったとおっしゃる・・・・・これすなわち統帥権干犯・・・」

えー、例によって例の如く話が大脱線しているので陸奥の話はこれでお終い!
とにかく、これまで工事が長引いて大変ご迷惑をおかけしました!
これで試験も無事終了、これまでは時間的な制約があってHPに専念できませんでしたが、今後は全力でグランド・オープンに向け邁進させて頂きます。

銀様「そうそう、はじめからそういえばいいのよ」

ちなみに、試験終了後は友人達との打ち上げパーティーで多少お時間を頂きましたが・・・

銀様「遊ぶなっ!!(げしっ)」

い、いえ、遊びではなくこれも公務ですよ。
宴席を設けて友人知人を招き、酒を酌み交わしながら新しい『水銀党本部』の宣伝をする。さらに現在HPを作ろうとしている友人との情報交換や、将来的な相互リンク締結の約束を取り付ける。立派な外交です。

薔薇「・・・・・ふーん、カラオケも公務ですか?」

み、みるなあ!ソラのブログをみるなあ!!

銀様「ほらぁ、やっぱし遊んでるんじゃん」

し、仕方ないでしょう、私はカラオケでマイクを握ると人格が変わるというキャラ設定で・・・・・

薔薇(無視してソラ氏のブログを読みながら)「へえ、外蛯沢さんもいらしたんですか?」

そう、実は彼とは大切な商談がありましてね。ほら見ろ、遊びじゃないって言っただろ。

銀様「商談?蒼星石のローザミスティカをいくらで真紅連合側が買い戻したがってるかって話だったら、核弾頭並みの値段でも私は売らないわよぉ

違います(汗。
実は外蛯沢氏も、私と同様に高校時代から趣味で小説を書いておりましてね。その後彼は他の趣味が忙しくなって小説執筆は中断しましたが・・・しかし彼は、とても優れた文才を持っていました。
もし持続力があれば、私にも勝る文才です。
その彼が最近になって書き始めた一つの作品があります。現在まだ執筆が途中で公開できないのですが、ここで内容について少し明かしますと、南北分断物です。

銀様「南北分断物?そんなジャンルあったっけ」

日本がもしも戦後米ソによって南北に分断されてそれぞれ別の国になっていたら、という架空の戦後史を世界観に描かれる物語のことで、アニメ、ライトノベル、ゲームなどで多く成功している手法です。
ライトノベルでは『イリヤの空UFOの夏』、アニメではあの新海誠氏の『雲のむこう、約束の場所』が有名ですね。
日本が南北に分断されているという、政治・軍事的に非常にシリアスな背景を前提に、描かれる物語自体はとても繊細な淡い恋物語などにすれば、とてもバランスの良い作品に仕上がる。このジャンルに定評がある理由です。
私が以前書いていた『かげろう』という作品も、日本の分断がテーマでした。
外蛯沢氏が執筆している作品も世界観はこれと似ているのですが、しかしストーリーが彼独特の視点から書かれていてとても面白い。
私には真似できない、とても魅力的な作品です。ここでお見せできないのが残念ですよ。
そういうわけで私は彼に続きを是非書いて欲しかったので、将来的に私のHPに彼の小説を公開させてもらうという約束を取り付けたのです。
今は続きを書いてくれるのを待っていましてね、とりあえず章として完成し次第公開しますよ♪皆さん、ご期待ください!

銀様「それはいいけど・・・・・その誘致の代価に、あなたは彼に何を支払ったの?」

我がサイトの特別顧問という肩書きを♪

銀様「そんな、肩書きで小説公開権を得るとは・・・・・(汗」

薔薇「いえ、歴史的には肩書きを進呈して何か対価を得るのは珍しいことではありません。中国後漢の第12代皇帝霊帝は国の官位を民に売って財政難を解決しましたし、大英帝国では今日に至るまで、王室が国家に功のあった人間に爵位を与えています。17世紀チャールズ一世は一人1万ポンドで72人に男爵位を売りました。19世紀には英国王室は産業革命によって新たに上流階級に台頭した産業資本家に爵位を売却して財産としていました。20世紀には政治家のロイド・ジョージが自分の爵位を売って自由党の選挙資金300万ポンドを・・・」

銀様「とりあえず、あんたが話を脱線させる名人だということはよくわかったから黙りなさい。
でも冬月、どうしてそんな熱心に他の人の小説の公開にこだわるの?」

これは私もそうだから言えることなんですが、小説ってのは他人様が見てくれる場所に公開して初めて、書いたことになると思うんですね。
一人でしまいこんでるのと読んでくれる人がいるのとでは、例えば続きを書こう、書かなければと思う意気込みも全然違ってくる。
しかもこの私が保証するほど上物の小説なんですから、私のサイトでも神鏡のサイトでもいいからとにかく形にして公開してみればいいと思うんですね。
そうすれば絶対続きを書きたくなりますって!

薔薇「外蛯沢さんに時間的余裕があればですけど」

大丈夫、これから夏休みじゃないですか!普通の大学生なら余裕ありますって!

銀様「普通の大学生は・・・って、あんたは?」

・・・・・・。

はい、昨日上から辞令をもらいました。

来週から9月まで、休み週一で仕事だそうです。

・・・・・僕、秋まで生きてられるかな?(涙

薔薇「南無」

銀様「ジャンクになったら骨は拾ってあげるわぁ」

(こうして、水銀党の新たなる戦いが始まるのであった・・・)


マナーをまもってたのしいうんてん★

2006-07-24 21:21:28 | Weblog

こんばんは、一夜漬けがしたいのに明日の試験科目の教科書がどこかへいってしまって大慌てで捜索中の水銀党こと冬月です(←だったらブログなんか書くな
自慢ではありませんが私は大学受験も一夜漬けで乗り切った人間ですので、一晩あれば楽勝なのですが、最近はその最後の一晩ですら勉強しようとしない己の怠惰ぶりに困っています。一夜漬けなど真面目な方、朝行きの電車の中で勉強を始めるというのがいまどきの学生の流行です(←お前だけだ

試験といえば数年前の冬、自動車運転免許を取るために試験場に通っていた頃が懐かしい。
あればっかりは、一夜漬けでは厳しかったですな。
大学の試験というのは60点とれば単位がきて、70~80もとれば高得点といわれるが、自動車免許の試験で受かるためには、マークシートの試験で90点以上を取らないといけない。
昔は簡単で試験なんか形だけといわれていたのですが、最近は相次ぐ自動車事故のために警察が試験を難しくしていまして、何度も落ちる人は結構います。
私でさえ一発で受からなかったんですから、これから免許を取るお年寄りとかは可哀相ですよね。
おまけにあの試験、一回につき確か3000円ぐらい取られるんですよ。免許証発行の手数料とは別にです。警察も、ぼろい商売ですよね・・・。

と、なんでこんな話を思い出したかというと、友人の神鏡学斗が自動車免許を取ったという話を聞いたからなんですけどね。
私と同じマニュアルで、しかも技能の成績は相当良かったそうで。
私なんか、運動神経ゼロなのが災いして、技能教習で教官の判子もらうのに普通の人の倍は時間かかりましたからね(涙。
やはりセンスなんでしょう。
周囲の状況を瞬時に把握して、的確に処理していくには、理屈だけじゃなくてある種の才能が必要なんです。
神鏡君は早速旅行してみたいとか言っていて、羨ましいですな。是非私も一度彼の車に乗ってみたいものです。

私が友人の運転する車に乗ったのは、これまでにたった三回だけ。
そのうち二回は、ご存知我らが自動車狂(失礼)外蛯沢先生です。

いやー、スリリングですよ彼のドライブは。
マニュアル車って、クラッチペダルの踏み方を間違えると、簡単にエンストするんですよ。
彼の車は高速の真ん中でエンストします。
あのスリルはたまんないですね。ひゃっほう!(涙

今から二年前、私が『お願いツインズ』の聖地巡礼のために彼の車で長野県木崎湖に行った時なんかは・・・
あの時のボヤージュ(旅行)をキュイジーヌ(料理)で表現すると、このようになっております、ムッシュ★

 

『ブラッスリー外蛯沢・シェフおまかせディナーコース』

アミューズ 『お母様の「生きて帰ってきて下さい」を聞いて電柱すれすれ急発進、赤いラズベリーを添えて』

オードブル 『中央高速三車線ジグザグ走行のソテー』

魚料理 『徹夜明け居眠り海老の時速180キロのグリル』

肉料理 『いつの間にか隣のやーさんのBMWと本気カーチェイス・ブルゴーニュ風煮込み』

アバンデセール 『穴にはまり込んだタイヤを二人がかりで持ち上げる汗と泥水のシャーベット』

デセール 山道カーブでやっぱり時速180キロに、視界不良な雨のビターソースをかけて』

 

価格:貴方の生命のお値段は?

 


・・・えー、もはや時速が制限速度超えてるとか、そういうのは言いっこ無しで。つうか居眠り運転されてた時が一番怖かった~。
感動したシェフの名言
「いいか、道路ってのは、ハシルところなんだよ!」
(カーチェイス中、私からの「ここは道路だぞ!」という注意に答えて)
「中央高速は俺のサーキットだ」
(ジグザグ走行中。中央高速では覆面パトカーに注意しよう。特に談合坂インター付近で網を張ってます。見つかったらやばいです)
「ちっ、RX7は国産だから180で制動がかかっちまう!200まで出せる外車
が羨ましいぜ!」
(夜の市街地でBMWとのカーチェイスに負けた時。お互いに一般道を最高速度で競い合った。もはや神の領域)
ちなみに彼の車、RX7は基本二人乗り(後部座席は荷物置き以下のスペース)ですから、私は当然助手席。
事故ったら真っ先にあの世行きすること間違いナッシン!
恐らく、彼の助手席に乗る人間の生命保険など、たとえあのロイズ(世界一潤沢な資本を持つ英国の保険シンジケート)でも受けないだろう・・・・それだけ危険なのだ、デューク・トウゴウ!!

そんなスリリングな彼のドライブに今年の夏も最低一回は付き合うであろう私の運命やいかに!
ご安心下さい。
複雑骨折ぐらいで済めば、生還してまたそれをネタにブログ書きます(←ネタに生きる男

まあ、彼以外も、私達の同期のドライバーは変わった奴が多いですから。

スリル満点のドライブですごいのが外蛯沢君だとするならば、安全第一の運転で別の意味でやばいのが私です。

ほら、教習所で教官から、動作する時は声を出して確認しろと教わりますよね!
だから私は運転中は・・・

「とーりかーじ!第二戦速、一〇ノット!とりかじいっぱい!総員衝撃に備え!!」


↑交差点を左折しているらしい。


まあ運転は人それぞれです。
皆さん、交通マナーを守って楽しいドライブを!(無理やりまとめた)


試験前夜にやるなよ!ハウルの動く城

2006-07-22 23:54:05 | Weblog

突然ですが皆さん、大学生といったら真っ先に何を連想なさいますか?

講堂立てこもり(←何十年前の話だそりゃ
真っ黒の学ラン(←体育会系ぐらいだろいまどき着てるの
科挙(←もはや日本ですらない

・・・いえ、現代の日本の大学には、科挙は無いですが試験はあります。
そう、今大学生は学期末試験の真っ最中!
かくいう冬月も例外ではありません。
私の友人のソラ君も、試験には相当苦労しているようです。
彼のブログに行って御覧なさい、彼の苦しみがよくわかります(マジ。
というか試験が始まるのが彼の方がちょっと早かったようで、私がまだ試験前で余裕ぶっこいて遊んでた頃既に、彼のブログは燃えていました
1943年9月、イタリア降伏。
どうも私は彼より若干運命の到来が遅かったようで、遅れること二年で今は私が火の海です(←だから何の話だ
今となってはわかりますよ、あの頃のソラの気持ちが。
彼が「大雨が来て試験中止にならないかな~」とか言ってるのを聞いて、当時は何現実逃避してるんだろうとか思ってたんですが、今の私は「大学にテポドンが落ちてテスト無かったことにならないかな~」とか思ってますから(←正に外道!
それにしても、毎日試験で辛い状況なのに、その試験をネタにブログ更新を頑張っているソラには尊敬してしまいます。逆境をバネにする。これこそです。よっし、私も負けずに自分の試験をネタにブログ書くぞ!

トテチテター♪(←既出ネタだし

『大本営発表!本日一〇五〇時、冬月提督率イル大水銀帝國海軍機動部隊ハ、西太平洋ヒヨシ諸島ニオイテ敵主力艦隊ト交戦!
戦果ハ空母〈数学基礎Ⅰ〉大破、戦艦〈社会心理学〉轟沈!
ナオ、我ガ艦隊ノ損害ハ軽微デアル』

(『映像の世紀』のナレーション:国民にヒヨシ海戦での大勝利を伝えるラジオ放送です。
この頃から水銀党軍部は、国民に真実と異なる戦果を発表するようになっていきます・・・・・ヒヨシ海戦で冬月艦隊は主力空母4隻と多数の熟練パイロットを失い、以後戦局は悪化していきました・・・・・)

(水銀党の小旗を振って軍用列車を見送る民衆、試験対策ゼロで試験当日に山カンで試験に臨み的外れの方向に墜落していく『神風受験隊』、圧倒的な火力で上陸してくる敵を前に手薄な知識で防衛線を破られ次々とバンザイ玉砕していく守備隊、そして『映像の世紀』のBGM)

小栗三佐「どうしてだよ菊池!?見ろ!あそこでやられているのは同じ日本人だぞ!俺達の親だ!一機でも叩き落せば、何百人もが助かるんだ!」

角松二佐「腹が立つ・・・うぬぼれや過信で作戦を立てて・・・・・こんなにも多くの優秀なパイロットや船乗りが死に、何より単位を落としたかと思うと、はらわたが煮えくり返るほど腹が立つ!!」

い、いやだー!!こんな歴史は嫌だ、草加少佐に修正してもらわないと!

・・・・・えー、ジパングネタが濃すぎてそろそろ読んでくれてる人の9割以上が脱落してることと思うので、そろそろ一般人にもわかる話をしないと・・・・・

一般人にもわかる話、そう、ここはジブリネタで。
おお、やっと今日の本題に繋がった!!(←カエレ

日テレでTV初公開だった宮崎父の『ハウルの動く城』、初めて見ましたよ。
ソラは試験前日だからといって我慢したようですが、私は見ました。丁度上映している間は会社の手伝いが忙しくて行けなかったので、是非とも見たくって。
普通に翌日二科目試験ありましたけどね!(←駄目じゃんでも、見る価値はありましたよ♪
実はこの『ハウルの動く城』、旧アニ研のオタク友達の間では滅茶苦茶不評だったんです。まあオタクがアニメをけなす理由なんて大体ワンパターンなんですが、この場合は大きいもので三つ。 

批判その一。昔のファンに迎合しただけの作品で中身が薄っぺら。

根拠。皆さんもよくご存知のように往年の宮崎駿作品は、ナウシカ、ラピュタ、紅の豚、魔女の宅急便など全て、物語の舞台は西洋風の街。
そして第二に、これらの作品には総じて宮崎駿の空へのロマン、さらには航空兵器への彼の複雑な想いがテーマになっていた。
彼の経歴を見てもらえればわかるかと思うんですけど、宮崎駿という人間は確かに我が国にとって欠かせない才能の持ち主ですが、内面は結構屈折してたり(笑。
その代表例が、彼の航空兵器への感情です。
幼少期戦争を体験した彼は、戦争をとても憎む平和主義者です。
彼の作品を見れば、彼の平和主義的思想は一目瞭然だと思います。
ところがその平和主義者、戦争を憎んでいるはずの彼が、これも皆さんもご存知のように、航空兵器への思い入れは、日本アニメ界でも群を抜いています。
ナウシカに出てきたような小型のガンシップは勿論ですが、彼が最も愛するのは『空飛ぶ要塞』『空中戦艦』ともいうべき、巨大な飛行船ですね。
ラピュタのゴリヤテ、そして未来少年コナンのギガンテ
これらは一応敵役の船ですが、彼が相当な思い入れでこれらの船を描いているのは一目瞭然です。紅の豚に登場する空賊マンマ・ユートは、宮崎一族が経営する資産管理の会社の名前にまでなっています。
宮崎駿の家は戦時中、『宮崎航空興学』という中島飛行機の下請け会社を経営していたんです。中島飛行機といえば、アメリカまで飛べる6発エンジンの超大型爆撃機『富嶽』を開発していたところです。そういったことを考えると、彼の平和主義と巨大飛行船との思い入れの両方が混じったアニメを理解できるでしょう。

しかし、『もののけ姫』から宮崎作品のカラーががらりと変わりました。
まず、彼の空へのロマンが見られなくなったこと。彼が『引退作品』と呼んでいた『もののけ姫』は、初めて主人公達が空を飛ばない作品として往年の宮崎ファンから驚愕の目で見られたものです。
どうして宮崎作品なのに、空を飛ばないんだと。
しかも舞台は日本。西洋では無くなってしまいました。当然、宮崎アニメ最大の見所の巨大な飛行船や機械じかけも出てきません。
主人公が乗っているのはガンシップではなくヤックル
ですがこの時は、まあ引退作品だから、最後ぐらいはいいかとみんな思いました。
しかし、彼は引退しなかった。
その次の作品、『千と千尋の神隠し』。
舞台はまたもや日本です。しかも、妖怪・魔法のオンパレード。まるで水木しげるの世界です。
かろうじて最後にヒロインが飛びましたが、飛行船は出てきませんでした。
この二つの作品で、往年の宮崎作品の『空への想い』に共感して彼についてきた大勢のファン達が、彼から離れていきました。かく言う私も、その一人でした。
もののけ姫も神隠しも、素晴らしい作品だと思います。映像技術も最高だし、シナリオも決して悪くない。
ただ、私が大好きだった、宮崎駿の作品では無かったのです。
空や飛行船がでてこない話なら、別に誰でも作れるのです。

でも、空への想いだけは。
航空軍事メーカーを営む家の子どもとして戦時下の幼少期を過ごすという複雑な体験をした彼にでないと、ゴリヤテやギガンテは生み出せなかった。
あれは彼のコンプレックスです。
悪役が乗っていて、最後は必ず沈む、でもものすごく魅力的に描かれた巨大空中戦艦。あれは、自分の幼少期への、自分の実家がつくっていたかっこよくて美しいけれども人殺しの兵器でもある航空兵器に対しての彼の愛憎なんです。

何があって彼が作風を変えたのかは知りません。でも私は寂しかった。
だから『ハウルの動く城』で機械じかけや空中戦艦が登場すると知った時は、純粋に昔に戻れたと喜んだものです。
ところが、私の友人達は手厳しいんですな。曰く、あれは商業主義的な妥協の産物だと。
ハウルでは、『千と千尋の神隠し』と同じように魔法がメインの話です。似たような魔法使いキャラも出てきます。
ところが、同時に機械文明が並立している。そういう世界なんですね。
機械文明と魔法が混在する世界観は、今時のファンタジー物の流行ですよね。
これが迎合だという批判があります。
離れていった昔のファンを呼び戻し、かつ自分の好きなものを作りたいからそうしたんだろうと。確かに、ハウルの中ではギガンテとそっくりな爆撃機が出てくるシーンが何度もあって、意識して作っているなとは思いました。
でも、私は駿作品が昔に戻ってくれたことが嬉しいので、別に魔法と混在でも構いません♪

批判その二。声優が下手過ぎる。

これは確かに私もジブリ作品を観賞していると必ず思うことです。
業界では有名な話なんですが、宮崎駿は大のアニメオタク嫌いで、アニメオタクに人気のあるプロの声優・・・堀江由衣(ダ・カーポの白河ことり役)とか、三石琴乃(葛城ミサト役)とか、林原めぐみ(綾波レイ役)とかは絶対に使わないんです。少なくとも、オタク界で一度有名になったらもう「汚れてしまって」いるので使いません。
ジブリアニメは一般人向けアニメ、他はオタク向けアニメ、と明確に境界線が引かれてる遠因ですね。
アニメなんてオタクが見るものだと思ってる人達も、ジブリだけは何の抵抗無く見る、そういった世論が醸成された背景には、ジブリの徹底したオタク世界との隔絶政策があります。
ジブリでは、声優は素人の子どもか、もしくは声優経験の無い一般の俳優を使うんです。有名俳優を使えば、大手企業も広告を出したがるから一石二鳥です。
普通アニメの支援なんてバンダイや代アニ学院みたいなオタクビジネスで儲けてる会社しかしないですが、ジブリ支援には読売新聞、アサヒ、サントリー、ホンダなどなど、日本を代表する大手一流企業が集まります。
ハウルの声も、木村拓哉がやりましたね。
オタクというのは社会的に批判の対象です。手塚治虫先生が存命だった頃は彼がこの業界への社会的待遇の向上、漫画やアニメを娯楽ではなく文化として認めてもらえるようがんばっていましたが、今やマスコミも好き放題偏った報道をしてますね。
マスコミのオタク特集のセオリーは大体決まってます。
秋葉原のメイド喫茶に集まっている顔面ニキビびっしりで太ったオタク(通称ブタ)とアパートに引きこもってエロゲー三昧、三次元が怖くて外に出られない青白いオタク(通称モヤシ)、こういう二個体を探し出してその生活だけを集中取材して「こいつらは全員社会不適合者だ」と結論付ける。まあ私に言わせれば、それで開き直ってるオタクと、彼らにぬるま湯を提供しているオタクビジネスにも問題があると思いますがね。悪循環なんですよ。
オタクへの軽蔑は、当然オタクに人気のある声優さんたちにも向いてしまうわけで・・・以前ソラのブログで話しましたが、オタク向けアニメと18禁ゲームは、コインの表と裏です。人気の出たゲームは、全年齢化されてアニメになります。
そして声優も最近は、18禁を経験した声優がそのままアニメ声優になるケースが増えている。業界の中では当たり前になりつつありますが、一般人から見れば汚らわしい以外の何ものでもないですよね。
私の知る限り日本の上流階級では、アニメ声優は『風俗嬢』扱いされています。これは私が言ったことではありません。彼らが私に言ったことです。
当然ジブリアニメは、政財界での評価は高いです。「ジブリはトヨタ、ソニーに並んで世界に日本を代表するブランドだ」「国の誇りだ」「国益だ」と・・・。
私もこういった考えには同感ですが、しかしその陰で他のアニメがどんな扱いをされているかと思うと悲しくなります。
宮崎駿はジブリ以外のジャパニメーションを、仲間だと思っていません。声優をわざと素人や一般俳優から選ぶのが良い証拠です。
普段アニメを見ていない一般人はあれでごまかせるのでしょうが、普段プロの声優の演技を聴き慣れてそのクオリティが当たり前だと思っている我々がジブリアニメを『聴く』と、あまりの声優の演技の下手さに、感動も半減してしまいます。
木村拓哉の100分の1の給料で、プロの声優なら100倍の演技をしてくれます。
『ゲド戦記』でまた素人の子どもを起用しているのを見る限り息子さんも同じ方針のようです。これは、少し残念です。

最後に、批判その三。
これは結構不健全な言い分なんですが、オタクたちにとってはこれが一番切実なようです。
曰く、『ハウルの動く城』はヒロインに萌えられないから駄目だと。
歴代の宮崎アニメが高い人気を博してきた理由の一つに、それぞれのアニメで活躍した、ボンドガールならぬハヤオガールともいうべきヒロインの少女達がおります。
キキ、ナウシカ、シータ、メイとさつき・・・。
ほとんどのヒロインが宮崎駿が理想とする、すなわち自然の中で自由闊達に生き、植物と動物を愛し、勇敢で心優しい少女として描かれています。
清らかな心を持ち、何事にも諦めず冒険して成長していく彼女たちの明るくて前向きな姿は、多くの国民の心に感動と希望を与えてくれました。
これと同時に宮崎アニメでは、とても味があって魅力的な老婆が数多く登場し、物語の中で重要な位置を占めます。多くが、主人公とヒロインをその年の功で導く存在。
ラピュタに出てくる盗賊団の首領のおばあちゃんなど、その真骨頂ではないでしょうか。

さて、『ハウルの動く城』が公開されるに際して、スタジオジブリからこんな宣伝がありました。「今回は、その二つの魅力が融合されます」と。それはどういうことかというと・・・
ヒロインの少女が魔法をかけられて90歳の老婆になる!
融合って、そりゃ確かに融合だけども、なんでも混ぜればいいってもんじゃ・・・・・(汗
木村拓哉扮するハウルと老婆のラブストーリー。
主人公は熟女フェチかと、そんなアブノーマルジブリは見ないぞと、もう皆さん大ブーイングでした。
まあ、そんなに美少女キャラに萌えたいならジブリなんか見ずにシスプリでも見てろってのが私の持論なので、あくまでシナリオ重視で観賞させて頂くつもりだったのですが・・・・・

・・・・・いや、驚きました。
ここまで結構文句ばかりいってきましたが、この一点に関しては、ヒロインが老婆だからこのアニメが駄目だというのは、見ていない人間のたわごとです。
騙されたと思って見ればわかります。
私はむしろ、素晴らしい趣向だと感激しました。
『ハウルの動く城』ヒロインのソフィーは、とても地味で内気、保守的な子なんです。
服も灰色の袖の長いものを着ていて、亡くなったお父さんの残した下町の帽子屋を守って毎日ただ帽子を作るだけの単純作業の日々。歴代宮崎アニメのヒロイン達とは対照的な性格です。
それが、魔女に魔法をかけられて老婆になった途端に、まあぶっちゃけて言えば彼女は開き直ってしまうわけですね。ものすごく行動的な女性、正に歴代ヒロイン並みの自由闊達な人間に変貌するわけです。
ソフィーというのは、よくいる「良い子」なんですね。
大人の前では、我侭も言わず、はしたないまねもせず、おとなしくしていないといけないと思って、自分の意思を表に出さない。だから新しいこともせずに保守的になるわけです。
このように少女だった時は謙虚に振舞わなければならずに隠していた彼女の本当の姿が、老婆になってそれまでの生活を捨てたことで発露する。灰色の雰囲気が一気に生き生きとした様子に変わるのです。

さらに面白いと思ったのが、この老婆の魔法は必ずしも絶対的なものではないんですね。
自然科学的な本物の変化と違って、魔法による変化とは暗示的な要素が大きいとよく言われます。
このアニメでは正にそれを採用していて、ソフィーが「ああ、自分は老婆にさせられてしまったんだ」と思っているときは本当に老婆の顔と声なんですが、ソフィーが何かに一生懸命になっていてそのことを忘れると、顔と声が見る見る少女のソフィーに若返っていくんです。
圧巻だったのが、ソフィーが戦争に行きたくないハウルの代わりに、ハウルの母親だと身分を偽って王宮に行った時のシーンです。
国王直属の魔法使いサリマンからハウルが自分の欲望のためだけに魔法を使っていて良心を失いかけていると責められたソフィーは、怒ってハウルを擁護します。
「ハウルは確かにどじでおっちょこちょいで臆病者だけれども、でもハウルには温かい心があります!良心を失ってるだなんてとんでもない、ハウルは悪いことなんかしない・・・」
そう必死になってサリマンに叫んでいるうちに、ソフィーの顔と声がどんどん若返っていくんですね。ソフィー自身は興奮していて自分の変化に気付かない。
サリマンは対面しているわけですから、当然最初から気付いているわけです。そこでサリマンがくすりと笑って、
「『お母様』、ハウルに恋をしているのですね」。
それを聞いて初めて自分の変化に気付いたソフィーが、真っ赤になって顔を隠す。

あのシーンは、素晴らしかった。
同時に、何故今回ヒロインを老婆にしたのかもわかりました。
ただの酔狂ではない、必要な演出だったのです。
情熱は、人を若返らせます。
年配の人だって恋をすれば若返るといいますし、逆に若くても、人生に希望のない人は実年齢よりずっと老けてみえる。
少女だった時のソフィーは、とてもやつれて見えました。
それが老婆になってハウルの城で暮らすようになって溌剌となり、王宮で若返るこのシーンでは、魔法をかけられる前のソフィーとも違う、本当に生き生きとした少女になっていました。
今回宮崎駿は、これが描きたかったのではないのでしょうか。
物語が後半になると、ソフィーは自分にかけられた魔法のことをほとんど意識しなくなるので、したがって暗示が解けて顔がどんどん若くなります。
クライマックスでは、ソフィーが心を閉ざしたハウルを救うために、ハウルの精神世界に入っていく場面もありました。
ああいうのは、エヴァやラーゼフォンの影響ですかね(苦笑。昔の宮崎アニメにはない展開でした。
最後にはソフィーはとても活動的な少女になっていました。
魔法が解けて魔法をかけられる前に戻ったのではなく、むしろ魔法を克服して全く別の新しい少女になったようなイメージでしたね。
その証拠に、魔法をかけられる前は黒かった髪は、顔が少女になっても白髪のままで、最後はそれがなんだか銀髪のようになって、まるで08小隊のアイナさまのようでした(笑。
誰なんでしょうね、今回のヒロインは老婆で可愛くないから駄目だとか言った奴は。私はこんなに生き生きとした美少女を見るのはむしろ久々でしたが(笑。

以上、長くなりましたが結論を言えば、色々と批判はあるでしょうが、最後には感動させてくれる見る価値のある作品だと思います。
そもそも宮崎さんが、見る価値のないアニメを作るはずがないですしね(笑。 

次に私が見るのは、息子さんの『ゲド戦記』になりますね。
今回継承が順調に進むかどうかで、ジブリブランドと日本アニメの将来がかかっていますから、各界も注目しています。
アニメブランドが親から子に受け継がれるのは前代未聞ですが、それはアニメというものが新しいからで、元来芸術的才能というのは、世襲されるのが我が国では普通です。
陶芸、茶道、華道、歌舞伎などですね。
他人よりも近くで生まれ育った子弟の方が、固有の才能を継承し易い環境にあるからです。
ジブリアニメもいずれ『ジブリ道』という一つの日本の文化遺産的古典芸能になると考えれば順当でしょう(笑。
宮崎吾郎氏と直接お会いしたことはまだ無いのですが、写真でお顔を拝見すると、とても自信たっぷりの表情をされているので「ほう」と驚きます。
大物になる人間の顔といいますか。
ただの有名人の息子というだけでは、ああいう人にはなりません。ご自分に実力があるのでしょう。
前評判もいいようですし、期待しています♪


代表談話:水銀党本部公開のお知らせ

2006-07-18 02:26:24 | Weblog

こんにちは、水銀党代表・冬月です。

今日皆さんにするお話の本題に入る前に、まず昨17日、イラク南部のサマワで復興支援活動にあたっていた我が国の陸上自衛隊イラク復興支援群が、全員無事に撤収を完了できた事を喜び、神に感謝したいと思います。
派遣に関する政治的論議は脇に置くとして、二年半もの長き間日本人の部隊が、世界で最も危険な国での任務に従事したこと、これは陸上自衛隊にとって初の経験であり、たった一人の犠牲者も出すことなく、さらに言えば味方にも敵にも一人の犠牲者を出すことなく任務を完遂できたのは僥倖であり、派遣された自衛官全員の勇気と能力に、心からの敬意を表したい。
また、陸自の復興支援活動は、現地で47万人ものイラク人に雇用を創出し、イラクへの日本の貢献をイラク国民に印象付けた。任務は成功であったと、考えていいと思います。
何より、私達と同じ日本人が、一人も死ぬことなく皆生きて帰って来られる事、これ以上の喜びはありません。
本当に、お疲れ様でした。ありがとう。

以上、このたびは陸上自衛隊のイラクからの撤収完了について、特別にコメントさせて頂きました。
それでは、今日の本題に。

皆さんは、もうご覧になったでしょうか。
このたび私とharuさんのホームページ『水銀党本部』を、ついに公開致しました。
水銀党本部からこのブログにいらして下さった方は、ようこそいらっしゃいませ♪
まだご覧になっていない方は、是非一度遊びにいらして下さい♪
今回の公開は共同で活動している神鏡学斗の『Lemon slice』のオープンに合わせましたので、当サイトまだ工事中の区画も若干ございますが、速やかに完了させてグランドオープンとしたく目下全力で作業中であります。

入り口の写真から連想されるように、この『水銀党本部』のコンセプトは、艶やかなかがり火で闇夜に浮かび上がる、非日常の世界へといざなう絢爛なグランメゾンです。
グランメゾン、と申し上げると、日本ではあまり一般的な呼称ではないかもしれません。
Grand Maisonとはフランス語で、直訳すると『偉大な館』。
転じてヨーロッパで一流のレストラン、またそのレストランとなっている古い王侯貴族のシャトー、城館を指します。
ヨーロッパでは、昔の王侯貴族の城や離宮などをホテルやレストランとして利用することが多いのです。
王侯の宮殿のような荘厳さ、壮麗さ。
そしてその優雅な空間の中で供される、伝統的で重厚でありながらも洗練された一流の料理とサービス。
私の尊敬している、TAILLEVENT-ROBUCHONのメートルドテル(給仕長)を務めた方が、こんなことをおっしゃっています。

「”グランメゾン”とは単なる高いだけのレストランでもなければおいしい料理を出す店でもない。
そのレストランに一歩足を踏み入れた瞬間から全てが異次元の世界へと導いてくれる・・そんな夢のレストランだ。  
非日常の連続空間とでも言おうか、雰囲気、サービス、料理、調度品、接客係りの身のこなしや顔付きまでが異次元の世界なのだ。 
その空間に足を踏み入れるために何週間も前から予約をし、異次元空間を共有する相手を選び、着て行く服を考え、帰りには目の玉の飛び出るような金を払う。 
そこまでしてまた何時の日か、またそこに足を踏み入れたいと強く願うのだ。 
そして何日いや、何年も続くことになる細くて長い余韻に酔いしれる。そこには何気ない日常はあってはならないのだ。
チャーチルの言葉を借りて言うならば、グランメゾンを経営して行くということは、ダービー馬の馬主になるのと匹敵するくらい難しいことなのだ。 
レストランというものをこよなく愛し、グランメゾンに対する確固たる哲学を持ち、長期的な視野と大いなる資産、そしてそれに見合う品格を持ち合わせてなければ出来るものではない」

私にとってのサイトの理想が、このグランメゾンなのです。

料理の代わりに、小説というエンターテイメントを。
お金の代わりに、感動の共有を。
全ての方に、優雅な時間とクオリティを提供したい。そう願って、このサイトを作りました。内装には、私がこの足でヨーロッパ中を回って撮影した4000枚を超える写真の中から、『水銀党本部』に相応しい一枚一枚を厳選させて頂いております。
私がかつて異国の地で感じたエッセンスを、少しでも多くの人にお伝えできれば幸いです。

もう一つ、水銀党本部を作成する上でテーマにしたのが、このサイトの名前の原点となっている、ローゼンメイデンの『水銀燈』です。
夜、薔薇、十字架、羽・・・このサイトの内装には、水銀燈を連想するようなキーワードがあちこちに散りばめられています。
使用している写真も、原作で水銀燈の精神的故郷として描かれている東欧のものを中心にまとめました。
またサイトのBGMは、ローゼンメイデンファンなら知らない人はいない『BattleRose』をアレンジした二次創作サイトさんから提供して頂いております♪
このメロディは、私のお気に入りでして。
心を揺さぶる情熱の旋律は、水銀燈の『戦い』のイメージです。

私にとって水銀燈とは、単なるアニメキャラクターではない。
生と死の本質、闘争のプラウダです。
彼女は生と死を肯定も否定もしない、呼吸するかのように闘争し、冷淡なようでいてその胸には熱い想いが滾っている。打算的なようで、彼女を動かす原理は闘争への情熱。
しかしその想いを、決して安直に外気に晒すようなことはしない。彼女の戦士としての誇りが、それを許さないのです。
言葉にした瞬間、想いが退廃して安っぽいものになってしまうことを、彼女は知っている。
そして彼女は、普遍的な道徳や倫理といった虚飾に対するアンチテーゼだ。
誰もが目をそむけている『本質』から、水銀燈は逃げない。
戦い続ける。

このサイトは、そうした私なりの水銀燈解釈を形にしたものなのです。
一つの作品といっても過言ではない。

サイトとは完結しない作品である、と言います。
サイトの公開は、すなわちひとつの始まりだといえるでしょう。
此処を新たな拠点に多くの新しい試みをし、多くの出会いをしていきたい、私の創作活動の結実の全てを此処で提供していくと共に、自分も多くを学び得たいと思っております。
水銀党本部を、どうかよろしくお願い申し上げます♪


落雷、脱線、支離滅裂

2006-07-17 19:37:54 | Weblog

どうも~♪久しぶりにブログ担当してます、水銀党こと冬月です♪
暑い日が続いてますが、皆さんいかが・・・

薔薇「・・・・・貴方、誰?」

銀様「あらぁ大変、執務室に変なじじいが座ってるわぁ。カズキ君ならここにはいないわよぉ」

じゃかわしいこの薄情人形ども!!特に銀さん、じじいはないでしょうじじいは(涙。
私が大学の試験期間中だから勉強に集中できるようにって、haruさんが代わりに頑張ってブログを沢山更新してくれてたんですよ。でも今日は試験が一個いろんな意味で終わったんで、息抜きで顔出したんです!いけませんか!?

薔薇「・・・・・とりあえず、haruさんが慈愛に溢れた優しい人だということと、あなたがその優しさを受けるに値しない駄目人間だということはよくわかりました」

銀様「そーよ、何haruさんにブログの管理押し付けてんのよ!大体、毎日更新っていう設立時の目標はどこにいったの!」

そおいや、そんな夢みたいなこと言ってた時もありましたっけねえ(遠い目)

銀様「さあ書け!留年してでも書け!いやむしろ留年してそれをネタに書け!!

・・・・・あんた、ドールの皮をかぶった鬼だろう(涙
つうかなんだよ、この『げんしけん銀様』風なノリは・・・。

さてさて、気を取り直して(涙を拭いてにっこりスマイル)
最近過ごし辛い天候ですが、皆さん夏バテにはなってやしませんか?
朝出る時カンカン照りで日射病になりそうだったのに、午後から急に土砂降りになって、夜は夜でちっとも涼しくならずに蒸し暑い。

それと、雷もいやですよね~。
この前なんか東横線に乗ってたら、自由が丘の辺りで電車の真横に落雷しましてね。
経験ある人はわかると思うんですが、雷って遠くで鳴る時はピカッと光ってから音が来るまでタイムラグがあるけど、至近に落雷すると閃光と轟音が同時にやってくる。
ピカッドンッ!!って感じですね。
そう、ピカドン。

銀様「いい加減ヒロシマネタは洒落んならんから(汗」

チョコレート食うたびに「美味いのう!美味過ぎてP――ちびりそうじゃあ!ギギギギギ!」ってわめいてるうちの大学の奴らよりましですって!
いやはや、あの時は至近で爆弾でも爆発したのかと思いましたよ。乗客達の間からかなり悲鳴が上がってましたからね。雷だとわかった後は落ち着きましたが、近くに落ちると、本当に砲弾が着弾したか爆弾が破裂したように感じられます。
大気圏降下で初めて地球に降りてきたホワイトベースのクルーが、落雷をジオンの新兵器だと勘違いするのもわかります(笑
私も、もしも丁度その時下向いて『すごいよマサルさん!』を読んでなかったら悲鳴上げてたかもしれません。

薔薇「確かにあの漫画を読みなれてしまうと、よほどのことでもないと驚けなくなりますよね・・・」

でもね、一昔前は電車に爆弾なんて、「んなことこの平和な日本であるわけないでしょーが!」ってフルメタの千鳥かなめみたく一蹴できたのでしょうが、昨今はテロや北朝鮮のミサイルで、とかく物騒な世の中ですからね。

それを考えると、あのフルメタの『かなめの常識=普通、宗介の常識=戦争ボケ』という設定は、今じゃ通用しなくなってきてますな。駅でも9・11以来ゴミ箱とか撤去するか大きな物捨てられないようにふたの入り口狭くしてますから。
学校の靴箱に爆弾がしかけられていると思う宗介の思考はつい数年前まではありえないギャグでしたが、最近は本当にそんな事件が起きてもおかしくない世の中ですよね~(しみじみ)賀東先生も、それに気付いて物語の方向性をがらっとシリアスに変えたんだと思いますけど。

薔薇「・・・・・そういえば、デリーの通勤列車で爆弾テロがあったそうですし。東京も危ないかもしれないですね」

銀様「大丈夫よぉ、私をボディーガードに雇えば、爆弾なんて怖くないわぁ」

ぎ、銀様がボディーガードですか・・・ギャラがずいぶんと高そうですね(汗

銀様「インターネットオークションにかけてみようかしら、『水銀燈を一日ボディーガードにする権利』♪マニアが高値で競ってくれそうねぇ」

薔薇「・・・・・たった一日じゃ意味ないです。しかも動機が援助○際並みに不純だし・・・」

そういえばアメリカでは最近有名人が、自分と食事をする権利とかをオークションにかけてますよね。タイガーウッズとゴルフをする権利とか、南アのマンデラ元大統領とティータイムをすごす権利。一千万円ぐらいの値になるとか。
羨ましいですよね~、有名人は人気があるから、そんなことでも金が稼げるなんて。

薔薇「冬月さんは何か誤解されてるようですが・・・・それはオークションはオークションでも、収益を慈善団体や貧しい国などに寄付する『インターネットチャリティーオークション』です。いくら拝金主義のアメリカでも、さすがに有名人が私腹を肥やすためにそんなことをやったら問題になるでしょう」

銀様「困ってる人を助けるためか・・・・・だったら、めぐの入院費にするという名目で、私とアリスゲームを楽しむ権利のオークション、1000ペリカからのスタート!」

誰も応募しませんよ(怒。つうか何故にペリカ。

薔薇「・・・・・・ちなみに、めぐさんは貴女の配偶者みたいなものですから、そのオークションはチャリティーとは認められませんよ。昨今野党からたたかれている日銀総裁をみるまでもなく、配偶者の資産は本人のそれと同義のようですから」

銀様「ったく、これだから日本の野党は頭が悪いのよ。政権取ろうとする前に民法を勉強しろっつうの。夫婦ってのは一緒に暮らしてても、財産権においてはそれぞれ独立した個人なのよ?そうよねえ冬月?」

ははは・・・野党は国民感情の代弁者ですから。そして一般国民の大多数に、法律の知識はありません(苦笑)。まあ政治なんていい加減なもんですよ、理屈で考えようとしない方がいい。

薔薇「・・・・・・なんだか、いつになくシニカルですね」

だって・・・・・今日民法の試験だったんですよ!
民法なんて思い出すのも嫌なんですよ!だからぬるい世間話でもしようと天気の話してたのに、なんで気がついたら一番したくなかった民法の話に!!(号泣

薔薇「えーと(ブログを読み返しながら)・・・・・あなたが雷を爆弾に例えた辺りから、話が脱線し始めたようですね

・・・・・・・・・・。

銀様「そういや、こないだ『宇多田ヒカルとテトリスをする権利』とかいう公告を見たわぁ。私テトリスとかルールわかんないしぃ・・・・・そうだ、『宇多田ヒカルとアリスゲーム』をする権利に!」

薔薇「そうやって貴女はなんでもアリスゲームにすればいいと思ってる」

銀様「黙りなさい、私は皇族よ!?」

薔薇「それはアリスゲームじゃなくて有栖川・・・・

 

支離滅裂で申し訳ありませんでした。

―終了―


大切な言葉について。

2006-07-15 04:35:33 | Weblog

ずっと前に聞いた言葉を、今でも覚えてたりしませんか?
何かをした事でふと思い出したり、ぼーっとしていて浮かんできたり・・
haruは今日、10年以上前の友達の言葉を思い出しました。

小学校の頃です。
haruには、いつも一緒だった友達がいました。
昔からあまり大人数ではなく1対1で仲良くなる方で、その友達とは姉妹みたいに仲が良かったです。
誕生会を開いたり、「ごっこ」遊びをしたり。
お互いよく家に泊まったりして、公園でタイムカプセルを埋めたりもしました。
たまに親に内緒で電車に乗って冒険したりもしましたね~(笑
ちゃんと帰れるか心配しながら、でもすごく楽しくて★
何年後でも、きっとずっと一緒にいるんだって当たり前に思っていました。

haruも本当に楽しかったし、彼女が大好きでした。


4年生も終わる頃、haruは転校する事になりました。
haruには幼馴染がいて、皆の中心になってお別れ会を開いてくれました。
沢山プレゼントを貰って、皆の言葉が嬉しかったです。

でも、あの子の姿はなくて・・

転校まであと数日。
彼女が学校に来なくなって2週間くらいだったでしょうか。
haruは何か嫌な事をしてしまったのか、嫌われてしまったんじゃないかって凄く怖くて・・
彼女の家の前まで行って、でも勇気がなくて何も出来ずにいました。

あの頃はたった数時間で会える距離なのにとても遠く感じて、もう会えない気がしていました。
学校が変わって馴染めるかなんて事より、彼女に嫌われてしまう事が怖くて。

最後の授業の日は、今でもよく覚えています。

近くに土手があったので、そこで自由時間で・・
担任の先生が気遣ってくれたんですね★
親が迎えに来たのは、学校に帰ってすぐでした。

最後まであの子には会えないまま、haruは転校しました。

車の中で、親から聞いた事は・・
「あの子は、haruがいなくなるのが寂しくて学校に来られなかったんだよ」


あの時、どうして勇気を出して会いに行かなかったのか。
haruは友達を信じきれなくて、少しも理解していませんでした。
「自分が嫌われていないか」と、最後まで自分の事ばかりで・・


最後に交わした言葉はいつも通りの「また、明日ね」

いつも通り彼女の家から出るとき、笑顔で交わした言葉でした。


それから、あの頃の様に会う事はなくなってしまいました。
たぶん、あの時ずっとharuが会いに来るのを待ってくれていたのですね。
それなのに、haruは行かなかった。
縁を切るような事をした訳ではありませんが、自然とお互いに離れてしまいました。
1度だけ会ってみようと思った事はありましたが、いざとなるとどうしても会えなくて・・一緒に埋めたタイムカプセルを持っていこうと探しに行きましたが、それも1人じゃ見つける事が出来なくて。

転校先の小学校で出会った友達とは、今でも1番仲がいいです。
それだけにあの時会いに行っていれば、今でも彼女と友達でいれたのではないかと後悔してしまいます。

・・これを思い出したのは何故か仕事中だったのですが(笑

ふとした瞬間、「また、明日ね」と声が聞こえた気がして。
顔はぼんやりとしか覚えていないのに、声はよく覚えているから不思議です。
もう何年も経つのに、覚えてる言葉って意外とありますよね。

haruは誰かに、支えになるような言葉を残せるのかなって考えた時に

・・無理かも(汗 
って思っちゃうんですけどね~;

いい意味で何年経っても残る様な、そんな素敵な言葉を持った人になれたらなぁって思う日でした。

100万回生きたねこ。 haru

2006-07-11 04:14:12 | Weblog
どうもこんばんわ♪haruです。

最近、水銀党さんが絵本の「100万回生きたねこ」のお話をされていて、haruもまた読み返してしまいました。

絵本といえば、本当に読む機会はなくなりましたね~
幼稚園の頃なんかは絵本大好きでした。
haruが好きだったのは定番の「ぐりとぐら」シリーズです★
何と言ってもホットケーキが美味しそう過ぎる~(笑
あとアイスクリームを作る話とか(食べ物ばっかですが)毛糸玉がセーターになる為に冒険するお話とか・・絵本は結構持っている方だと思います。

その中で、やっぱり誰もが1度は読んだ事がある「100万回生きたねこ」。
様々な飼い主と出会い、100万年の間生きた不思議な猫の話です。

猫は自分が大好きで、100万回死んで100万回生きた事が自慢です。
死ぬ事なんて自慢の一つに過ぎません。
飼い主なんて嫌いで、自分より好きなものもなく、泣いた事もない。
でも、一匹の白い猫と出会って猫は変わります。

100万年生きてきて初めて、白い猫と生まれた子猫たちの事を自分よりも好きになります。
ですが、やっとずっと一緒にいたいと思えるものに出会えたのに、白い猫が死んでしまいます。
猫は初めて泣きました。朝も夜も、100万回泣き続けます。
やがて猫も動かなくなり・・


だけど、猫はもう決して生き返る事はありませんでした。


死ぬ事を何とも思ってなかった猫が、ずっと一緒に「生きていたい」と思う。
100万人の人が悲しんでも一度も泣かなかった猫が、100万回泣き続ける。
最後は今までの自分の飼い主達の様に、泣き続けるのですね。
それまで生きた100万年と、白い猫と生きた数年。
そして、猫がもう生き返らなかった理由・・
最初と最後のあらすじが繋がった時の何ともいえない気持ちが・・
久しぶりに読んだ直後は何だか悲しくなってしまいました(TДT)
涙腺弱過ぎて涙なしでは読めずです(涙

絵本はいいですね♪
昔も今も変わらず、作者の方が込めた気持ちが純粋に伝わります。
でも、読み返す度に感じ方が違うのも面白いです★
それがまた自分の変化なのだなって思うと不思議ですね~。
自分より大切だと思えるものに出会えるって、とても幸せな事なのですね。

お持ちの方は、ぜひまた読み返してみてください♪

バトンばと~ん(゜▽゜★

2006-07-09 01:37:18 | Weblog
どうもこんばんわ~♪
今回は水銀党さんよりバトンをいただきました★
のでharuもさっそくバトンバトンしてみようと思いま~す(´д`*

●実家?一人暮らし?
今は親と一緒に、のどかな某県民やってます♪
でも、haruはほとんど仕事か私用で家にはいないので・・一緒、といっても同じ建物にいながら普通に会わない日もありますね~(笑

近々友達と同居計画がありまして♪
(一人暮らしは絶対無理です。一人じゃ生きていけません~(笑)
というか一人暮らしの方から、本当にご飯には困る・・とお伺いした事が。
今の内に料理修行しておかないとです★

●写真は貼ってある?
これは自分の部屋に、なのでしょうか?
写真は貼ってないです。最近は撮る事自体ないです。
もう若くないんですね・・(T□T)

●何かかってる?
神鏡さん風だと何も「飼って」はないですね~。
水銀党さん風だと今はゆずの「からっぽ」がPCで「かかって」ます♪
呪い・・haruもかかってるかも(汗

●機械はある?
PCくらいです。音楽もこの子で済ませます。
あと携帯とか(笑

●これだけは人に負けないというものは?
流れからすると・・自分の部屋についてなのでしょうか?
負けないもの・・特にないですね~・・至って普通です。
お、というか水銀党さんが嬉しい事を言ってくださいましたね♪
いつもネガティブ過ぎてご迷惑をかけてしまうので、素直に嬉しく思う事にします(笑
いやいや、水銀党さんの事は褒めだしたらきりがないですよ★
頭も良くて背も高くて、優しくて真面目で素敵な方です。
あと・・もの凄く面白い方です(笑
haruは水銀党さんと友達になれて幸せですよ~♪楽しませていただいてます!

●部屋は片づいてる?
う・・(゜Д゜;
やたら服と化粧品が多いです。収納しきれないものも・・
あったりなかったり、ですよ(笑
家具とか、それ以外の物は少ないのですが。
というか家具がないから収納が足りてないのでは・・と今気づきました。

●次に回す方
水銀党さん、ありがとうございました★
haruが次に回す方は、クラウドエンドの霧式ソラさんでお願いしま~す♪
もしかしたらお部屋にウサヒコがいるかもしれないですね~(笑
楽しみです★

haruは七夕の前日が友達の誕生日だったので、車で仙台まで行ってました。
といってもharuは免許ないので後部座席で騒いでただけなのですが(笑
天気予報は雨でしたが何とか晴れてくれて、夜中に通りかかった宇都宮では星がすごく綺麗でした♪
そんな中東京は雨だったのですね・・
水銀党さんお疲れさまでした~★

神鏡からバトンをもらいました♪

2006-07-08 15:14:44 | Weblog

 

北朝鮮のミサイルは、冬月コウゾウの身体をよけて通る・・・北朝鮮のミサイルは、冬月コウゾウの身体をよけて通る・・・北朝鮮のミサイルは・・・・

・・・えー、毎度意味不明でごめんなさい、水銀党こと冬月であります。
今日のブログのアミューズ(突き出し)は、ここに来ておられる方の何人がついてこれるかわからないLAST EXILEネタを★

だってだって、素敵じゃないですかLAST EXILE
私がアニメ研の代表だった頃、新入生勧誘のポスターで一番力入れたアニメですよ。
空中都市や飛行船が登場する幻想的な世界観がもうたまりません♪
このクールな雰囲気が、ジャパニメーションのクオリティなんでしょうね。アイリッシュな音楽もたまらない。

そうでなくとも、私は空中戦艦に目が無いもので。
どういうわけだがヘルシングに出てくるフライング・ドレッドノートには魅力を感じない・・・つーかあれは乗ってる少佐殿が濃すぎて飛行船の存在感薄すぎ(爆)

ナチスの科学力は世界一ィィィィィィ!!!byシュトロハイムなはずが爆発したヒンデンブルク号、FFのゲルニカ級飛行艇、ナウシカのバカガラス、中島飛行機の富嶽、B36ピースメーカー・・・・・そして一番好きなのは、なんといってもラピュタに出てくるゴリアテです!(「空中戦艦といえばらいむいろ」とかほざくエロゲ厨は誰だ!?私だ!プギャー
えー、一瞬ノイズが混じりましたが、無視してゴリアテの話を。高校時代三鷹の森ジブリ美術艦に行ったのも、あそこにあるゴリアテの原画が見たかったからだったりします(笑。
そうそう、ジブリといえば、宮崎親子が仲直りしたそうでよかったです。
駿さんが息子吾郎さんの『ゲド戦記』をようやく認めたとか。
あの父親も頑固なところがありますから・・・「まだまだ俺は現役だ!息子に負けてたまるか!」っていう気持ちもあったんでしょう(笑)。
何にせよ喧嘩が終わったようで何よりです。思えば三鷹の美術館も吾郎さんの設計だそうですから、すごい才能だと思いますよ。これで、日本アニメと宮崎ブランドは後半世紀は安泰ですな♪

さてさて、アミューズのはずがいい加減脱線しすぎてオードブルまで食っちゃってるので、そろそろ本日のメインへ。

先日神鏡が常連客のおちむしゃさんからもらったバトンを私に回してきてくれたので、これから答えてみたいと思います。ま、ここにお集まりの紳士淑女の皆さんはよーくご存知の通り、この私が答えるといろんな意味でロクなものにはならないですがね、くっくっく(←自分で言うな)よーし、では始めましょう!

 

●実家?一人暮らし?

おおっとぉ!?第一問からいきなり突っ込んだ質問だ!
ネット上でいきなりオフの個人情報晒せとは、いい度胸してるじゃねえかぁ(←何故に喧嘩腰?)
つーか出題者、この質問の目的は何?(←それは聞いちゃ駄目)

えー、いい加減無駄にハイテンションな一人芝居に疲れてきたので真面目に答えますと、私は親と同居ですね。
ちなみに重箱の隅をつつくようで申しわけないんですが日本語の話をさせてもらうと、今現在同居している場合それは『実家』とは呼びません。『実家』というのはあくまでそこを出た後に発生する言葉です。
一人暮らしを始めるきっかけとして一般的なのが、大体遠くの大学に進学した場合ですよね。私は元々家が東京で、大学のキャンパスも神奈川と三田で首都圏にありますし、親子仲も幸いなことに良好ですから特に出て行く理由も無く同居してます。
先日自分の部屋を二階から三階に移しましてね、ここから見る眺めが気に入っているので、結婚するまでは当分はここにいますよ。

余談ですが、家族と同居している人って皆さん一人暮らしに憧れますよね。
まあ、人間誰でも自分とは違う環境の人を羨ましがるものです。
田舎のねずみは都会をうらやみ、都会のねずみは田舎をうらやむ。
ですが・・・・・私の大学の友人の中には地方から出てきて一人暮らしをしている人が何人かいますが、見ている限り結構大変そうですよ?

毎日自炊するのは大変ですし、かといってコンビニのお惣菜生活では身体壊すし、送られてくる生活費使い果たしたら文字通り四面楚歌ですし、家事や生活管理も全て一人。そして最も辛いのが『孤独感』だそうです。

家族は勿論高校までの友達もみんな地元に残して、一人だけ東京の大学に出てくるわけです。大学がどういうところかというのは、以前も説明しましたね。
高校までと違って固定されたクラスが無く学年の人数も多いので、人間関係はとても希薄になりやすく、人付き合いが成立したとしてもほとんどが試験対策とか「出席カード代わりに書いといて」とか「ノート貸して」とかそういう損得勘定だけの関係になります。なんのきっかけもなしに友人をつくるのは不可能に近い。

私のように東京の高校から東京の大学に進んだ人間は、高校時代の友人と集まって遊べばいいので大学で友人ができなくても寂しいことは何もありませんが、地方から出てきて孤独が苦手な人にとっては、かなりきついでしょうね。

勿論、「私は一人で平気」、という綾波系の強者は問題ないでしょうが、普通人間の精神は、そこまで強くはできてない。
私自身、去年50日間一人でヨーロッパを旅していて、しばしば空虚感に襲われました。それでも、まだ旅行というのは、次から次へと見知らぬものを見て驚いている内に日が過ぎていきますから、孤独はあまり感じないものです。もしも、同じ日常の中で孤独だったら。
誰も友達がいない大学に通い、誰も待っていない家に帰るのが日常だったら。耐え難いですね。

そういう人がどうやって孤独から脱却しようとするか。
大手サークルのコンパに毎回欠かさず出たり、大教室を無理してみんなの連絡先を集めて回ってクラコン幹事なんかを引き受けて、とにかく輪の中心にいたがる人っていますよね?大学生の方ならそういう人を一度ならず見たことあるかと。

そういう人のほとんどが、地方から出てきている一人暮らしの人です。酔い潰れたり終電に間に合わなくなった人とかを家に収容できるので、飲み会ではとにかく実力を発揮します。私は大学で、この手の人間を大勢見てきました。

こういった人種を「表面的な付き合いだけをしている」とか「軽薄だ」とか言って蔑む人は多いですが、私にはそうは思えません。

私ももし同じ立場になった時同じことをしなかったといえない以上、言えません。

そもそも『県人会』などというのは、今言ったようなことを目的とした組織でしょう?

私の高校時代の親友だった人達も、遠くの大学に行った人が大勢います。
筑波や宇都宮なんてまだ近い方です。
呉、滋賀、青森、旭川・・・・・七夕の神話に出てくる織姫と牽牛は年に一度しか会えないから可哀相だといいますが、私も彼らとは年に一度、正月ぐらいにしか会えなくなりました。昔は毎日同じ学校に通っていた我々が・・・・・寂しいものですね。

・・・・おやおや、ごめんなさい、なんだか真面目に書いていたら湿っぽくなってしまった。
では、気を取り直して第二問にGO!


●写真は貼ってある?

ふむ、これはどう解釈すべきなのか。
第一問がオフの質問だったからその流れなのか、それともネット上で交わされるバトンらしくネット上でのいわゆる「貼り」の話なのか。
まあ、あんまり深読みしすぎると、バイク好きの恋人に「誕生日には赤いマフラーが欲しい」と言われてバイクのマフラーをスプレーで真っ赤に塗ってプレゼントした某ダディフェイスの少女みたいになっちゃうので程ほどに★
後者でしたら、私これでも某ゲーム画像掲示板の住人半年ほどしてた経験がありますからね~。あそこでの住人同士の会話はスリリングですよ♪
『うpキボンヌ』『既出』『クレクレ君』『詳細希望厨はカエレ』『貼り職人』『自演乙』・・・・・いやあ懐かしいなあ、足を洗って久しいけど(←暴走族か何かか)、HDを画像だけでいっぱいにしてたあの頃は本当に楽しかった(←駄目人間)。

それとも前者か。
私にも、コックピットに死んだ妻や子の写真を貼り付けて、コロニー落としをやれと?
えー、憎しみの連鎖はさらなる憎しみを生むだけなのでやめときます、はい。

まあ、真面目な話をすると、デスクの写真たてには私の愛しい妹の写真が飾ってあります。私の愛犬、マリー・カスカーラ・オブ・クイーンズ・イソップ・ジ・エイピー♪ゴールデンレトリバーです。8歳でしてね、もう老犬なんですが、頭は冴えてますよ、私より賢いぐらいです(笑。走るのも短距離なら私より速いです。
何、それはお前が単に馬鹿でノロマだからだ?こら、そんなことを言うのはその口かあ!うりうり(以下犬と戯れる冬月)。


●何かかってる?

呪いがかかってます。

・・・・・ごめんなさい、つい言ってみたくなっただけです。別にこのブログを見たら画面から水銀燈が出てきて一週間で死ぬとかいうことは無いですから許して下さい(←どんなだよ)
しかしまあ、わかり辛い質問ですな。作った人の国語力の問題ですな。
神鏡はこれを『何か飼ってる』と解釈したようですが、犬の話はさっきしてしまったので、私はここはあくまで『かかってる』で正面突破をはかります。

私の部屋のサイドテーブルには、CLANNAD登場人物全員集合のテーブルクロスがかかってます
私の部屋のCDプレーヤーでは、『涼宮ハルヒの憂鬱』のハレ晴レユカイがかかってます。
どうでもいいけど私のご飯にはよく納豆がかかってます
お金はパセラのカラオケ代がかかってます。
そして私の人生には、やっぱり呪いがかかってます(←もうそのネタはいいから)。
以上、『生き物地球紀行・・・今日のテーマはオタクの生態』でした♪不思議を紐解いた時、そこには必ず感動が待っています♪(←どこが)。


●機械はある?

・・・・・こ、この出題者、何故私が生身の身体では無いとわかった!?
ふはははは!ほざけ人間!
貴様ら人間とて突き詰めれば、所詮は蛋白質分子というナノマシーンによって構成されたロボットに過ぎないでは無いか、私は不完全な肉体を捨てて、機械の身体になって甦ったのだア!!

・・・・・・・・・・・。
えー、いい加減黄色い救急車のサイレンの音が近付いてきたんで、ボケるのはこの辺にしときます。

またまたわかり辛い質問ですね。
この出題者、日本語の目的語や補語というものを知らずに文章書いてるようです。神鏡が呆れて一文で終わらせるわけですよ。
まあ私だって機械は持ってますよ。今これ書くのに使ってるノートパソコンとか。携帯電話とか。すごいんですよ私の携帯、太陽系の外とだってメールのやり取りができるんですから(大嘘)
・・・と、話が『ほしのこえ』ネタで長くなる前に、先に進むとします。


●これだけは人に負けないというものは?

後半にしてようやくバトンらしいまともな質問をありがとう。
神鏡はこの問題に対して謙虚に「人との競争は意味が無い」的な回答をしていますが、私は『涼宮ハルヒの憂鬱』を見た直後で涼宮様の負けず嫌いな性格が乗り移っているので、高飛車に回答しちゃいまーす!!
へっへーん!人に負けないものぉ!?そんなもん山のようにあるに決まってるじゃないの!えーっとねえー、えーーーっと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・。

・・・・。

(↑何も思いつかなかったらしい)
う、うわ~~ん!!ママァ、このバトンがボクをいじめるよお!!(号泣)

・・・・ははは、まあ冗談はさておき、止めておきましょう。
就職で企業に自分を売り込む履歴書を書かなければならないならまだしも、自分の優れたところなど、自分で口にするものではありません。
私はただ、誰にでも顔が利くからグループの中で調整役に重宝されることが多い政治屋です(苦笑)、特に何かに秀でた人間じゃない。

その代わり、このブログを共有している私の友人、haruさんのことでよろしければ、お答えしましょう(笑。
haruさんと知り合ってもう半年以上が経ちますが、僭越ながら私が思うに彼女の優れている点は、常に周囲の状況を正しくかつ広範囲にわたって把握し、それに対して的確な判断ができること、向上心・改善意欲が高いこと、そして慈愛の精神を持ち責任意識が強いこと、ですな。
この人には、いつも驚かされる。


●部屋は片づいてる?

「部屋は片付いてる?」どういう意味だ・・・・・はっ、そういうことか!
イエス・サー!この部屋は『クリーニング』済みであります!盗聴器はありません!

・・・・・・(もはや一人突っ込みもなしでスルー)そうですね、まあホテルの部屋や不動産屋のモデルルームのような綺麗さを求めれば確かに散らかってるかもしれませんが、私は散らかすにしても計画的に散らかすのでね。片付けようと思えば、すぐに片付けられる範囲内ですよ。


●次に回す方

とうとう、このバトンともお別れの時間がやってきましたか。
・・・・・忘れもしない、あれは初めてバトンをもらった時。
私が遠慮してharuさんにバトンを送れずに代わりに外蛯沢だのモストだのねずみだのガンブグルツペ(不死身の人でなしの軍勢)に送ろうとしてた時に、横のソラがちゃっかりharuさんにバトン渡して私は渡せなかった・・・・あーくやじー!
今こそ悲願の実現を!

というわけでharuさん、次のブログはこのバトンでお願いします♪(笑

 

以上。なんだか、真面目に答えてたのよりネタの方が圧倒的に多かったような気がする(汗・・・・・


商店街祭りのミッドウェー

2006-07-07 21:54:37 | Weblog

どうも、水銀党こと冬月です。
今日は七夕♪皆さん短冊に願い事は書きましたか?
お書きになった方、貴方の願い事がかないますよう、お祈り申し上げます。
もしまだの方がいらっしゃいましたら、このブログのコメント欄でも短冊代わりに使って下さい(笑)。ひょっとすると銀様のご利益があるやもしれません★

さて、今から皆さんにお見せするのは、この七夕の数日前に、実際に東京某所の商店街であった話を元に書かれたノンフィクションドラマ・・・・・のままだと色々とやばいので(汗)、毎度恒例『マーキュリーチャンネル』のキャストに演じさせるパロディにしました。

その名も『ミッドウェー海戦』。何がどうミッドウェーなのかと説明するのは長くなるのですが・・・・・・

 

二〇〇六年六月下旬
東京 水銀党本部ビル 第一状況説明室(←無駄にフルメタ風)

薔薇「・・・・・本日お忙しい中お二人にご足労頂いた要件は、他でもありません」

銀様「・・・その前にさ、ひとつ聞いてもいい、薔薇水晶?」

薔薇「なんでしょう総裁?」

銀様「あんたのデスクに積み上げられてる、その狐色の貝殻みたいなものの山は何よ?(汗)」

冬月「マドレーヌですな。バターと蜂蜜をたっぷり使ったケーキ生地を型に入れて焼いた伝統的なフランス菓子です。・・・・しかし薔薇水晶、こんなに沢山のマドレーヌ、一体どうしたというのだ?しかも、通常よりやや小さめだが」

薔薇「・・・・・これは、我が党の開発部が党のPR用に今回新たに試作したミニ・マドレーヌです」

冬月「ほう、新製品かね!」

薔薇「・・・・・肯定です。お手軽感覚を出すためにミニサイズにしただけでなく、糖分やバターなども可能な限り少量にしてカロリーの軽減を図り、若い女性の客層への浸透を目指して開発された、画期的次期主力戦略商品

銀様「はあ?砂糖とバターを減らした?じゃあ味も薄くなったってことね。あのねえ、ダイエットしたけりゃ最初っから菓子なんか食べなきゃいいのよ、美味しくなかったら満足感が・・・」

冬月「ははは、銀様はお腹が無いからそんなことが言えグチャッ!(肉が裂ける生々しい音)」

薔薇「(飛んできた肉片を払い落としながら)・・・・・そこまでおっしゃるなら、ご試食下さい」

銀様「ふむ・・・・パクパク・・・・・あれ?これ、しっかり香ばしくて甘い!」

薔薇「・・・・・」

銀様「し、しかも・・・・・普通の焼き菓子のように甘くても重くない・・・・・軽い感じだから、いくらでも食べられる・・・・!」

薔薇「・・・・・良いところにお気付きになりましたね。今貴女は会話しながら自然に三個食べました。呼吸をするように食べられる新感覚の軽いマドレーヌ、それがこのミニマドレーヌなのです」

銀様「でもまあ、洋菓子って高いからね~食欲は平気でも、お財布がちょっと平気じゃないから、買って食べるのならさすがに呼吸をするようにはね・・・・・」

薔薇「ふふふ・・・・・このミニマドレーヌは、一個たったの20円で販売します」

銀様「に、20円!!?」

薔薇「それも、一個からの注文でも売ります」

冬月「・・・・・考えたな、すごいじゃないか」

薔薇「いえ、私には細切れの肉片からわずか数秒で再生したあなたの方がすごいと思いますが・・・・・」

冬月「(無視)これは消費者心理をついた巧妙な作戦だ。
最初からまとめ買いを強制されると、人間はあまのじゃくだからあまりありがたみを覚えない。だが、20円をバラで売られると、実際よりも安く感じてしまうもの・・・・・結果的に、客は通常より多めに買って、しかも得をした気分になってしまう」

銀様「なるほど!株が100株単位しか買えない会社と1株単位で買える会社で、若いネット投資家のマネーが1株に流れるのと同じ理屈ね!」

薔薇「これが、このミニマドレーヌが戦略商品とされる理由です。
まるで柿の種感覚でつまめる洋菓子。
80年代のジャンボパフ以来、我々はあれに匹敵する国民的なヒット商品を作れずに来ました。
この新型、成功すれば業績の停滞を打破する鍵となるやもしれないのです。しかし・・・・・」

冬月「しかし、何かね?」

薔薇「このミニマドレーヌの量産に、製造部内の保守派が難色を示しています。成功するとは思えない、と」

銀様「えっ、どうして!?」

薔薇「小さすぎるからです。
伝統的に、我々の製品はボリュームのある大きな物を安価で販売することによって成功を収めてきました。その歴史を象徴するのが先ほど申し上げたジャンボパフです。ジャンボパフの大成功から、製造部は大きな菓子でなければヒットはありえない、との考えが主流です」

冬月「トレンドを理解できない大艦巨砲主義者どもが・・・・・」

銀様「でも困ったわね・・・・・製造部が拒否権を発動すれば、MD(Merchandising)会議で商品化を決定できないはずよ」

薔薇「そこで、あなたがた二人に仕事をお願いしたい。・・・・・これを」

冬月「・・・・・市ヶ谷七夕祭り?」

薔薇「はい。市ヶ谷商店街では、毎年七夕の前に日中道路を前面封鎖、歩行者天国にして記念イベントを開催します。
イベント最大の目玉はサンバの行進ですが、お祭りですから当然屋台も出ます。
わが党の営業部も、地域社会との親睦を深めるという名目で、今年からここでの露店販売の参加枠を得ました」

冬月「話が見えてきたんだが・・・・・なあ薔薇水晶、まさか私と銀様に、屋台をやれと?」

薔薇「さすが冬月幹事長、飲み込みが早くて助かります(にっこり)」

銀様「ちょっと待ってよ!私見ての通りの格好だし、暑いのは苦手なの!真夏の炎天下に外売りだなんて・・・・・しかも二人だけでやんの!?」

薔薇「ご安心を、営業部からイベント専門の選り抜きの支援要員を10名ほど、お二人の監督下に付けます。それにそのドレスを着たままやれば、良い宣伝になりますよ♪7月はまだ真夏ではありませんし」

冬月「・・・・・まあいい。で、何を売るんだ?ひょっとして話の流れからしてこれは・・・」

薔薇「・・・・・言うまでもありません。このミニマドレーヌを、お祭りで販売して頂きます。なお個数は、1万個です

冬月「な、何ィ!!?ちょ、ちょっと待て、薔薇水晶。
別に、このマドレーヌが不味いと言うつもりはない。
だが、商品にはそれを売るに相応しい場所と相応しくない場所があるだろう!夏の炎天下のお祭りの屋台といえば、普通の人間が連想するものは何だ!?どうですか銀様?」

銀様「そうね・・・・夏の祭りの定番といえば、目の前で炭火で焼いてる焼きトウモロコシ、焼き鳥、焼きイカ、ちょっとインターナショナルにいくとトルコ人がトラックの屋台でやってるシシカバブ・・・それに氷水でがんがんに冷やしたビール!子供だったらラムネね、あのビー玉で栓してあるやつ♪後は水飴に綿飴に・・・金魚すくい水風船、射的にヤクルトに・・・・・」

冬月「はいはいストップ、つうか最後のはあんたの趣味でしょ・・・と、とにかくだ!
今銀様が言ったようなのが、夏祭りに来る客の『需要』だ!
クーラーの利いた応接間でティータイムにつまむんじゃなくて、誰も暑い日に歩き回る祭りの最中に、あつぼったいマドレーヌなんて普通食べたくないよ。
売る場所を間違えてる。試作品への客の反応を見るテストだとしても、こんな本来の販売環境とは違うところで取ったデータに意味はない。再検討してくれ」

薔薇「・・・・・どうやら、誤解なさっているようですが」

冬月&銀様「何?」

薔薇「この七夕祭り参加は、何も祭りで売れるものを出すなどといった些細な戦術的目標でやるのではありません。
当日の売り上げに関係なく、より大きな戦略のために、ミニマドレーヌを販売します」

冬月「その言い草は気に入らんな。確かにイベント参加の売り上げなど微々たるものだろうが、そういう金の問題ではない。
はなから売れなくてもいいという態度は、組織全体の士気に関わる。私の誇りも許さん」

薔薇「まあまあ・・・建前はあくまで、地域社会に貢献し、自治体・市民との親睦を深めることです。一種のボランティア参加ですよ。
そして、実際の目標は、デモンストレーションです。・・・・・外部というより、むしろ内部への」

冬月「・・・・・ふん、また政治かね。相変わらずだな」

薔薇「あなたたちお二人に現場にご足労頂いて直接指揮を取ってもらうことで、我々がこのミニマドレーヌを本気で重視している事を見せつけ、製造部を牽制します」

銀様「だったら・・・・・なおのこと売れないといけないんじゃ?」

薔薇「そのためのあなたたちです。期待していますよ♪」

冬月「嫌だね、面倒くさい。誰か他の人間に・・・」

薔薇「そうそう、言い忘れていましたが」

冬月「なんだよ?」

薔薇「市ヶ谷はご存知の通り、陸上自衛隊のお膝元。当日は、陸自の東部方面警務隊が商店街の警備に参加します

冬月「何、陸上自衛隊の勇姿が拝めるのか!なぜそれを早く言わない!よーし、早速準備だ!!

薔薇&銀様(単純な男・・・・・)

 

・・・・・そして、七夕祭りの前日。

冬月「あーくそっ、委員会の石頭め!」

銀様「どうしたの冬月?委員会って、人類補完委員会のこと?

冬月「違います!七夕祭りの実行委員会ですよ。あれから考えてやはりミニマドレーヌだけではつまらないだろうと、ドイツソーセージやカバブをやれないか委員会の申請を取ろうとしたのですが、連中曰く通りに面した住民・自営業者以外の参加団体は火や電気の使用を認めないと!で、だったら白ワインの外売りでもやってやろうと思ったんですが、それも外部団体は衛生上の理由から駄目だと。どんな差別だよ、ああもう!」

銀様「まあまあ・・・・・世の中なんて、そんなものよ。それよりさ、冬月。ちょっと気になることがあるんだけど・・・」

冬月「なんですか銀様?」

銀様「明日の天気なんだけどね、予報だと雨が降るらしいのよ。マドレーヌ、ばら売りしてると雨に濡れちゃうんじゃないの?」

冬月「ちっ、雨か・・・・・例年なら梅雨も明けて晴天のはずが、今年は異常気象ですな。ついてない。実行委員会の方も、今年も晴天だと想定してテントの用意は無いと」

銀様「私達だけテント使うのは?」

冬月「いや、地域社会との親睦が建前なら、周りが濡れながらやってるのに我々だけ自前のテントはまずいでしょう。第一、委員会が支給したもの以外の機材の持ち込みには委員会への事前申請が必要です。今からでは・・・」

銀様「じゃあどうするのよ?せっかくのマドレーヌが全部雨に濡れちゃうわよ?」

冬月「・・・・・わかりました。薔薇水晶と電話で協議してみます」

 

冬月「・・・・・というわけだ。仕方ないから、マドレーヌのばら売りは今回は中止だ。雨水に濡れたものを客に売るわけにはいかん。雨に濡れないよう防水ビニールの袋で包装して販売する。いいか?」

薔薇『・・・・・その提案は許可できません。販売計画は、気象状況に関わらず当初の予定通りに実施して下さい』

冬月「何故だ!雨が降る事がわかっているのに、何も備えをするなというのか!?」

薔薇『予報はあくまで予報ですよ。当てになりません。それに、あのマドレーヌは、ばらで売ってこそ商品価値があるもの・・・・あなたもわかっているでしょう?包装されて売っているものなら、他社の製品でいくらでもあります。意外性の欠片も無い。それにこれは開発部の強い希望でもあります。営業部にも、ばら売りの方針で根回しをして、今回の計画への協力を取り付けたのです。・・・・・今更計画の変更は、できません』

冬月「貴様の都合など知ったことか!それにもしばら売りに固執するなら、一個ずつばらで包装して売ればいいだろうが!」

薔薇『・・・・・わかってないですね、あなたは。原価計算を考えて下さい。一個一個包装していては、包装費用で一個20円での販売が不可能になります。価格は、徹底的に安くするために原料から物流まで可能な限り切り詰めてあるんです。他はもうどこも削れません。既に製造部に一個20円、と宣言してしまった以上、値上げもできません。我々の威信に関わります。ですから、包装は不可能です』

冬月「・・・・・私をなめるな、原価計算の講釈などされなくてもわかる。ではなんだ?この計画では、現場で雨が降ろうがクソが降ろうが、菓子を剥き出しでしか売れないということなんだな!?どういう頭をしてるんだお前達は、それでも作戦参謀か!どうして誰も、雨になった時のことを想定していない!!」

薔薇『・・・・・こちらの決定事項は、先ほどお伝えした通りです。ご要件がそれだけなら、もう失礼します。これから企画会議ですので』

冬月「き、貴様ー!!菓子は会議室で売るんじゃない、現場で売ってるんだっ!・・・・って、あ、切りやがった」

銀様「・・・・・大丈夫、冬月?なんか電話で怒鳴ってたけど。駄目よぉ、乳酸菌ちゃんと取らないと。怒りっぽくなるんだから」 

冬月「はぁ・・・・・」

銀様「冬月?」

冬月(最初から、失敗することがわかっている作戦、か。つまらない意地や組織の論理で・・・・・もはや、雨が降らないことを神に祈るしかない、か)

 

市ヶ谷七夕祭り・当日
会場・水銀党販売ブース


天候:豪雨

 

銀様「降って来たわ!総員、対空防御用意!!」

冬月「傘です!ありったけの傘と私達の身体でマドレーヌを守るんです!一個たりとも雨水で汚してはなりません!!」

スタッフA「か、風だー!!横殴りの風で、雨水がマドレーヌにぃ!!」

冬月「ちぃっ!濡れた商品はすぐに廃棄!新しいものと換装急いで!」

スタッフB「換装って・・・・・見て下さいよ、こんな酷い雨じゃあ、客なんてきやしませんよ!」

冬月「今日一日で1万個売る計画なんです、今から弱音を吐いていては・・・・・」

びゅうっ!!!

冬月「くっ、突風だと!?」

「う、うわあぁ!!!」

「報告!第一、第二テーブルのマドレーヌ計2000が全滅しました!」

「第五テーブル、新品保存用の箱の中に浸水しています!」

「第三テーブル、突風にあおられて、トレーごとひっくり返りました!マドレーヌが全て地面にっ!!」

冬月(降雨からわずか2分で、3500個のマドレーヌが・・・・・!なんということだ・・・)

「傘が飛びました!取りに行かせて下さい!」

「駄目だ、今お前が持ち場を離れたら、お前が立っている場所のマドレーヌはどうなる!?」

「身体だ、身体で覆いかぶさって守るんだ!」

「ううっ、も、もう嫌だ~!!!帰りたい、家に帰りたいよお!!!」

冬月(じ、地獄だ・・・・・)

「そうだ、もうこんな無意味な事は止めだ!風邪を引く前に撤収しよう!」

冬月「ッ・・・・実行委員会から中止の決定が出ない限り、単独での撤収はできません!持ち場を離れないで!」

「もう嫌です!あたしはお菓子を売る仕事がしたくて入ったんです!こんな雨に打たれるなんて契約書に書いてませんでした!!」

冬月(くそ・・・薔薇水晶め、何が精鋭部隊だ、半分以上が短期採用アルバイトのひよっこじゃないか・・・・・計画は穴だらけ、これでは・・・・・・まるで、ミッドウェーの悪夢だ・・・)

銀様「ねえ冬月、このままじゃあマドレーヌが全部駄目になるわ!ほら、あっちのビルの軒下に入れば濡れないよ!あそこに屋台を移そう!このままだと全滅してしまう!!」

冬月「・・・・・ざ、残念ながら・・・予め指定されたブース以外の場所で販売活動をすることは、委員会に禁止されております・・・・・」

銀様「はあ!?ふざけるんじゃないわよ!だってこのままじゃ全滅よ!?わからないの?小さい頃食べ物を粗末にするなってお母さんから言われなかったの?規則がなんだというの!」

冬月「こ・・・・この祭りに参加する公式な目的は、売り上げよりも地域社会との親睦・・・つまりは信頼を得ること・・・・・。我々に課された任務は、例えマドレーヌ1万個がことごとく水につかろうとも、実行委員会の規則にしたがって販売計画を貫徹することです!マドレーヌを売ることなど、最初から求められてはいなかったのです!」

銀様「馬鹿!そんなの冬月じゃない!!(べしっ)」

冬月「ッ・・・・銀様?」

銀様「今のあんたの目よ!ひどい目ね、死んだ魚みたいに虚ろ。どうしてだかわかる?今のあんたがギブアップしちゃってるからよ」

冬月「ギブアップ・・・?私が」

銀様「そーよ!ずさんな計画のせい、雨のせい、部下のせい、実行委員会のせい・・・・何もかも自分以外の周りのもののせいにして、自暴自棄になって諦めてる。そうじゃないでしょ、これは私達の仕事よ!」

冬月「し、しかし・・・・・」

銀様「しかしもかかしもなーい!此処の責任者はあんたでしょう!?しっかりしなさいよ!!」

冬月「・・・・・・・!」

銀様「さあ、どうするの?」

冬月「・・・・・総員、11時の方角のビルの軒下に移動開始!
傘を持っている者は生き残ったマドレーヌを最優先で運んで!傘の無い人はそれ以外の機材を!一個でもいい、お客に食べてもらうまでは撤退しないぞ!」

実行委員会監視員「お、おいそこの君達!!何を勝手に移動しているんだ、規則違反だぞ!!」

銀様「や・・・やっばーい・・・・(汗)」

冬月「くっ・・・・・・・あ、あれ、雨が・・・・・」

スタッフ達「雨が止んでいく!止んでいくぞお!!」

銀様「見て冬月!雲の切れ目に青空が!」

冬月「奇跡だ・・・奇跡が・・・・・・・」

?「あ、ねえ君、これマドレーヌかい?美味しそうだね」

銀様「あら、自衛隊の人。いらっしゃいませ~♪」

警務隊自衛官「雨の中よく頑張ってたねえ。すまないがこれ、隊の仲間に食べさせたいんだ。箱ごと売ってもらえないかな?」

冬月「え・・・・箱とおっしゃいますと、こちらの100個入りのものになりますが・・・・?」

自衛官「そう、それそれ。5箱ぐらいあれば足りるかな。頼む」

銀様「は~い、ありがとうございます♪100個入りが五箱で合わせまして一万円になります♪」

冬月「・・・・・信じられん」

銀様「よく頑張ってたね、だって♪見ていてくれたのよ、私達を。ね?だから、諦めるなって言ったでしょ」

冬月「参ったな・・・・ははは、貴女には、いつも驚かされる」

銀様「さあ、お祭りはまだ始まったばかりよ!残ったマドレーヌじゃんじゃん売っていこー!」

スタッフ一同「おー!!」

 

 

夜 水銀党本部

薔薇「・・・・・お仕事お疲れ様でした」

冬月「ああ。おかげさまで、浸水して廃棄したもの以外はほぼ完売したよ(皮肉たっぷりに)。それでも赤字だろうがな。この数字では、製造部の反対派は納得しないだろう」

薔薇「いえ、これで十分です。製造部の説得には、あなたも協力して下さるのでしょうね?」

冬月「嫌だといいたいところだが・・・・・これでも文字通り身体を張って売ったものだからな、愛着もわいた。また後日、な」

薔薇「どこに行かれるのですか?」

冬月「帰るんだよ。見てわからんのか、全身ずぶ濡れだ。風邪を引いちまう・・・くしゅん!」

薔薇「あらあら」

冬月「誰のせいだと思ってる!・・・ではな」

バタン。

薔薇「全ては・・・・・・予定通り(←お約束の台詞)」

 

―了―

ちなみに翌日、冬月は発熱で一日安静(涙)


七夕に考えるメッテルニヒ外交

2006-07-04 04:20:44 | Weblog

ついこの前まで年度始めの行事に忙殺されていたのが気がつけば月日は流れ、ジメジメとした蒸し暑い日が増え始めて、道端のハイドランジア(紫陽花)が降る雨に絵の具でも混ざっていたかのように鮮やかに色づくのを見て、「ああ、ハイドランジアが咲く季節だから、もう六月になってしまったのだな」と思っている内に、月末の上場企業各社の株主総会の情報収集であっという間に六月も過ぎ、ハイドランジアも色褪せ始め、そしてもう七月、本格的な夏の訪れ、そして七夕。短冊に願い事を書く日が近付いております。


どうも最近、時間の流れの早さを感じている水銀党こと冬月です。
やる事が昔より多くなったせいでしょうか、一日など本当に呼吸をするかのようなあっという間で終わり、遠い将来だと思っていたはずの事がすぐに過去になります。
季節の変化も、まるで肌で感じるかのようなスピードです。
冬物の洋服を棚から出す支度をしていたら、もう夏になっているといった具合にね。
時計の短針は、瞬間的には動いているのは見られませんが、それでも確実に、結構速く動いているじゃないですか。あれと同じですね。
小学校時代の夏休みのような、一日一日が本当にゆっくりと過ぎていく時間・・・・・あの永遠かと思われた日々、『現在』と『未来』の厳然とした区別が確かにあって、その間の距離が無限に遠かった、でも生きていることが本当に瑞々しく実感できたあの日々が、まるで夢のようです。

去年の今日といえば、携帯電話のスケジュール帳を見るに、私は二ヶ月間のヨーロッパ旅行に行くための準備をするために旅行会社にビザの申請をしに行っていました。その日私が旅行会社の事務所の場所を覚えるためにプリントアウトした地図は、今でもその日帰ってきて置いた私の部屋のデスクの同じところで埃をかぶってます(←机の上整理整頓しろよ)
まあ、それぐらい一年なんてあっという間なんですね。
でも、あの日から私と私の身の回りが何も変わっていないかというと、決してそんなことはありません。
確かに人生全体の設計図に関わるような劇的な変化はありませんでした。
しかし、あの日から今日までに失ったものもあれば、新しく手に入れたものもあります。
一番具体的な例としては、去年の今日私は慶應アニメーション研究会の代表で、考えていたのも私の旅行中のサークル運営について後輩にどう指示しておくかということばかり、そして皆さんが今ご覧になっているサイトは、去年の今日は私にとっては、親近感はありましたがあくまで異国でした。
今日私が代表だったサークルは既に内紛で消滅し、このサイトが私の居場所です。
それだけでも、大きな変化ですよね(苦笑。

私は元来とても保守的な人間で、変化というものをあまり好みません。
私にとって外来的な変化というのが多くの場合において、何かを得るよりも失うことである方が多かったからでしょう。
私の小説をご覧になったことがある方なら、こうして喋らなくてもお気付きかもしれません。

『変わらずにあろうとする人々の想い』

『変わらない世界の中で』

私の小説の世界観はどれも、変わらない世界への願いから始まります。
こういう小説を書くのは、私の人生のスタート地点での境遇がとても幸福だったからかもしれません。
確かに、私は幸福な側の人間です。
私だけでなく、今が幸福だと感じている大多数の人間、このままで良いと思っている、恐らくこの国では大多数の人々は、『平和』や『安定』という名前での、不変を望むものです。
右を見ても左を見ても、『永遠』や『変わらないこと』が望みだとするライトノベルやアニメ、ゲームを多く目にする。
それが購買者の需要だということは、日本はまだまだ豊かなんですね。
逆に不幸な境遇から始まった人間は、このままで良いとは思わないでしょう。
例え『平和』や『安定』を壊してでも、変化を求めるでしょう。
残念なことですが、それは彼らにとっては正義です。


中学や高校の教科書で『保守反動的で時代に逆行する体制で民衆を圧迫した』として悪役として描かれることが多い人物として、メッテルニヒがいます。
フランス革命・ナポレオン戦争終結後の混乱したヨーロッパの秩序を立て直した、いわゆる『ウィーン会議体制』をつくったオーストリアハプスブルク帝国の外交指導者ですね。
彼はフランス革命で生じたヨーロッパ各国での民衆の絶対王政打倒への動きを抑止するために、もはや国同士が対立している場合ではない、各国政府の緊密な連携によって革命の発生に共同で対処する、集団安全保障体制をつくる必要があると提唱しました。秘密警察を組織して民衆を抑圧した、『民主主義』という思想のパースペクティブから見れば確かに悪役でしかありません。

しかし、本当にこの見方だけが正しいものの全てでしょうか?
『民主主義』という正義のためには、何をしてもよかったのか。

私が所属している大学の政治学科では、『平和』『安定』という観点から捉えた時に、メッテルニヒのヨーロッパへの功績は計り知れないものがあったのではないかという研究を行っています。

『民主主義』が第一だという人に聞きたいのですが、ではあの革命は、何をもたらしたのか。
暴走した民衆のラディカルで感情的な無統制の暴力によって、フランスの文化は大きな損害をこうむりました。
美術品が焼かれ、教会は壊されました。
私は去年フランスのリヨンで現地の友人の案内で町で一番大きな古い教会を見に行った時、教会の外壁にある何百体もの聖者の石像の首の部分が残らず破壊されているのを見せられ、「革命でロベスピエールがキリスト教を否定した時に、サン・キュロット(無産市民)が大挙して破壊したのだ」と聞かされました。
アフガニスタンでタリバンが石像を爆破した瞬間の映像が、ふと頭をよぎりました。つい何百年か前に、フランスでアフガニスタンと全く同じことがあったわけです。
こういった破壊の跡はフランス中にあります。

日本の京都に先手観音像が1001体並んでいる三十三間堂というのがありますが、日本で革命が起きてこの仏像の頭が全部民衆に叩き壊されたと想像して下さい。『金閣寺』どころの騒ぎではないでしょう。

そしてあの革命では、大勢の人々がギロチンにかけられて殺されました。王侯貴族だけでなく、罪の無い知識人や一般市民まで、「反革命」だと吊るし上げられて粛清された。
中学や高校の教科書で「殺されて当然」の扱いがされている王侯貴族にしたところで、その時代の法の下では合法的に生きていたのが急に悪者扱いされて惨殺されたわけですし、「パンが無ければお菓子を食べればいいのに」に象徴されるマリー・アントワネット等の贅沢な生活は、実は当時のフランスのマスメディア(新聞)を支配していた革命派ブルジョワジーによる民衆煽動のための情報操作であり、多くは事実ではなかった事が最近の研究で明らかになっています。

『フリーメーソン』のように、革命の裏で利益を得ていた勢力もあったわけですね。

こうした野蛮な暴力と、それが情報操作によって美化されているフランスの状況に、メッテルニヒは大いに戦慄し嫌悪したと言われています。

そしてその後、フランス革命がフランスを越えて拡大していく過程としてのナポレオン戦争。
初めてヨーロッパ全土が戦場になった大戦で、各国は甚大な被害を受け、やはり多くの犠牲者を出しました。

ギロチンと大戦、膨大な死者、莫大な損失。
それがフランス革命の、もうひとつの真実です。

死んでしまったら、自由も民主主義も人間にとって何の意味があるのでしょうか。

メッテルニヒの体制は確かに抑圧でした。
自由と民主主義にとってメッテルニヒは悪人です。それは認めましょう。

しかし、『安定』・『平和』にとってはどうか。
彼は、平和を最優先課題として民衆の自由への欲求を抑え込んだ。
彼が作った秩序、彼のシステムは、その後第一次大戦が起こるまでの七十年間以上もの政治的安定と平和をヨーロッパにもたらしました。

各国では王政が続き民衆にとっては不満だったかもしれないが、しかし膨大な死者が出る革命や戦争は回避されました。

これは、どちらがいいかという問題です。

イデオロギーの対立を乗り越えて中国との協調外交によるソ連の抑制をリードした米国務長官のキッシンジャーが大学を卒業する際に書いた卒論のテーマは、メッテルニヒ外交の再評価だったと言われています。

しかしアメリカ国内では、「独裁国家である中国は悪であり、それと手を組んでまで平和を求めるなど欺瞞だ」「ソ連という悪魔と戦うために共産中国という悪魔と手を握るのは邪道だ」とキッシンジャーへの非難が高まって、やがてタカ派のレーガン政権になると、キッシンジャーは失脚します。日本でも、キッシンジャー流にならって中国と国交を結んだ田中角栄がロッキード事件で失脚しますね。
そしてキッシンジャーら協調主義者に代わってアメリカの外交を支配するようになったのがネオコンです。
大切なのはかりそめの平和や安定より正義の実現だという彼らの主張は、正義感の強い米国民の耳にはとても美しく甘い。
しかしネオコンの政策の行き着く果ては、国連や主権国家といった従来の国際秩序のルールを破壊し、独立国に侵略して『悪』を引き摺り下ろし、アメリカの『正義』を一方的に打ち立てること。それが、プリエイティブ・ストライク
2002年9月の米国家安全保障戦略、通称『ブッシュ・ドクトリン』で出された言葉です。
一年前の9月に起きた9・11事件の衝撃があまりにも強かったせいで世界は抵抗無くこの宣言を受け入れてしまいました。
しかしこれは、1648年のウェストファリア条約で確立された国家主権による国際秩序を根底から否定するものでした。
皆さんは実際に、それが行われる場面を今世紀に入ってから二回は見たはずです。

誤解しないで頂きたいが、私は反米主義者ではありません。
ただ、客観的な事実としてはっきり申し上げなければならないのは、9・11事件と、それを口実とする超大国アメリカの方針転換によって、数百年来の伝統的な世界秩序が死んでしまったということです。
国際政治学の世界では、ある人はこれを「ポスト9・11」といい、ある人は「新しい中世」の到来だといいます。

アメリカはこれまでに、伝統的な世界秩序を二度破壊しました。
最初の秩序破壊とは、東京裁判で歴史上初めて、戦争という行為に『善悪』という価値観を持ち込んで敗戦国を裁いたことです。

それまで戦争とは、政治的紛争の延長、純粋な利害対立によるパワーのぶつかり合いとして考えられてきました。
単純に強い国が弱い国を倒し、負けた国は領土や賠償金を勝った国に渡す。戦争とはそういういわばゲームでした。
ユーラシア大陸では古典的に、戦争とはそういうものだったのです。

ところが近代史にアメリカという別大陸の国が登場して、このルールが通用しなくなったわけです。アメリカは自分の国が広く豊かでしかも本国が別の大陸ですから、ユーラシアの国と戦って勝っても領土やお金を要求する必要性があまり無い。アメリカは戦争の報償として『正義』を求めるようになります。
東京裁判後、アメリカに負けた国はお金や領土どころか『正義』までも奪われるようになりました。

そして2002年のブッシュドクトリンは、世界の国々から今度は独立国としての主権を奪うことを宣言しました。
アメリカが自国にとって脅威だと考えた国には、アメリカの自衛権の範囲内で先制攻撃を行うことが正当化された宣言でした。

一度目の秩序破壊の時は、直後に発生した東西冷戦構造という新秩序によって、勢力均衡による世界の安定が保たれました。

しかし、その体制が崩壊してからもう十数年。未だ新しい国際秩序が構築されないまま、世界各地で戦禍が拡大しています。

もしもメッテルニヒがこの時代の政治家だったら、彼はどんな処方箋を書くでしょうか。

ひとつ、興味深い話があります。

ナポレオン戦争後、敗戦国のフランスを、メッテルニヒは戦犯として扱うことに断固反対し、むしろフランスをヨーロッパの大国の一員として、新秩序構築を模索する五大国のテーブルに加えたのです。

ナポレオン戦争で大きな痛手を受けたロシアやイギリス、それに彼の母国であるオーストリア本国からも、フランスを恨み憤り、懲罰をという強い声が上がっていたのですが、戦後の会議でメッテルニヒは、フランスから1フランの賠償金も取らず、また元々のフランスの領土を決して奪おうとはしなかった。

メッテルニヒは「全ての元凶は革命という天災のような出来事であって、フランスもその被害者である」として、全てを革命が始まる前に戻すことによって平和を回復させようという『正統主義』をとりました。
その背景には彼の「敗戦国に対して決して屈辱的な扱いをしてはいけない」という持論があったといわれています。

『戦(いくさ)を憎んで人を憎まず』。

メッテルニヒはただただ、ヨーロッパの安定を望んでいたのです。
もしも敗戦国に対して屈辱的な扱いをすれば、敗戦国の人々はそれを恨んでいつか復讐をしてやろうと思うに違いない、そうすれば、それが原因になってまた新たな争いが生まれてしまいます。安定のためには、禍根を残すようなことをしてはならないのだと。彼がこのように考えたのは、彼の母国であったオーストリア帝国が、多民族国家という性質上戦乱に対して極めて脆弱であったことが挙げられます。彼の国には安定を望む理由があったのです。
戦争をとことん望まない立場の人間がリードしたからこそ、ウィーン会議は成功しました。

1914年から第一次世界大戦が始まると、メッテルニヒが恐れていた通り、チェコや南スラヴなど支配下の各民族が次々と蜂起して、オーストリア帝国は崩壊します。

そして終戦後に敗戦国ドイツに対して一方的に課されたヴェルサイユ条約は、メッテルニヒがもし生きていたら、絶対に反対したであろう内容でした。

ドイツに対して課される条約なのに、条約作成のテーブルに肝心なドイツを一切加えず、戦勝国の米英仏だけで書いて出来上がったものを一方的にドイツに受諾させる。なおこの条約には「受諾しなければ即座に戦争を再開する」という脅しの条項がついており、フランスは実際に兵力を国境線に集結させました。
ドイツにとって、受諾以外の選択肢の無い条約だったのです。
そもそも、これはあまり知られていないことですが、当時ドイツは停戦協定を結んだだけで、自国が敗北したとは考えていなかったのです。
これは第一にドイツは疲弊したとはいえ東部戦線がロシア革命によって失われ西部戦線への戦力集中投入が可能になって、何よりこの時点でまだドイツは自国の国土が侵略されていたわけではなく、軍部には戦争継続ができるという余裕があったこと、そして第二には、ドイツはアメリカのウィルソン大統領が出した『14か条の宣言』にある『勝者無き平和』という文言を受けて停戦に合意していたからです。

ところがこの『14か条』は戦後イギリスとフランスから「我々はこんなものは認めたくない」と撤回するよう圧力がかかり、ウィルソン大統領はしぶしぶこれを無かったことにしてしまいます。
ウィルソンの『勝者無き平和』の呼びかけを信じて停戦したドイツ軍からすれば詐欺に等しい行為です。

そして、決定的だったのが、ドイツに求められた賠償金と領土でした。
ドイツ民族発生の地でありドイツの精神的故郷『ドイツ騎士団領』の東プロイセンの領土が大きく削られ、さらにあの歴史的に極めて悪名高い、1320億金マルクという天文学的な賠償金が課されました。
これは現在の日本円に換算すると、40兆円から換算法によっては80兆円ともいわれています。

もし今の日本が、決して日本が一方的に悪いわけではない戦争に敗れたとして、これだけの額の賠償金の支払いを命じられたら、皆さんはどう思うでしょう。

ドーズ案でアメリカは、ドイツの賠償金支払いを分割払いで60年から最長で100年以上かかると算定しました。

百年以上、孫の代まで続く賠償。そして経済が破綻し、国民の三人に一人が失業。

ドイツ国民の連合国への憎しみが、やがてヒトラーを台頭させドイツをナチスドイツへと変えていきます。

よくタイムマシンが出てくるSFで、子供の頃のヒトラーを殺せば第二次大戦は起こらなかったのではないかというような考え方がありますが、この1320億金マルクという数字を知れば、歴史がそんなに甘いものではないことがわかります。

私は断言できますが、例えヒトラーがいなくても、このドイツ人の苦しみ、怒り、憎しみが、別のヒトラーを生んでいたでしょう。

ナチスやヒトラーを擁護したいのではない、ただ残念なのは、「敗戦国に対して決して屈辱的な扱いをしてはいけない」というウィーン会議でのメッテルニヒの精神が、ヴェルサイユ会議に全く受け継がれなかったことです。

会議に出席するためヴェルサイユに向かう英国首相ロイド・ジョージは、英国民に対して「我々はレモンの汁を最後の一滴まで絞り取るように、ドイツから賠償金を搾り取るのだ」と意気揚々と演説してガッツポーズを決めました。
彼はポピュリストでした。英国では、この数ヵ月後に下院の総選挙が迫っていたのです。ドイツ憎し、会議では強気な姿勢で徹底的な懲罰を、という国民感情に、ロイド・ジョージはただ迎合します。

そしてフランスのクレマンソーは、自分自身青年時代に普仏戦争を経験し、ドイツを激しく憎悪していました。

この時のフランスもイギリスも、勝利に酔い、ドイツへの復讐心でいっぱいで、長期的なヨーロッパの安定のための秩序を作るという考えが欠如していたのです。
何よりもウィーン会議の時と違ったのは、皮肉な話ですが、各国が民主主義化していたということでした。
どの国の代表も、長期的な視野に立って安定した秩序の構築を考えるよりも、自分自身が次の選挙で勝たなければ首が危うい、したがって国民の世論に従って外交をしなければならなくなってしまった結果、極めて近視眼的な政策を余儀なくされていたのです。こうした国民主義は、メッテルニヒがヨーロッパをコントロールしていた時代は抑制されていたものでした。

その結果が、わずか30年後の第二次世界大戦。
起こるべくして起こった大戦といえます。ナチスが民主主義的に選挙でドイツの政権を獲得したことと合わせて、「民主主義が第二次大戦を起こした」といわれる所以です。

 

余談ですが、メッテルニヒはラインラントの生まれでした。
ラインラントは、フランスとドイツの間にある国境地帯で、昔からドイツ系住民とフランス系住民が混じり合って共存して暮らしてきた土地でした。
そのため彼はドイツ語と同様にフランス語も自らの母国語とし、会議ではフランス代表を相手に流暢なフランス語を操り、フランス語でものを考えることまでできたといわれています。
ただ、そのためメッテルニヒはウィーンの生粋のドイツ人貴族達からは、フランスかぶれだと嫌われていました。

メッテルニヒが会議をリードできたのには、他にも理由がありました。
彼はウィーンでの会議の期間中、各国代表が泊まっているホテルの従業員に密かに秘密警察を忍び込ませ、各国代表の部屋のくずかごの中身を全て集めさせていたのです。
これは、各国の代表と本国政府の間で交わされている手紙の内容を把握するためでした。
会議中、各国が腹の中にどのような本音を持ってテーブルについているのか、メッテルニヒはくずかごに捨てられた手紙を読むことで全て知っていたのです。
情報収集の重要性を、メッテルニヒはよくわかっていました。
ただ、このような行為も、メッテルニヒが宮廷で嫌われる原因となりました。

1848年3月、オーストリアで民衆が蜂起し3月革命が起きた時、ウィーンの貴族達は全責任はメッテルニヒにあるとして、メッテルニヒをスケープゴートにして国外追放し、民衆をなだめてハプスブルク王朝を温存させました。
メッテルニヒは英国に亡命、死ぬ8年前まで、帰国を許されなかったといいます。

メッテルニヒがそうだったように、私も平和を損なう変化が嫌いです。
ただし、平和のために積極的に行う変革はその限りではない。
大英帝国の名宰相であったグラッドストン曰く、『真の保守主義とは自分にとって望ましくない変化を未然に避けるために、自分から積極的に変革する姿勢だ』そうです。
まあ、それができていれば大英帝国は衰退していないのですが(苦笑)、私もまた、積極的な変革によって変化を避けて生きていこうとする保守主義者かもしれません。
私は英国のように衰退したくもないですし、メッテルニヒのように寂しい余生は送りたくありませんから。

七夕の短冊に何を書くかはまだ決めてはいませんが、願っているだけでは、行動しない限りは、何も守れはしないのです。
ですから願い事はただ夢見るだけではなく、かなうと信じて行動するための、決意表明にしたいと思っております。

以上、七夕の話をしたかったはずが、なんだか関係ない歴史解説に大脱線してしまいました(笑。
次回は打って変わって、日記らしい話を書かせて頂きます。
テーマは、同じ七夕です(またかよ)。
それでは、次回をお楽しみに♪