まずは、水銀党本部にご来場のお客様に、お知らせがございます。
私は今日から25日まで病院に入院致しますので、その間メールのお返事や掲示板の書き込みへのレスなどができなくなります。
また、副代表の赤木君も現在多忙という事なので、臨時に葛城君に代表代行をお願いし、サイトの通常業務の方はお休みとさせて頂きます。
具体的には水銀燈後援会の新規会員の登録と、水銀党本部フェスティバルの応募受付をお待ち頂く形となり、お客様には大変ご不便をおかけしますが、何卒ご容赦下さい。
個人的な話で恐縮ですが、私は生まれつき体調を崩したり空気が乾燥したりすると扁桃腺が炎症を起こす持病がありまして、普通に生活していて特に支障は無いのですが、勉強でちょっと徹夜したりストレスが溜まったりと、私と同い年の若者が問題なくこなせる事で喉が腫れて発熱するんですね。
これまでは年に二度ほど、寒暖の激しい季節の変わり目などに起こる程度だったので気にしなかったのですが、今年になってから何故か症状が悪化して半月に一度のペースで炎症を起こすようになりました。
早い段階で抗生物質を飲めば二日ほどで完治するのでそれほど深刻ではないのですが、悪化して喉が腫れるとかなりの痛みを伴い食事もできなくなるのと、発熱すれば意識が朦朧として学業など様々な活動に悪影響が出ますので、試験中やレポートの締め切り間際、宴会シーズンなど忙しい時期にはかかりたくない、かなり鬱陶しい病気ではあります。
病院が午前中しかやっていないので、忙しくて中々行けず、悪化してしまって何日も寝込むというケースが多かったので、最近では病院に行かなくてもいいように、タイからネットで抗生物質を個人輸入していました。薬単体の値段は勿論高めですが、何の病気かわかりきっているのにわざわざ午前中に学校を休んで病院に行って医者に処方箋を書いてもらう時間のロスと診察費を考えるとコストパフォーマンスは悪くありません。忙しくて同じ病気にお悩みの方は個人輸入をお勧めします。
とまあ怪しげな宣伝はさておき、これを放置しておくと社会人になってから仕事の障害になりますので、家族の勧めもあって今回、扁桃腺を切除する外科手術を受ける事を決意しました。
手術は全身麻酔して行いますから痛みも危険もありませんし、例えが悪いですが長期的な健康のための整形手術のようなものですので、手術といっても全くもって深刻なものではありませんからどうかご心配無く。
まあ、一週間の入院は長いですしこれで長年慣れ親しんだこの持病とお別れすると思うと少し寂しい気分もしますが、扁桃炎に煩わされなくなる事で将来的に失わずに済む無駄な時間と労力から考えて、得られるメリットは極めて大きいと考えています。
さて、この半年の自分のブログを振り返って見ますと、特に5月に松岡農相が自殺した辺りから日本の将来に強い危機感を覚えて、切実な主張を意識し過ぎてややアジテーションといいますか、短兵急な記事が多かったかなと反省することしきりです。
まあもし私がゴーマニズム宣言を描いてる小林よしのり先生ならこのインパクト重視路線を貫徹するところでしょうが(笑。
安倍総理が辞任を表明されて、私も日本の国政を滞りなく進めたいという理想についてはさすがにもう諦めがつきましたので(苦笑)、長期の混迷という現実を受け入れ、これからは再びオタクトーク全開の楽しいブログに軸足を戻して現実逃避しつつ(笑、たまには政治学科生らしい、学品のある記事(多少は学術的な匂いのする文章ですな)を書いてお茶を濁したいなと思います。
元よりあまり感傷的な文章は性に合いませんし★
新聞を読むと、自民党総裁選は、福田氏勝利でほぼ確定との報道ですね。
私としては「アニメは国の戦略に資する」というかねてからの持論を実現させてくれそうな麻生氏を常々応援しているのは勿論なのですが、ただ今回の新政権は大変な逆風の中で政局の舵取り、つまるところ政争の戦闘指揮が期待されているので、そういった状況では政策を腰を据えてやる余裕は無いでしょうし、衆院選までの短命になるとの予想が支配的ですので、麻生氏支持者の間からも、今回は麻生さんは出ない方が良いとの「友好的不支持」の声が上がっているのも頷けます。
確かに政界は流動的で、総理になれるチャンスとは次にいつ巡ってくるかわかりませんから、今麻生氏がやっているように、一回一回のチャンスで全力を出すのは大切な事です。ですが目下の状況と福田氏の年齢の両方を考えますと、福田氏にとっても自民党にとっても福田氏擁立で利害が一致しているわけですね。自民党としては短命で終わってもいいから総理を引き受けてくれる人が欲しい、福田氏としては短くてもいいから引退前に総理をやっておきたいという利害の一致です。
そういった政局で福田氏もここは自分の役割だと総裁候補を引き受けてくれたと思うので、麻生氏は長期政権が望みならここは負けつつ「総裁を目指す候補」という足跡は残して次回につなげるべきでしょう。小泉さんも、総理になるまでにそうやって何度も総裁選に出て負けながら徐々に段階を踏んで次につなげてきました。
悩みどころは、福田氏が内閣や三役の人事で麻生氏と谷垣氏を入れるかという問題ですね。もしこれで福田氏が、自分を支持してくれた派閥の人ばかり入閣させる論功行賞人事をやって、あからさまな麻生派外しをやったら、党内に禍根を残しますし野党やマスコミから派閥寄りとの批判を受けるでしょう。安倍政権の最初の内閣での論功行賞人事とその悲惨な結果を考えても、福田氏は同じ轍は踏まないと思います。むしろ国民の人気がある麻生氏を入閣させて政権浮揚に利用したい思惑があるはずです。勿論、谷垣氏は重要なポストにつけると思いますが。
ただ、福田政権が短命に終わる事を考えると、谷垣氏もあまり福田氏に接近しない方が得策でしょう。谷垣氏は立ち位置や政策が福田氏に近く、ここで福田氏に貸しをつくって禅譲を狙うつもりでしょうが、それでは今回安倍総理の辞任表明後に麻生氏が連帯責任を問われたように共倒れになるリスクがあります。
自民党は「振り子の原理」、つまり政策が反対の人間を交互に首相にして移り気な国民の求心力を保ってきました。福田政権を国民が支持しなかった場合に、福田氏に似た谷垣氏が後継というのは考え辛い。
また、麻生氏も同様にポスト福田を狙うなら福田氏の内閣からは距離をおいた方がいいかもしれません。今回の総裁選、福田氏と麻生氏が本気で戦っているのかというとそう単純でもなくて、福田氏側としても対立候補がいないと総裁選ができず、不戦勝では世論から全く支持されませんから、麻生氏との戦いを必要としているという現実もあります。やらせとまでは言いませんが、今回は自民党そのものの危機ですから、両者とも恐らく自分の演じる役割というものをどこかでわかっているでしょうね。これが国民に透けて見えると、今回の総裁選そのものが茶番劇になって正当性を失います。ただでさえ国民は、行政のトップを直接選べない今の日本の間接民主制に不満を持っていますので、少しでも競っているイメージを出した方が良い。そういった観点からも福田氏と麻生氏の対立を活かして国民の目を自民党劇場にひきつけておく事が必要です。つまり、麻生氏も谷垣氏も、福田政権からは一定の距離を置いた方が本人達と自民党の戦略に資するという事です。
そうなると最後に残る問題は、次の衆院選の帰趨です。
自民党が衆議院の過半数を維持できるのか、それとも民主党が過半数を奪って政権交代となるのかですね。
世論調査の結果では、これほどの自民叩きブームにも関わらず、国民の多くは依然民主党が政権与党に相応しいとは考えていません。
参院選は政権選択選挙ではないとの安心感があったから、年金やカネのスキャンダルなどで自民党にお灸をすえるつもりで民主党に入れ過ぎて、お灸のはずが半身大火傷にしてしまったのが現在の状況です。結果、政治に大混乱が生じて国の重要な政策が滞る、国民にとっても不利益な状態になっています。政治の空白は長期的には必ず経済成長にも悪影響を及ぼします。この状況を本気で喜んでいるのは一部の左派勢力だけで、大多数の一般国民は、自分達と関係ないと思って面白半分の自民叩きをやってきたわけですが、これが自分達の生活に響くほどの混乱であると認識すれば、次第に現状維持を意識した冷静な投票行動に修正されると思われます。
また、参院選では五人区や一人区といった選挙の方式が自民党に不利でしたし、逆に衆院選の方が、組織動員力が強い。
ですから、衆院選で野党が過半数をとるのは、また年金問題に匹敵するようなよほど巨大なスキャンダルが発生してマスコミが自民叩きに総力を上げない限り、あまり現実的ではありません。衆院選後も、自民党が政権をとると思われます。
しかしそれは福田氏の続投を必ずしも意味しません。
何故かというと第一に福田氏は高齢ですし、第二に、衆議院の過半数維持=自民党の勝利では必ずしもないからです。
まず、次の衆議院選挙の結果に関わらず、参議院での民主党の優位は変わりません。参議院は解散できないからです。ここに、有権者の大きな理解の不足があったと思います。参議院で自民党が負ける事は、衆議院よりもはるかに深刻な政治の停滞を招くのです。衆議院はいつでも解散できますが、参議院は六年間、半分の改選でも三年間は議席が動きません。
参院選の時に私が声をからして、「昨日今日テレビでやってたスキャンダルや赤城さんの絆創膏で感情的になって投票しないで下さい。お願いですから六年後の日本を考えて戦略的に投票して下さい」と頼んで歩いていたのはこのためです。
アルツハイマーだとか、原爆はしょうがないだとか、たかだか数万円の領収書だとか、絆創膏だとかは、何日かすればどうでもよくなるゴシップです。国政の大局の前には塵でしかない。
ところがこの参院選ではそのゴシップで、人々は六年間議席が動かない議会の投票を意思決定してしまった。衆愚だといわれても反論できないでしょう。終わってから冷静になっても手遅れです。
まあ、終わった話は仕方ないとしても、このねじれ現象が今後最低でも三年間続き、その間政治は停滞するわけです。
衆院選で過半数を取れなければ民主党が分裂してくれるだろうという楽観論もありますが、過半数が取れなくても、民主党は分裂しません。なぜなら次の衆院選、どうなろうと確実に民主党の「勝利」が確定しているからです。
原因は2005年の衆院選で、小泉さんが勝ち過ぎた事にあります。本来の議席より多過ぎる議席を、自民党は持ってしまっています。勿論これは自民党の実力を超えていて、郵政解散という小泉劇場で得た奇跡的な状況なわけです。
つまり、次の衆議院選挙では、自民党はどんなに頑張ろうが、議席を減らす事はあっても増やす事は絶対に無いという事なんです。議席が減るわけですから、マスコミは当然前回と比較して自民党が「負けた」と報道します。
一方で、民主党はその分確実に議席を増やしますから、過半数を取れようと取れまいと、小沢氏は「勝者」の扱いを受ける。
戦う前から、既にこの結果は決まってしまっています。
ましてや、選挙の顔となる候補者になると、自民党は現職で戦わなければいけないのに対して民主党は新顔を投入できるわけですから、自民党は選挙対策といってもできる事は制限され、民主党の方は必然的に新鮮だと評価されるわけです。
党勢を拡大する民主党に、分裂する理由はありません。給油活動での前原前代表の反発のように党内の左派と保守派で路線対立はくすぶるでしょうが、組織というのは上昇している時は内部分裂しないものです。参院選が労組の力で勝てた事もあって、保守派は左派に対して強く言えないというのもあります。
また、現在は自民党が公明党と合わせて3分の2議席を持っているから、衆院で3分の2の再可決という最終防衛手段がありますが、3分の2を失えば、民主党はいわば国連安保理の常任理事国のように、ベトー(拒否権)を持ったに等しい。
これは自民党の戦略的敗北となります。当然、責任をとって福田政権は退陣する。
これが遅くともだいたい一年半後の状況です。
麻生氏、谷垣氏、そして今は動かない小泉さんの三人が狙っているのはここで総理になる事でしょう。
ただ、誰が総理になっても、ねじれ国会という日本の議会政治で前例の無い難しい状況で、民主党の顔色を伺いながらやらないといけない、思い通りの政治ができない状況に変わりはありません。
小泉さんの再登板となれば、小泉新党による保守連合の政界再編、いわゆる「ガラガラポン」があり得ると言っている人が多いが、現実はイデオロギーでは動きません。小沢氏の目的は前から言っているように自分が総理になる事ですから、そう簡単に民主党を手放しはしないでしょう。
そこは小沢氏の心臓がいつまでもつかという不安定要素もあります。まあそういうわけで「永田町は一寸先は闇」が結論・・・と言ってしまうと政治学者は失業してしまうので、そうも言えませんね(笑。
そもそも問題の根本には、参議院という「良識の府」とは名ばかりで実態は衆議院の劣化コピーといえる中身の、英国の貴族院や米国の上院と違って独自性や必要性に乏しい第二院の存在がある。小泉さんが総理の時に参議院の廃止を提唱して、当時は参議院を牛耳っていた青木氏に猛反発されて引っ込めましたが、あれは小泉さんがこの事態を予測していたからだったのかもしれません。
客観的に考えれば現状の参議院が「良識の府」になっていない事は間違いないのです。「良識の府」が理想通りに機能している状態とは、有識者が議員になって六年間安定した議席でじっくり腰を据えた政策研究をやって政党政治で政争に陥り易い「庶民院」ではできない、国家の長期戦略のために必要な政策、憲法ですとか国防ですとか外交、教育、文化などですね、そういったものを扱って、論争というより議論ですね、紳士的に専門家らしい議論をしているはずなのですが・・・。
しかもどうも、「有識者」を「芸能人」と勘違いしている人が多いようですね。
確かに芸能人を指す和製英語のタレントは英語の直訳では「才能のある人」ですが(苦笑。とにかく今の参議院はひどい。
「良識の府」なら知事と同じで全員無所属にすべきで、衆議院と同じ政党政治をやっているのも参議院の使い方を間違えているし、そもそも議員の投票に党議拘束をかける事自体がおかしいんですね。
今の参議院が前提通りに機能していないのですから、前提に沿った特権・・・解散が無い、任期が六年というのは、当然改めるべきでしょう。あるいは参議院を本物の英国貴族院的な「良識の府」もしくは道州制とセットでアメリカの上院のようにするか、はたまたいっそ無くしてしまうかです。
勿論、参議院を攻勢の拠点としている民主党が賛成するはずもないですから当面は実現しそうにありません。自民党の優位になったらなったで、また青木氏が反対したようになります。
タイミングとしては、道州制の導入ぐらいしかないですね。となると、アメリカ上院のように「地方分権の府」となりますか。
では、そろそろ入院のための荷造りをしますので、これで。
一週間後にまたお会いしましょう♪