酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

史上最大のトリックスター~小泉首相の本質とは

2005-08-08 03:11:14 | 社会、政治

 ここ数年の出来事で確信したのは、<小泉首相=トリックスター>ということだ。トリックスターとは文化人類学の用語だが、現実に即して定義すると、すべての項目が小泉首相に当てはまる。以下に例証してみよう。

 A<変人性>=トリックスターは約束事や常識から自由である
 小泉首相の説得に失敗した森氏は、ビールの空き缶とつまみを手に、「さじ投げた」「変人以上だな」と茫然自失の体で話していた。「俺は後見人だ、寿司ぐらい出せ」と言いたげだったが、首相に普通人の気遣いを求めてはいけない。ちなみに、「変人以上」って「狂人」?

 B<破壊者>=トリックスターは混沌を生み、革命家のように振る舞う
 小泉首相は宣言通り、自民党を破壊しつつある。特定郵便局の集票力は、地域差はあるものの、創価学会の30~45%とのこと。絶縁となれば、学会依存を強めるしかない。小泉首相は公明党のパブリックイメージもぶち壊した。創価学会は福祉や平和を重視する……はずだったが、イラク派兵、障害者自立支援法など自民党と一体化したことで、すっかりメッキが剥げてしまった。

 C<直観力>=トリックスターは刹那的に反応するが、言動に継続性を欠く
 小泉首相は道路公団問題、訪朝とアドバルーンを掲げたが、いつの間にか沙汰やみになった。郵政民営化以外の案件では、周囲を驚かせたら満足し、気持ちが急激に冷めるようだ。

 D<詐欺師的>=トリックスターは文字通りトリックを用いてケムに巻く
 2年前、<国債発行枠30兆円>の公約を破ったと菅民主党代表(当時)に指摘され、「その程度の公約が守れなくたっていい」と逆ギレした。イラク派兵問題でも、「自衛隊が赴く地域が非戦闘地域」と答弁するなど、目くらましを得意にする。<反田中角栄>を鮮明に政界で上昇しながら、角栄氏の愛娘(真紀子氏)の協力で総裁選に勝ち、角栄氏の継承者(青木氏)を権力の基盤にしている。この構図こそ、小泉首相が仕掛けた最高のトリックかもしれない。

 E<道化>=トリックスターは幼児性とサービス精神を合わせ持つ
 今回の解散で、小泉首相は最高の「政治ショー」を提供した。自ら誰より楽しむつもりでいるから質が悪い。「人生いろいろ」発言など、普通の政治家なら火だるまになったに相違ないが、国民の側も、怒ると同時に面白がっている。アジテーターにしてピエロ、孤独なオタク少年というイメージも人気の理由で、やけくそ解散が吉と出る可能性だってある。

 F<本能的>=トリックスターは自らの欲望や感情に忠実である
 郵政民営化は小泉首相にとって<初恋>であり、万難を排して実現したいと考えている。祖父が逓信大臣を務め、父も特定郵便局の支持を受けていたが、初出馬の際、郵便局の票は田川氏に回り、落選の憂き目を見た。反対派の中には、その時の意趣返しとして民営化に邁進したという穿った見方もある。

 とまあ、殆んどこじつけかもしれないが、俺の中で小泉首相は、史上最大のトリックスターなのである。

 民営化の是非については、不勉強ゆえ語るべき材料はないのだが、この間の流れで不思議に思えるのは、郵便局員たちの生の声が伝わってこないことだ。郵政労働者の現状はかなりシビアだという。公社のままにせよ、民営化されるにせよ、彼らの声が運用に反映し、その権利が守られることはあるのだろうか。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 到達点はパンク?~極私的「... | トップ | 「夏の妹」~日本と沖縄をめ... »

コメントを投稿

社会、政治」カテゴリの最新記事