団塊的“It's me”

コキロク(古稀+6歳)からコキシチ(古稀+7歳)への道草随筆 2週間ごとの月・水・金・火・木に更新。土日祭日休み

不審車

2024年03月08日 | Weblog

  私たち夫婦の朝は早い。遠距離通勤する妻は、7時過ぎの電車に乗らなければならない。目覚ましは、時計が4時50分に、ラジオは5時ちょうどにセットされている。私は、朝に弱い。妻のようにシャキッとサッサと起きて、動き回れない。できるだけ長くベッドの中にいたい。二度寝は、理想的な睡眠だと感じている。

 いつものようにモタモタと着替えをしていた。すでに台所で朝飯の支度を始めていた妻が「変な車が玄関前にとまっている」と声を上げた。「…変な…」に私は反応した。目が覚めた。窓に近寄って外を見た。車のヘッドライトが見えるが、車体が見えない。まだ5時だと外は暗い。あういう風に見えるってことは、車が玄関前のアプローチに入り込んでいるってこと。私は、外に出て様子を見ようと思ったがやめた。昨今、他人にモノを言っただけで、刺されたり暴力を振るわれたりする事件がやたらに多い。

 玄関アプローチの入り口に外灯が立っている。この外灯、過去にタクシーがバックしてなぎ倒したことが3回あった。その都度、十数万円の修理代がかかったと聞いていた。タクシーは方向転換しようとして外灯にぶつかった。でも今回の不審車は、アプローチの奥、玄関ドアの前まで入り込んでいる。強盗が店に入口を車で壊して、侵入して犯行に及ぶのを、防犯カメラの映像で観たことがある。一応何かあったらいけないので、車のナンバーを書き留めて、写真を撮っておくことにした。この不審車は、週3回午前5時少し過ぎた時間に来ることがわかった。一応管理会社に連絡した。しばらくして、玄関アプローチの入り口に赤いコーンが置かれ、そこに貼り紙が付けられた。その後、いつものように朝5時過ぎにやって来た不審車は、赤いコーンと貼り紙に気がついたらしく、奥の駐車場の入り口で方向転換していた。不審車は、どうやら集合住宅の住民の誰かを迎えに来ているらしい。それにしても、週3回こんなに朝早く何をしているのかわからない。世の中、理解できないことだらけだ。

 集合住宅といっても低層住宅で住んでいる軒数は少ない。いろいろな人が住んでいる。以前、雨の日だろうが自転車を玄関ホールに乗り入れて、裏の駐車場に行く人がいた。総会で自転車をホールに持ち込むのは、やめましょうと言われて、彼は「自分は、規則に従わない」と断言したそうだ。自分が好きなように暮らしたいなら、なぜ集合住宅に住むのかと私は思った。とにかく世の中には、いろいろな人がいる。

 ほとんどの住民とのお付き合いは、ないに等しい。時間の経過にしたがって、所有者の入れ替わりも増えた。私たちは、この集合住宅が売り出された直後に購入した。販売側からいろいろな規則を説明された。火事を出さないために暖房に石油ストーブの使用禁止、ベランダでの喫煙、BBQの禁止などなど。しかし現在では、不動産会社もバラバラで、入居前の規則の説明などはないようだ。

 カナダの住宅地には、住民の組合があって、新規購入希望者は、組合の審査を受けなければ購入できないと聞いたことがある。日系の友人が、白人の多い団地の組合に購入を拒否されたそうだ。それはいきすぎだと思う。審査というより、新しい入居者に、その団地や集合住宅の規則の説明をして誓約書を交わすくらいはしても良い。

 今朝も不審車が来た。コーンと貼り紙は、まだ効いている。

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