今回のオリンピックの水泳で英国のスピード社の水着が話題になった。日本の競泳陣の選手の多くは、日本のスポーツ用品の会社と契約を結んでいて、その会社製の水着を着ることを要求されている。ミズノの契約選手である平泳ぎの北島康介選手が「泳ぐのは選手で水着ではない」の名言を吐いた。そして彼は結局、スピード社の水着で2個の金メダルと1個の銅メダルを獲得した。たいした選手である。
私は心臓の手術を受けてから、人前で水着になるのに気が引ける。糖尿病の運動療法の一環でスイミングスクールに通ったことがある。私の命を救った手術跡に感謝こそすれ、恥じることはない。しかし他人の目には決して快いものではないことも理解できる。そこで私はロシアのサハリンで買ったTシャツ水着を着て上半身を被うことにした。スイミングスクールの講師には、理由を話し、了解を得ていた。私は時間厳守を心がけている。朝9時に始まるクラスなので、10分前にはプールに出ていた。スイミングスクールには講師以外のスタッフもいる。プールの点検をしていた女性スタッフがTシャツを着たままの私を見つけて首にかけていた笛を吹いた。「Tシャツを脱いでください!」
私はとっさの行動や言動をとれない、もたつきやすい人間である。しどろもどろしていた。そこに私が所属するクラスの講師、あこがれの田中先生がさっそうとしたスカイブルーの水着で現れた。「いいのよ。この生徒さんは特別な事情でTシャツを許可されているの」 先生は女性スタッフに私に代わって、説明してくれた。 田中先生ありがとう。こうして私は救われた。
今、Tシャツ型男性水着が売れているそうだ。私のように胸に大きな手術跡がある人が、日本にはどんどん増えているのか、とはじめは心配になった。ところが売れている理由は、気になる大きなお腹を隠す、つまりメタボ対策なのである。隠す、という理由は同じである。隠すものが何であれ、Tシャツに注目した水着メーカーは偉い。これで私も安心してTシャツ水着を着ることができる。
今の町に引っ越してから、また最初から胸の手術跡の説明するのが嫌で、スイミングスクールには入りなおしていなかった。来月からさっそくスイミングスクールに行こうと思う。スポーツクラブに通う30~40代の男性の多くが、Tシャツ水着の愛好者だという。待てば海路の日和あり。世の中は動いている。
私は心臓の手術を受けてから、人前で水着になるのに気が引ける。糖尿病の運動療法の一環でスイミングスクールに通ったことがある。私の命を救った手術跡に感謝こそすれ、恥じることはない。しかし他人の目には決して快いものではないことも理解できる。そこで私はロシアのサハリンで買ったTシャツ水着を着て上半身を被うことにした。スイミングスクールの講師には、理由を話し、了解を得ていた。私は時間厳守を心がけている。朝9時に始まるクラスなので、10分前にはプールに出ていた。スイミングスクールには講師以外のスタッフもいる。プールの点検をしていた女性スタッフがTシャツを着たままの私を見つけて首にかけていた笛を吹いた。「Tシャツを脱いでください!」
私はとっさの行動や言動をとれない、もたつきやすい人間である。しどろもどろしていた。そこに私が所属するクラスの講師、あこがれの田中先生がさっそうとしたスカイブルーの水着で現れた。「いいのよ。この生徒さんは特別な事情でTシャツを許可されているの」 先生は女性スタッフに私に代わって、説明してくれた。 田中先生ありがとう。こうして私は救われた。
今、Tシャツ型男性水着が売れているそうだ。私のように胸に大きな手術跡がある人が、日本にはどんどん増えているのか、とはじめは心配になった。ところが売れている理由は、気になる大きなお腹を隠す、つまりメタボ対策なのである。隠す、という理由は同じである。隠すものが何であれ、Tシャツに注目した水着メーカーは偉い。これで私も安心してTシャツ水着を着ることができる。
今の町に引っ越してから、また最初から胸の手術跡の説明するのが嫌で、スイミングスクールには入りなおしていなかった。来月からさっそくスイミングスクールに行こうと思う。スポーツクラブに通う30~40代の男性の多くが、Tシャツ水着の愛好者だという。待てば海路の日和あり。世の中は動いている。