新型コロナウイルスの感染が世界に拡がっている。そもそもウイルスとは何なのかさえ私にはよくわからない。ウイルスは目に見えない。得体のしれないモノは恐ろしい。
妻の海外赴任に同行して発展途上国ばかり5任地で暮らした。最初のネパールではコレラ、病原性大腸菌、ジアルジア、腸チフス、赤痢、A型・E型肝炎などの感染に脅えた。これらの感染症だけではなかった。寄生虫検査で陽性となった。
妻が2年6カ月の任期を終えてセネガルへ転勤が決まった頃、肝炎になりそのままセネガルへ向かった。妻の赴任直後からずっと具合が悪く、妻の治療を受けた。満足に食事がとれていなかったので、点滴していた。肝炎であることはわかったが、何型かの判定はできなかった。セネガルにも感染症が多かった。マラリア、赤痢、デング熱、細菌性髄膜炎、黄熱、狂犬病、サルモネラ。それだけでなく寄生虫の危険もあった。
ウイルスによる感染症の恐ろしさは、ウイルスが私たちの目には見えないことだ。今回のコロナウイルス騒ぎも目に見えないので人々の妄想が妄想を生みある種のパニックになっている。厚生労働省のホームページによれば、『コロナウイルスとは、ヒトに蔓延している風邪のウイルス4種類と、動物から感染する重症肺炎ウイルス2種類が知られている。電子顕微鏡で観察されるコロナウイルスは、直径約100nmの球形で、表面には突起が見られる。形態が王冠“crown”に似ていることからギリシャ語で王冠を意味する“corona”という名が付けられた』とある。
早速デンマークの新聞が中国の国旗の星をコロナウイルスの形状に変えたイラストを載せた。何もなくてもヨーロッパでは中国人およびアジア系に対する差別事件が頻発している中、ますます中国に対する風当たりが強くなることが予測される。私たちは恐怖を感じる物に対して、過激な反応を示してしまう傾向がある。過去においてペストやコレラの大流行を経験しているヨーロッパの人々が、今回のコロナウイルスの恐怖に脅える気持ちは理解できる。しかし差別行動に出る前にどうコロナウイルスの感染を防ぐかの方が重要である。坊主にくけりゃ袈裟まで憎い、ではことは解決しない。
私は持病の糖尿病が原因で免疫性が極端に低い。今回中国の武漢で亡くなった多くの高齢者が成人病を持病に抱えていたという。ヒトは常に感染症の危険にさらされている。ましてや現代のようにヒトが世界中を駆け回って行き来していれば、感染はネズミ算式に拡がる。何事も後手後手な日本政府も今度は、少し真剣に向き合っているようだ。武漢から在留日本人をチャーター機で脱出させたまでは、上出来だった。まだ残る在留邦人の救出も大事だが、帰国後の対応に拙さがある。感染症を防ぐ方法は、最悪の事態を想定した行動と言われる。帰国者の徹底検疫は矯正してでもやらねばならない。ウイルスに法律を適用させているような現状の対策では甘すぎる。
私はただ自分の過去のウイルス蔓延の日常生活や海外生活で経験して難を免れてきた感染対策のウガイ、手洗い、早寝早起きを実施するのみ。♪「あ~ぁ ばあちゃんの口癖、ウガイ、手洗い、ニンニク〇〇……あぁ~ばあちゃんの言う通り、あぁ~ばあちゃんにはかなわない」♪