テレビの宣伝に滝川クリステルが出ていた。『「ねえ、あなた技術者さん」「え!そうですが ……ぇッ 何なんですか」…「どうしてあなたたち技術者がマニュアルを作るの。マニュアル作りのプロに任せなさい」』
韓国製電化製品が勢いよく私が暮らしていた国々で日本の電化製品にとって代わられ始めていた。ネパールにいた1990年代はさほど日本製品の弱体化は感じなかったが、セネガル、ユーゴスラビア、チュニジア、サハリンと時を追うごとにひどくなっていった。チュニジアのどこの電化製品売り場からも日本製品はほとんど姿を消していた。私は悔しかった。
どこの国に住んでいた時に聞いたかは、忘れた。「日本製品は質が良いけれど、マニュアルが悪い。その点韓国製のマニュアルは、日本の何倍もの厚さがあり、実に丁寧に作られている」と多くの人から聞いた。あれからすでに数十年が経過した。平成が終わろうとしている今頃になって、やっと今回のマニュアル作成専門会社グレイステクノロジーの宣伝でマニュアルに関しての指摘がなされた。
カテーテル手術が終わって先週の金曜日に再びブログ掲載を始めることができた。本来なら“賭け”に勝った妻に褒美を上げるべきなのに、いつの間にか私は褒美を要求した。かねてから欲しかった富士通のスキャナー『ScanSnap xi1500』を買うことになった。近所の家電量販店ノジマへ妻と出かけた。値段交渉で5万千円になった。アマゾンでは同機種で4万5千194円だった。これでは勝負にならない。帰宅してアマゾンへ発注した。なんと翌日に届いた。
早速設置に取り掛かった。取扱説明書を拡げた。字が小さくて読めない。ハズキルーペを使った。字の問題は解消した。今度は書いてあることがわからない。これを解決する方法はない。パソコンでホームページを開いてそこからダウンロードしろとある。煩雑きわまりない。とても私ごときパソコンブラックボックス派に理解できる代物ではない。グレイステクノロジーの滝川クリステル宣伝、どこかの国で聞いた日本製品の取扱説明書の不親切さが頭に浮かんだ。腹が立った。餅は餅屋に。私は普段パソコンに問題が生じた時、助けてもらっているパソコン119に電話した。日曜日にも出張してくれる。機械も凄いが人間も人によってはもっと凄い。
ScanSnap、実に使いやすい。どうしてこんなに良いモノを作れるのに、取扱説明書はダメなのか。滝川クリステルが「どうしてあなたたち技術者がマニュアルを作るの」というように技術者が書いているのだろうか。私は台所の調理道具調理器具にも大いに不満がある。実に多くの商品は、調理をしない職人が作っているのではと思っている。だから使い勝手が悪い。痒い所に手が届くような目配り気配り手配りが欠けている。
それでもScanSnapのおかげでまず1000枚以上の写真を片付けた。名刺500枚以上もスキャンして整理がついた。年賀状の整理もできた。妻に「凄い!書斎の壁と床が見える」と褒められた。イノシシもおだてりゃ木に登る。