団塊的“It's me”

コキロク(古稀+6歳)からコキシチ(古稀+7歳)への道草随筆 2週間ごとの月・水・金・火・木に更新。土日祭日休み

入道雲とアメリカファースト、都民ファースト

2017年05月31日 | Weblog

①    夏の入道雲 日本

②    ヨーロッパ 飛行機雲

③    アフリカ 雨雲

①    最近気象に大きな変化が見られる。異常気象という表現がごく普通に使われている。子どもの頃、見惚れたニョキニョキと力強く青い空に駆け昇る入道雲は現在ほとんど見られない。当時、夏は夕方になると定まっているかのようにピカ、ゴロゴロ、ドッッシャン、ザーッが来た。日中の暑さがクールダウンされてホッとする。今では夕立が集中豪雨ゲリラ豪雨と姿を変えた。ネパールに住んでいた時、千年に一度と言われる豪雨に遭遇した。盆地で陸路が主たる流通ルートだった首都カトマンズは、孤立した。ガソリン、砂糖、食料油、プロパンガスなど自国で調達できない物資は一気に値が上がったものである。カトマンズの雲は厚く低く垂れこめた。入道雲かどうかと品定めもできなかった。モンスーンはまるで霧のようにネパール全体に覆いかぶさっていた。日本は亜熱帯から熱帯になったという人もいる。そう言われれば、現在の日本の気象は、ネパールのそれに似てきている。気象の変化は、動植物や農産物にも大きな変化をもたらしている。すでに日本だけの問題ではなくなった。それなのにさきのイタリア・シチリアのタルミナで開かれたG7サミットでも、地球温暖化対策の“パリ協定”は批准されなかった。アメリカのトランプ大統領は、協定からの離脱さえほのめかした。地球上の最先進国を標ぼうするG7がこのありさまである。こんなでは追随する発展途上の国々の環境保全の意識も薄らぎ、地球の温暖化も汚染も益々悪化するであろう。私は、あのたった4,50年前に見られた力強い入道雲をもう2度と見ることができそうにない。

②    ヨーロッパの空を晴れた日に見上げると飛行機雲の筋がたくさん見られる。飛行機雲は自然の雲とは違う。ジェット機のエンジンから噴出された水蒸気である。私が住む町からも一日にけっこうな数の飛行機雲を見ることができる。しかしその数はヨーロッパの空に比べたら微々たるものだ。自然の雲も日本のものとは違う。空が高いと感じる。すじ雲やうろこ雲が多い。その空は航空路に埋め尽くされているようだ。ヨーロッパ諸国から世界中へ空路が広がっている。ヨーロッパ内の空路も多い。飛行機雲がたくさん見られるヨーロッパの空を見上げながら「飛行機の排気ガスって地球に悪影響与えていないのかな」とよく考えた。

③    アフリカのセネガルに2年暮らした。セネガルでの生活において雨の心配がまったくというほどなかった。年に一度数週間で雨季は終わる。年によっては雨季でも雨が降らず干ばつになることもある。セネガルの雨雲はネパールの雲と似ていた。暗く厚く低く雷を伴う。その勢いに圧倒された。

世界にはいろいろな気象がある。その気象がだんだん異常という人知を超えた一つの現象にまとまりつつある気がする。人間の使った後に排出したあらゆる汚染物質が雲の状態になって地球を被う。世界はアメリカファースト、都民ファースト、北朝鮮オンリーとやかましい。地球ファーストと表面で唱えても、裏でやっていることは逆走である。あの入道雲が戻る日は来るのか。

 

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