咲とその夫

 定年退職後、「咲」と共に第二の人生を謳歌しながら、趣味のグラウンド・ゴルフに没頭。
 週末にちょこっと競馬も。
 

見応えのあったドラマ・・・99年の愛

2010-11-09 22:40:35 | レビュー
 TBS開局60周年を期して制作された壮大なドラマ、「99年の愛」が去る3日から5夜連続で放映された・・・・・すべて見終わった。

 民放局としては、最近にない骨太のキッチリと仕上がったドラマ。日本がそして日本人の生き方が問われている現在、誇り高き日本人がつい60数年前まで一生懸命生きていたとの証し・・・・それを見る思いであった。


 脚本の橋田壽賀子さんが、人生の集大成としてご自分の遺言として渾身の力を捧げたと自負されているアメリカ日系移民の過酷な運命に翻弄された家族の物語。

 それを渾身の力を込めて映像美化したプロデューサーの瀬戸口克陽氏と演出の福澤克雄氏・・・・・映画「私は貝になりたい」などで、織り成す日本の原風景とともに最高の演出を手掛けたビッグコンビ。

 物語は今からおよそ100年前、日本の貧しい寒村に小作人の次男として生まれた青年が、このまま日本で生き抜いても極貧の生活苦から抜け出すことはできないと思っていた。アメリカへ移民して成功している人々の話から、単身アメリカにわたり活路を見出そうと決心することから・・・・・長い物語が始まる。


 今までの映画や物語の舞台の寒村といえば東北地方が殆どであったが、数年前TVドラマで名作「砂の器」を演出した福澤克雄氏は、日本の原風景が残る島根県奥出雲地方がすっかりお気に入りとかで、今回の物語の主人公の生まれ育った地方を島根県奥出雲地方に設定。

 因(ちな)みに主人公の妻ともは、同じく中国地方の岡山県新見地方出身に設定・・・・・「砂の器」も奥出雲から岡山がキーポイント。


 日系移民一世となる主人公平松長吉は、同じ地方出身の野中一馬の家族と共に野中の親戚の岡田勇を頼って渡米した・・・・・ところが、成功していると思われていた岡田一家の厳しい生活。

 排斥感情の強いアメリカ人から、ジャップと呼ばれ人間以下に扱われる日系移民の厳しい現実を目の当たりにすることとなった。


 太平洋戦争を通じて数奇な運命を辿った主人公長吉の息子と娘たち、2010年8月に家族が暮らしているシアトルへ長吉の末娘さちがあることを機に渡米し、70年振りに次男の次郎と戦死した長男一郎の嫁しのぶたちに会った。



「しのぶ役の仲間由紀恵さん」(出典:BIGLOBEニュース公式HP)


 そして、この家族が回想する形で、現在と過去の物語が錯綜し展開。悲しくも日本人としての誇りを持って生きてきた日系移民一世、二世、そして三世へとその様子が克明に描かれている。

 我が家では、家内がティッシュを片手に目頭を押さえながら、世界バレーにおける日本の活躍で興奮した気持ちを切り替えて、壮大なTBSドラマに引き込まれ、日系移民の厳しい生活ぶりを真剣に見入っていた・・・・・・と、申す当方も見入ってしまったが

 長女しづと末娘さちの二人、日本がアメリカに宣戦布告した太平洋戦争の勃発で、日系人への反日感情の高まりに危険を感じた父長吉が日本へ帰すことに・・・・・ところが、極貧の生活を送っている長吉の故郷の家族。


 極貧の生活苦の中では、日本人の誇りの欠片もない故郷の家族、その家族から受ける厳しい扱い・・・・・「しづとさち」の姉妹には、離ればなれの生活が待っていた。
 
 極貧の生活苦は、ここまで人を変えるものなのか・・・・・

 過酷な時代に翻弄される平松家、父長吉は神の国日本が負けるはずがないと思っていたが、アメリカをはじめとする連合国軍に全面降伏という敗戦のショックから自殺。

 母とめは日本に帰り娘しづとさちを探そうとするが、戦後の混乱期の日本は危険であるとのことから断念・・・・・戦後14年農場も戻り生活も楽になっていた矢先、日系人初の下院議員の当選を喜びながらも心筋梗塞で死亡。

 長男一郎は日系人だけで編成された442部隊に所属し名誉の戦死を遂げる・・・・442部隊の活躍は、戦後日系人のアメリカにおける市民権獲得や地位向上、そして反日感情解消などへ繋がった。

 次男次郎は、戦後あることが切っ掛けで戻ってきた平松農場で、残された母とめ、兄嫁しのぶとその子ケンを守って生きる。

 長女しづは、広島へ落とされた原爆の後遺症で死亡。

 次女さちは、苦労の末、東京に出て今をときめくデザイナーとして成功。


 この物語、さちを演じた子役のひたむきな演技に再三涙を誘われた視聴者も多かったのではないでしょうか。

 久々に骨太な・・・・・・いいドラマ(咲・夫)


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