杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

おまえの罪を自白しろ

2024年03月25日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2023年10月20日公開 101分 G

政治家一族の宇田家の次男・宇田晄司(中島健人)は建築会社を設立するも倒産し、やむなく政治スキャンダルの渦中にいる国会議員の父・宇田清治郎(堤 真一)の秘書を務め、煮え切らない日々を送っていた。
そんなある日、一家の長女・麻由美(池田エライザ)の幼い娘が誘拐された。犯人からの要求は身代金ではなく、「明日午後5時までに記者会見を開き、おまえの罪を自白しろ」という清治郎への脅迫。それは決して明かすことが許されない国家を揺るがす”罪”だった。権力に固執し口を閉ざす清治郎―。晄司はタイムリミットまでに罪に隠された真相を暴き、家族の命を救うことができるのか !?(公式HPより)


真保裕一の同名小説の映画化で、政治家一族の孫娘誘拐事件の行方を描いた社会派サスペンス作品です。

宇田家は晄司の他に、長男で埼玉県議員の揚一朗(中島歩)と、長女で市議・緒形恒之(浅利陽介)の妻の麻由美、その娘・柚葉(佐藤恋和 )がいます。

父の清治郎が、上荒川大橋建設にあたり総理の友人に便宜を図ったという疑惑がかけられてメディアを賑わせていたある日、柚葉が何者かに誘拐される事件が起こります。犯人の要求は身代金ではなく、清治郎に対して「明日午後5時までに記者会見を開き、お前の罪を自白しろ」というものでした。

現総理大臣・夏川泰平(金田明夫)を擁護するために、様々な汚れ仕事を引き受けてきた清治郎にとって、決して明かすことのできない「罪」でした。
権力に固執する清治郎は、指揮権発動(罪を問われない特例)と、自身の後継を宇田家の者にする確約を得ようと奔走しますが、党との駆け引きの末、指揮権発動のないまま記者会見の時間となります。清治郎は過去の2つの罪を自白しますが、総理が関わる上荒川大橋の件は口を閉ざします。
会見後に届いた犯人からのメッセージには「午後10時までに再度会見を開いて全ての罪を自白しなければ孫娘の命はない」とありました。

犯人の要求が上荒川大橋の件だと推察した晄司は、世間に漏れたのは政府内部の敵の仕業ではないかと調べ始めます。夏川総理の敵対派閥である党幹事長の木美塚(角野卓造 )への内通者の存在を突き止めます。 (清治郎の対抗派閥の若鷺議員(池田成志 )が宇田家に出入りしていた官僚を利用してリークしていました)木美塚と面会した晄司は、ここでなんと木美塚派へ寝返るのです。😮 それまで政治家に対して批判の目を向けていた彼の意外な行動に驚きますが、このあたりから晄司が政治家として目覚めていくようです。

犯人の要求通り2度目の会見を開いた清治郎は、上荒川大橋建設予定地の変更は自身と総理の利益のためだったと告白し、罪を認めて謝罪します。
会見後に「日の出町緑地を探せ」という犯人からのメッセージが入り、柚葉が救出されますがショックから声が出なくなり、犯人も捕まらないままでした。

晄司は独自に犯人捜しを始めます。
清治郎が推し進めていた公共事業は、橋の建設の他に「老朽化した競艇場施設の移設」と「日の出町緑地の再開発」がありました。そのどれもが荒川が舞台になっていることに気付いた晄司は、そこに犯人の本当の狙いがあると推理し、埼玉県警の平尾刑事(山崎育三郎)に協力を求めます。 

清治郎は3回目の記者会見を行い、議員を辞職すると告げます。さらに揚一郎と緒形が意志を継いで上荒川の研修センター移設を今後も進め、自費で研修センターの地盤調査を行うと発表し一方的に会見を終わらせました。騒然となる記者たちを前に、兄に代わり毅然と会見終了を伝える晄司には映画の冒頭で見られた虚無感は微塵もありません。

地盤調査が始まったある夜。緑地に怪しい2人組が現れて地面を掘り起こそうとする現場を、密かに監視していた警察がおさえます。この時抵抗された平尾が負傷しますが・・・このエピソード要る?😓 

逮捕されたのは、寺中初美(尾野真千子)と勲(柏原収史)の姉弟でした。最初に上荒川大橋の建設予定地だった場所で「寺中建材工業」を営んでいた彼らの父は立退料を見込んで会社の移転を計画して借金をしたのですが、急な場所の変更で借金だけが残った挙句、親子喧嘩の際に転落死していました。
困った二人は荒川土手に父の遺体を埋めましたが、清治郎の開発計画が決まれば地面が掘り返されて遺体が見つかるため、今回の犯行を企てたのです。清治郎が失脚すれば計画も流れると思ったのね。
初美の「誰が橋を変えたんですか、誰が私たちの人生を変えたんですか」の涙ながらの訴えが晄司の胸に突き刺さります。

柚葉が声を取り戻して笑顔が戻った頃、議員を辞職した清治郎が晄司に思わぬ告白をします。「俺のあとはお前にしか継げないと思ったから、おまえの会社を潰した」と。それを陰で聞いてしまった兄の存在って・・・😒 

場面は変わり、国会で新人議員となった晄司が木美塚新総理に向かって怯むことなく質問をする姿がテレビに映ります。そしてエンドロール・・・
父の清治郎が初心を忘れ自己保身にまみれていったその轍を彼が踏まないよう祈りたい😩 
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