杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ニュー・シネマ・パラダイス<レターボックスサイズ>

2021年04月02日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

1989年12月16日公開 イタリア・フランス 124分 PG12

2020年12月30日放送 

映画監督として成功をおさめたサルバトーレ(ジャック・ペラン)のもとに、老いたアルフレード(フィリップ・ノワレ)の死の知らせが届く。彼の脳裏に、「トト」と呼ばれた少年時代や多くの時間を過ごした「パラダイス座」、映写技師アルフレードとの友情がよみがえってくる。(映画.comより)

 

シチリアの小さな村を舞台に映写技師と少年の心あたたまる交流を、あふれる映画愛とともに描いた不朽の名作ですが、実はこの作品もちゃんと通して観た事がなかったような TVで放送されたのはレターボックスサイズ(劇場版とサイズが違うため上下に黒い横帯が入った状態を指す)だそうですが、何故か録画されたものはスタンダードサイズになっていたという

アルフレードは映画技師で、少年時代のトト(サルヴァトーレ・カシオ)がとても親しくしていた人物です。故郷に住む母から彼の死を知らされ、サルバトーレは少年時代を回想します。

シチリアの村で母と妹と暮らしていたトト。父親は出征したまま帰って来ず、唯一の娯楽は村の中心の広場にある教会に併設された小さな映画館です。村人にとってもそこで上映される映画は外の世界そのものでした。新作の輸入映画が封切られる夜には、村人たちは映画館に集まってスクリーンに拍手を送り、カットされたラブシーン(謹厳な司祭が前もってチェックし削除させている)にブーイングします。カットした部分は上映終了後にまた繋いで次の映画館に回したりするのですね 映画に魅了されたトトは何度も映写室に入り込んではアルフレードに怒られながらも、映写機の操作を真似て覚え始めます。ある晩、上映中にフィルムが発火して映画館が全焼してしまいます。トトは必死にアルフレードを助け出しますが、アルフレードは視力を失ってしまいます。その後、父親の戦死が認定されたトトは、建て直された映画館「新パラダイス座(Nuovo Cinema Paradiso)」で映写技師として働いて家計を助けるようになります。

青年となったトトは、エレナという女性に恋をしますが、徴兵されている間に音信不通となります。除隊して村に戻ったトトにアルフレードは「まだ若いのだから村から外に出て自分の道を探せ、帰ってきてはいけない」「人生は映画とは違ってもっと困難なものだ」と言い聞かせるのです。トトはその言葉を胸に村を出てローマへ行きます。

あれから30年が過ぎ、アルフレードの葬儀に出席するため年老いた母の待つ故郷の村に帰ってき中年になったサルバトーレ。「新パラダイス座」は閉館していて解体される予定になっていました。アルフレードが彼に遺した形見は、少年トトが昔アルフレードにねだった切り取ったフィルムが入った缶でした。そういえば、最初の方で、司祭の検閲でカットされたキスシーンなどのフィルムを欲しいとせがんでいたっけ

古き良き時代の香りが漂う、それでいて今観ても少年と映画技師との心温まる交流に癒される作品で、さらに素晴らしかったのは劇中流れる音楽です。イタリアの作曲家で映画音楽の巨匠と呼ばれたエンリオ・モリコーネの主題歌「愛のテーマ」はこの映画を観たことのない人でも一度は耳にしているのではないかしら

 

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