杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋

2020年08月29日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2020年1月3日公開 アメリカ 125分 PG12

アメリカの国務長官として活躍する才色兼備なシャーロット・フィールド(シャーリーズ・セロン)は、大統領選への出馬を目前としていた。そんなある日、シャーロットが出会ったのは、ジャーナリストのフレッド・フラスキー(セス・ローゲン)。才能はあるものの、頑固な性格があだとなり、職を失ってしまう。一見、接点もなく正反対な2人だったが、シャーロットはフレッドにとって、初恋の人だったのだ。予想外の再会を果たした2人は、思い出話に花を咲かせる。その後、シャーロットは若き日の自分をよく知るフレッドに、大統領選挙のスピーチ原稿作りを依頼。原稿を書き進めるうちに、いつしか惹かれ合っていく2人。しかし、越えなければならない高いハードルがいくつも待ち受けることに……(公式HPより)

 

大統領候補のスーパーウーマンと失業中のジャーナリストが繰り広げるラブコメです。美女と野獣(まではいかないですが)の不釣り合いなカップルはありがちですが、シャーリーズ・セロンがただ綺麗なだけじゃない、己の確固たる信条を持って指導者を目指すカッコいい女性を素敵に演じていて好感が持てました。

取材のためにはタトゥーも厭わないフレッドですが、勤務先がメディア王のパーカー・ウェンブリー(アンディ・サーキス)に買収されたことで、ジャーナリズム精神が失われることを危惧して自ら会社を辞めてしまいます。一方、チャンバース大統領(ボブ・オデンカーク)から次の大統領候補に出馬しないと聞いたシャーロットは、初の女性大統領を目指し立ち上がります。

親友のランス(オシェア・ジャクソン・Jr)が無職になったフレッドを気分転換させようと連れて行ったチャリティパーティーで、二人は再会!(二人がノリノリの「ボーイズⅡメン」って、1990年代にR&Bの一時代を築いたグループなのね)シャーロットは当時13歳のフレッドのベビーシッターをしていたことがあり、フレッドの初恋、初キスの相手だったのです。(13歳にシッターが要るの?

予想外の再会に思い出話に花を咲かせて別れますが、フレッドが書いた記事を読んだシャーロットが、自分に足りないユーモアのセンスがあり若い頃の自分を良く知るフレッドに、大統領選挙スピーチの原稿作りを依頼したことで二人は急接近します。

世界から集まった政治家を前に、環境問題に関するスピーチをすることになったシャーロットですが、内容に政治的な横やりが入ってきます。でも、フレッドから信条を曲げるべきではないと忠告され、内容を削ることなく発表したスピーチが高評価を受け、フレッドの存在価値も上がります。

素晴らしいスピーチを書くためには彼女のことをより知る必要があると考えたフレッドにシャーロットも同意し、二人で過ごす時間が増えるほど

互いに惹かれ合うようになります。でも立場の違いや諸々であと一歩が踏み出せない二人・・ところが、マニラ訪問時に反政府軍の攻撃に遭い、九死に一生を得て、遂に恋に落ちる。まぁ、自然な成り行きではあります。

秘書のマギー(ジューン・ダイアン・ラファエル)は二人の関係を国民が知れば支持を得られなくなると反対します。さらに現大統領から、シャーロットが訴える環境保護政策の一部を撤回するよう求められ、ストレスが溜まった二人は薬でハイに。これって合法でしたっけ?

薬でキメてる最中に起きた事件に、シャーロットはハイな状態のまま対応しますが、これが逆に事件解決に導く・・・いや、ありえね~~

ますます国民の支持が集まりますが、自分の要求に応じない彼女に大統領とその裏にいるウェンブリーが業を煮やし、フレッドの自慰行為を暴露すると脅してくるんですね~~ (このエピソードに限らず下ネタはチョコチョコ出てきますけどね。だからお子ちゃま禁止なPG12指定)

距離を置くことに決めた二人でしたが、大統領候補選出馬のスピーチでシャーロットは恋人の存在を発表します。これに怒った大統領たちはすぐさま問題の画像をネットに流出させますが、逆に彼女の支持は拡大して遂に大統領にという展開でした。

恋も政治も本音が一番ってことで

無駄にイケメンなカナダ首相(アレクサンダー・スカルスガルド)は当て馬でも存在感薄っ


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エルフと不思議な猫

2020年08月28日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2019年製作 ロシア 103分

デザイン会社で働くシングルマザーのヴィカ。家探しをしていた彼女は、モスクワの高級アパートを相場よりもかなり安く購入することに成功する。しかし、娘アリーナと飼い猫クージャとともに移り住もうとしたその日から、ポルターガイスト現象が頻発。部屋には姿は見えないがいたずらで人々を惑わせるエルフ(セルゲイ・チルコフ)が住んでおり、不動産業者に雇われた祈祷師や魔術師はもとより、新しい入居者を次々と追い出していた。アパートで平穏に暮らしたいヴィカと彼女たちを追い出したいエルフの攻防が続く中、唯一飼い猫クージャと会話が出来るエルフは、彼を通じて純真なアリーナと友情を育み始める。一方、かつてエルフを追い出すべく不動産業者に雇われ返り討ちにあった魔女は、アパートに宝石が隠されていることを透視し、自分のものにしようと企んでいた…。(作品情報より)

 

ロシアのファンタジー作品ですが、子供向けにしてはエルフの悪戯が過激です。それとも今時のお子様はこれくらいじゃないと楽しくないのか?

エルフの脅しにキャーキャー悲鳴を上げる割に、アリーナはエルフの存在を知ると、彼に対しての恐怖や嫌悪感はありません。むしろ友達になりたいと思ってお菓子を置いたりするほどです。ところが、エルフの方はこの母娘を追いだそうとする手を緩めません。そんな彼を冷ややかに見つめるのが飼い猫のクージャ。唯一エルフが見える存在なんですね。

エルフは、過去に仲良く暮らした優しい一家が再び戻ってくるのを待っていましたが、叶うことなく、心がどんどん荒んでいきました。エルフの本当の願いは、昔のように家の住人と仲良く暮らしたいのです。でも今の彼には自分がどうしたいのかもわからなくなっていたのです。

一方、エルフ退治に雇われた魔女は、この家に隠された「お宝」の存在を嗅ぎつけ、わざとエルフを残して住人を追い出そうとしました。彼女の息子も手先に使われるのですが、絵にかいたような筋肉バカなキャラ 当然道化役です。

遂にヴィカたちを追い出すことに成功したエルフですが、いなくなると初めて、自分の本当の願いに気付きます。

お宝を奪おうとやってきた魔女たちからヴィカとアリーナを守るべく奮闘するエルフとクージャに思わず声援を送りたくなります。

初めのうちは何とも憎たらしいエルフなのですが、次第に可愛く見えてくるから不思議なものです。


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がん外科医の本音

2020年08月26日 | 

中山裕次郎(著) SB新書

現役医が決して口にしない真実は?2人に1人がかかる病に迫る。家族が告知されたら真っ先に読む本!(「BOOK」データベースより

以下商品解説より

「がんとは何か?」「本当に効く治療とは?」遠慮も忖度も一切なし。これまでなかった、「がん」患者とその家族のための1冊!
「患者とその家族のためにリスク覚悟でお伝えします。」日本人の2人に1人が罹るといわれる「がん」。
著名人や身内ががんに罹ったニュースは、私たちを心理的に揺さぶります。インターネットには情報が錯綜し、健康書の棚には極論めいたものが並ぶ。真偽不明な情報や俗説があふれる中で、不安ばかりが募ります。私たちは、いったい何を頼ればいいのか。
本書は「主知医に聞きたくても聞けない」本音をリスク覚悟で明かしてきた著者が、今度は「がん」をテーマにすべて明かします。
「抗がん剤は効くの?」「放置してもよい?」「がんを切りたがるって本当?」「がん検診のデメリットは?」など…。
身内の人が告知されたら、真っ先に読んでほしい1冊です。

「正直なところ、この章を書くといくつかの業界を敵に回すことになります。訴訟など法的リスクがありますので、私は弁護士にも相談しています。それくらいのリスクを承知の上で書いています。このような敏感な話題を書くときに大切なのは、「書き手の中立性」です。私は出版社・テレビ局などのメディア以外の企業とはいまのところ仕事をしていません。ですから、私は気兼ねなく「読者の皆さんの利益を最大化する」内容を書くことが出来るのです。「本音」の名に負けぬよう、遠慮なしで書いていきます。(本文より抜粋)」

第1章 医者から見る「がん」とはどんな病気なのか
第2章 がん治療と薬の本音
第3章 主知医と病院の本音
第4章 がん予防の本音
第5章 がん検診の本音
第6章 患者生活の本音
終章 がんになるということ
 

「泣くな研修医」「逃げるな新人外科医」の作者による「医者の本音」第二弾ということで、第一弾は未読ですが興味があったので読んでみました 当然ではありますが、筆者は小説の主人公とは全く別の人物です。でもついつい、小説の主人公の隆治君とリンクしてしまう

書かれていることは、正直特別目新しいこともなくてちょっと肩透かしでした。


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ひとよ

2020年08月24日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2019年11月8日公開 123分 PG12

「あなたたちが生まれた夜、わたしがどんなに嬉しかったか。」どしゃぶりの雨降る夜に、タクシー会社を営む稲村家の母・こはる(田中裕子)は、愛した夫を殺めた。それが、最愛の子どもたち三兄妹の幸せと信じて。そして、こはるは、15年後の再会を子どもたちに誓い、家を去った—時は流れ、現在。次男・雄二(佐藤健)、長男・大樹(鈴木亮平)、長女・園子(松岡茉優)の三兄妹は、事件の日から抱えたこころの傷を隠したまま、大人になった。抗うことのできなかった別れ道から、時間が止まってしまった家族。そんな一家に、母・こはるは帰ってくる。「これは母さんが、親父を殺してまでつくってくれた自由なんだよ。」15年前、母の切なる決断とのこされた子どもたち。皆が願った将来とはちがってしまった今、再会を果たした彼らがたどりつく先は—(公式HPより)

 

桑原裕子主宰「劇団KAKUTA」の舞台の映画化です。

こはるは酔って暴力を振るう夫から子供たちを守るための最善の方法として殺害を選び、そのことに一片の後悔も抱いていません。愛した夫を自らの手で殺めることに躊躇いがなかったわけではない筈ですが、妻としての愛情より母親としての保護本能が勝ったということなのかな。

これで子供たちは自由に生きていけると信じての犯行でしたが、残された子供たちの気持ちになって考えたことはあったのかなぁという疑問が湧きます。でも逆にそれを思ってしまったら、自らの行動に正義を見いだせなくなるので無意識に避けているのかも。

大樹は妻と正面から向き合うことから逃げ、離婚届を突きつけられています。言葉で気持ちを表すことの苦手な彼は、ついかつての父親のように手を上げてしまうのね 雄二は事件後に自分たちが苛めを受けたりした過去から母を許せずにいます。園子は男関係にだらしないのですが、それは彼女の中で誰かに守られたい、愛を求める行動なのかもしれません。

刑期を終え、約束通り戻ってきた母親を黙って迎える家族ですが、雄二は母の事件の記事を書いて公表したことで、再び世間の嫌がらせが始まります。

後半部で、酒もタバコもやらない新人運転手の堂下(佐々木蔵之介)の話が出てきます。最初に登場した時、蔵ちゃんが出てくるってことはちょい役じゃないだろ?って思ったら当たってた~!

彼は元ヤクザで、昔の後輩に覚せい剤の運び屋の送迎を持ち掛けられます。別れた妻の元で暮らす息子に父親として良い顔を見せるためにお金が必要だった彼は引き受けるのですが、ある時乗せた運び屋はなんと息子だったのです。思わず詰問する彼に息子はキツイ言葉を浴びせます。自暴自棄になり酒に手を出した(おそらく酒やクスリが原因で家族関係が破綻している)彼に連れ去られたこはるを救おうと、子供たちが追いかけます。彼らの中で、やはり母親は無二の存在なのですね。

カーチェイスの末、こはるを道連れに海に飛び込み自殺を図ろうとした堂下を間一髪阻止した子供たち。(タクシー二台お釈迦にしてけっこうな経済的損失だなどと考えてしまう自分がちょっと悲しい)堂下に詰め寄る雄二に「母親のせいにして逃げるな」と言った彼の胸中には、息子と過ごしたあの「ひとよ」が渦巻いていたのかな。雄二の本音「母親が犠牲になって作ってくれた自由や夢を守るためにも、母親を踏み台にしてでも叶えないといけない」という思いも明かされます。う~~ん、よくわからんし共感もできないかな

ここで、題名である「ひとよ」が意味を持ってくるんですね~~。こはるのセリフ「周りからすれば普通の“ひとよ”でも、自分にとって特別な“ひとよ”ならそれでいい」が沁みます。そして互いの気持ちを理解し合えた“ひとよ”が過ぎて朝を迎えて・・・

ラストは、美容師志望だった園子がこはるの髪を切ろうとしている場面。庭で待つこはるは日光に照らされて聖母のような穏やかな表情で空を見上げています。それを見る兄弟妹。確かな日常がようやく戻ってきたことを象徴するシーンでした


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ラストレター

2020年08月22日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2020年1月17日公開 121分 G

裕里(松たか子)の姉の未咲が、亡くなった。裕里は葬儀の場で、未咲の面影を残す娘の鮎美(広瀬すず)から、未咲宛ての同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるために行った同窓会で、学校のヒロインだった姉と勘違いされてしまう裕里。そしてその場で、初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)と再会することに。
勘違いから始まった、裕里と鏡史郎の不思議な文通。裕里は、未咲のふりをして、手紙を書き続ける。その内のひとつの手紙が鮎美に届いてしまったことで、鮎美は鏡史郎(回想・神木隆之介)と未咲(回想・広瀬すず)、そして裕里(回想・森七菜)の学生時代の淡い初恋の思い出を辿りだす。ひょんなことから彼らを繋いだ手紙は、未咲の死の真相、そして過去と現在、心に蓋をしてきたそれぞれの初恋の想いを、時を超えて動かしていく―――(公式HPより)

 

岩井俊二監督が、出身地の宮城を舞台に、手紙の行き違いから始まった2つの世代の男女の恋愛と、それぞれの心の再生と成長を描いたラブストーリー。

姉の葬儀後、姪の鮎美から未咲宛ての同窓会の案内状を預かった裕里は、姉の死を知らせるために同窓会に行くのですが、それって葉書一つで済む話で、彼女自身が出向く理由としては弱い!な~んて思っていたら、やっぱりちゃんと訳がありましたね。姉と勘違いされてそのまま会に出席したのは、初恋の相手である鏡史郎に一目会いたかったからでした 未咲のふりをしたまま彼に一方的に手紙を出します。ところが鏡史郎が実家に出した手紙を鮎美が読んでしまい、これまた母のふりして手紙を出したものだから・・・どうすんのよ!ですが、実は鏡史郎は手紙の相手が未咲ではなく裕里であることを初めからわかっていたんですね~~ だって、未咲と鏡史郎は(裕里は知らなかったけれど)大学時代交際していたんですから そして、高校時代の文通相手が未咲ではなく裕里だということも、彼らの間では既に了解済みだったということが明かされていきます。わかってみれば、ここまでの展開も不自然ではなくなります。

正体がばれたところで、裕里は姉の死が事故や病気ではなく自殺だったことを鏡史郎に告げます。未咲は学生時代に駆け落ちした阿藤(豊川悦司)に暴力を受け、実家に戻った後も心の傷が癒えることなく自ら死を選んでしまったのです。

未咲と鏡史郎と阿藤の間にどんないきさつがあったのかは明かされていませんが、彼女の死に衝撃を受けた鏡史郎は阿藤に会いにいきます。

彼はかつて未咲や鮎美と暮らしていたアパートに舞い戻って身重の女性と暮らしていました。見事にダメンズなんですよね~~阿藤って男は。そしてそんなクズ男を包み込むような包容力を感じさせる女性を演じているのが中山美穂でした。

自分が何者でもない、何者にもなれないと知っていた阿藤にとって、確固たる自分を持っていた未咲は眩しすぎて、傷つけることでしか愛せなかったのだと思います。阿藤は鏡史郎に「お前は未咲に何も出来なかった、人生に関われなかった」と言いますが、もし未咲が阿藤ではなく鏡史郎を選んでいたとしても、彼女は幸せになれなかった気がします。

結局鏡史郎は未咲の表面的な部分しか見ておらず、憧れの延長で恋愛感情を持っていたに過ぎないように見えるのです。

裕里は鏡史郎と再会し、想いを告白することで自分の気持ちに決着をつけます。彼女の夫役は庵野秀明(エヴァの監督)で漫画家役で登場します。妻のスマホに届いたラインメールを見て「誰だ、この男は!」と嫉妬してスマホを湯舟に放り投げたり、あてつけにボルゾイ二匹の世話を押し付ける場面などはクスっと笑えます 裕里の行動は客観的に見たら独りよがりで身勝手にも見えて引いてしまいますが、でも姉よりずっと芯が強くて精神的に逞しい女性に見えました。

一方、鏡史郎の方も裕里や鮎美との文通を経て、自分の中にあった未咲への執着に区切りをつけることができる・・かも高校時代の未咲の一言で作家になろうと思った彼ですが、結局彼女のことを書いた本を一冊だしたきりで鳴かず飛ばずの人生でした。でもようやく彼の中に創作意欲がまた戻ってきたようですから

裕里の娘の颯香は、伯母の葬儀の後も祖父母の家に留まります。鮎美を励ましたい思いもあるけれど、本当は好きな男子を見ると赤面してしまう自分を見られるのが恥ずかしいから なんじゃそれ~!って思うのはおばさんになったから 初々しい思春期の他愛ない、でも本人にとっては切実な悩みだったというわけです。これが若い世代の恋愛部分になるというなら、無理があるなぁ

冒頭で登場する河原から始まり、宮城の美しい景色が随所に登場します。裕里の実家の古き良き時代を思わせる民家の作りはどこかホッとする雰囲気が漂っていました。

ラストで高校時代に未咲に頼まれて二人で考えた卒業生代表の言葉が流れますが、まさにこれが「ラストレター」なのかな。

ラインやメールではなく敢えて「手紙」のやりとりで思いを交わすことで時間の流れが緩やかになり、味わい深い作品に仕上がっていました。

でも個人的にはどの登場人物にもいまいち共感できなかったかな


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ロマンスドール

2020年08月16日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2020年1月24日公開 123分 PG12

一目惚れをして結婚した園子(蒼井優)と幸せな日常を送りながら、ラブドール職人であることを隠し続けている哲雄(高橋一生)。
仕事にのめり込むうちに家庭を顧みなくなった哲雄は、恋焦がれて夫婦になったはずの園子と次第にセックスレスになっていく。
いよいよ夫婦の危機が訪れそうになった時、園子は胸の中に抱えていた秘密を打ち明ける……。(公式HPより)

 

タナダユキ監督のオリジナル小説を自ら監督・脚本を手がけて実写映画化した大人のラブストーリー。

相思相愛で結婚した筈なのに、時間の経過とともに何かが少しずつ変わっていく・・・平穏な生活の裏で形を変えていく愛の姿を映し出す美しく儚い大人の一種のファンタジーですね。

哲雄は美大卒業後、ひょんなことからラブドール製作工場で働き始めます。病気の患者のための下着のデータ取りと嘘をついてモデルを頼んだ園子に一目惚れして結婚しますが、自分がラブドール職人だと真実を言えないまま隠し続けているんんですね。いやいや、初めこそ騙されていたとしても、結婚式やら新婚生活の中で気付かない方が不自然だと思うけど・・・とそれは一旦置いておいて。

毎日が平穏に過ぎていく中で、仕事にのめり込んでいく哲雄。夫婦の間に距離が生まれセックスレスになっていく、これも有るある!

哲雄にとって園子は理想の女性であるがゆえに、現実の生活で深く知ることを避けていたのかもしれません。だからといって不倫は肯定できないんですけどね~~。

園子の不審な行動を問い詰めた哲雄は、逆に彼女から不倫を告げられ離婚話になっていきます。でも実は彼女は癌を患っていたのです。

互いの秘密を打ち明けることで夫婦は本当の絆を持つことができます。公園で出会った老夫婦の姿から、日常の何気ないことを楽しみながら生きていることが夫婦として寄り添うことなのかもしれないと考え、そのようになりたいと願います。

けれど、やがて癌が転移し余命わずかなことを告げられた園子は、哲雄とのセックスを求め、「私をつくって」と懇願するようになります。ラブドールのモデルとしての自分を遺すことで哲雄の記憶の中だけでなく現実に形として存在することを望んだのですね。

う~~ん・・ラブドールとして哲雄以外の顧客に届けられる「自分」を想像すると、個人的には絶対受け入れられないし理解できないなぁ

彼女の死後に完成したサンプルを始めて使った夜、彼は気付きます、それはただの容れ物であって彼女自身ではないことを。そして妻の死を実感して泣くのです。

ラストシーンで海辺にたたずむ彼が見たのは打ち上げられボロボロな状態の古い空気人形(ラブドール)です。彼が作り上げた精巧な妻に似せたドールと対比させていました。また、この映画では、新婚当時の暖色系の部屋の明かりから、離婚話が出た時の寒色系の色合いまで、光の使い分けによる夫婦の心情や関係性を表現しているそうで、言われてみればなるほ見事な演出です。

思えば、哲雄にとって園子はある種幻のような所謂「男の理想」の人形のようでもありました。逆に園子はどう思っていたのか?生身の自分に向き合って欲しいと思い、余命を知ってからは生き急ぐように愛を貪ったのかもしれませんね。夢と現実、ここでも男女の違いが浮き彫りになっている気がします。


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屍人荘の殺人

2020年08月15日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2019年12月13日公開 120分 G

ミステリー小説オタクの大学生・葉村譲(神木隆之介)は、先輩でミステリー愛好会会長の明智恭介(中村倫也)に振り回され、ホームズとワトソン気取りで学内の瑣末な事件に首を突っ込んでいた。同じ大学に通い、私立探偵の顔も持つ剣崎比留子(浜辺美波)は、2人に音楽フェス研究会の夏合宿への参加を持ちかける。実は比留子のもとには「今年の夏合宿で何かが起こる」との犯行予告が届いていたのだ。夏合宿がおこなわれる山奥のペンション紫湛荘へと向かい、3人は研究会のメンバーと合流する。そしてその夜、密室状態となった紫湛荘で惨殺死体が発見され……。

 

今村昌弘による同名ミステリー小説の映画化です。

予期せぬ異常事態が発生して外界から遮断されたペンションで次々起こる事件を解決するのは、ホームズじゃなくてワトソンというのが肝であり、そもそもウィルスによるゾンビ化という設定自体ありえね~~ 原作小説には書かれているのかもですが、誰が何故そんなテロ行為をしたかについては全く触れられていないしなぁ

ゾンビによって行われた惨殺死体の体を装ったペンション内部の人間による殺人なわけですが、明智が口にしたように、最初から犯人は示唆されているんですね それにしても早々に明智が姿を消すとは意外でしたが このまま退場かい!と思わせて事件解決後に再登場するのに、あっさりまた退場・・・主役級の筈なのになんだろ?この軽い扱いは とはいえインパクトはありましたが

そもそもが、一年前に夏合宿に参加した女子学生の行方不明事件が発端だということはバレバレです。行方不明なんじゃなくって、大学を去っていたというのも何だか肩透かしでした。その原因も、OBの行動を見ていたら察しがつくようになってるしなぁ

密室トリックを譲君があっさり解いてしまうのはミステリー小説オタクの設定だから当然とも言え、参加した同好会のメンバーや別荘の管理人の様子もわざとらしい怪しさがプンプンしてるし・・・本格的な謎解き映画ではないのはよくわかります。

要は比留子に振り回される譲の様子や、二人のやりとりを楽しむ作品なんですね

他の登場人物は以下の通り    

  • 進藤歩(葉山奨之):部長
  • 星川麗花(福本莉子):進藤の恋人
  • 名張純江(佐久間由衣)
  • 高木凛(ふせえり)
  • 静原美冬(山田杏奈)
  • 下松孝子(大関れいか)
  • 重元充(矢本悠馬)
  • 七宮兼光(柄本時生) :「紫湛荘」のオーナーの息子
  • 立浪波流也:(古川雄輝):七宮の友人
  • 出目飛雄(塚地武雄)七宮の友人
  • 管野唯人:(池田鉄洋):管理人
  • 学食のおばちゃん(池谷のぶえ)

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逃げるな新人外科医 泣くな研修医2

2020年08月14日 | 

中山裕次郎(著) 幻冬舎文庫

雨野隆治は27歳、研修医生活を終えたばかりの新人外科医。二人のがん患者の主治医となり、奔放な後輩に振り回され、毎日、食事をする間もないほど忙しい。責任ある仕事を任されるようになった分だけ、自分の「できなさ」も身に染みる。そんなある日、鹿児島の実家から父が緊急入院したという電話が……。現役外科医が、生と死の現場を圧倒的なリアリティで描く。(BOOKデータベースより)

 

『泣くな研修医』の続編です。二年間の研修医生活を終えた主人公は、引き続き牛之町病院で上司の岩井や佐藤先生の指導のもと、消化器外科の新人医師として働いています。彼が消化器外科を選んだのは、前作で書かれた、同い年の大腸がん末期患者や高齢の胃がん患者ら、関わった患者さんとの出来事があったから。何もできなかった無力さがあったからこそ、一人でも多くの患者を救う医者になろうと奮闘しますが、三年目の新米医師にはまだまだ超えられない壁が立ち塞がります。

初めて受け持った後輩の研修医・西桜寺凛子の手前、情けない姿を見せまいと頑張るけれど、逆に失敗してしまうことも度々。

安易に「大丈夫」と言ってはいけないのは今や医療人の常識ではありますが、それでも患者側にしてみたらその言葉に縋りたくなるのよね

今作では、大腸がん患者の水辺さんとの関わりを通して成長する姿が見られます。

佐藤玲先生は相変わらずクールで腕も確かで、超カッコいい女医さんです。後輩の凛子ちゃんも、外見や話し方に似合わず聡明で素直な人柄で、これはもう佐藤先生の後継者っぽいキャラ それにしても二人とも美人過ぎだぞ

前作で合コンで知り合った彼女が雨野にとってどんどん大きな存在になっていくのですが、真面目な彼の心を受け止め癒してくれる優しい女性として描かれていました 彼女にとって雨野は母性をくすぐられ守ってあげたくなる人なんですね

ほぼ病院に泊まり込んでいる雨野は、実家の母から父親が病気だ、手術したとの連絡を受けても忙しさを理由に帰ろうとしません。新人だからとか、受け持ちの患者がいるからという理由以外に、彼は肉親の病気という現実から目を逸らしたかったのかもと思ってしまいました。 いつまでたっても子供にとって親は元気で大きな存在なのですから、老いや死は考えたくないものなのです。

彼女や佐藤先生に背中を押され、やっと見舞いに帰った日に父は急変し、言葉を交わすことなく帰らぬ人となります。

医者として患者の死を看取るのと肉親の最期に立ち会うのとは全く違って、DNR(Do Not Attempt Resuscitation)の同意すらできないまま急変した父の最期を見守るしかなかった場面は、とてもリアルな描写です。医師として頭では理解できていても、感情が追い付かないのです。き

息子が医者として立派にやっていることを誇らしく思いながらも、本当は顔を見せて欲しいと思っていたことを母から聞いて雨野は号泣します。

まさに後悔先に立たず。でもこのことが彼をより成長させていくのでしょう。そうでなくてはお父さんも浮かばれないですものね。

まだ出ていませんが続編でより成長した雨野と出会えたら良いな~~


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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY

2020年08月10日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2020年3月20日公開 アメリカ 109分 PG12

悪のカリスマ=ジョーカーと別れ、すべての束縛から解放されて覚醒したハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)。モラルのない天真爛漫な暴れっぷりで街中の悪党たちの恨みを買う彼女は、謎のダイヤを盗んだ少女カサンドラをめぐって、残忍でサイコな敵ブラックマスク(ユアン・マクレガー)と対立。その容赦のない戦いに向け、ハーレイはクセ者だらけの新たな最凶チームを結成する。(映画.comより)

 

「スーサイド・スクワッド」で登場したハーレイ・クインが主役のアクション作品です。

天真爛漫な彼女にはモラルも悪気もナッシング いっそ清々しいほどです。

極彩色に溢れた世界観は蜷川実花監督のそれを連想させます。PG12の指定ですが、グロさは感じられず、女性たちのしなやかでパワフルなアクションはまるでスポーツを見ているかのよう これ、スクリーンで観る方が何倍も楽しいと思う

ハーレイ・クインの本名はハーリーン・クインゼルといって、精神病院「アーカム・アサイラム」で働いていた精神科医でしたが、ジョーカーの担当医になったことで興奮と刺激の人生を開花させた・・らしい。 そのジョーカーと破局したことで、彼女を恨みを持ちながらジョーカーの報復を恐れて手を出せずにいた悪党たちや、ゴッサム市警のレニー・モントーヤ刑事(ロージー・ペレス)から命を狙われるようになります。ブラックマスク/ローマン・シオニスに捕まったハーレイは、盗み聞きした情報を自分を見逃す交換材料にするんですね。

シオニスの狙いは、マフィアのバーティネリ家の隠し資産を手に入れてゴッサムを手中に収めることですが、その所在を記したダイヤを探し出して部下のザーズ(クリス・メッシーナ)と自分のバーで歌姫をしていたブラックキャナリー/ダイナ・ランス(ジャーニー・スモレット=ベル)に受け取りに行かせたものの、彼女の知り合いのスリ常習者であるカサンドラ・ケイン(エラ・ジェイ・バスコ)に盗まれていたのです。

カサンドラはスリの直後に警察に捕まって留置されていましたが、そこにハーレイや懸賞金目当ての悪党たちが襲ってきます。ハーレイは悪党たちやレニーをかわしてカサンドラを確保。ところが彼女がダイヤを飲み込んでしまっていたため、自分の隠れ家に連れていって下剤を飲ませます。しかしその最中、信用していた情報屋のドクの裏切りで暗殺者のハントレス/ヘレナ・バーティネリ(メアリー・エリザベス・ウィンステッド )や悪党たちの襲撃を受けます。

裏切りを知っても見逃してしまう(赦してしまう)のはハーレイの優しさかと思った次の瞬間、自分の身可愛さにカサンドラをシオニスに引き渡そうとする・・無邪気さは残酷さでもある?

ハーレイが指定したのは遊園地のアトラクションの中です。そこへ、警察を停職になったレニーや、ザーズとダイナが襲ってきます。ダイナがレニーに内部情報をリークしたと疑うザーズですが、ヘレナの放った矢により死亡。彼女はバーティネリ家の生き残りで、復讐のために殺し屋になっていて、彼は家族を殺したマフィアの最後の一人だったのです。シオニス一派に囲まれたハーレイ、ダイナ、ヘレナ、レニー、カサンドラは、一時的に手を組んで戦うことにします。女性同盟の結成ですねビビッドカラーと斬新なデザインのアトラクションの中でのアクションがすごくカッコいいの 彼女たちは武器を殆ど持たず戦っていて、しなやかな身のこなしから繰り出されるキックをはじめとした格闘技は見ているだけでスカッとしました。

シオニスに連れ去れさられたカサンドラを取り戻そうと追いかけるシーンでは、ローラースケートを駆使したハーレイの華麗なアクションが楽しめました。カサンドラがスリの名人というのが伏線になったシオニスの最期もざまーみろといった感じ

勝利し、自由の身となったヘレナ、ダイナ、レニーは、「バーズ・オブ・プレイ」を結成。ハーレイは、カサンドラと一緒に闇の何でも屋を始めるのでした。もちろん資金源はダイヤから辿り着いたバーティネリ家の遺産なのね


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ヒックとドラゴン 聖地への冒険

2020年08月08日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2019年12月20日公開 アメリカ 104分

かつてドラゴンは人間の敵だった。弱虫のバイキングの少年“ヒック”と、傷ついたドラゴン“トゥース”の活躍で彼らは共存する道を選び、バーク島で平和に暮らしていた。だが、ドラゴンが増え続けたバーク島は定員オーバー!
亡き父の跡を継ぎ、若きリーダーに成長したヒックは、島を旅立ち、みんなと新天地を探し求める決断をする。
目指すはヒックがかつて父から聞いた地図に載らない“幻の聖地”。この場所さえ探し出せれば、きっと平和に暮らせるはずだ。
しかし、大移動の旅の途中、最凶のドラゴンハンター、グリメルに命を狙われ、“トゥース”の前には白い謎のドラゴン“ライト・フューリー”が姿を現す…。そして彼らが辿り着いたのは、人間は住めないドラゴンたちだけの<隠された王国>だった―!
人間とドラゴンとの共存は、本当に幸せなのか? “ヒック”と“トゥース”は別れる運命なのか?今、彼らの友情が試される―。(公式HPより)

 

クレシッダ・コーウェルの同名児童文学を原作に、バイキングの少年とドラゴンの友情と成長を描いたドリームワークスのアニメ「ヒックとドラゴン」シリーズ第3作です。完結編になるのかな

とにかく映像が素晴らしいアニメです。ドラゴンたちのキャラクターは細部までこだわって作り上げられていて、風景はため息が出そうな美しさです。 ヒックの仲間たちもシリーズを通して変わらず個性的です

舞台は前作から1年後の世界。捕らえられたドラゴンたちを解放しては島へ連れて帰っているヒックたち。でもそのせいで島はドラゴンで溢れかえっています。 一方ドラゴンハンターのグリメルのもとドラゴンたちを奪い返そうとする者たちは、白いドラゴンを囮にトゥースを捕まえようとします。

森の中で白いドラゴン(ライト・フューリー)と出会ったトゥースは恋に落ちちゃうんですね ヒックのアドバイスを受けて気を引こうとしますが、彼女はヒックの存在を感じ取って逃げてしまいます。でもこれはグリメルの計略でした。ドラゴン用の罠が多数仕掛けられていることに気付いたヒックの元に、グリメルが訪れて「トゥースを引き渡せ」と迫ります。故郷が安全な場所でなくなったと悟ったヒックは、亡き父ストイックから聞いた「この世界のどこかにドラゴンの楽園が存在する」という話を思い出し、ドラゴンと人間が共存できる新天地を探す旅に出る決断をするのです。

ドラゴンの背に乗っての大移動の途中で休憩のために立ち寄った島はバーク島より快適な環境で、みんなはここが「楽園」だと言います。

ライト・フューリーと再会したものの自力飛行ができずに追いかけられないトゥースのために、ヒックは新しい尾翼を作ってあげます。トゥースはライト・フューリーを探して飛び立っていきました。

グリメルの追跡から逃げるよりこちらから攻めて捕まえようと考えたヒックは、仲間たちとグリメルの船に向かいますが、逆に捕まって毒を吐くドラゴンに攻撃されてしまいます。何とか逃げ出すものの、ラフが捕まっちゃうんですね~。

トゥースの力が必要となったヒックは、アスティと共に彼女のドラゴンのストームフライに乗って探しに行き、ドラゴンたちの楽園を発見します。トゥースはライト・フューリーを伴い楽園の王となっていました。他のドラゴンに見つかり攻撃されたヒック達を助け、島に戻ったトゥースを追ってライト・フューリーもやってきます。ラフも解放されて戻ってきて、もしかしたらこの島で一緒に暮らせるかもと期待を持つヒックでしたが、ラフが解放されたのは、彼女のお喋りに我慢できなくなったからではなくて、ヒック達の居場所を突き止めるためのグリメルの罠だったんですね。(そりゃ、そうだ!

ライト・フューリーを人質にグリメルはトゥースを操ってドラゴンたちを連れ去ります。ドラゴン無しでは戦えないと気弱になるヒックをアスティが励ますシーンがなかなか感動的

ウィングスーツでグリメルたちの船に降りて戦うヒック達。バーク島のバイキングたちも総出で戦います。スクリーンで見たらとても壮大な見応えのあるシーンだったろうな~~。

毒の注射で従わせたライト・フューリーに乗って逃げるグリメルを追いかけたヒックは、彼ともみ合いになり落下。義足を外してグリメルを振り落とす場面も臨場感がありました。この場面は、ヒックがライト・フューリーを信じ、彼女もそれに応える=信頼関係が生じた場面でもあります。

戦いが終わり、ドラゴンたちとの別れがやってきます。人間とドラゴンの共存は、まだ時期尚早と悟ったヒックは、ドラゴンたちを解放して安全な「楽園」に連れていくようヒックに頼むのね。

ヒックとアスティは結婚し民の長となりました。ラストは二人の間に生まれた子供たちを連れたヒック夫婦が、「聖地」の入り口でトゥースと彼の家族と出会うシーンです。それぞれがそれぞれの場所で幸せに暮らしていることを確認する場面ですね

ドラゴンとの共存を夢見てそのために頑張ってきたヒックですが、それは彼自身の思いであって、ドラゴンたちにとって何が一番幸せなのかを考えた時、辛い選択をします。でもそれはヒックが成長した証でもあります。ひ弱で一人では何もできないと後ろ向きだった少年が、愛する女性や彼を信じてくれる家族や仲間たちに励まされ勇気を与えられて、自らもリーダーとしての資質を開花させていく物語でもありました。


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