杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

陰日向に咲く

2007年12月28日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2008年1月26日公開予定

よみうりホールでの試写会に友人に誘われて行ってきました。
会場は満席状態、映画が進むに連れてハンカチで目を拭う姿があちこちで見られました。けれど、コミカルな部分もあり、最初はバラバラに見えた登場人物の関係があるきっかけでパズルがはめこまれたように浮き上がっていく瞬間がちょっと感動的でした。

岡田君が普段はあまり見ることの出来ないダメダメ君役を抑えた演技でみせてくれます。もう止めよう、と思ってもなし崩しになってしまうギャンブラーの心理がよく出ていました。老婆が残した手紙の内容に思わず目頭が熱くなりました。


ギャンブル好きで借金まみれのシンヤ(岡田准一)は、上司からの援助も、パチンコですってしまう。取り立てに追われて、オレオレ詐欺を思いつくが、騙した筈の老婆との間に奇妙な交流が始まってしまう。シンヤが出会った寿子(宮崎あおい)は母親鳴子の昔の恋の相手雷太(伊藤淳史)を探している。他に25歳の崖っぷちアイドルみゃーこ(平山あや)を応援するアキバ系オタクのゆうすけ、モーゼのような風貌のホームレスに憧れ、自らもダンボール生活を始めるリュウノスケ(三浦友和)といった一見何の関係もないような人たちがやがて、モーゼの秘められた過去により繋がっていく。


劇団ひとり原作の小説の映画化です。決して順風満帆ではない生活をしている人たちを独特の温かな目線で描写している点に好感が持てます。パズルの断片のようなストーリー運びが、やがてある台風の夜(この台風接近のニュースが何度も入ることで、すぐにこれがキーの一つだとわかっちゃうんですが)に一気に繋がっていくという展開は面白かったです。

途中でシンヤとリュウノスケの繋がりが見えてきたけれど、モーゼがあの人だったなんて、まさに意外。そして「彼女」と繋がっていたのも・・。

ただ、雷太と鳴子の関係はいささか唐突で首を捻ってしまうかも。
まさに一目惚れ状態ってことなのでしょうが、どこに?という疑問が残ってしまうので(^^;
また、リュウタロウが家を捨てる理由も、「そのこと」だけでは説得力に乏しい気もします。

「ノエル」「クラッシュ」「ザ有頂天ホテル」のようなパズルの断片をはめこんでいくタイプの作品ですが、やや筋の粗さが気になるかなぁ。

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オリバー・ツイスト

2007年12月27日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
試写会で観たきりなので2年ぶり?家族が観たいというのでレンタルして、自分でも観直してみました。

2006年1月28日公開 イギリス

19世紀の英国。救貧院に連れて来られた、オリバー・ツイスト(バーニー・クラーク) は、皆の代表で食事のおかわりを要求して追放処分になる。奉公に出された葬儀屋での不当な仕打ちに耐え切れず逃げ出した彼は、7日間歩き通して、ロンドンへ。そこで、スリの少年や親方のフェイギン(サー・ベン・キングスレー)と知り合うのだが・・・。

子供の頃、児童文学書でこのディケンズの名作を読んだ時、オリバーの環境の貧しさと暗さが挿絵からも伝わってきた記憶があります。当時は大人の側(特に悪人)の事情など考えようともしませんでしたが、大人になった今、彼らの中の弱さやずるさにも目が向けられる自分がいます。(^^;

そういえば、ブラウンロー氏の友人の口癖「間違っていたら自分の頭を食べてみせる」は映画でも健在だったな~~。

オリバーの入れられていた救貧院のお偉いさんたちの豪華な食事と孤児たちに与えられる一杯の粥の貧弱さや、ブラウンロー氏の家とフェイギンのそれとの対比など、当時の「持てる者」と「持たざる者」の差を映画は はっきり映し出してくれる。また、判事の横柄で居丈高な態度を描く事で権力者への無言の非難となっています。

無垢で善良なオリバーは、逆に言えば主体性に乏しく運命に流されるままのように見えるけれど、愛を知らない少年が、自分に差し伸べられた親切に感謝し、たとえその相手が悪党であっても、恩義を忘れない姿は涙と哀れを誘うに十分です。
葬儀屋のサワベリー氏じゃなくとも、オリバーの儚く哀しげな表情にはどこかしら惹き付けられるものがあります。


ちなみに 2006.1.24に東商ホールでの試写会で観た時の感想は以下の通り

19世紀のロンドン・・・街並みも貧困層の雰囲気もフロム・ヘルを思い出させる状況です。富裕層(貧民院のスポンサーとか予審判事などの権力者)と底辺生活者の貧富の差をまざまざと見せつけられます。

原作は児童名作書にも収められている有名なお話ですが、自分の記憶が既に曖昧だったため、中盤から先「あれ~?これからどうなるんだっけ?」とけっこう新鮮な楽しみ方をしてしまいました。

内容はかなり重いお話です。主役のオリバーはもちろんですが、私はドジャーも気になったわ~♪一緒に行った友人はハンカチ握り締めて泣いてました。

フェイギンの内にある善の部分と負の部分(弱さとズルさ)、サイクスの冷酷さ、
ナンシーの優しさ・・・登場人物の性格付けも明確でわかりやすいです。


原作ではフェイギンは狡猾で強欲なユダヤ人として描かれているそうですが、人種差別との非難もあり、映画化されるに従い、悪の部分だけでなく善良さも持つ人物として描かれるようになったんだとか。

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ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記

2007年12月26日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2007年12月21日公開 アメリカ

『その謎は解いてはならない』
リンカーンの死に封印された合衆国の究極のタブーとは。
消えた暗殺者の日記に記された禁断の暗号とは。

文字通りに受取って過剰な期待を持って劇場へ行ってはいけません(^^;

前作も私は楽しんだクチなので、今回も同じノリで観に行きました。
いきなり1865年のワシントンでリンカーンの暗殺場面を見せられ、ベン・ゲイツニコラス・ケイジ)の先祖が登場。そして現代へ。彼の名誉をウィルキンソン(エド・ハリス)という男に傷つけられたことで、ベンがその無実を証明するために何故か宝探しをすることになる。この展開がわかるようでなんだかよくわからない(^^;

さらに暗号解読のためにパリへ飛び、そこから得られたヒントから英・バッキンガム宮殿に侵入し、女王の机からあるものを拝借。お次は米・ホワイトハウスの大統領の執務室の机。更には直接大統領を誘拐とくるんですから、まさに荒唐無稽な楽しさ満開なのであります。

このお宝というのが、黄金都市伝説に基づいていて、ゴールデン・サークル騎士団というきな臭い秘密結社やら、大統領のみが知る秘密の本(存在するなら絶対読んでみたいよね)やら、好奇心をくすぐるポイントが満載でもあります。

次々に解明される暗号の隠し場所(簡単すぎないかい?
そんなところにあるんかい!なお宝の隠し場所がオイルに点火された「照明」に浮かび上がるところは前作と同じやん 
更には悪人なのか善人なのかよくわからなくなる敵役のウィルキンソン・・出口はすぐそこだったのにあんなところで犠牲にならなくても

あ、今回も天才ハッカー君のライリー(ジャスティン・バーサ)は良い動きしてます。更にベンのお父さんパトリック(ジョン・ボイド)やお母さんエミリー(ヘレン。ミレン)のサイドストーリーも楽しめます。

前作で恋に落ちたベンとアビゲイル(ダイアン・クルーガー)は性格の不一致で険悪な仲になっていたけれど、騒動のお陰で元の鞘に・・やっぱり冒険という非日常が恋人たちには最高の栄養剤なようで

建国100年か150年足らずの国の人間としては歴史に名を残すこと、汚名を濯ぐことはとても重要なことなんでしょう。(自国史を紀元前から覚えなきゃならん国民と150年で済む国の人とでは名誉の濃さが違うんだろうな~と勝手に想像してみるのでありました・・大きなお世話か

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スウィーニートッド フリート街の悪魔の理髪師

2007年12月24日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2008年1月19日公開予定

そろそろ試写会も開かれるようですが、公開に先駆けて期待なぞ♪

舞台は19世紀の英国ロンドン。無実の罪で投獄され、その首謀者に妻も娘も奪われた男が、名前も姿も変え、ロンドンのフリート街へ戻ってくる。15年ぶりに再開した理髪店、そこで腕を振るうのは、殺人理髪師スウィーニー・トッド。胸には復讐、目には狂気、そして手にはカミソリを…。(映画チラシより)

ティム・バートン監督はゴシックファンタジーが得意で、作品は独特の世界観があります。中でもジョニー・デップとの相性はバッチリです。

1990年 『シザーハンズ』
1994年 『エド・ウッド』
1999年 『スリーピー・ホロウ』
2005年 『チャーリーとチョコレート工場』
2005年 『ティム・バートンのコープスブライド』

そして今回の『スウィーニートッド フリート街の悪魔の理髪師』ではジョニーにとって初のミュージカル映画の主演ということで、今まで封印されていた彼の歌声が存分に聞けるのも嬉しいことです。彼はギタリストとしてバンド活動をしていた過去がありますが、歌は初めてということで、バンドの友人やパートナーであるヴァネッサから歌の特訓を受けて臨んでいるとのこと。

今まで『パイレーツ~』での鼻歌や『シークレット・ウィンドウ』でもほんの少しだけ歌を聴く機会がありましたが、今回は本格的なミュージカル劇ということで、演技同様に歌も期待に応えてくれることでしょう。

年明け公開に合わせて、監督とジョニーの来日も決定したというニュースも。
2005年の『チャリチョコ』以来の2ショットが見られるわけです♪
今回は雑誌媒体よりネットでのレッドカーペット募集が多く、
例えば懸賞専門ブログSeesaaさんでも紹介があります。

ブログに映画に関連する記事を投稿するとオリジナルグッズをプレゼント!詳しくはコチラ


ジョニーの前回の来日は『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』で、武道館でのレッドカーペットでしたが、今回は六本木ヒルズアリーナ。これは『チャーリーとチョコレート工場』の時と同じ会場です。
同日に舞台挨拶付きの試写会も予定されており、レッドカーペットを終えてそのまま劇場へ移動するものと思われます。

寒い中のイベントですが、何とか会場行きのチケットをGETして、監督やジョニーに会いたいよ~~~!!!

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カンナさん大成功です!

2007年12月19日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2007年12月15日

予告で観て気になっていた韓国のラブコメ映画。
『過去と脂肪を捨て、愛を手に入れられるのか?』カンナさん♪


169cmで95kgのカンナさん(キム・アジュン)は、唯一の取り得である美声を活かしゴーストシンガーとして舞台裏で歌っていた。イケメンプロデューサーのサンジュン(チュ・ジンモ)に恋をして、モニター越しに彼を見ているだけの状況に満足していた彼女だが、ある日彼の本音を耳にし、命がけの全身整形を決意する。そして1年後、美女に生まれ変わったカンナさんは「ナチュラルビューティー」を売りにジェニーの名で歌手デビューするのだが・・。

原作は、鈴木由美子のコミックって、日本逆輸入の形なのね。

特殊メイクで95kgの巨体を演じているキム・アジュンは、歌唱力も抜群。本来の姿である48kgのスレンダーな肢体を持つ美人さん。エンドロールで流れる歌は梨花が歌ってます。「Maria」というこの歌もとても良かった♪

サンジュンがまさにイケメンなんだな~~。カンナさんを利用する悪い男のようでいて、本当は彼女の歌の才能に惚れこんでいるし、彼女の素直で愛らしい性格も気に入っている様子が自然に伝わってくる描き方でした。

韓国では整形が盛んだということですが、男性は自分の彼女が整形するのはNGという意識もあるようで、映画の中でもそういう場面が出てきます。
全身整形をするきっかけになったのはテレクラのバイトで知り合った美容整形医。
その腕前はまさに超一流ってとこかしら。(笑)

友人が語る「男にとって、女は3種類しかない。綺麗な女はブランド品。普通の女は既製品。あなたは“返品”よ」というセリフや、ヒロインの父親は呆けて施設に入っているなど、意外にシニカルでブラックな味付けがされているけれど、カンナさんの持つチャーミングな気質がそれらをソフトに包み込んでます。

夢の全てを手に入れたかに見えたカンナさんですが、本当の幸せは偽りの中にはなく、自分を取り戻すことだと気づきます。ラストもハッピーエンドで楽しめる作品です。

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ローズインタイドランド

2007年12月16日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2006年7月8日公開

これをファンタジーとして楽しんで観ることは出来なかった。子供は親を選べないけれど、親としての資格のない者のもとに生まれてしまったヒロインが強かにしなやかに生きていくパワーを持っていたことを喜ぶべきなのだろうか。


世話の焼けるママが突然死んで、逃げるように元ロックスターのパパと街を出てテキサスにある祖母の家にやってきた10歳のジェライザ=ローズ(ジョデル・フェルランド)。祖母亡き後ほったらかしだったボロ家に辿り着く早々、パパはクスリで“バケーション”に出てしまい、仕方なく親友のバービー人形の頭を連れて探検を開始する。リスを追って秘密の屋根裏部屋を見つけ、家の周りに広がる金色の草原では幽霊女に出くわして…。


ジャンキーの両親のもとで育ったジェライザ=ローズは一人遊びが得意。本当は愛されたい、構ってもらいたい想いを頭だけの人形たちに投影し、抜群の想像力で夢と現実の境を縦横無尽に往き来する。

父親のクスリの注射の用意をする10歳の少女ってだけでも十分に強烈。
ジェライザ=ローズは母の死は理解出来ても、父の死を認めることは自分の世界の崩壊を意味するかのように、拒んでいる。

彼女が草原で出会った姉弟もかなり危なげな変人です。「幽霊女」は父の幼馴染で、死体を保存して愛を繋ごうとしているし、その弟は頭のピンが抜けている。
どう見てもまっとうじゃないジェライザの周囲の大人たち。この映画の中で「普通の」人間は殆ど皆無だ。

過酷な状況であるほどに、子供の生きようとする力が愛らしさや残酷さに映えて輝くようで、一種の強さが感じられ、愉快といっても良いくらい。
共感は出来ないけれど、ジェライザ=ローズはきっと大丈夫って思えてしまう。

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ラスト・ホリディ

2007年12月15日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
日本未公開 アメリカ 112分

先に観た友人が面白かったと感想を某サイトで書き込んでいたので、レンタルしてきました。夢のある安心ストーリー。


デパートの調理器具売り場で働くジョージア(クィーン・ラティファ)は、平凡でつましい生活をしていたが、ある日余命三週間と診断されて絶望する。だが、逆にこれまで我慢してきた好きなことをしようと決意した彼女は会社を辞め、銀行から下ろした全財産を持ち夢のヨーロッパの高級リゾート地へやってきた。気取ったセレブばかりのホテルで、自由で率直な彼女の言動が周囲に大騒動を巻き起こしていく…


ダイエットと健康のために食べたい料理も我慢、内気で好きな人に告白も出来なかったジョージアが自分の余命を知って、大胆に変身する様が楽しい。地味な服から真っ赤なドレスへ着替える場面がインパクト大です。普通は、いくら衣装が変わっても態度がついていかないものだけど、流石にラティファは違うわ~~(^^;

デパートの嫌味な上司の携帯をぶっ壊して辞職した彼女が向かった先は、憧れのシェフ・ディディエ(ジェラール・ドパルデュー) のいる高級リゾートホテル。ドパルデューのシェフ役がなかなか様になっていて好き。
高級ホテルの最高級の部屋に泊まり、エステや衣装を楽しみ、脂の乗った料理を楽しむ彼女に自分を重ねてみるのも面白いかも。作品の舞台となるカルロヴィ・ヴァリは、チェコの有名な温泉場なのだとか。

ここで、地元の政治家ディリングス(ジャンカルロエスポジート)や彼に取り入ろうとする元勤め先のデパートのオーナー・クレガン(ティモシー・ハットン)とその愛人バーンズ(アリシア・ウィット)と出会い、ジョージアを金持ちのマダムと勘違いした彼らとの間でコミカルな展開があるのです。

もし、彼女をデパートの店員だと知っていれば耳を貸さなかっただろう言葉が、誤解している彼らには妙に真実味を帯びて届くのが可笑しいのですが、本当のことがわかった後に、だからこそ余計に受け入れられていくのも嬉しい。

徐々に仲間から浮き上がっていく悪役のクレガンの、拗ねぶりも笑えます。

彼女の病気については「中古の機械」という言葉でオチは予想されるけれど、そこまでの過程を楽しむ作品だから、気にしないっと(笑)

ラストで登場人物たちのその後が報告されるのですが、誤診した医師とクレガンの現況に笑いあり。

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椿三十郎

2007年12月12日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2007年12月1日公開 119分

一昔前のTV時代劇とも昔の映画時代劇ともちょっと違うんだなぁ。
観終わって、オリジナル版と見比べて観たくなる作品です。


ひょんなことから、上役の不正を暴きだそうとして集まった9人の若侍の危機を救った浪人、椿三十郎(織田裕二)が、囚われた城代家老を救うため、彼らと共に策を巡らすのだが・・・


リーダー格の井坂伊織(松山ケンイチ)を筆頭に、とにもかくにもこの9人の若侍が頼りないったらありゃしない。見兼ねて手助けしたくなる気持ち、椿さんじゃなくてもわかります。(^^;
寺田文治(林剛史 )、保川邦衛(一太郎 )、河原晋(粕谷吉洋)、守島隼人(富川一人)、 守島広之進(戸谷公人 )、関口信吾(鈴木亮平)、 八田覚蔵(小林裕吉 )、広瀬俊平(中山卓也 )彼らは新人俳優。

血気盛んで、物事を短絡的に判断し、考えなしに行動しようとする若侍たちと、世の中の清濁併せ呑むかのような豪胆さと、ずけずけとした物言いの椿の対比に加え、城代の奥方(中村玉緒)と娘(鈴木杏)のほんわかまったりとした会話が挟まり、面白さが増しています。

劇場には年配の男性も見受けられましたが、終わって席を立つ彼らに感想を尋ねてみたくなりました。
ギラギラした抜き身の刀(奥方の表現)のような椿を織田君のパワーで表現しようとした森田監督の意図は、スクリーンから伝わってきます。それでいて、正統派時代劇とも違う、友達感覚でユーモラスな三十郎になっていました。本当の時代劇ファンならちょっと違和感を覚えるかもですが、TVでも時代劇を見なくなった今の若者には案外新鮮に受け取られるかも。

敵役の竹林(風間杜夫) 菊井(西岡徳馬) 黒藤(小林稔侍)はやや小粒な悪役キャラ。彼らより、屋敷の椿の見事さに感嘆(笑)また、若侍たちに捕まる「押入れ侍」木村を佐々木蔵之介がひょうひょうと演じていたのが可笑しかったです。

城代家老役の藤田まことも、何だか「必殺仕事人」を連想させるキャラでした。事件が無事解決して、この家老の祝いの席の掛け軸に笑いを抑えるのが大変でした。
『虚無活淡』『人生小笑』『人生無一文』だもんな~~

この映画のもうひとつの軸である室戸半兵衛(豊川悦司 )との絡みは、一種友情のような絆が感じられ、ラストの二人の対決との結末にやるせなさを禁じえませんでした。

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さだまさしコンサート 

2007年12月11日 | ライブ・コンサート他
東京厚生年金での今年ラストのコンサート
17:30開場  18:00開演


1、道化師のソネット

オープニングトークは今日が第3548回にあたり、厚生年金会館では173回目だということと、今年のラストコンサートであることから始まりました。
衣装は白のシャツスーツ、インナーは黒のTシャツ

2、白雨
3、眉山

眉山の舞台の話から紅白と正月のNHK番組の話へ。
世間を騒がせた偽装事件を「白い恋人」「赤福」で色モノか?と笑いを取り、ボクシングの亀田や横綱の話へ。
相撲の土俵は祭壇であること、神事として興っていること、横綱は神と同格であるので、その辺の普通人と同じではいけない→品格のことなどなど。

4、雨やどり
5、パンプキンパイとシナモンティ
パーカッションのキムチさんの合いの手が最高♪ノリノリでした。

(トーク)お父様の骨折入院話

6、窓
 
今回は休憩無しで、ここでメンバー紹介。
行者のような倉田さん、ボケは最高・石川さん、漢字も英語もダメと「最上川、山形新聞」ネタをまたも持ち出される宅間さん、お酒の飲み方描写の松原さん、北京の遊園地のどらえもんと評される木村さん、「ひ」が言えない江戸っ子、岡沢さんなどなど(笑)


7、桜桜咲くラプソディ
8、加速度
9、主人公

今宵の挨拶に関する話は「コンビニの店員」「新幹線の車内販売」「新幹線アナウンス」自分の言葉で話す事の大切さについて。

10、都忘れ
11、賢者の贈り物

小田和正さんの「Xマスの約束」に出た話をしてくれました。
二人で一緒に歌を作ったとか。題名「たとえば」
紅白や長崎の話も。
トークは平和について(広島でのコンサートなど)。
『あなたの大切な人の笑顔を守るためにあなたは何が出来ますか』

12、赤い月
13、1989渋滞
14、胡桃の日

15、霧
16、かささぎ

Ac、黒のスーツと赤のシャツに早着替えで
51→落日

終演後、会場に服部克久氏御一家を発見。
とてもダンディな克久氏でありました。
この日は他にも芸能人の方々がいらしていたようです。

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サージェント・ペッパー ぼくの友だち

2007年12月07日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2006年5月20日公開 ドイツ 98分

6歳の少年と犬の友情物語。
トラの着ぐるみをきたフェリックスに一目惚れして観たいと思っていた作品をやっと観る事ができました。

家でも学校でもトラの着ぐるみを着ている人間になりたくないフェリックス・ジンガー(ニール・レナート・トーマス)6歳。誕生会に呼ぶ友だちはぬいぐるみと亀だけというフェリックスを心配するお母さん(ヨハンナ・テア・ステーゲ)と、想像力が豊かなだけと大らかなお父さん(ウルリク・トムセン)。ある日庭で“サージェント・ペッパー”という名前のしゃべれる犬と出会い、初めてちゃんと話し合える友だちができたフェリックスでしたが、ペッパーは飼い主の遺産を相続したため、財産を狙うコリナ(バルバラ・アウア)とジモン(オリバー・ブロウミス)の姉弟に命を狙われていた・・。

フェリックスのパパは発明家。朝食の支度から入浴まで、機械が面倒みてくれる、未来を先取りしたような装置のある楽しいお家です。人間になりたくなくていつもトラの着ぐるみを着ているフェリックスを心配するママが彼を心理カウンセラーへ連れて行くのですが、そこで交わされるドクター・テオバルト(アウグスト・ツィルナー)との会話もどこかのんびりとしていて面白いの。

フェリックスの姉のフェリシア(カロリン・プライン)は、パパとママの愛情が弟にばかり向かっている気がしているけど、いじけたりぐれたりはせず、友達と過ごす時間を多くとって紛らわせているみたい。そんな彼女もペッパーを守るため、弟と一緒に活躍します。

財産狙いの、あくまで悪者の姉コリナと、ちょっとおバカだけど気は優しい弟ジモンの関係も面白く、この悪党退治のエピソードはありふれてはいるけれど、それなりに楽しい。

結局フェリックスの人間嫌いが治ったのかどうかはよくわからなかったのですが、ペッパーとの友情はめでたしめでたしだから、ま、いっか~~

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クローズZERO

2007年12月06日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2007年10月27日公開 130分

劇場招待券があったので観てみたけれど・・・

不良たちが集まり、最強・最凶の高校として知られる鈴蘭男子高校。芹沢多摩雄(山田孝之)が率いる“芹沢軍団”を筆頭にいくつもの不良グループが抗争を繰り広げるこの学校に、1人の転校生がやって来た。その名は滝谷源治(小栗旬)。不可能と言われる鈴蘭制覇を本気で狙う彼は、ふとしたことで知り合った鈴蘭OBで矢崎組のチンピラ・片桐拳と意気投合。片桐の知恵を借りながら、鈴蘭制覇へと歩を進め始めるのだが……。(goo映画より)

高橋ヒロシのコミック「クローズ」をオリジナルストーリーで映画化。
原作の主人公・坊屋春道の登場以前の鈴蘭高校が舞台。

イケメン俳優が数多く出演との噂通り、確かに不良より歌舞伎町やジャニーズで活躍出来るんじゃない?という美形が多かったのは目の保養だが、それが乱闘でボロボロな姿はちょっと趣味に合わないなぁ

高校生といっても授業シーンは全く無し。ひたすら「てっぺん」目指しての闘争の明け暮れに終始する青春って理解できない。できないけど、そういうのも「有り」なんでしょうね~~。そんな中でも友情の熱さや真っ直ぐなことの尊さのようなものは伝わってきます。

小栗・山田君以外の若手は名前も知らなかった。黒木メイサは大人っぽいね。

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ダーウィン・アワード

2007年12月05日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2007年12月1日公開 アメリカ 95分

バカバカしいけど、いつしか彼らが好きになってしまう。肩の凝らないおバカムービー。

サンフランシスコ殺人課刑事のマイケル(ジョセフ・ファインズ)は優秀なプロファイラー。欠点は血を見ると失神してしまうこと。その弱点が災いして連続殺人犯を取り逃がし、辞職に追い込まれたマイケルは、「ダーウィン賞」の受賞者が保険会社に毎年何百万ドルの損害を与えている事に気づき、自らのプロファイリング能力を保険会社に売り込む。4週間での証明を採用条件とされたマイケルは、女性調査員のシリ(ウィノナ・ライダー)と組んで全米各地を回る事になる。そして様々なおバカ事件が、彼らを待ち受けていたのだった・・。

マイケルがシリと出会うのは自販機に腕を突っ込んで抜けなくなり無理やり引き抜いて自販機に押しつぶされた男の事故現場。それから高層ビルのガラスの強度を自ら証明しようとして転落した男や、妻に自らの「速さ」をアピールしたくて車にロケットを積んで空を飛んだ男、氷に穴を開けるためにダイナマイトを使った男やメタリカのライブが見たくて塀をよじのぼり断崖絶壁に落っこちた男、速度一定保持装置を自動運転装置と勘違いして彼氏に「サービス」してる間に道を逸れて歯医者に突っ込んだ女といった、呆れるおバカな面々による保険請求の調査が続くのです。

一見、ただの馬鹿に見える彼らですが、実は案外他人を思い遣る気持ちがあったり(対向車にぶつからないよう道を逸れたロケット男)もします。
物事を常識で判断し、常に危険を回避する方向に考えるマイケル(その割に深読みしすぎて窮地に陥るバスタブのシーンは笑える)と、直感的な考えと行動で、思ったことはズバズバと口にするシリ(自動操縦勘違い女のケースで彼女が運転席を離れてナニをしてたかマイケルと口論する様子が傑作)のコンビが可笑しい。自分はどちらかというとシリのタイプだな~とか思いながら観てました。

マイケルが道に迷い携帯の電波を拾うためにとった行動は手を叩いて笑えるし、その結果はエンドロールの後にも登場するので最後まで席を立たない方がよろしい。また、この時、暖をとるためにやらかした失敗は「お前がダーウィン賞候補だろ!」と突っ込みたくなるおバカ加減です。

このマイケルを卒業制作の対象にビデオカメラを回し続ける学生が常に加わっているのですが、その殆どはカメラフレームという形で現され、本人の姿は少ししか登場しないのもユニーク。観客目線ってわけね。あくまで客観的に被写体の生活には干渉しないというカメラマンとの会話がまた笑えるの。最終的に思いっきり関わってくるし・・。そもそも何故マイケルを選んだかの理由が、彼だけが断らなかったからというのがね(爆)

凄惨な事件現場を見慣れているがため、心を守るために敢えて被害者や事件のことは忘れるようにしてるシリと、自分のミスで取り逃がした連続殺人犯を執念で捕まえたマイケルのハッピーエンドも嬉しい・・かも。

主役の二人(美男美女が真面目にコミカル演技してるのが最高)はもちろん、それぞれの事件の登場人物の配役もかなり豪華です。
ジョニー・デップファンとしてはウィノナが久々に活躍してる姿を見るのも嬉しいし、ジュリエット・ルイスやトム・ホランダーなど、彼との共演歴のある女優・俳優にも親しみを感じてしまいました。メタリカもカメオ出演してます。

ダーウィン賞というのは最も愚かな方法で死んだ人に対し、バカな遺伝子を減らしたことへの感謝の気持ちから贈られる賞なんだってね。ちょっと検索してみたくなるな。

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鉄板英雄伝説

2007年12月04日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年6月2日公開 アメリカ 92分

自慢じゃないが、元ネタの映画全部観てます。
外見は全然似てないのに、妙に雰囲気を出して演じているコメディ俳優たちに思わず拍手したくなってくる。思いっきりチープな予算で大作のスケール感を出しているその手腕にも注目です。

ルーヴル美術館の館長に育てられたルーシー、メキシコの“リブレ”・レスリングから逃亡したエドワード、ヘビの大群にジャックされた飛行機の乗客スーザン、“ミュータントX”コミュニティの平凡な住人ピーター。そう若くもない4人の孤児は、黄金のチケットが封入されたチョコレートを偶然ゲット。憧れのチョコレート工場見学に行くが、そこで工場長のウィリー・ウォ○カに捕まってしまう。4人は大きな洋服箪笥に隠れるが…?! (goo映画より)

パロディ映画の辣腕コンビが贈る最新作。
基本は『ナルニア国物語』で、登場する4人の孤児はそれぞれ『ダ・ヴィンチ・コード』『ナチョ・リブレ』「パニックフライト』『X-MEN』を背景にして、『パイレーツ・オブ・カリビアン』『スーパーマン』『ハリー・ポッター』『チャーリーとチョコレート工場』の登場人物と絡んでいく。

逃げ出すのが得意なチキン(腰抜け)だけどリーダーを目指すピーター(アダム・キャンベル)、合理的な現実主義者スーザン(フォーネ・チェンバース)、白い悪女に捕まるエドワード(カル・ベン)おバカなルーシー(ジャイマ・メイズ)が出会うのがウィリー・ウォンカやジャック・スワローズだもんな~~微妙に似てるのが悔しいけど可笑しい。

タムナスさんってばゲイだし、アスロ(アスラン)はバイだし、思いっきり下品。
本家ファンとしては怒って当然なんだけど、ここまでパロってるとその気もなくなるのね。こういう笑いも嫌いじゃないです。

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サン・ジャックへの道

2007年12月01日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2007年3月10日公開  フランス 108分

なんてぇ兄姉弟だ!と呆れながら見てるうちに、何だか第一印象と違うぞ、あれれ、彼(彼女)も案外善いやつなんじゃない?と思い始めたら急にこの一行が愛しく思えてくるのです。

聖地サンティアゴ(サン・ジャック)まで、1500kmの巡礼路を一緒に歩くことが遺産相続の条件と知らされた3兄弟。
ストレスから薬依存になっている兄ピエール。頑固で短気で喧嘩早いオバサン教師クララは夫が失業中、アルコール漬けで文無しだけど、女あしらいだけは上手い弟クロード。無神論者の険悪な仲の兄姉弟が、遺産目当てにフランスのル・ピュイからスペインの西の果て、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまでを歩き通す2ヶ月余のロードムービーです。

お金に不自由していない兄が何故妹弟と巡礼の旅に出ることを了承したのか、ちょっと疑問だったのですが、アルコール依存の妻との関係修復と自らも変わりたいという想いがあったのだと気付かされます。

辛辣で短気なクララも、家では良い母・妻であること、失読症の同行者を放って置けないなど、第一印象と違った優しさを持つ女性であることもわかってきます。

ピエールの我儘やクララとの遠慮のない喧嘩、我関せずのクロードの態度に振り回される同行者もそれぞれ一癖ある連中ばかり。
ベテランガイドのギイはツアー中に妻を親友に寝取られてるし、山歩きと勘違いして参加したエルザとカミーユに、彼女たちと一緒に旅したいばかりに従兄弟ラムジィを騙してその母に旅費を出させたアラブ系移民の少年サイッド、そのラムジィは字が読めないけれど、母を深く愛しています。物静かな女性マチルドは病後の様子。

互いにぶつかり合い、話をするうちに打ち解け、仲間意識を持つようになる9人に笑い、怒り、泣かされるうちに、共に巡礼の旅をしたような不思議な達成感を共有することになります。

日本の四国巡礼の外国版とでもいうのかな(^^;自分の足でひたすら歩く。目的地を目指してひたすら歩く、同行者と会話をしながら歩いているうちに、互いを理解するようになる。これ、当然のことです。対話(会話)なくして人間関係は成立しないという基本的なことを時に面白おかしく、時に切なく描いた良作☆

ただ、所々挿入されるシュールな幻想シーンは私的には好きじゃなかった。

サンティアゴ(仏語でサン・ジャック、帆立貝をも意味する言葉)巡礼とはエルサレム・ローマと並ぶキリスト教の三大聖地の一つ。欧州一の人気を誇る巡礼路で宗教を超えて多くの人が歩いているそうです。

悲しい別れもありますが、ラストで流れる9人のその後はどれも明るくてHAPPYな気分になれました。
私の今年借りたDVDの中でベスト3に入る作品になりました。

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