杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ミステリと言う勿れ

2024年03月24日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2023年9月15日公開 128分 G

ただの遺産相続という勿れ−−− 2023年秋、シリーズ最大級の 新たな謎が幕を開ける!!
天然パーマでおしゃべりな大学生・久能整(菅田将暉)は、美術展のために広島を訪れていた。そこで、犬堂我路(永山瑛太)の知り合いだという一人の女子高生・狩集汐路(原菜乃華)と出会う。「バイトしませんか。お金と命がかかっている。マジです。」そう言って汐路は、とあるバイトを整に持ちかける。それは、狩集家の莫大な遺産相続を巡るものだった。当主の孫にあたる、汐路、狩集理紀之助(町田啓太)、波々壁新音(萩原利久)、赤峰(柴咲コウ)の4人の相続候補者たちと狩集家の顧問弁護士の孫・車坂朝晴(松下洸平)は、遺言書に書かれた「それぞれの蔵においてあるべきものをあるべき所へ過不足なくせよ」というお題に従い、遺産を手にすべく、謎を解いていく。ただし先祖代々続く、この遺産相続はいわくつきで、その度に死人が出ている。汐路の父親も8年前に、他の候補者たちと自動車事故で死亡していたのだった…次第に紐解かれていく遺産相続に隠された<真実>。
そしてそこには世代を超えて受け継がれる一族の<闇と秘密>があった 。(公式HPより)


田村由美の漫画を菅田将暉主演で実写化した連続テレビドラマ「ミステリと言う勿れ」の劇場版で、原作のエピソード「広島編」をもとに、広島の名家・狩集家をめぐる遺産相続事件の顛末を描いた作品です。原作漫画は未読ですがTVドラマは見ていて菅田将暉がキャラにはまっていたので映画も観て見たくなりました😀 

冒頭で、車がカーブを曲がり切れずにガードレールを突き破って崖下へ転落し爆発炎上、乗っていた4人の男女が亡くなります。

8年後。
海岸で狩集汐路に犬堂我路が自分の代わりに久能整を紹介する場面の後、整を尾行していた汐路が、命と金のかかったボディガードの依頼をして強引に狩集家の遺言の場に連れていきます。

狩集家の顧問税理士の真壁軍司(角野卓造)と顧問弁護士の車坂義家(段田安則)により、汐路の祖父・狩集幸長の遺言状の内容が開示されます。孫たち4人それぞれに蔵の鍵が渡され、『蔵のあるべきものをあるべき所へ 過不足なくせよ』という言葉を解き明かした者が当主として全てを相続できるというものです。

祖父から「狩集家の遺産相続時に必ず人が死ぬ」と聞かされていた汐路は自分たちの親が自動車事故で死亡したのもそのためだと信じていました。
整は候補者の理紀之助、新音、ゆらと話し合うことを提案しますが誰一人応じません。ちなみに理紀之助はメガネをかけたインテリな臨床検査技師、新音はヤンチャな性格だが根は真面目、ゆらは専業主婦でさちという一人娘がいます。
狩集家に泊まることになった整は、魔除け効果があるとされるアメジストドームや、家の至る所にお札や祠があることに違和感を覚えます。 

翌日、汐路の蔵の中に9体の日本人形を発見し、着物の柄が各月を指していると気付いた二人ですが、牡丹、菊、桜の人形がありません。互いの蔵を見せる条件で覗いた新音の蔵には、本物と偽物が対になった有田焼が大量にありました。

蔵に向かう途中で汐路の頭上に植木鉢が落とされ、夜には階段に撒かれた油で汐路と新音が転落します。また、ゆらが自分の座敷牢のある蔵に閉じ込められる事件も起こり、疑いをかけられた理紀之助は無実を証明するため自身の血のついた日本刀が沢山置かれた蔵を見せます。

4人それぞれが疑心暗鬼に陥り始めた夜、柵の近くに短刀を埋める汐路に整は「それ以上はやってはいけない」と声をかけます。植木鉢も油もゆらを閉じ込めたのも汐路だと整は見抜いていました。父の居眠り運転で自分たちの父母が死亡したと長年責められていた汐路が、事故の原因が遺産相続のトラブルだったと信じることで自分を保っていたと知った3人は汐路を許し協力して謎を解くことを約束します。これで一段落と東京に帰ろうとした整でしたが、何者かに車で轢かれそうになったのと、狩集家代々の家族写真を見て思い直します。

4人と、車坂の孫で汐路の初恋の人・朝晴を呼び出し、遺産相続時のトラブルで死亡した過去の狩集家の人間が全員天パーで色白だったことを伝えた整に冗談かと思った5人でしたが、その条件を満たした人間が必ず早世していると分かります。

轢き殺されかけたことで俄然闘志に火が付き、4人の両親の死亡事故について調べ始めた整は、生前に汐路の父・弥(滝藤賢一)が兄姉妹たちと狩集家の謎を調べていたことを知ります。狩集家の真相を知った男性がそれを舞台の脚本にして発表し、その舞台を両親たちが観に行っていたことを知りますが、その男は後に自殺していました。
舞台のダイジェスト版DVDを借りて来た整は汐路たちに見せます。
戦後の動乱の最中に、1人の鬼と2人の従者が狩集家の人間を皆殺しにして乗っ取ったのが今の狩集家だったという内容に4人は動揺しますが、蔵の下に夥しい人骨が埋まっているのを発見して物語が事実だと知ります。
さらに物語には当主の幼い娘を逃がしてしまった鬼たちが、自分たちが偽物と露見しないよう、自分と同じ特徴(天パで色白)を持った子孫を殺すと誓ったと語られていました。

真実を知ってしまった弥を、その誓いを現代でも忠実に実行する誰かが殺したと気付いた整は、喫茶店に5人を集めてそれぞれが持つ情報を開示し合い、弥が「本当の狩集家の末裔」を発見して情報をUSBメモリに保管していたと結論付けます。
保管場所の情報はないまま朝晴が帰った後で、新音が飲み物を零したのを見た汐路は、父と最後に会った朝の出来事を思い出します。それを聞いた整はUSBメモリの隠し場所に思い至り一計を案じます。

誘き出された犯人が、USBメモリを手に入れて「本当の狩集家の末裔」の家を訪れ放火しようとしたところを、待ち構えていた刑事たちに取り押さえられます。

犯人は朝晴でした。
真壁家と車坂家が代々従者として誓いを守り続け、謎に近づく者と「天パーで色白」という特徴を持つ狩集家の人間を殺害してきたのです。
朝晴に疑いを感じていた整は、弥が飲んだジュースの中に睡眠薬が入れられていたと気付いて朝晴に偽情報を流して罠にかけたのでした。

朝晴は、あっさり犯行を認め、口止めしようとする祖父と真壁を無視して2人が脚本家を殺害したことも明かします。自分は正しいことをしていると信じている者特有の熱に浮かされたような表情は背筋が寒くなります。それまでが温厚で優しいお兄ちゃん然としていただけに一層不気味でした。

朝晴はまた「幼い汐路が弥の行動を全て教えてくれたおかげ」と言い放ち、汐路は強いショックを受けます。3人の従兄姉たちが慰め励ます中、整はアメジストドームに隠されていた弥のUSBメモリを渡して「本当の狩集家の末裔」を訪問しようと提案します。

玄関に置かれていたアメジストドームを作った女性(松嶋菜々子 )こそ、生き残った正統な後継者でした。弥たちは女性を訪問して日本人形(桜の柄・・・牡丹の柄の人形を届けようとして事故に遭っている。菊の柄は逃げた女の子が抱えていたもので、それが証拠となって弥が女性を探し出した)と有田焼を贈り、「『鬼』のルールは自分たちが終わらせる」と約束していました。
女性は汐路たち4人に、それぞれの親から注文を受けたパワーブレスレットを渡しました。

事件が解決し、新幹線で東京に戻る整。
弥が我路と知り合いだったことから、大隣警察署にも事件の報せが届きますが、事件の場にまたも整がいたと知って驚く刑事たち(伊藤沙莉、尾上松也、筒井道隆) 😁 
え?出番ここだけですか💦

逃亡生活を続ける我路が、クルーザーで汐路から届いた事件解決の報と整(めんどくさい性格)についてのメールを読んで笑みをこぼすところでENDでした。

『犬神家の一族』のようなおどろおどろしい連続殺人が起こるのかと思いきや、誰も死なない(親は事故死しちゃってるけど)のね。
整君のめんどくさい性格もドラマそのままで笑ってしまいますが、彼のセリフの多くにも心に刺さる含蓄があります。

・子供って乾く前のセメントみたいなんです
・どうして女性の幸せを決めつけるんだろう 
・犯罪とは、人間の努力が裏側に表れたものにすぎない

あ、宣伝に使われる「けっこうです」も😁 

舞台となった広島の観光地も登場するのでその景勝も楽しめました。😀 
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