杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

暗殺教室〜卒業編〜

2016年10月30日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年3月25日公開 118分

1年後の地球破壊を宣言した謎のタコ型超生物、通称・殺せんせーがなぜか椚ヶ丘中学校3年E組の担任教師となり、マッハ20の超速度で動き回るその超生物の暗殺が政府から落ちこぼれクラスの生徒たちに託された。暗殺のタイムリミットまであと半年となった2学期。学園祭が終わりほっとするE組の面々だったが、その中の一人、茅野カエデ(山本舞香)が暗殺者としての正体を現した。隠し持っていた黒い触手を殺せんせーに向け、雪村あぐり(桐谷美玲)の妹であることを明かす茅野。茅野の正体に、E組の間にも激震が走る。殺せんせーは、かつて死神と呼ばれた殺し屋(二宮和也)だった過去を話し始めた。ついに迎えた最終学期。殺せんせーの過去を知ったE組は、暗殺か、それとも救済か、意見が分かれていた。そんな中、殺せんせー暗殺最終作戦が国家規模で動き出す……。(Movie Walkerより)

 

週刊少年ジャンプ連載の松井優征のコミックの実写映画版の続編です。山田涼介、菅田将暉ら前作のキャストに加え、二宮和也、桐谷美玲らが出演しています。

前作観ちゃったから最後まで観ないとね~ニノも登場するし

設定自体はナンセンスなので、フィクションと割り切り突込みは無用

月を破壊したのは殺センセ―じゃなくって、同じ実験に使われていたマウスだったのねで、このままだと同じ論理で彼が地球を破壊することになるので殺しちゃえとま~なんて短絡で勝手な理屈だこと!

「死神」だった殺センセ―と雪村先生とのシーンはなかなかハートフル。天然キャラなあぐりちゃんにさすがの暗殺者・死神も癒されちゃったのかしらん 彼を研究材料として扱う非道な研究者・柳沢がまた絵に描いたような悪役キャラでございます成宮君好きなんだけど、この役の彼には萌えないな~~ 最後には怪物になっちゃうし・・・ あ・・シロは柳沢でした

全て生徒のため、彼らが自分で考え結論を出すのを見守る、まさにセンセ―そのものの殺センセーに胸キュンですね。

なりたいものがなかった渚君、ラストでは殺センセーの意志を継いだ教師となって荒れた学校にやってきます。一見ひ弱そうな彼ですが、暗殺教室で培った経験が十分に生かされてますうん、彼ならきっと良い教師になれるよね。めでたしめでたし


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オオカミ少女と黒王子

2016年10月29日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年5月28日公開 116分

恋愛経験ゼロにもかかわらず、見栄っ張りで友達と架空の彼氏との恋愛話を語る「オオカミ少女」の篠原エリカ(二階堂ふみ)。街で見かけたイケメンの盗撮写真を自分の彼氏だと偽り、友達をやりすごそうとするが、写真の男は女子から絶大な人気を集めている同級生・佐田恭也(山﨑賢人)だった。エリカは事情を打ち明け、恭也に彼氏のフリをすることを承諾してもらうが、その代わりにエリカが飲んだ条件は恭也の「犬」となること。人当たりがよく人気者の恭也の本性は、評判とは真逆の、腹黒で超がつくドSの「黒王子」だったのだ。かくして、偽装カップルとなったエリカと恭也だったが……。(映画.comより

 

 八田鮎子のコミックが原作の実写映画化で、高校を舞台にしたラブコメです。初めはパッとしないエリカがどんどん可愛くなっていくのは演じている二階堂さんの演技力の賜物かな? 劇場公開前に原作一話分の小冊子が宣伝のために作られていて読んだのですが、実写も違和感なかったです

親友と別々の高校に進学したエリカが最初に入った女子グループのメンバーは皆彼氏持ち。恋愛未経験な彼女は「ぼっち」が恐くて彼氏がいるふりをします。高校生活を友人もなく独りで過ごすというのは「普通の子」にとっては最悪な展開だものね。気持ちはわかる・・わかるけど、やり過ぎでしょでもついついエスカレートしちゃう見栄ってのもまたこの年頃にはあるのよねぇ。

街で見かけたイケメンを盗撮(というにはけっこう正面から行ってましたが)して彼氏だと嘘をついたものの、まさかの同じ学校の人気者とわかり、慌てて事情を説明するエリカに、黒王子が本性現す場面をはじめ、原作の雰囲気を上手に実写化していると思います。神谷がイマイチ、イケメンじゃない(私的に好みじゃないという意味です)のが残念だけど

ドSな恭也は、他人を信じることができないのね 見た目や環境ばかりもてはやされる人気者故の孤独の落とし穴というわけね同じように女子の人気を二分してる神谷(鈴木伸之)はそれを利用するチャラ男ですが、恭也は逆に心に壁を作るタイプというわけですね。

ぼっちにならないために偽カレが必要だったエリカですが、普通に恋愛もしてみたい。だから神谷に誘われればホイホイついていって傷ついてしまう。バカだなと思うけど、これもまた彼女が素直な感性を持っているからなのよね。

互いに相手の良さに気付いて心の距離が近づく二人。風邪引いてるのに嘘のデートに付き合う恭也と、そのせいで風邪を悪化させて学校を休んだ恭也を見舞い、おかゆを作るエリカ。恋愛ものの定番エピソード

エリカは自分の気持ちに気付くとストレートに恭也にぶつかっていきますが、恭也は素直になれないどころか、逆に彼女の心を傷つけてしまいます。いや~~あれはないよ。

オオカミ少女を止めることを決めたエリカは友人たちに本当のことを告白し謝りますが、この時の友人たちの反応がほんと今風「マジ引くから」って・・・そんなもんですか~~

エリカが告白したことで、恭也は彼氏役から解放されたわけですが、そうなって初めて彼はエリカが自分にとってどんなに大切な存在だったかに気付くのですね。

エリカの中学時代からの親友・三田亜由美(門脇麦)はいつでもエリカを励まし適切なアドバイスをしてくれます。(放課後はさんちゃんと一緒なんだから、学校であんなにぼっちを恐れることなんかないとも思うんだけど。

恭也の姉・怜香役の菜々緒もキャラ的に合ってたな~恭也ともどもドSっぽくてでした。

エリカに想いを寄せる同級生の日下部(吉沢亮)君(メガネ外した彼は神谷君より超イケメン)も良い奴でした。ま、たいていは良い奴は報われないんだよね~~こういう話では。(ちょっとこの役を窪田君で観たかった気がします


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ちはやふる 上の句・下の句

2016年10月28日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年3月19日公開(上の句)111分

綾瀬千早(あやせちはや/広瀬すず)、真島太一(ましまたいち/野村周平)、綿谷新(わたやあらた/真剣佑)の3人は幼なじみ。新に教わった“競技かるた”でいつも一緒に遊んでいた。そして千早は新の“競技かるた”に懸ける情熱に、夢を持つということを教えてもらった。そんな矢先、家の事情で新が故郷の福井へ戻り、はなればなれになってしまう。
「新にもう一度会いたい。会って『強くなったな』と言われたい。」千早の想いが情熱に変わるとき、百人一首の世界のごとく、世界が煌びやかに色づき始める。高校生になった千早は、新に会いたい一心で“競技かるた部”創部を決意、高校で再会した太一とともに、部員集めに奔走する。呉服屋の娘で古典大好き少女・大江奏(おおえかなで/上白石萌音)、小学生時代に千早たちと対戦したことのある、競技かるた経験者で“肉まんくん”こと、西田優征(にしだゆうせい/矢本悠馬)、太一に次いで学年2位の秀才・“机くん”こと、駒野勉(こまのつとむ/森永悠希)を必死に勧誘、なんとか5名の部員を集め、創部に成功。初心者もいる弱小チームながら、全国大会を目指して練習に励み、東京都予選に臨む。
千早の新への気持ちを知りながらも、かるた部創部を応援し、部長となった太一。彼もまた、新に勝たなければ前に進むことが出来ない。「千早に自分の気持ちを伝えたい」―。千早、太一、新、そして瑞沢高校かるた部の、まぶしいほどに一途な想いと情熱が交錯する、熱い夏が来る。(公式HPより)

 

2016年4月29日公開(下の句)103分

千早・太一・新は幼なじみ。いつも一緒にかるたで遊んでいたが、家の事情で新が引っ越し、はなればなれになってしまう。高校生になった千早は、新にもう一度会いたい一心で、再会した太一とともに瑞沢高校“競技かるた部”を作る。
創部一年ながら、エース千早の活躍と抜群のチームワークを発揮し、なんとか強豪北央学園に勝利。東京都大会優勝をなしとげた。舞台はいよいよ全国大会へ―。
新に東京都大会優勝を報告する千早に、思わぬ新の告白「かるたはもうやらん…」。ショックを受ける千早だが、全国大会へ向けて仲間たちと懸命に練習に励む。そんな中、千早は、同級生ながら最強のクイーンと呼ばれる若宮詩暢(松岡茉優)の存在を知る。全国大会の個人戦で詩暢と対決する可能性がある。新に「強くなったな」って言われたい、詩暢に勝てばもう一度新とかるたを取れるかもしれない… クイーンに勝ちたい!新に会いたい!千早の気持ちは次第に詩暢にとらわれ、“競技かるた部”の仲間たちから離れていってしまう。そして、そんな千早の目を覚まさせようとする太一。千早、太一、新の気持ちが少しずつすれ違っていく…。今、泣きたくなるほど熱いクライマックスの、幕が上がるー!!!(公式HPより)

 

競技かるたに打ち込む高校生たちの青春を描いた末次由紀のコミック「ちはやふる」の実写映画化。2部作です。

かるたは子供の頃、お正月遊びの定番だったけれど、百人一首となると学校の課題の感が強く、一応家にはあったけれど、どちらかというと「坊主めくり」でしか使用しなかったような当然、短歌自体への馴染みも浅かったな~~

それにしても競技かるたって格闘技みたいだな~というのが最初の印象です。あんな風に弾き飛ばしてしまうの?もちろん劇画調の作りというのはあるんでしょうけれど、それなりに激しいバトルが繰り広げられるんでしょうね。

ちはやが新にもういちどかるた競技に戻って欲しいと思ったのは、新のことを好きというのもあるけれど、また三人一緒にかるたがしたい、かるたが好きという気持ちの方が大きいのかな?

太一がかるたを続けるのはちはやと一緒にいたいから。自分の実力の限界を感じてしまう気持ち、わかる気がします。指導者の原田先生(國村準)が太一に「限界は自分で決めるな、限界まで打ち込んでから言いなさい」みたいなセリフがあるんですが、それで奮起しちゃう太一ってばやっぱり青春してるね~~下の句で、詩暢に固執するあまり部員と心が離れてしまうちはやも、わかりやすいけど青春だ~!

原作コミックは未読ですが、キャラ的には上白石萌音ちゃんが一番イメージに近い気がしました。


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インフェルノ

2016年10月28日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2016年10月28日公開 アメリカ 121分

フィレンツェの病院で目覚めたハーバード大学の宗教象徴学者ラングドン教授(トム・ハンクス)は、謎の襲撃者に命を狙われる。女医シエナ(フェリシティ・ジョーンズ)に助けられて病院を脱出するが、彼は二日間の記憶を失っていた。何も思い出せない彼の服のポケットには1本のペンライトがあり、映し出されたのは、詩人ダンテの神曲・地獄編を模した「地獄の見取り図」とそこに刻まれた暗号だった。「探し見いだせ!」手がかりを探るうち、ダンテのデスマスクの持ち主で大富豪の生化学者ゾブリスト(ベン・フォスター)が「人類は滅亡の危機に瀕している」と主張し、人口問題の過激な解決策として恐ろしい伝染病を世界に広めようとしていることを知る。ゾブリストが詩人ダンテの叙事詩『神曲』地獄篇(インフェルノ)になぞらえて計画を実行していることに気づいたラングドンは、阻止するべく暗号が示す場所イスタンブールに向かうが……。

 

ダン・ブラウン原作「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」に続くシリーズ第三弾です。ラングドン教授に会いたくて公開を楽しみにしていたので初日初回を選択。

シリーズ三作目ともなると、さすがに教授の加齢も進み、謎解き自体も意外性は減少していますが、今回は誰が味方で誰が敵かのスリルを味わうという点では見応えがあったと思います

教授を追うのは、監視と追跡のプロのブシャール(オマール・シー)、WHO事務局長のエリザベス(シセ・パベット・クヌッセン)、謎の組織「大機構」の最高責任者のシムズ(イルファン・カーン)です。シムズが送り込んだ刺客は教授を抹殺せよとの指令を受けていましたが、ヴェッキオ宮殿であえなくスクリーンから退場。病院でもシエナのアパートでも彼を取り逃がしていて、暗殺者にしちゃお粗末だな~と思ったら・・・そういうことですかな理由がありました。宮殿の五百人広間の天井を突き破るシーン(予告でも登場しますが)は、本物じゃないとわかっていても、歴史的美術品を無残に破壊して良いの?事件解決しても後で国際問題に発展しないの?と思ってしまいます

実は、教授は初めから嵌められていたのね エリザベスとは過去にわけありの元カノのようだし(シリーズでそんな関係出てきてたっけ?)ブシャールはゾブリストの死に絡んでるしで、シムズを含めて三人とも怪しさ全開ですが、教授が最後の謎を解いた後で「彼女」がその目的のために本性を現した時に「あぁ、その服は彼のものだったのか」と気付かされるのでした。

ダンテになぞらえたということで、今回の舞台もイタリアが主です。フィレンツェの街を起点に、ボーボリ庭園→ヴェッキオ宮殿→さん・ジョヴァンニ洗礼堂。ベネチア・サンマルコ大聖堂から最後はイスタンブールのアヤソフィアと美術的にも見応え十分でした。

ウィルスが見つかった時点でゲームオーバーかと思いきや、そこからがまたドキドキ・ハラハラな展開に。袋が破れても、蓋の止め具が外れかけても、ランプが全て赤になるまでは大丈夫なのねなんて安全性に優れた隔離箱でしょう 

物語が展開していくにつれて広がる教授の湿疹も、ウィルスを注射されたのではなくてベンゾジアゼピン系薬物(だったかな?)による幻覚の副作用でしたか 

映画のラストは原作と異なるらしいので、今度は小説を読まなきゃ


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追憶の森

2016年10月23日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年4月29日公開 アメリカ 110分

アメリカ人のアーサー(マシュー・マコノヒー)は死に場所を求め、富士山の北西に広がる青木ヶ原樹海に入っていった。木々が生い茂る森の中を分け入っていくと、タクミ(渡辺謙)という日本人男性と出会う。タクミは妻子のもとへ帰ろうとしているものの、怪我をし寒さに震えていた。タクミを放ってはおけず、アーサーは彼とともに出口を探して歩き回るが、方向感覚を失い、森を抜け出すことができない。自然の厳しさに直面しながらさまよううちに、アーサーはタクミに心を開いていき、彼が樹海へ来た理由を話し始める。(Movie Walkerより)

 

青木ヶ原樹海は自殺の名所として知られていますが、世界的にも有名だったの?ネット効果ですか

妻の死で人生に絶望したアーサーは、死に場所を求めて日本にやってきます。航空チケットはもちろん片道分だけで手荷物もありません。タクシーで青木ヶ原へやってくると、水と薬の入った小瓶だけを持って森に入っていくの。(見るからに不審な外国人を黙って樹海の入口に降ろして帰っていくかな~~タクシー運転手という突込みは止めておこう)

いよいよ場所を定めて決行しようとしたとき、出口を求めて彷徨う日本人男性と遭遇した彼は、行きがかり上一緒に出口を探すことになります。入るのは簡単だったのに、いざ出ようとすると森は容赦なく二人に牙を剥きます。磁石も使えず携帯の電波も届かない中で方向感覚を失い、雨に打たれ水に押し流され怪我をした二人は過酷な状況の中で次第に心を開いて話をするようになるのです。

タクミと名乗るその男性(何故か英語がペラペラ)は、自殺しようと森へ入ったけれど、今では妻子の元へ戻りたいと熱望しています。そんな彼に触発され、アーサーは自分が死のうと思ったいきさつを回想するのです。

アーサーと妻のジョーンは決して穏やかな結婚生活を送っていたわけではありません。夫の(ただ一度の?)浮気を妻は許せず、アルコールと夫への攻撃的な態度で紛らせていて、二人の間には喧嘩が絶えませんでした。しかしジョーンに脳腫瘍が見つかりその関係は一変します。手術が成功し、二人の絆も修復されようかという矢先、妻は交通事故でこの世を去ってしまいます。目の前に見えていた幸せな未来が一瞬で奪われ、アーサーは生きる希望を失ってしまったのでした。

まあ気持ちはわからないでもないが・・・それでわざわざ日本まで来なくてもとも思ってしまうぞアーサーは無神論者の科学者という設定なので、そんな彼がスピリチュアルな世界に死に場所を求めるというのも腑に落ちないのだけど、そうすると作品自体が成り立たないですね

人間、絶望的な状況になると、サバイバルの本能が目を覚ますものらしい。遺体の服を剥ぎ取り、持ち物を利用して飢えと寒さを凌ぎ、衰弱したタクミを残して救助を求めに行くアーサーにはもう死の影はなく生への執着が見えます。

救助されたアーサーは当然タクミの救出を願うのですが、捜索隊はそんな人物はいなかったと言います。

はい、ここで薄々感じていたタクミの正体・・・彼は実体がないのではないかという予感が当たるんですね~~。

私は森で亡くなった人の無念や後悔の念が形をとってアーサーに翻意させたのではないかと思ったのですが、どうやらタクミ=ジョーンということのようです。亡き妻の夫への想いがタクミという形をとって現れ、夫を現世に引き留めたということですね。このような思考は日本人には受け入れられても、当のアメリカではどうだったんでしょうね

非現実的な一種のファンタジーとして観る分には味わい深い作品だと思いました。

 


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リリーのすべて

2016年10月23日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年3月18日公開 イギリス 120分

1926年、デンマーク・コペンハーゲン。風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)と、妻の肖像画家のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)は、仲良く互いに助け合い触発しあいながら創作の日々を送っていた。ある時モデルのウナ(アンバー・ハード)の代わりに足のモデルを頼まれたアイナ―は渋々ストッキングとサテンの靴を履き、白いチュチュを腰に当ててポーズを取るが、チュチュの感触に身を委ねているうちに今まで感じたことのない恍惚感がこみあげ、自分の内側に潜んでいた女性の存在を意識する。夫がシャツの下に女性用の下着を着ているのを見つけたゲルダは、芸術家の遊びだと考え、舞踏会に女性として出席することを提案する。「アイナーの従妹のリリー」という触れ込みで舞踏会に出席したアイナ―はヘンリク(ベン・ウィショー)に口説かれ、キスを迫られて動揺。その現場を目撃したゲルダも夫にリリーになるのを止めるよう言い聞かせる。アイナ―は自分の中の女性を抑え込もうとして心身の乖離が深まり体調を崩し、放射線治療も問題の解決にならない。そんな時、ゲルダの描いたリリーの肖像画が認められ、パリで展覧会を開くことになり、二人はこれを転機とパリに移住する。そこでアイナ―は幼馴染のハンス(マティアス・スーナールツ)と出会い子供の頃から性の不一致が芽生えていたことに気付く。ゲルダは夫としてのアイナ―の愛を求めながらも、もはや受け入れられないことに苦しみ、アイナ―も自分に起きていることに苦悩する。そうした日々の中で二人の関係は徐々に変化が生じ、ゲルダはアイナ―の一番の理解者になっていく。ゲルダはドイツで婦人科医のヴァルネクロス(セバスチャン・コッホ)を探し当て、アイナ―は外科手術により女性の肉体に生まれ変わろうとする。感染症の危機を乗り越え一度目の手術は成功。リリー・エルベとして生まれ変わった彼女はゲルダとデンマークへ帰国して百貨店の香水売り場で働き始めたが、さらなる夢を叶えるため、より危険を伴う二度目の手術を決意し・・・。

 

世界で初めて性別適合手術を受けたリリー・エルベの実話を描いた伝記ドラマです。

映画を観終わって、リリー本人の苦悩より、彼(彼女?)を理解し支えた妻のゲルダの方に心惹かれるものがありました。第88回アカデミー賞でゲルダを演じたアリシア・ビカンダーが助演女優賞を受賞したのも当然の結果ですね

夫を愛しているからこそ、彼の望むことを叶えてあげたいというのはまさに無償の愛。ヴァルネクロスに「自分の内面は女性だと信じている」と話すアイナーに、「私も信じてる」というゲルダ。外科手術でリリーという女性の肉体になれば、アイナ―は消えてしまう。永遠にアイナーを失う寂しさを押し隠し、笑顔で励ますゲルダの心中を思うと本当に切ない気持ちになります。

医療技術も感染対策も十分ではなかっただろう時代に、まさに命がけの決断をしたその勇気は凄いと思うけれど、突っ走り過ぎだよ~~とも感じてしまったのは、アイナ―が自分のことしか思い及んでいないというか、ゲルダへの愛がゲルダのそれより薄い気がしちゃったからかな~

演じているエディは他の作品では男性にしか見えないのに、今作ではどんどん女性らしい仕草になっていって、表情や容姿までも女性に見えるシーンもう~~ん、演じるって凄い


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ルーム

2016年10月16日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年4月8日公開 アイルランド=カナダ 118分

ママ(ブリー・ラーソン)と5歳の誕生日を迎えたジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)は、天窓しかない狭い部屋で暮らしている。夜、二人がオールド・ニックと呼ぶ男がやってきて、服や食料を置いていく。ジャックはママの言いつけで洋服ダンスの中にいる。ママは「息子にもっと栄養を」と抗議するが、半年前から失業して金がないとオールド・ニックは逆ギレする。さらに真夜中にジャックがタンスから出てきたことで、ママとオールド・ニックは争う。翌朝、部屋の電気が切られ寒さに震えるなか、生まれてから一歩も外へ出たことがないジャックに、ママは真実を語る。ママの名前はジョイで、この納屋に7年も閉じ込められていた。さらに外には広い世界があると聞いたジャックは混乱する。電気が回復した部屋で考えを巡らせたジャックは、オールド・ニックをやっつけようとママに持ち掛ける。しかし、ドアのカギの暗証番号はオールド・ニックしか知らない。ママは『モンテ・クリスト伯』からヒントを得て、死んだフリをして運び出させることを思いつく。ママはジャックをカーペットにくるんで段取りを練習させるが、恐怖から癇癪を起こすジャック。ママは、“ハンモックのある家と、ばあばとじいじがいる世界”をきっと気に入ると励ます。しかし、「ママは?」と尋ねられると、2度と息子に会えないかもしれないと知り、言葉に詰まる。そして、オールド・ニックがやってくる。脱出劇は失敗しかけるが、ジャックの記憶力と出会った人たちの機転で、思わぬ展開を迎える。翌朝、ママとジャックは病院で目覚める。ママの父親(ウィリアム・H・メイシー)と母親(ジョアン・アレン)が駆けつけるが、二人が離婚したことを知ってママはショックを受ける。数日の入院後、二人はばあばと新しいパートナーのレオ(トム・マッカムス)が暮らす家へ行く。しかし意外な出来事が次々とママに襲い掛かる。一方、新しい世界を楽しみ始めたジャックは、傷ついたママのためにあることを決意し……。(Movie Walkerより)

 

原作はアイルランド出身の作家エマ・ドナヒューの小説「部屋」です。

母と息子の何気ない日常が描かれていると錯覚する冒頭シーンですが、どことなく薄汚れ、天窓一つしかない室内に違和感を覚えます。クローゼットで息子を寝かしつけ、やがて部屋のドアが開き・・・ああ、そういうことかと気付かされるのです。

母ジョイは17歳の時に、見知らぬ男に言葉巧みに騙され、納屋に監禁され、そこでジャックを産みました。もちろん逃げようとしましたが敵わず、ジャックが生まれると、彼を生きがいに監禁生活を耐えます。救出された後、インタビュアーの心無い質問「(子供を救うために)捨てさせるという選択肢は考えなかったのか」に彼女は激しく傷つきます。そうすればジャックは普通の子供らしい生活を送れたはずだと言うインタビュアーですが、子供を産んだばかりの、まして未成年だったジョイにそのような考えは思いもつかなかったでしょう。またもしその選択をしていたら、彼女に希望は残されたでしょうか?あまりにも他人事なこの質問には激しい憤りを覚えました。

好奇心に駆られてクローゼットを抜け出したジャックが、ベッドで眠る男と目が合った時の母の反応に驚き混乱するシーンがあります。ジョイは男にジャックを見られることを極端に嫌がります。それは息子へ危険が及ばぬようにと慮ってのことであり、またジャックは自分だけのもの、男を父親として認めまいという意識が働いてのことでしょうか。ジャックにとって、男は日曜日に食料を持ってくる人であり、それ以上でも以下でもないのですが。

この一件で、ジョイはジャックがもうある程度物事を判断できる年齢に達していると判断します。彼女は息子に、部屋の外には広い世界があること、元々は母もその世界でじぃじとばぁばと暮らしていたこと、男に誘拐され閉じ込められていること=真実を伝えます。さすがに5歳の子にとってすべてを理解することはできず混乱します。

電気を止められた(男に逆らった罰の意味合い?)ことで、ジョイはある計画を思いつきます。それは仮病のジャックを病院に連れて行かせ、ジャックの口から助けを求めさせるというものでしたが、男は薬を持ってくるといって去ってしまいます。翌日、今度は「巌窟王」の話からジャックが死んだことにしてカーペットにくるんで捨てさせる計画を思いつきます。ジャックをカーペットに包み、転がりジャンプし助けを求めるという一連の動作を練習させる姿は鬼気迫るものがあり、ジャックは脅え癇癪を起します。彼にとっては、「男」は恐い存在ですが、部屋は安らぎの場であり、「外」は想像の中にしか存在しないのです。

やがて男がやってきて、カーペットに包まれたジャックをトラックの荷台に乗せ走り出します。転がってカーペットから抜け出したジャックが広くて青い空を仰ぎ見るシーンは、初めて見た外の景色に驚く彼の心を現しているかのようでした。荷台からジャンプしたジャックに気付き追いかけてきた男に捕まってしまいますが、ジャックが通行人に助けを求めると彼を放って逃げ出します。男はジャックがまだ何もわからないと思ってたかをくくったのでしょうか。しかし警官の機転で事態は急展開を迎え、ジョイは救出され男は捕まります。

ここでめでたしめでたしではないところがこの作品の深さです。

ジョイにとってようやく安全で安心な場所に戻った筈の「外の世界」はしかし、両親の離婚、母の再婚、大騒ぎする世間といった激変した場所になりました。解放されたらすぐにでも昔の自分の生活に戻れると思っていたジョイは適応することができず傷ついていきます。ジャックを直視できない父に失望し、新しい生活を営む母に反発するジョイの姿は痛々しいほどです。

この父親・・・娘が疾走した時も、帰ってきた時も、彼は事態から逃げ出したのね。ジャックを直視できない父親にジョイは失望します。娘がいなくなったときも、きっと彼は妻を責めたのだろうなぁ 逆に母親の新しいパートナーであるレオは、二人を温かく包み込んでくれます。独りぼっちでいるジャックの気を引いて話しかける場面や、愛犬を引き合わせる場面などでさり気ないレオの優しさが感じられます。きっと娘の失踪で深く傷ついた母をレオはその大きな強い愛情で守ってきたのだろうなと思わせるのです。

初めのうちこそ、自由を取り戻した喜びに興奮していジョイですが、次第に失われた7年という月日の隔たりに苦しむようになります。あの無神経なインタビューに傷つき自信を失ったジョイは自殺を図るのですが、最初に発見したのはジャック。傷ついたママのために、彼は(パワーの源と信じている)伸ばしていた髪を切ってママに渡してとばぁばに頼みます。髪の毛のパワーで守ろうとするその健気な決心が愛しいです。

 あの男のDNAが入っているなんて思えないくらい、ジャックは可愛く聡明です。ジャックが最近できた友達とボール遊びをしているところに回復したママが帰ってきて抱きしめるシーンも感動的ですが、ラストがまた秀逸。もう一度「部屋」を見たいといったジャックの意図がわからなかったのですが、部屋の備品一つ一つに別れを告げていくジャックが最後に「ママも部屋にさよならして」というの。それは過去を断ち切り前を見て歩くという彼なりの意思表示なのだと思います。うん、この二人ならきっと大丈夫!と思えるラストでした。


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シビル・ウォー キャプテン・アメリカ

2016年10月15日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年4月29日公開 アメリカ 148分

力を一つに合わせ、世界の危機を何度も救ってきたスーパーヒーロー・チーム“アベンジャーズ”。しかし、その強大な力を危険視する声が高まり、彼らを国連の監視下に置くことが議論される。これに対し、アイアンマン(ロバート・ダウニー・jr)はアベンジャーズを守るためには受け入れざるをえないとの考えを示す一方、キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)は己の信念を貫きこれに強く反対する。そんな中、ウィーンで新たなテロ事件が発生し、キャプテン・アメリカの旧友バッキー(セバスチャン・スタン)が容疑者として指名手配されてしまう。アイアンマンとの対立が深まる中、重い決断を迫られるキャプテン・アメリカだったが…。(allcinemaより)

 

マーベルコミック原作「キャプテン・アメリカ」シリーズの第3作で、「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」から約一年後の物語です。

今回はキャプテン・アメリカとアイアンマンの対立が描かれていますが、先日観た「バットマンVSスーパーマン」といい、ヒーロー同士の諍いがテーマが最近の傾向なの?更に今作はマーベルコミックのヒーローが一堂に会して戦うって何だか日本の「ヒーロー大集合」と似た構図だなぁおまけに巨大化まで登場に至っては戦隊もののパクリかよ!と突っ込みを入れたくなりました。

そもそもアメリカのヒーローものといえば、派手に周囲をぶっ壊して暴れまくるのが定番で(日本の怪獣映画もそうだけど)、敵を倒すためには庶民の犠牲なんて目に入らない、というかないものとして描かれるのが当たり前で、そこに突込みを入れるのは野暮なのかと思うくらい突き抜けていたものですが、最近はそういう影の名もなき被害者に焦点を当てる方向に変わってきている気がします。

今作も、アベンジャーズの戦いの陰で犠牲になった者の復讐のために、彼らに仲間割れを引き起こそうと画策した者の存在があります。

アイアンマンは大局的見地から論理的に物事を収めようとし、キャプテン・アメリカは己の信念に基づいてあくまでも拒否します。どちらも自分が正しいと譲らず、アベンジャーズのメンバーもそれぞれ二派に別れてしまうのです。(今回ソーとハルクは登場しませんが、スケジュールの都合かしらん?)国連の監視下に置かれるということは、自分たちの意思で行動できないということを意味します。個人的にはキャプテンの「自らの行動は自らの責任で持つべき」という考え方に一票かな 前作でも感じましたが、アイアンマンは現場の戦士というより管理者としての立ち位置に移っている感が否めないです。彼は自分の会社の武器が他国の弱者を苦しめていることを知って武器製造から手を引こうとしたり、一般市民を危険に曝した自責の念から国連の提案を受け入れようとしますが、それは彼自身の自己満足に過ぎないとキャプテンはばっさり切り捨てるの。

二人の意見のすれ違いはそのままアベンジャーズの面々の間の緊張感を高め、やがて二派激突へと向かいます。いやいや、ヒーロー同士戦ってどうすんのよ~~

 キャプテンアメリカ(スティーブ)側は、エージェント13(シャロン)、ファルコン(サム)、ウィンター・ソルジャー(バッキ―)、アントマン、ホークアイ(クリント)、スカーレットウィッチ(ワンダ)。

アイアンマン側はブラックウィドウ(ロマノフ)、ブラックパンサー(ティ・チャラ)、ウォーマシン(ジェームズ)、ヴィジョン、スパイダーマン。

いやいや、これだけのヒーロー全部を覚えているか、知っているかというと、何人かは記憶が怪しい。どの作品で誰と誰が出てきたかも(ちなみに、エンドロール後のおまけ映像は二つあって、それぞれ「ブラックパンサー」と「スパイダーマン」の新作の予告宣伝でした。

スティーブがバッキ―を昔の友人としてあくまでも信じる姿はまさに正しいヒーロー像です。バッキ―は洗脳により殺人マシーンとして働かされていたわけで、本来の彼は善良な人間だと信じているのです。(バッキ―自身は自分がしたことについての罪悪感は持っているのですが)バッキ―がトニーの両親を惨殺したことを彼は知っていて、でもトニーの事を思って秘密にしていたことも明かされます。真実を知り怒りに任せて戦うトニーとバッキ―を庇って戦うスティーブの姿を、ヒーローたちへの復讐を企んだジモ大佐が冷めた目で見ている図が印象的です。同じくバッキ―に父王を殺されたと思い込み復讐に燃えていたたティ・チャラは、復讐の連鎖の虚しさに気付くの。同じ立場にありながら逆の道を選ぶ二人も対称的でした。

色んなマーベルコミック作品がある中で、一度おさらいしてみようか!的位置づけでいいかも。

そしてヒーロー作品も岐路に立っているなと感じさせる展開でもありました


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永い言い訳

2016年10月14日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2016年10月14日公開 124分

人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(本木雅弘)は、妻(深津絵里)が旅先で俘虜の事故に遭い、親友とともに亡くなったと知らせを受ける。その時不倫相手と密会していた幸夫は、世間に対して悲劇の主人公を装うことしかできない。そんなある日、妻の親友の遺族であるトラック運転手の夫・陽一とその子供たちに出会った幸夫は、ふとした思いつきから幼い彼らの世話を買って出る。保育園に通う灯りと、妹の世話のため中学受験を諦めようとしていた兄の真平。子供を持たない幸夫は、誰かのために生きる幸せを初めて知り、虚しかった毎日が輝きだすのだが・・・。(ちらしより)

 

「ゆれる」「ディア・ドクター」の西川美和監督作品です。原作も監督自身の作品です。

「ゆれる」は(好みとして)ダメでしたが「ディア・ドクター」はだったのと、主演がモックンということで期待を込めての劇場鑑賞でしたが結果でした。

衣笠幸夫というのは有名野球選手と同姓同名なのね 凡庸な自分と比較されたくなくて妻から「幸夫君」と呼ばれることを厭う夫は、プライドだけは高いけれど自分に自信が持てずにいるダメダメ君です。売れない時分から支えてくれた妻との間にはもう愛情と呼べるものも存在していなくて、妻の留守を良いことに愛人を連れ込んで不倫していた幸夫は、妻の事故死を聞いても涙の一粒も出てきません。世間体を取り繕うために悲しみにくれる夫を演じながらも、彼の中には妻の死を悼む気持ちも湧いてこなかったのです。

遺族に向けたバス会社の説明会の席で、彼は同じように妻を亡くしたトラック運転手の大宮と出会います。彼は妻の親友の遺族であり、幼い二人の子の父親でした。妻の死に憔悴し涙する大宮と、母の死で進学を諦めようとしている長男とまだ幼い長女を見て、幸夫は子供たちの面倒を見ようと申し出ます。何故?その理由は幸夫自身にも説明できません。素直に泣くことのできる大宮が羨ましかった?遺された子供たちの面倒を見ることが不実だった自分への免罪符になると思った?自分が望まなかった子供のいる人生を疑似体験してみたかった?色んな思いが彼自身を衝き動かしたのかもね

長男がまた良い子なの私立受験を妹の面倒を見るために諦めようとした彼は、塾へ行っている間は幸夫に任せられるけれど、それ以外の時間は母親代わりであり、父が仕事で家を空けている時は父親代わりにもならなければいけません。小学生の彼にとっては重すぎる荷です。ついつい亡き母へ泣き言の一つも言いたくなるし、いつまでも妻の死から立ち直れない父親に反発したくもなります。

でもね、泣ける人はそこから立ち上がれる人でもあるのよね。泣くだけ泣いたら前を向いて歩いていけるの。

ところが泣けない幸夫は、歩きだそうとする大宮父子に置いて行かれるような寂しさを感じます。本音をぶつけあう食卓のシーンは子供がいる前で良いの?と思うほど過激なセリフが飛び交いますが、この痛みが幸夫には必要だったんだろうな

亡くなった妻への想いに改めて気付いた幸夫にとって、妻の携帯の送信されなかった「もうひとかけらも愛していない」という文言は鋭いナイフのように心を突き刺す毒であり、それまでの自分への罰のようにも思えたかもしれません。

でも・・妻がもし生きていても、このメッセージを夫に向けて送信することはなかったのではないかしら?それとも旅行が終わったら夫との結婚生活にも終止符を打とうとしていたの?これは永遠の謎ですが、個人的には前者だと思いたいなぁ。

夫婦って・・・やっぱり色々大変だ


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マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章

2016年10月10日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2016年3月4日公開 イギリス=アメリカ 123分

様々な事情でインドに滞在する5人の男女たち。彼らは高級ホテルになる予定のボロホテル“マリーゴールド・ホテル”を今ではすっかり気に入っていた。そんな彼らに新たな選択が待ち受ける。イヴリン(ジュディ・デンチ)は才能を生かしたビジネスチャンスを手にするが、互いに好意を抱くダグラス(ビル・ナイ)との関係を前に進める勇気はなかった。副支配人として大活躍のミュリエル(マギー・スミス)は皆を見守っていたが、彼女にも誰にも言えない秘密があった。一方、若きオーナーのソニー(デヴ・パテル)はホテルの拡大と恋人との結婚という二大イベントを前に、次々と問題を起こしてしまう。そんなある日、ホテルに謎めいた客ガイ・チェンバーズ(リチャード・ギア)がやって来る。出会いを求めていた女性陣は男前な彼の登場に「卵巣がうずく」と色めき立つが……。(Movie Walkerより)



インドのリゾートホテルにやって来たイギリス人シニアたちが織り成す人間模様をユーモアたっぷりに描いた「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」の続編です。前作に引き続きジョン・マッデン監督の下、ジュディ・デンチ、ビル・ナイらおなじみのメンバーの他、リチャード・ギアが新たに加わっています。できれば劇場で観たかったけれど、こういう作品って単館系になっちゃうのよねなのでレンタル待ちでした。

ホテル事業拡大のため、アメリカを訪れたミュリエルとソニー。相変わらずの辛辣な物言いが痛快なミュリエルです。商談は一応成功しますが、実態確認のための覆面調査員が来ることになり、ガイがそうだと思い込んだソニーは、もう一人の女性客と比べてあからさまな対応をします。観ている方も「彼は違うよ、もう一人の方だよ」と思ってしまうのですが、これが後で思わぬ展開に。

スナイナ(ティナ・デサイ)と婚約したソニーですが、自分よりなんでもよくできる親友が戻ってきて彼のコンプレックスが刺激され、買うつもりだった候補のホテルも取られて大ショック。スナイナとの仲にも亀裂が走ってしまいます。若さゆえの誤解や突っ走りが、シニアたちの恋模様とはまた違う味付けになっていました。

一方イヴリンとダグラスの仲は今時中学生でももう少し発展するだろうと思うほどの遅々とした進展・・というか全然変わってないし互いに相手に拒否られた時のショックを思うと一歩踏み出せないでいるのがもどかしい。 でもイブリンは仕事仲間の男性に、ダグラスは娘に背中を押されてその一歩を踏み出すのね

話の中で複数回登場する「今じゃなくてどうするの」みたいなセリフが彼らの年齢ではグサっと突き刺さってきますね命短し恋せよ乙女!です。

ノーマンは愛する女性はキャロルだけと決めたものの、浮気心も抑えきれずにうっかり軽口をたたいたばかりにキャロルを危ない目に遭わせたと思い込み大慌て。心配のあまりキャロルを尾行して彼女が浮気していることを知り更にショックでもこれは二人とも勘違いをした結果だったということで、このカップルは雨降って地固まるな展開でした

二人の男性の間で迷う女性は結局お抱え運転手と良い感じに。これもある意味定番だけど、年の差や収入や環境考えたらすごい冒険かも

ガイ(貴公子ギア様健在)とソニーの母の恋模様も描かれています。最後は親友の提案を受け入れ素直に自分の非を認めたソニーとスナイナの華やかでカラフルな結婚式とインド映画らしいダンスシーンを楽しんで・・・

あれ?ミュリエルってば途中で帰っちゃうの?健診結果を聞いたあとの彼女の表情がなんとも微妙だったのはこのための伏線だったわけね。心配したソニーが様子を見に来ますが、大丈夫といって会場に戻るように言うミュリエル。いや、たぶん大丈夫じゃない・・筈。でもその日は「今」じゃないのね。だけど確実にやってくるのね、な終わり方でした。

マリーゴールド・ホテルではソニーが生存確認のため毎朝点呼をとるのですが、その時の個々のお返事もまた個性が出ていてツボでした


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許されざる者

2016年10月09日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2013年9月13日公開 135分

2016年10月3日放送 日テレ 映画天国

明治13年。開拓が進められている北海道に、かつて人斬り十兵衛との異名を持ち恐れられていた幕府軍残党・釜田十兵衛(渡辺謙)がいた。十兵衛は愛する女性と出会ってから刀をしまい、子どもをもうけた。幸せも束の間、妻は早世し、男は幼い子どもを抱えて貧しく厳しい生活をしていた。そこへ、かつての仲間がやってくる。そして、無残にも切りつけられた女郎のこと、街を牛耳る暴力的な支配者がその事件に関して深追いさせないこと、女郎は支配者に逆らい仲間たちとともに賞金を作り敵を討ってほしいと懇願していることを話す。十兵衛は自分のためではなく他の者のために、あらゆる覚悟を背負い、再び刀を手にするという苦渋の決断をする……。(Movie Walkerより)


クリント・イーストウッド監督・主演の西部劇「許されざる者」(1992)のリメイクです。

舞台は江戸幕府崩壊後の明治初期の北海道。開拓民が入り、アイヌは虐げられています。

十兵衛はアイヌの女と出会ったことで変わります。殺伐とした生き方を捨て、一人の名もない男として夫として、父として生きることを選んだのです。しかし愛する妻に先立たれ、痩せた土地から得られる収穫も殆どなく極貧の中、子供らのために元相棒だった金吾(柄本明)の話に乗ります。

遊女のなつめ(忽那汐里)が元仙台藩士の堀田左之助(小沢征悦)に切り付けられたのはささいな事が原因です。男にとってはプライドを傷つけられることではあるでしょうけど、絶対的弱者に対しての仕打ちとして、男として、人としてそれは許されない暴力です。 (ちなみに弟の卯之助(三浦貴大)は加担してないんだけど、結局兄と同罪な扱いなんだな~~ちょっとばかし可哀相な気も。。。)彼らに対する警察署長(佐藤浩市)の裁定は甘々。馬六頭で無罪放免って、それでは遊女は馬以下の扱いそりゃ~お梶(小池栄子)ら女郎たちが傷つき怒るのも当然さあね で、貯めたお金を吐き出して賞金首を懸けたってわけ。

この警察署長ってばめっちゃ俺様タイプ。おそらくは北の果てに飛ばされた鬱憤も溜まっているのでは?彼は賞金目当てにやってくる男たちを容赦なく追い払います。それが薩長出身者となれば憎さ増し増し長州出身の勤王の志士・北大路(國村隼)なんて、もういいカモというか鬱憤晴らしの対象でズタボロにされます。彼の腰巾着の小説家(滝藤賢一)は日和見主義者?さっさと所長に鞍替えだもんな。

さて、金吾と合流した十兵衛の前に現れたのは五郎(柳楽優弥)というアイヌと和人のハーフの青年です。ハーフ故の異端視に曝されながら逆境を生きてきた彼は、これを好機と加わるのです。初めは邪魔者扱いして追い返そうとした十兵衛ですが、その境遇を知り仲間に加えます。

女郎たちに会い、賞金首の似顔絵を見た彼らですが、この時十兵衛は署長に見つかり、無抵抗なまま顔を傷つけられます。(幕府残党として手配書が回っていたんじゃなかったっけ?もう時効なの?)この時十兵衛は初めてなつめの心の傷の痛みを我が事として共有したのかな。

初めに弟を十兵衛が、次に兄を五郎が討ちます。(金吾は弟に致命傷を与えますが直接殺してはいません。)しかし、金吾が署長に捕まり拷問の末殺されてしまうの。どんなに責められても決して口を割らなかった金吾、カッケ~~!!

それを知った十兵衛は、五郎となつめに賞金と妻の形見を預け(こどもたちに届けるよう頼んで)一人警察署に乗り込みます。壮絶な戦いの末その場の殆どを切り殺し(ここは元版だと銃撃戦なんだろうな~~)重傷を負った彼はどこへともなく姿を消すのでした。五郎となつめは十兵衛のこどもたちと暮らしていくのかな~

ずたずたにされたにしては綺麗すぎるなつめの顔が気になりましたが、極貧を思わせる衣装や、警察という権力をかさにきた署長の横暴さ(普段良い人役の多い佐藤さんですが、めっちゃ悪人面してました)、有無を言わさぬ暴力の醜さなど、和製リメイクとして成功しているのではないでしょうか(この手のジャンルは苦手なので、地上波放送だから見たけど、レンタルしてまではいいかな


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サバイバー

2016年10月09日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2015年10月17日公開 アメリカ 97分

ロンドンのアメリカ大使館に赴任した外交官ケイト(ミラ・ジョボビッチ)は不審な入国者の存在に気づくが、伝説のテロリスト・時計屋(ピアース・ブロスナン)に狙われ爆弾テロのターゲットになってしまう。どうにか生き延びたものの爆弾テロ犯の濡れ衣を着せられた彼女は、時計屋のみならずアメリカ国家やイギリス警察からも追われる身に。そんな中、大みそかのニューヨーク・タイムズスクエアにテロの危機が迫っていることを知ったケイトは、人々の命を救うべくたったひとりで戦いに挑む。(映画.comより)

 

ミラ・ジョボビッチ&ピアース・ブロスナン共演の、伝説のテロリストに立ち向かう女性外交官の死闘を描いたサスペンスアクションです。豪華な出演陣なのにストーリー的には何だかな~アメリカ映画お得意の、一人のヒーローが世界を救うパターン全開の作品です。

そもそも、伝説の、と冠がつくのにあんなに何度も暗殺しそこなってるなんて、ちっとも伝説じゃないじゃん!とまず突っ込んでみる

不審人物として医療ガスの専門医をマークしたケイトは、イギリス警察のアンダーソン警部(ジェームズ・ダーシー)から不当調査と抗議され、クレイン大使(アンジェラ・バセット)からも厳重注意を受けます。直属の上司であるサム(ディラン・マクダーモット)だけが彼女を擁護してくれているのだけど、彼女を抹殺しようと仕掛けられた爆弾テロをからくも逃れたことで、逆に容疑者として指名手配されることに

同僚のビル(ロバート・フォスター)が家族を人質に脅されて敵に協力していたことを知り、愕然とするケイト。協力してくれたサムもこの時、暗殺者の凶弾に倒れ重傷を負ってしまいます。

ケイトの経歴にエージェントとしての訓練が含まれていたとは思えないのですが、都合よくすべての追手から逃れ、「伝説の」暗殺者からも生き延びて事件の真相を掴み、挙句一人でNYに乗り込んでテロを阻止するって・・・まさに超人的な活躍 (ま、ミラだし、フツウの女性役なわけないか。)彼女を可愛がっていた筈の大使はさっさと見放してしまうし、味方のサムとは感情芽生えてるしで、人間関係も何だかな~。

大晦日のNYのカウントダウンのミラーボールに仕掛けられた爆弾?を時計屋が離れた距離から銃で狙って撃つという・・・もっと単純な時限装置で十分じゃない?

そして闘いスキルは素人のケイトに足元救われ、哀れ殺し屋は転落死。元007役の末路があれってどうよ

あまり深く考えず、知的美女がNYを救うため活躍する謎とアクションを楽しめばOKってことですね。


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世界一キライなあなたに

2016年10月03日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2016年10月1日公開 アメリカ 110分

イギリスの田舎町。ルイーザ・クラーク(エミリア・クラーク)は、お洒落をすることが大好きな26歳。ある日、働いていたカフェが閉店することになったルーが新たに得た職は、バイクの事故で車椅子生活を余儀なくされ、生きる希望を失ってしまった大富豪ウィル・トレイナー(サム・クラフリン)のお世話係をする期間6ヶ月の仕事だった。最初はルーに冷たく当たるウィルだったがルーの明るさが、ウィルの頑な心を溶かしていき、やがて2人は恋に落ちていく。しかしある日ルーは知ってしまう。ウィルが決めた「生きる時間」があとわずかだということを・・・。ルーは、ウィルを胸躍る冒険へと連れ出し、生きることの喜びを思い出させようとする。だが、コンサートも南の島への豪華旅行も、すべてが初めての経験で戸惑うルーに、人生の本当の楽しみ方を教えてくれたのはウィルの方だった。外の広い世界、そして、【自分の可能性を信じること】をウィルに教わったルーは、自信に満ち溢れた女性へと変わっていく。だが、その日は近づいていた──。(公式HPより)


ジョジョ・モイーズの恋愛小説「ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日」の映画化です。

ルーは明るく前向きな性格ですが、自分の夢にチャレンジすることに躊躇いを感じ、毎日を何となく過ごしていました。6年勤めたカフェが閉店し失業した彼女は、家族のために次の仕事を見つけなくてはなりません。(未婚の母の妹は大学に復帰予定だし、父親も失業中で彼女が頼りの状況)高給につられて応募したものの介護経験もない彼女の武器は笑顔とお喋り。元々は快活でスポーツ好きなウィルですが、生きる希望を失っているため、初めはルーにもつっけんどんで不愛想に当たります。でも次第にルーの明るさが状況を変えていきます。

映画の見所の一つがルーのファッション。奇抜というか、カラフルというか(田舎町でよくあんなデザインの靴とか服とか手に入れられるものだという疑問はひとまず置いといて)普通じゃないけど、なんか可愛いの

彼女には7年超しの恋人パトリック(マシュー・ルイス)がいますが、トライアスロンオタクの彼とルーの方向性はなんかズレてます。ルーは彼の趣味にそれほど興味があるようには見えません。でも特に不満があるわけでもないのね。(だから7年もダラダラ付き合ってたわけですが)彼は失業した彼女を慰め、新しい職が決まると応援してくれる良い奴です。

ルーと面接したウィルの母(ジャネット・マクティア)が彼女のどこを気に入ったのかは映画ではいまいち伝わって来なかったけれど、たぶん前向きな明るさ、かなウィルの父親(チャールズ・ダンス)も優しそう 看護士のネイサン(スティーブン・ピーコック)といい、ウィルを取り巻く人たちは皆優しい善人ばかり。なのにその選択は納得いかんぞ、ウィル!というのが正直な感想になりますが

二人の間に友情が芽生え始めた頃、ウィルの元カノのアリシアと彼の親友が結婚の報告に訪れます。下世話に言えば元カノが親友とできちゃったってこと。皮肉の一つも言いたくなるよ、そりゃ。写真立て落とすくらいしかできない我が身の不自由さに歯噛みしちゃうよね。

でも、元カノだって、恋人が再起不能の重傷な怪我をしただけでもショックなのに、ず~~っと拒絶され続けていたら自分は彼にとって不必要な存在なんだと思ってしまっても仕方ない気がします。彼女だって傷ついていたのだもの、誰か手を差し伸べてくれたら縋りたくもなるというもの。ここで生涯の献身を求めることは、ウィルの望みと対極にありながら根底は同じことだと思うな。

で、ウィルの望みですが、ずばり尊厳死。事故の前の自分とあまりにもかけ離れた状態、愛する者に応えられない自分に絶望し、希望のない未来に耐えられないというわけです。これは恵まれた環境に育った故のある種の我儘にも感じられますが、もし自分が若くしてウィルと同じ状態になったとしたら・・・彼の選択を傲慢だと責められるか自信がありません。

ルーは彼の望みを知って何とか思いとどまらせようと外に連れ出して「楽しいこと」を積み重ねていきます。競馬や元カノの結婚式、景勝地への自家用ジェット?での旅行。普通の恋人たちではありえない設定も大金持ちの息子、理解ある両親の存在というウィルの環境が成せるファンタジー。いかにも女の子受けする設定です。

初めは新しい仕事に就いたルーを応援してくれていたパトリックも焦り出します。彼にしたら、そこまですることないよ!という思い。わかるわかる仕事と俺、どっちを取るの?も逆パターンですがよくある話。でも自分大好きなパトリックの傾向が伏線として描かれているため、観る側はさほど同情する気が起きないという・・・う~~ん、ちょっと可哀相かな

最高に幸せな時間の中、ルーはウィルに思いとどまって欲しいと訴えますが、彼の決意は変わらず、失意のうちにルーはウィルの元を去ります。ルーの母(カトリーナ・クラーク)は信仰心の篤い女性のようで、彼の決意を理解できず、もう会わない方が良いと言いますが、父(バーナード・クラーク)は彼女に自分の心に問うようアドバイスします。この両親も良い人たちなのよね~

ウィルが永遠の休息に就くため訪れているスイス(尊厳死が認められている?)にルーも赴き、最後の会話を交わし・・・場面はパリへ。

ウィルはルーの未来を🎁してくれました。彼女はウィルの最高の思い出の地であるパリのカフェで休み、彼に似合うと言われた香水を求めます。

結局最後まであざといくらいにふわふわの夢物語ですね。あまり豊かではない経済状況のルーが、安物には見えない靴や洋服を次々と着ていたり、ウィルとのデートはとびきり贅沢なものだし、そもそも、美人とは言い難い(意見には個人差があります)彼女が彼のを射止めたこと自体ファンタジーだし そういう作品ですもんね。


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ガチバン WORST MAX

2016年10月02日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2012年9月1日公開 73分

義男(鈴之助)はファッション雑誌のモデルにスカウトされ、胡散臭いモデル事務所を訪れる。一緒にいた黒永勇人(窪田正孝)は、モデルの紅井レオ(荒井敦史)のボディーガードとして雇われる。カリスマモデルとして名を馳せるレオは、裏では闇金融業を生業としていた。レオは勇人に、「金がこの世を支配する」と言い切り、情け容赦なく債務者から金を巻き上げる。借金まみれの女・綿谷三保(尾崎ナナ)はレオに体を売らせて暴力をふるうレオに怒りを募らせた勇人は、三保を助けようとするが……。

 

「クロニクル」を先に観て、勇人とレオの関係をおさらいしようとレンタルしてみました。

レオ(16歳にはとても見えんぞ)が勇人(18歳)をじじい呼ばわりするのは、この時の関係性があったからなのねついでによっちゃん先輩は20歳

 どうみても怪しいモデル事務所のスカウトマンの甘い言葉にあっさり釣られ、半額負担でも50万の授業料を払い、しかも悪徳金貸しから借りるって・・よっちゃん先輩どこまでもおバカ

脇で醒めた目で見てるのかと思った勇人ですが、モデルデビューが決まったと張り切る先輩を見る笑顔がとても嬉し気。そっか~~勇人も先輩が騙されてるって思ってなかったんだ。おバカだから・・もとい素直な性格だから?

ボディガードでレオと一緒にいると、彼の裏の顔もわかってきます。面白くはないけど、俺の問題じゃないしってな感じで斜に構えていた勇人だけど、女の子にはやっぱり優しい。「ありがとう」の一言で律儀にせっせと毎日自分がボディガードで稼いだお金をあげちゃうのね。

「俺、人に感謝なんてされたことないから、あんたのありがとうはうれしかった」なんて・・・泣けますね~~なのにこの女、借金チャラと言われて勇人にあんな酷いこと、よくできるな

血だらけになった形相がホラー並みに怖いぞ

レオの仕掛けた罠にまんまと嵌った勇人ですが、その後のタイマンが凄かった!刺された場所からどんどん出血しシャツが血染めになっていく中、あんな拳や蹴りが良くできるもんだ!!アドレナリン全開で痛みなんて感じないとしても・・・凄すぎです

(ボディガードのお仕事で不良グループをあっという間にのしちゃった時はほぼ無傷で華麗な喧嘩の舞を披露していたのですが、これは安心して見てられたけど

じじい舐めんなよ~~ガキが!!

お約束通り、先輩もまんまと嵌められてあっという間に借金まみれ。これはもうバックレるなと思ったらやっぱりな展開。ある意味安心

「夢を持てよ」という先輩に「俺に夢の見方教えてよ…」という勇人にキュンキュン

お前は一生ヤンキーやってろっていう先輩は、勇人に自分の夢も重ねていたのかもね。


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さだまさしコンサートツアー2016 月の歌 ソロ通算4193回

2016年10月01日 | ライブ・コンサート他
2016年10月1日 国際フォーラムホールA 17時開演 

今年のツアーは5月の川口に次いで二度目の参戦です。
5分押しで始まったのは、まっさんが隣のホールで行われている岩崎宏美さんのコンサート(5分押しで開演)に花束を持って乱入したからという・・・ご本人は開園5分前に楽屋に戻ったけれどメンバーが着替えてなかったとこれもネタ?

セトリは前回とほぼ変わっていませんが、ニューアルバム「御乱心~オールタイム・ワースト~」発売にあたり、シラミ騒動組曲第三楽章が追加されています

開演直前に係員に案内されて入ってきたのは、めざましキャスターの三宅さん。
TVで拝見するより痩せて見えます。普通に入ってきて、終演後も普通に出て行かれました。
客席には他にもクリス・ハートさんがいらしてたようで、こちらはまっさんが名前を出していました。そして彼はアンコール前に退場されてたような

・交響曲
・殺風景
・童話作家

MC:5分遅れた理由、鬼平犯科帳に白玉売りで出演のため噺家に白玉売りの掛け声を習った話

・案山子
・天までとどけ

MC:バックメンバー(さだ工務店)紹介、生さだ出演情報、大晦日の会場はここ(国際フォーラム)、永六輔さんとの思い出話、11月にアルバム「永縁」発売、カラオケの自分の歌で低得点話

・片恋
・小夜曲

MC:ワーストアルバムからシラミ騒動組曲披露
・第一楽章「シラミ騒動」ボサノババージョン
・第二楽章「シラミ逃亡」
・第三楽章「シラミー・ナイト・フィーバー」
第三楽章ではステージメンバーが「さだ工務店」タオルを手にステージ前方で華麗な?ダンスを披露
若手より熟年メンバーの方がノリが良かったです。曲が終わると各自タオルを客席に投げ込んでくれましたが、倉田さんの遠投力に>倉田ファンです
客席前方が羨ましいぞ

「4番は?」の声に「ちゃんと考えてるよ!今度は和音階でシラミ色々、演歌調で」ですって楽しみですね。

風に立つライオン基金の話

・北の国から 
客席を立たせ、軽い運動(背伸び、腕上げ・腰をひねる)の後発声(共に歌います)
ステージメンバーも客層もそれなりの年齢になり、途中休憩のない今回のツアーではこんな息抜きも求められるようになったということですね

MC:両親の話から中学の国語教師で歌人の恩師が詠んだまっさんに関する5首
お母様の好きだった曲から二曲

・おそらくあなたに聴こえない小夜曲
・舞姫

MC:今年逝ってしまった縁のある人たちについて、命について

・あと1マイル
・戦友会
・Bye Bye Guitar

余談ですが、先日知人が違反者講習(自動車免許)を受けた際、まっさんの「償い」が流れたそうです。まだ使われてるんだな~~。これも不変の名曲だな~とそんなことを思い浮かべていました。

Ac遥かなるクリスマス

終演は19:55でした。

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