浄福寺・お寺のいろいろ日記

福岡県豊前(ぶぜん)市・下河内(しもかわち)浄土真宗本願寺派・上毛組(こうげそ)浄福寺の坊守の日記です。

たった一人でも。

2024年04月26日 | Weblog
4月26日(金)

先日、上毛組巡回研修会があり、浄福寺より3名でお参りさせていただきました。

ご講師の井上見淳先生のお話をお聴聞させていただきました。

ハッとさせられた話が、大谷翔平さんの通訳の水原さんの話でした。

大谷さんの人気とともに有名になった彼の周りにはきっと、たくさんの人がおられたでしょう。

でも今、彼の周りに誰かいるだろうか、たった一人孤独の中にいるんじゃないか、それが世間です、という話でした。

世間はピラミッドの一番上にいる人を崇め、褒め称えるけれども、阿弥陀さまのお慈悲はピラミッドの一番下の人にまず注がれていく、ということを改めて聞かせていただきました。


お釈迦さまはまさに、一国の王子であり、ピラミッドの頂点におられた方だったでしょう。

でも、そのすべてを捨てられて、求められたのは、何一つ持たなくても、一人も味方がいなくなって、たった一人であっても大丈夫という世界でした。

世間をすべてとして生きない、仏さまの話を聞いて歩みましょう。


明日よりご法座です。

どうぞお参りください。




なかなか余裕がない日々。

2024年04月16日 | Weblog
4月16日(火)

あっという間に新年度になりました。


五日間、本願寺の常例布教に出講させていただきました。

いつか私も…と憧れていましたが、緊張で大変でした。

それでも、お尋朝のご法話の後、振り返ってご真影(親鸞さまのお像)の前に座り、お参りさせていただけたことは本当にありがたかったです。

その間に桜が咲き、あっという間に散りました。


住職が兼業していた事務職を退職したため、余裕があると思っていましたが、なかなか落ち着かず…

もう少しブログ更新ができるように、がんばります!


春のはたらき。

2024年03月12日 | Weblog
3月12日(月)



飾る場所は変えてしまいましたが、時間が経ってサンシュユの花が咲きました。



黄色のふわふわした花がとてもかわいいです。

「春は目に見えぬ 花咲かせるはたらき」

という法語があった気がします。

ここにも春が届いています。

それと同じように、「なもあみだぶつ」称える私のもとに、阿弥陀さまが届いています。



彼岸会、永代経のお勤めをいたします。

私たちの同期の御講師です。

ぜひお参りください。

そして、ご講師が今、布教団のお世話をなさっている関係で、本山常例布教のお声をかけていただき、住職の代わりに私が出講させていただくことになりました。

大きな大事で、今、焦りまくっています…

赤い相棒。

2024年03月04日 | Weblog
3月4日(月)

もうすぐ10年というところで車の調子が悪くなり、調べるとハイブリッドのバッテリーを替えないといけないということでした。

普通のバッテリーと違い、結構な高額なので、それならと車を買い替えることになりました。

「20年乗ったぼろぼろの鉄の塊が愛おしく思えた」と紫藤先生のお話にあった気がしますが、車を見送る時はいつも切ない気持ちになります。

「あんな赤い車乗って」と言われたこともありますが、10年前、私を含めて友人5人が赤の車でした。

そういう時期だったのでしょうか

目立つ色とナンバーで、どこですれ違っても、すぐに気づかれていたのですが、

今回は、たまたまご縁があったレンタカー上がりの中古車なので色は選べず…

これからは気づかれにくくなるでしょう。

今までいろいろなところに連れて行ってもらって、よく頑張ってくれました。

晴れの日も雨の日も一緒に歩んでくれて、ありがとう。




長年ありがとうございました。

2024年02月29日 | Weblog
2月29日(木)

お隣のお寺のおばあちゃんが亡くなり、お通夜お葬儀にお参りしました。

お参りにおいでた門徒さん一人ひとりに声をかけていたお姿を懐かしく思い出します。

認知症を患ったこともあり、晩年は6年間病院で過ごされました。

最後は緑内障で目が見えなくなっていたそうですが、お正信偈のおつとめを看護師さんとされていたそうです。

認知症で家に帰れなくなったおばぁちゃんと田んぼからご自宅まで一緒に手を繋いで帰ったことを思い出します。

たとえ何もかも忘れてしまっても大丈夫という仏さまのお救いを頼もしく思います。





原点。

2024年02月22日 | Weblog
2月23日(金)

最近、毎晩のように、「死にたくない、死んで欲しくない」と言って泣く娘…

そういえば息子にもそんな時期があったと懐かしく思い出します。

とりあえず、「死んだら見えんくなるだけよ」と言ってみると、

「死んだ人からこっちは見えるん?」と、また聞くので

「見えるよ」と答えると、

「なんで死んだこともないのにそんなこと言うん!?」と怒られました…

知らないことをいかにも知ったように、わからないことをわかったように話してないかと反省します…

「仏さまが、死ぬんじゃない、仏さまの国に生まれてくると思ってほしいって言いようけ、あーちゃんは仏さまの言うことを聞いて、死ぬのが怖いけど、生まれると思おうかな」と話してみると、しぶしぶ自分もそうする、といった感じで、それが毎回繰り返されます…

死んでいくことの恐怖と先立たれることの寂しさ、これがきっと宗教の原点でしょう。

はるか遠くへ羽ばたいていきそうな娘と覚悟していますが、仏さまのお話を聞きながら歩んでほしいと思います。




組内のお寺さんでお取り次ぎさせていただきました。

こちらのお寺さんは私が布教使になってすぐの頃からご縁をいただいていたお寺さんです。

初めての布教から15年、お聴聞くださり、お育てくださったことに改めて感謝しました。


春。

2024年02月15日 | Weblog
2月15日(木)涅槃会

数日前、久しぶりに夢に父が出てきました。

「たまには抱きしめてやらな」と周りのおじちゃんたちに促されて、父が私を抱きしめてくれた夢でした。

夢の中でも泣き、母に伝えるときも泣きました。


さて、急に暖かくなり、春の訪れを感じる頃となりました。

娘のお雛様を今年はお庫裡の玄関に出してみました。




今月の上毛組法語ポスターです。



すべての葉を落とした桜にはかたいつぼみがしっかりとたくさんついています。


自分の知らない自分の顔。

2024年02月08日 | Weblog
2月8日(木)

「ママ、怒った時はおでこに三本シワができるよ、眉毛はこんな感じに釣り上がってる」

最近、娘から言われてドキッとしたこと。

自分ではおでこのシワなんて見たことがありません。

鏡で見る自分は機嫌の良い顔ばかり。

怒った顔を鏡で見れば、少しは怒らなくなるでしょうか…。

あまり知りたくなかったけど、自分の知らない自分を知らされました。



見えなかったものが見えてくる。

知らなかったことが知らされる。

仏法は鏡に例えられます。


暗闇を突き抜けて。

2024年01月28日 | Weblog
1月28日(日)

若くして突然亡くなられた長男さんの四十九日のご法事を本堂にておつとめさせていただきました。

大家族の一番上のお子さんでした。

数年前、おじさんのご法事をつとめた際に、「僕が長男です」とご挨拶された姿を思い出します。

お友だちの方々もお参りに来てくださっていました。

大事そうにお骨を抱かれたご両親の姿に悲しみと思いの深さを感じました。

「若くしてかわいそうに」という価値観からは脱却できませんが、住職から「少し目を閉じて亡き方のことを思い浮かべてください」との声かけの中、きっとお一人お一人のまぶたの裏にはたくさんの思い出があふれたことでしょう。

「災い」と言われるような避けて通りたい悲しみや絶望に、誰が、いつ、出あっていかなければいけないかわからないのがこの世です。

その暗闇を照らしてくださる仏さまがいらっしゃいます。


伯父さん92歳。

2024年01月16日 | Weblog
1月16日(火)

父方の伯父が亡くなり、お葬儀にお参りしました。

父が亡くなってからというもの、伯父を見ると父を思い出し、勝手にお父さんに会えたような気がしていました。

おとなしい伯父と明るくはつらつとした伯母、仲の良い夫婦だったようです。

63回目の結婚記念日が命日となりました。

長年連れ添ったからこそ、悲しみも深いのだと思います。

年末には、兄妹が夢に出てきて、「そろそろこっちにおいで」と呼んだんだそうです。

また会えるお浄土だと聞いてきたからこそだったでしょう。

私もいつかそんな夢を見る日がくるのか、亡くなった方の夢をほとんど見ないので、少し楽しみな気もします。



四十肩。

2024年01月12日 | Weblog
1月12日(金)

年末から急に四十肩になりました。

右手の可動範囲が限られ、不自由な思いをしていましたが、ようやく痛みが落ち着いてきたところです。

蝋燭に火をつけるのも、リンを叩くのも左手でしたが、右手を使わなければ大変な職業ではないので何とかなりました。

ですが、お参りに行く時に髪を結ぶことができず、夫に結んでもらったり、母に結んでもらったりの日々でした。

母に髪を結んでもらうのは実に30年以上ぶり。

何だか二人で感慨深い気持ちになりました。

人の手を借りなければならないのは心苦しいものですが、何だか嬉しい気がしたんです。

毎朝、長い髪をとかし、いろんな髪型に結ってもらっていた遠い日を思い出すことができた出来事でした。

それにしても、四十肩になった方が多いですが、それぞれにアドバイスが違っています



火宅無常。

2024年01月02日 | Weblog
1月2日(火)

明けましておめでとうございます



お正月早々、いろんなことがあり、「火宅無常の世界」を感じさせられます。

浄福寺の門徒さんも亡くなり、久しぶりにお葬儀のご縁にあわせてもらいます。

寂しいことも多かったでしょうが、そこにいるだけで、周りが明るくなるような方でした。

灯りが一つ消えたようで寂しいです。

おいちゃん、ありがとう

おかげさまを感じられる人生を。

2023年12月23日 | Weblog
12月23日(土)

気がつけば今年もあとわずか、早いです!!

数年前ご病気をされ、それからというものご自宅から外出することのなくなった門徒さん

「お寺に参りたいけど…」といつも言ってくださいます。

お寺にお参りできない代わりに法要のご案内に載せている法語や寺報みのり新聞を楽しみにしてくれ、法語の部分は切り取って毎日のように繰り返し味わってくださっています。

「どうしてこんな病気になったやろうか…」と愚痴も出てきますが、「看護師さんたちのおかげで」「息子夫婦がよくしてくれるけ」とそのあとには必ず続いてきます。

みんなの手を借りなければ生活できなくなったからこそ、おかげがわかるのだと知らされます。

お誕生日にいただいた訪問看護の方々からのプレゼント



おばちゃんがとってくれていたこの度の法語

ありがとう 支えられて この一年


若い方へも。

2023年12月03日 | Weblog
12月3日(日)

12月になりました。

先月のことになりましたが、九州若婦大会が鎮西別院で開催され、お参りしました。


浄福寺から戸畑にお住まいの門徒さんがご夫婦で参加してくださいました。

ご法話と元バレーボール日本代表の益子直美さんのお話もお聞きして、大変楽しい時間を過ごさせてもらいました。



益子さんと言えば、監督、コーチが怒ってはいけないバレーボール大会をされていますが、お別院の教務所長とご一緒になさっている活動だそう!

ご講師も益子さんも楽しいお話の中にあたたかさが残る内容でした。



また、11月は東九州龍谷高校のみのりの会にお話に行かせてもらいました。

若い方々になかなか積極的にお声かけできていないのですが、若い時に仏教に少しでも触れておくことは本当に重要なことだと思います。

いつの日かお寺にお参りしてみよう、お話聞いてみよう、と思ってくれる日が来るように、心を耕したいものです。





大変な報恩講でした。

2023年11月14日 | Weblog
11月14日(火)

浄福寺、御正忌報恩講が終わりました。



なんと!一番大変な準備の段階で、寺の者が全員インフルエンザにかかり、ご門徒の皆さまには本当にご迷惑をおかけしました。

住職と私、熱がある中、ヒーヒー言いながら何とか水引と打敷だけはかけたものの、それ以外のお供物、お荘厳、お掃除、すべて門徒さんのお力で整えていただきました。

皆さんに支えていただいている有り難さを痛感するよいご縁となったと振り返って思います。

法要中はまだ住職の待機期間が明けていませんでしたが、法中さんたちがお参りくださったので、お勤めも助かりました。



「門徒さんに支えていただいていることを忘れたらいけん、そしてあんたが恩返しできることはご法義を伝えることしかない」

と、総代さんに言われたことを心に留めた報恩講でした。

ご講師の舟川先生、この度は最後息子さんにバトンタッチされ、一度で二度おいしいというような嬉しいご縁でした。



お参りの皆さま、そしてお手伝いくださった皆さま、本当にありがとうございました。

さぁ、背筋を伸ばして、これからますます精進します!