新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

Q.興福寺の阿修羅像に耳は何個あるでしょうか?

2009-04-07 22:27:12 | 美術館・博物館・アート

きょうの帰宅時、上野で電車を途中下車し、花見の喧噪に背を向けて、東京国立博物館に向かいました。
1週間前の3月31日から始まった「国宝 阿修羅展」で、今日から3日間だけ開催される「阿修羅ファンクラブ特別鑑賞会」に参加するためです。
火~木曜日の開館時間は19:30~18:00(金~日、祝・休日は20:00まで)ですが、4月7~9日の3日間、ファンクラブ会員だけが18:00~20:00に観覧できるという趣向です。
上野で開催される展覧会ときたら、メジャー(?)どころだと、土日は冗談じゃない混み方で、入場制限は当たり前、会場内に入れても、人垣のそとから展示物が見えたり見えなかったり、というのが普通ですので、これは狙い目!と出かけたわけです。

   

で、行ってみてどうだったかといいますと、こりゃ大当たりです。
寂しくなるほど観客がいないわけでなく、作品の周りに十重二十重の人垣ができるわけでもなく、ゆっくりとじっくりと、時には行ったり来たりしながら、思う存分鑑賞できました。
この「ファンクラブ」という企画、拍手ものです。

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090407_1_2_3 さて、今回の「国宝 阿修羅展」の特筆すべき点は、阿修羅像を始めとする八部衆像、十大弟子像、四天王像など、奈良~鎌倉期の作品を、ガラスケースなしで、阿修羅像に至っては360°から観られることでしょう。
これらの作品とは、MISIAのEIGHth WORLDツアーの大阪公演に遠征した時、興福寺の国宝館で拝観した時以来の再会です。この時は、かなり少なめの観客しかいなくて、きょう以上にのんびり&じっくりと鑑賞できましたけれど、ガラスケースに収められていましたので、思う存分鑑賞することはできませんでした。
それが、今日は、正面から、斜め前から、斜め後ろから、そして後ろから、作品と私の目の間にあるのは空気だけ、という夢のような環境で鑑賞することができました。
1300年近く前に作られた作品を目の前にして、息を止めて観なければならないんじゃないのかと思ったりもして…。
久しぶりに対面できた八部衆像、十大弟子像、ホント素敵でした。十大弟子像はお釈迦様の「十大弟子」の像なわけですから、人物像なのは当然として、人間ではない八部衆像も、限りなく人間らしく、いわゆる仏像とは一線を画している感じです。
どこかで目にした表現ですが、八部衆像はまさしく「仏像界のジャニーズ系」といった感じ。どの像もキュートです。沙羯羅とか五部浄なんて、その辺のかわいい男の子の風情。また、どの像もヘアスタイルがビシッと決まっていて個性的なのが印象的です。乾だつ婆(「だつ」は「門」の内側に「達」)なんて、獅子の冠り物の後ろからドレッド風の髪が垂れているんです。
そんなキュートな八部衆像の中で、やはり阿修羅像は別格ともいえるほどの素晴らしさです。オーラを放っていました。阿修羅像は「三面六臂」の異形にも関わらず、なんと人間らしいのでしょうかねぇ。不思議です。

   

八部衆像と十大弟子像が向かい合わせに並ぶコーナーの次は、鎌倉期の作品群(四天王像、薬王・薬上菩薩立像など)でした。
こちらは、おぉ~と声を挙げたくなるほど、力強く、堂々とした像ばかり。白鳳期から500年の時が経つと、ここまで変わるんですねぇ。
いやぁ~、よい時間を過ごすことができました。
東京での「国宝 阿修羅展」は6月7日までです。まだ2ヶ月近くやっていますので、この方面がお好きの方は是非お出かけくださいませ。東京の後は、7月14日から九州国立博物館に巡回するようです。


下の写真は、きょう買ってきたグッズ、阿修羅像の衣装の文様を用いたブックカバーです。
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ということで、この記事のタイトルの答。

興福寺の阿修羅像は四つの耳を持っています。

正面のおなじみの顔の両側に二つと、向かって左側の顔の右耳と、右側の顔の左耳の合計四つです。


後日談:09/04/22 我が家に阿修羅像がやってきた♪

コメント (2)
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