九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

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随筆をご笑覧ください  文科系

2008年11月24日 17時11分21秒 | 文芸作品
ずいぶん久しぶりに、随筆を載せます。ご笑覧ください。


 随筆 「年をとっていく」

 このごろ思い出すのが、亡くなった母のこの言葉だ。
 「私のどこが八十のおばあさんに見える。言ってみなさいよ!」
 きっかけなどは忘れてしまった。母の何かを「年寄りの冷や水」扱いして、「八十のおばあさんが」という表現を僕が使ったのは間違いない。一瞬の間をおいて重く押し出され、やがて涙混じりという、そんな抗議だった。いまでも不気味な印象が残っているほどだ。友達に念の入ったワルサをしたらいきなり強烈なパンチがほほに飛んできたという体験が高校時代にあったが、そんな感じ。小さな雷に打たれたような気分になったのは、母の言いたいことがすぐに分かったからだ。当時五十前の僕に、なぜ分かったのか。
 七十六歳で僕の家族と一緒に富士山に登った時、その体力には驚かされた。我が家で旧友たちと月例体操サークルを続けてきたその賜物らしい。六十の手習いの三味線では、八十近くまで出ていた発表会によくかり出されたものだ。NHKの俳句教室が送ってくる小冊子に母の名前が小さく出たものを指さし見せられたりもした。毛糸の丸い敷物が数枚、刺繍入りのテーブルクロスなど、手製の手芸品はまだ全部残してある。
 いつだったかふっと、老後の僕が母と同じことをやっていると気づいた。ランニング、ギター、同人誌活動。春夏秋冬一回ずつ我が家で開いているギター仲間たちとのギター・パーティーは、母の「体操サークル」? 気兼ねなくやれるように連れ合いの手は一切借りずに買い物をし、料理をし、ワイン、アルコールを選ぶ。「これは味覚、母の手芸は視覚。まー、同じ五感の遊びだ」などと、このごろ思い出し笑いが出たりする。
 母を真似た意識は皆無である。母が僕を、生まれたときからずーっとこのように育ててきたというのが真相だという気がする。子どものころに煙も出されなかったものを、老後に燃やし直すということはあるまい。いや、あるぞ。生真面目男の老いらくの恋。これは昔から激しいと聞くが、まーこれは置くとして、偉大な母の力を噛み締めている。
さて、こうやって営々と育み、備えてきた僕の老後から、まずランニングが抜け落ちようとしている。父から受け継いだ不整脈と闘いながら苦心惨憺で続けてきたのだが、そろそろ限界なのか。ここ二ヶ月近くジムを中断して、家で階段登りなどをやりながら未練ったらしくまだ様子を見ているところだ。ギターも新曲の暗譜が五年前と比べてさえ二、三倍の苦労になった。ひどいときは、布製のプランターに水をまいて「早く芽が出ろ柿の種」、そんな無力感だ。切れかけの電球のように、波もあるのである。励むほどにその振幅が一方に傾いていくのが分かる生活は、今、幸か不幸なのか。僕は幸と考えることにしている。不幸とだけ思えば全部をやめているだろう。四捨五入すると七十になるが、七十にはともかくとして、僕は果たしてこんな言葉を、母のように必死に吐くだろうか。
「俺のどこが八十のじいさんに見える? 言ってみろよ」
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こんな看板をみつけました。   落石

2008年11月24日 13時24分06秒 | Weblog
この22・23日と京都へ。
一年で一番、観光客の多い時期とか。
京都大学では11月祭が行われていました。

時計塔から少し北に入った木陰で
こんな看板を見つけました。

ああ、大学だな、と思いました。

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裁判員制度反対、各地でデモ 「勝手に名簿載せるな」 東京新聞の記事より(ネット虫)

2008年11月24日 12時37分53秒 | 国内政治・経済・社会問題
来年5月から始まる裁判員制度に反対する弁護士や市民らが22日、仙台市、東京、福岡市で集会を開き、繁華街などをデモ行進した。反対行動は2月の日弁連会長選で制度廃止を主張した高山俊吉弁護士らが呼び掛けた。28日に裁判員候補者名簿に記載された人へ通知が送付されるため「通知が届いたら、勝手に名簿へ載せたと抗議しよう」などと訴えた。

 約600人が参加した東京都千代田区の集会で、新潟県弁護士会の高島章弁護士は「人を死刑にする権力を国民に担わせる制度だ」と批判し、漫画家の蛭子能収さんも「自由を束縛するので反対」と指摘。

 その後、約250人が銀座などをデモし「裁くことを押しつけるな」などと声を張り上げた。

 福岡市中央区天神の公園には弁護士や市民団体メンバーら約30人が集合。大分県豊後大野市の益永スミコさん(85)は「いや応なしに集められ死ぬまで秘密を守らせる制度は戦中と同じ。もうあんな思いはしたくない」と話した。制度をPRする検察庁のキャラクター「サイバンインコ」に対抗した着ぐるみ「裁判員制度はいらんインコ」も登場。参加者と一緒に天神をデモした。

 仙台市の弁護士会館に集まったのは約90人。東北大の小田中聡樹名誉教授は「裁判官らが主導・管理する司法に国民を強制的に動員し、被告に裁判の受け入れを強制する巧妙なシステムだ」と批判した。

コメント (3)
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