OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

Let It Be の真正

2019-11-07 19:26:38 | Soul
Let It Be / Aretha Franklin (Atlantic / 日本グラモフォン)

掲載したシングル盤A面収録曲「Let It Be」は説明不要、ビートルズが残したレコーディングの中でも飛び抜けてゴスペル風味が強い歌ですから、ソウルの女王であったアレサ・フランクリンがカバーするのも自然の成り行きと思いきや、実はアレサ・フランクリンのバージョンが先にレコード化され、世に出ていたという逸話には、サイケおやじも愕然とさせられましたですねぇ~~~!?!

もちろん、そんな真相が秘められていたなんてこたぁ~、ビートルズのシングル盤「Let It Be」が発売即大ヒットしていた1970年春には知る由もなく、ましてやアレサ・フランクリンのバージョンにしても、最初に聴いた記憶は同年秋頃だったのですから、てっきりカバーバージョンだと思い込んでも恥ずかしい事は無いと思うんですが、それを今更の言い訳と笑われても、それはサイケおやじの不明と自覚納得するばかりではありますが、現実的にそんなこんなの真相を知ったのは、1970年代も既に半ばを過ぎていた頃です。

そのきっかけは、やはりブートの存在で、ビートルズが後にアルバム「レット・イット・ビー」として発売することになる通称「ゲット・バック・セッション」の音源を様々に聴いている過程において、どうやらビートルズバージョンの「Let It Be」は、1969年4月末には前述のシングル盤用のテイクが完成していたらしいという実情に突き当たり、しかしながら現実的に発売されたのは、1970年3月なんですから、つまりは1年近くお蔵入りしていたわけで……。

その間には同時進行していた映画製作のあれやこれや、またメンバー間の疑心暗鬼、マネージメントや制作側との意思の疎通が混乱していた等々、諸々の事情が様々に語られておりますが、それはそれとして、主導的に楽曲を作っていたポール・マッカートニーは、ゴスペルっぽく仕上げるためにビリー・ブレストンにアドバイスを求めていたそうですし、なかなか発売が決まらない状況があった所為もあり、出来うるならばアレサ・フランクリンに歌って欲しいという願望があったというのが、今となっての伝説的逸話なんですが、さもありなんと申しましょうか、とにかくアレサ・フランクリンがレコーディングを行ったのは、1969年10~12月頃らしく、演奏パートのメンバーはジミー・ジョンソン(g)、バリー・ベケット(key)、デヴィッド・フッド(b)、ロジャー・ホーキンス(ds) という、所謂マッスル・ショールズのリズム隊がニューヨークへ出張って来てのセッションと云われています。

そして仕上がったトラックは、1970年1月に発売されたアレサ・フランクリン渾身の名盤LP「ジス・ガール / This Girl's In Love With You」に収録されたのですが、一方の本家ビートルズのシングル曲「Let It Be」が世に出たのは、既に述べたとおり、それよりも2ヶ月ほど遅れていたんですから、世の中は儘なりません。

しかし、それでも当初はアレサ・フランクリンのバージョンはシングルカットされず、ビートルズの本家バージョンが当然の大ヒットになった後に、機を見ての発売なんですが、実質的にアレサ・フランクリンのバージョンこそが、「Let It Be」のオリジナルとして、認める必要性があるのでしょう。

実際、このアレサ・フランクリンの「Let It Be」の仕上がりは素晴らしく、イントロからゴスペル丸出しのオルガンが厳かなムードを演出すれば、全くソウルフルな彼女のボーカルと盛り上げていくコーラス隊の熱き魂の噴出、そしてどっしり重いリズム隊のグルーヴは流石!

誰かは知らないんですが、間奏のテナーサックスもイイですねぇ~~♪

う~ん、聴かずに死ねるかっ!

短いながらも、そんな気分にさせられる名曲の名唱名演になっていますよ ♪♪~♪

ということで、本日「Let It Be」を取り上げたのは、様々に謎の多い末期ビートルズを象徴する同曲に対する個人的考察を書き連ねた諸々が掲載してある拙サイト「サイケおやじ館」が近々、移転する事情があり、とりあえず引っ越し先が決まるまで、その内容の一部をこのブログに転載する事を視野に入れているからでして、まずは「ザ・ビートルズ / レット・イット・ビーの謎」を改稿しつつ、こちらに移す可能性があるからでして……。

そのあたりをご了解願えれば、幸いでございます (__)
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 虚無と楽観の都会 | トップ | ロイ・ブキャナンに昇天させ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Soul」カテゴリの最新記事