■すてきな王子様 c/w 恋のプロフィール / 中尾ミエ (日本ビクター)
洋楽ヒットの日本語詞によるカバーが十八番の女性シンガーとしては、弘田三枝子と並び立つ存在が、これまた説明不要の中尾ミエでしょう。
ミコちゃんが「パンチ」ならば、中尾ミエは「グルーヴィ」というか、どんな楽曲でもビートの芯をクッキリと表現する歌唱力は、本当に凄いと思っています。
で、本日掲載したシングル盤は昭和41(1966)年に発売された、これがフレンチポップスの歌謡曲的展開の代表例ともなるべき傑作で、まずA面の「すてきな王子様 / Un Prince Charmant」はご存じ、キュートなフランス・ギャルが同時期に日本語バージョンまでも吹き込んでヒットさせていた可憐なフレンチポップスなんですが、些か舌ったらずのロリータ歌唱がウリだったフランス・ギャルよりも、ちょっぴりぶりっ子しつつも伸びやかに歌う中尾ミエのバージョンこそが素晴らしい♪♪~♪
ちなみに作曲は当然ながら欧州人のジャック・ダタンなんですが、モーリス・ヴィダランの綴った歌詞を訳詩というか、意訳というのが正解かもしれませんが、とにかく安井かずみのメルヘン調の解釈と東海林修の微妙な歌謡曲的アレンジは相性も素敵ですよ♪♪~♪
実は拙い記憶で申し訳ないんですが、確かフランス・ギャルは同年初夏に来日していたはずで、前述の日本語バージョンはその時の企画制作だとしたら、テレビ等々で中尾ミエとの共演もあったんでしょうかねぇ~~~?
もしもそれが実現していたとしたら、その結果はなんだか怖いような気がします。
閑話休題。
一方、B面に収録されたのが、これまたフレンチポップスの女王的存在だったシルヴィ・バルタンのヒット曲「恋のプロフィール / Il y a deux filles en moi」の日本語バージョンであり、A面同様に安井かずみの訳詩に東海林修の編曲は、なかなか哀愁が強く出た歌謡曲っぽさが良い感じ♪♪~♪
あぁ、こういう「泣きのバラード」を歌う中尾ミエって、本当に最高ですねぇ~~♪ このグルーヴィなフィーリングには、ソウルを感じてしまいます。
ということで、最近は尚更にオールディズ物に心を奪われるサイケおやじは、車の中でも、こんなんばっかり聴いているもんですから、同乗者も辟易しているようですが、これは俺の車だぞっ!
とばかりに偏屈になっているのでした。
和製ポップス、万歳♪♪~♪
そして遅くなりましたが、ブログ復帰おめでとう(?)ございます。
大変うれしい限りです。
中尾嬢については、昭和50年代でしょうか、「片思い」(でしたっけ?)を聴いた時に、その歌唱力に驚愕しました。
以来、日本を代表する女性歌手じゃないかと秘かに確信しており、もっと評価されるべき歌手なんじゃないかなとも思っています。
デビューの頃の初々しい彼女を知っているわけではありませんが、それでリアルタイムで現役で活躍していた頃の彼女の歌を聴けたことは幸運でした。
後年、中森明菜嬢が「片思い」をカバーしましたが、残念ながらオリジナルを超えるような表現ではなかったように記憶しています。
コメント、ありがとうございます。
お返事が遅れて申し訳ございません。
仰るとおり、中尾ミエの現在における評価は往年のカバーポップス歌謡に限定的なスタアであって、歌謡曲の正統派ボーカリストという真実が軽んじられているのは、私も悲しいです……。
ただし残念ながら、歌謡曲における特段の大ヒットが出せなかったという現実もあり、それゆえに隠れた名曲名唱を愛でるというファン心理も捨て難いわけですよ。
あぁ、両面観音みたいな中尾ミエに手を合わせたい心境です。
言わずと知れた「フランス・ギャル」のカバーソングですが、中尾ミエが歌うバージョンも侮れません、なかなかの歌唱力です。そしてバッキングが何と「ジャッキー吉川とブルー・コメッツ」なんです。
’66年に発売した「哀愁のカレリア」も同バンドが担当してます。
因みに
1.「夢みるシャンソン人形 c/w 恋はおとなしく」 ビクターSPV-52
2.「哀愁のカレリア c/w チム・チム・チェリー」 ビクターSPV-61
当時はカバーソングで溢れていた好い時代でした。
弘田三枝子や奥村チヨが全盛でしたから外国ポピュラーソングは当たり前でした。
あぁ~コニー・フランシス、シルビー・バルタン