OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

南野陽子の秋の歌

2015-09-28 16:10:20 | 歌謡曲

接近 / 南野陽子 (CBSソニー)

流行歌はその名のとおり、季節商品というジャンルがあり、殊更秋の歌と言えば、サイケおやじは本日掲載のシングル盤A面曲「接近」が、昭和アイドル歌謡の傑作のひとつと思っています。

もちろん歌っている南野陽子は所謂ハチジュウネンダイアイドルのトップに立っていた時期もあったほどの売れっ子で、この「接近」を出した昭和61(1986)年10月といえば、あの「スケバン刑事Ⅱ」の雨宮サキを演じての大ブレイクから直後とあって、劇中では土佐弁にヨーヨーアクションというキメも、芸能界においては清純派アイドルから大人の女優&歌手へと急上昇していた時期ですから、歌の中身も幾分生臭い嫉妬が表現されるという、なかなかタイミングを掴んだ制作の仕上がりでしょう。

ちなみに作詞を担当した森田記=康珍化は、それを「アプローチ」と読ませた技巧がニクイところで、しかも作曲:亀井登志夫&編曲:萩田光雄が施したのは先端のデジタルサウンドながら、南野陽子を特徴づけるアニメ声の節回しを逆手に活かした手際で見事、秋のイメージを作り出しているのですから、ヒットしたのも当然が必然!

そのクールなミディアムテンポの流れには、クセになる不思議な魔力(?)が秘められていて、さらにジャケ写に登場している彼女のポートレートが、ほとんどヤル気のない風俗嬢みたいな印象というあたりに、サイケおやじはグッとシビレるものを感じます。

しかし、これはやっぱりアイドル王道の秋の歌謡曲なんですよねぇ~♪

概して大人は、この歌のような世界から離れてしまいますから。

そして、そんなこんなの混濁フィーリングが、天邪鬼なサイケおやじにはジャストミートしているというわけです。

ただし、ジャケ写に堂々の存在感を示しているバーコードは、いけませんよねぇ……。

時代は既にCDメディアへとシフトされつつあったとはいえ、こういう不粋がアナログ盤存在の寿命を縮めてしまった気さえするのでした。

コメント
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