OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

スタートは旗幟鮮明が宜しかろうと

2013-04-02 15:10:15 | 歌謡曲

恋のイブニング・タイム / 新藤典子 (NAV / キャニオン)

どうにか景気も上向きの中、世の中は新年度がスタート!

それに伴って各方面で新企画が様々に始まっているのは、サイケおやじの周辺にも諸々あるんですが、それらが全て成功するなんてことは、誰もが思っていないでしょう。

もちろん、最初っから諦めているようなプロジェクトは税金対策でもない限り、誰も本気にしていないわけですが……。

さて、そこで思い出したのが我国のレコード業界にあって、意気込みと立ち位置の微妙さで存在感を強めていたのが、「NAV」というレコードレーベルでした。

ご存じのとおり、これはキャニオン傘下にあって、昭和48(1973)年末頃に発足したアイドル専門のレーベル!?

これが今となっては画期的なスタイルであった事が、主に後追いのマニアによって立証されているのは、些か皮肉です。

と言うのも、結果的にそれなりの実績しか上げられず、キャニオンに吸収される事で、およそ8年の活動に終止符を打ったのですから、局地的ながら、現在の評価の高さはちょいと面映ゆい感じがするんですねぇ。

そこで掲載したのは、件の「NAV」レーベル第一弾レコードとして、昭和49(1974)年2月に発売された、新藤典子のデビューシングル盤で、如何に会社側が力を入れていたかは、作詞:山上路夫&作曲:平尾昌晃、そして編曲:高田弘の職人トリオが良い仕事を全開させたA面曲「恋のイブニング・タイム」を聴けば、一発了解でしょう。

なにしろイントロから胸キュンモードが惜しげなく全面に出され、それは曲メロの上手すぎる展開や思春期真っ盛りの歌詞が、もう…、最高♪♪~♪

ところが、これまた失礼ながら、主役の新藤典子の歌が何も言えないほど、如何にもアイドル的ターヘな世界なんですねぇ~~~。

比較するとしたら、やはり当時、アイドルとして人気絶頂だった浅田美代子に勝るとも劣らない(?)フィーリングでしょう、これは!?

ですから、サイケおやじが唯一度だけ、テレビでこれを歌う新藤典子に接した時、ほとんどこちらが情けなくなるような気持だった事は今も忘れていません。

う~ん、これを現在の観点から推察すれば、「NAV」レーベルそのものがアイドル専門で運営される方針から、まずは既に人気があったアイドルを徹底研究した結果と類推する他はないんでしょうか?

そして最初のターゲットが前述の浅田美代子であったとしたら、新藤典子の登場にも充分な必然性があるわけですが、案の定、ほとんど売れず、おそらく彼女のレコードは、これ1枚だけかと思われます。

ちなみにアイドルマニアが集まっての酒飲み話では、この「恋のイブニング・タイム」の浅田美代子バージョーンが聴きたいとか、そんな夢と妄想が語られているらしいですよ♪♪~♪

うむ、如何にも共感のサイケおやじが告白すると、このシングル盤を中古屋でゲットした時、一緒に店に入ったアイドルマニアの友人から譲ってくれるように懇願され、逆に片意地張った事も思い出される、なかなか愛着のある1枚です。

ということで、新企画のスタートには慎重さと大胆さ、研究と調査が必要なのは言わずもがな、「時の運」とでも申しましょうか、ひとつの「賭け」みたいなものも必須なんでしょうねぇ。

それがあればこそ、例え最初は成果が出なくとも、後々になって評価される事情も少なくありませんし、何よりも所期の目的を旗幟鮮明にしていればこそ、結果は自ずと明らかになるのかもしれません。

ただしサイケおやじの場合、そのあたりに今ひとつ、時代にアクセスするのが上手くないのは大欠点!

当然ながら、周囲も分かっているので、過大な期待をされないのは救いであります。

コメント
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