OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

胸キュン! せつないほどのソウル歌謡♪

2012-09-22 15:27:48 | 歌謡曲

熟れた果実 / 平山三紀 (CBSソニー)

筒美京平の書いたソウル歌謡の中では、本日ご紹介の「熟れた果実」が、とても好きです♪♪~♪

歌っている平山三紀は説明不要、今となっては昭和歌謡曲ポップス部門のウルトラヒット「真夏の出来事」で忘れられない存在ではありますが、それが両刃の剣というのがサイケおやじの偽りの無い気持です。

つまり、そういう極みのポップス歌謡をやってしまったがゆえに、平山三紀は正統派の歌謡曲を出せなくなったのではないか?

という思いがサイケおやじには強くあって、本当はデビューシングル「ビューティフル・ヨコハマ」みたいな昭和歌謡曲特有のコブシこそが、彼女の異端(?)の声質の、もうひとつの魅力を活かせる世界と信じて疑わないのですが……。

しかし、もちろん歌謡ロックでもあり、ソウル歌謡でもあった昭和期の平山三紀の楽曲は素晴らしく、そのほとんどが橋本淳の作詞、筒美京平の作編曲なんですから、無碍に否定する事なぞ出来はしません!

そのあたりの考察については、サイケおやじが稚拙な文章を弄するまでもなく、各方面で細密に取り上げられているとおりではありますが、ひとつだけ個人的な疑問があるとすれば、その完成度に比例した売り上げが何故、リアルタイムでは無かったのか!?

平たく言えば、特大のヒットは前述「真夏の出来事」だけであり、以降「ノアの箱舟」「フレンズ」「希望の旅」「月曜日は泣かない」「帰らない恋」「銀河のはてに」「恋のダウン・タウン」と続くシングル曲が、結局はイマイチの成果しか残せなかったのは不思議としか言えません。

ただし、冷静に当時を振り返ってみると、我国のポップス系歌謡界には南沙織、麻丘めぐみ、天地真理、欧陽菲菲、山口いづみ、小林麻美、そしてグラマーアクション路線に転向して再ブレイクの山本リンダ♪♪~♪

等々、アイドル路線もセクシー美女系も、とにかく華やかで派手なイメージを強く打ち出す業界戦略が主流でしたから、一説によると、あまり前に出ることが上手くなかった彼女にしてみれば、少しスネたような、不良っぽいフィーリングがマイナスになっていたのかもしれません。

ですから昭和48(1973)年秋頃から、全くテレビに出なくなった記憶がサイケおやじにはありまして、実は後に知ったところによると、それはレコード会社移籍による業界の掟であった、半年間は新曲を出さないという仕来りの所為だったとか!?!?

そこで、いよいよ翌年6月、満を持してCBSソニーから発売されたのが、この「熟れた果実」であり、ジャケ写も歌のイメージも、以前の日本コロムビア時代からすれば、ちょいと大人の雰囲気にシフトした路線かと思います。

しかし楽曲は、これまでどおり、橋本淳&筒美京平の名コンビが担当し、結論から言えば、前述「真夏の出来事」の後日譚とも言える大傑作!

とにかくイントロからのリズムアレンジとストリングのソフト&メロウな響きには胸キュンが必至であり、既にここでフィリーソウルがど真ん中♪♪~♪ しかもノーマン・ハリス、あるいはローランド・チエンバースっぽいリズム&リードギターが実に良い感じなんですねぇ~~♪

そして幾分捨て鉢な感性を滲ませる平山三紀の歌い回しが、これまた刹那の恋の後始末……。全く自分に言い聞かせる前向きな心持が、せつないですねぇ~~♪

う~ん、流石は橋本淳が良い仕事♪♪~♪

そして筒美京平の作編曲が、ここまで完成された仕上がりを聞かせてしまえば、フィリーソウルのギャンブル&ハフも、また英国バブルガム専門職のトニー・マコウレイも、顔色を失ったんじゃ~ないでしょうか。

まあ、彼等がこれを聴いているか、どうかは知る由もありませんが、我国のファンは絶対にそう思っても間違いないはずですよっ!

ということで、何度聴いても、聴くほどに最高としか言えない名曲名唱が平山三紀の「熟れた果実」です。

ちなみにCBSソニー在籍時には、この他に「愛の戯れ」「真夜中のエンジェルベイビー」「やさしい都会」を合わせて4枚のシングル盤を出しているんですが、その発売間隔が異常(?)に開いていて、この「熟れた果実」から次作「愛の戯れ」が出るまで、なんとっ!? 1年半もあるんですねぇ……。

実はサイケおやじは当時、ある幸運から、この「熟れた果実」が発売真っ盛りの頃に渡米していたので、リアルタイムでのヒット状況は体験していません。しかし帰国した秋になっても、しぶとく巷では流れていましたし、実際にレコードを買ったのも年末近くになっていましたから、きっとロングセラーになっていたものと信じています。

というか、そうに違いない!

そう、思わされるだけの素晴らしさが、「熟れた果実」には込められていますので、ぜひとも皆様も、お楽しみ下さいませ。

何度聴いても、うるうるしてしまいますよ♪♪~♪

コメント (4)
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