OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

クラシックス・フォーはAORか?

2012-05-04 15:41:11 | Rock

Spooky / The Classics Ⅳ (Imperial / 東芝)

如何にも1960年代後半というか、昭和40年代中頃のイラストが懐かしいジャケットが表わすとおり、発足当初のクラシックス・フォーも所謂「実態の無いバンド」であったかもしれません。

しかし絶妙に翳りが滲むサウンドと胸キュンメロディ、それでいて力強いピートを基本に仕上げられたクラシックス・フォーの楽曲の数々は、リアルタイムでのヒットはもちろん、むしろ時が経つにつれてエバーグリーンの輝きさえ感じられるほどです。

と、またまた本日も独善的な書き出しになってしまいましたが、それと言うのもクラシックス・フォーが全盛期で活躍していた当時、サイケおやじにはそれがほとんど理解出来ないというか、ラジオから流れてくる様々な洋楽ヒットの中にあって、そのお洒落なフィーリングには違和感を感じていたほどです。

ところがさらに時代が進み、AORとかソフト&メロー等々と称されるソフトロックの進化形ポップスが流行り出した1970年代中頃になると、なぁ~んだ、そんなのクラシックス・フォーがずぅ~~っと前にやっていた事じゃないかのか?

そんなこんなの気持が沸き上がってきましたから、後追いで該当レコードの蒐集に走りだし、本日掲載のシングル盤もそうやってゲットした中の1枚です。

で、肝心のクラシックス・フォーはデニス・ヨースト(vo) とジェームス・コップ(g) の企画プロジェクトからスタートしたという、既に述べたとおりの「実態の無いバンド」でありながら、1964年頃のレコードデビュー以来、着実にキャリアを積みかねていたようで、ヒットはしなかったものの、数枚のシングル盤を残していると言われていますが、そう書いたのも、レコード発売名義が必ずしもクラシッシクス・フォーばかりでは無かったという現実に準拠するものです。

ただし、このあたりはサイケおやじの調査&勉強不足で、確かな事ではありません。

それでも1968年にご紹介のシングル曲「Spooky」を大ヒットさせた時には、微妙な倦怠感を滲ませるデニス・ヨーストのハスキーボイスを活かす、これまたブルージーなサウンド作りは完成されていたようで、何よりもキャッチーなアレンジには印象的なリフが良い感じで使われているんですねぇ~~♪

これが後々までクラシックス・フォーの放つヒット曲の底辺に潜んでいく事は言うまでもありませんが、つまりはそうした二番煎じがイヤミにならないところが、このグループの魅力かもしれません。

ちなみに当時、一応のバンド編成になっていたメンバーはデニス・ヨースト(vo)、ジェイムス・コップ(g)、ウォーリー・イートン(g)、ジョー・ウィルソン(b)、キム・ヴェルブル(ds) という5人組ながら、この「Spooky」では間奏はもちろん、全篇をリードする印象的なサックスを聴かせるマイク・シャープの参加がミソというところでしょうか。

実は「Spooky」という楽曲そのものが、マイク・シャープのシングル盤として1年ほど前に小ヒットしていた実績があったそうで、なにやら因縁の必然性も感じるわけですが、クラシックス・フォーのバージョンを絶対的なものにしているのは、やはりデニス・ヨーストのハスキーでセクシー(?)なボーカルにあるんじゃないでしょうか。

ご存じのとおり、クラシックス・フォーは1970年頃にはデニス・ヨースト&クラシックス・フォーとなって、つまりはデニス・ヨーストのソロプロジェクトになってしまうのも、それだけボーカルの魅力が強かった所為と思われます。

う~ん、刹那の翳りとでも申しましょうか、なんとなく胸キュンの味わいなんですよねぇ。

そして一方、ジェイムス・コップがアトランタ・リズム・セクションを結成し、サザンロックの中でもダントツの親しみ易さでヒットを連発した1970年代の実績も、やはり誰からも好かれる曲作りやサウンド構成の上手さを踏み外していないからでしょう。

ということで、そうした2人が一緒にやっていたクラシックス・フォーが再評価、と言うよりも再発見という現実は何時までも続いていくような気がしていますし、実際、「Spooky」以降のヒット曲やアルバム収録曲の中には我国歌謡曲に応用されたメロディとかアレンジの旨みがどっさり♪♪~♪

もちろんそのあたりは追々に書いていきたいと思っていますので、とりあえずは「Spooky」をお楽しみ下さいませ。この1曲を体験しておくと、クラシックス・フォーばかりか、当時の洋楽ポップス、あるいは昭和歌謡曲がグッと味わい深くなること、請け合いです。

コメント (2)
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