OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

タイガースで大ヒットした英語の歌

2011-05-12 15:12:52 | Pops

Smile For Me / ザ・タイガース (ポリドール)

サイケおやじの世代なら、アメリカ西海岸と同じぐらいに憧れた外国がロンドンだったと思います。

もちろんそこはビートルズやストーンズを筆頭にするブリティッシュビートの聖地であり、つまりは1960年代中頃からのロック先進地帯でしたから、洋楽ファンならば尚更の気持だったのです。

そこで我国の歌手やバンドも、特にGSブーム以降は渡英するのがスタアの証明の如き扱いで、とすれば絶大なアイドル人気を誇ったタイガースも例外ではありません。

なんと主演3作目の映画として企画された「ハーイ! ロンドン(東宝 / 岩内克己監督)」はタイトルどおり、ロンドンロケも敢行され、公開された昭和44(1969)年7月には所謂夏休み作品として話題騒然!

そしてタイアップ(?)で発売されたのが本日ご紹介のシングル曲「Smile For Me」なんですが、驚くなかれ!?! 全篇が英語詩でありながら、爆発的な大ヒットになったのは、既にGSブームは下降線を辿りはじめた頃という実相がありますから、まさに驚異的でした。

もちろん歌詞の中身は、日本人にとっては直に理解出来るものではありませんでしたが、曲メロがジェントルなムードに溢れた抜群の素晴らしさ♪♪~♪ スマートで粋なアレンジとストリングスやエレピが効果的な演奏パートに転調を高音域で見事に歌いきるジュリーのボーカルがジャストミートしています。

そして当然ながら、これはロンドン録音というウリもあって、しかも同じくリアルタイムで抜群の人気があったビージーズのバリー&モーリス・ギブが作ってくれた曲という特別な企画性があるんですからっ!

ちなみに当時のタイガースは加橋かつみが脱退し、岸部シローが参加したばかりという時期でした。しかも既に述べたようにGSブームも終焉間近でしたから、なんとなくジュリーのソロプロジェクト的な作品と言えないことも無いでしょう。

実際、この前作シングルの「嘆き」は、モロにその雰囲気が濃厚でしたからねぇ~。

ただし、「Smile For Me」は、そこではあまり存在感のなかったメンバーによるコーラスが、相当にリアルな使われ方が印象的♪♪~♪ 結果的にタイガース最後の大ヒットになったのもムベなるかなです。

また、気になる本篇「「ハーイ! ロンドン」はタイガースの他に藤田まこと、左とん平、小松まさお等々がコメディリリーフしたドタバタ物でしたが、ジュリーの相手役にはお約束の久美かおり♪♪~♪ しかも彼女が劇中で歌った「髪がゆれている」は、和製ソフトロック歌謡の隠れ名曲でしょうねぇ~♪

ちなみに彼女は実質的にこの映画で芸能界を引退……。告白すればサイケおやじが年末の二番館興業でこの作品を観たのも、全ては彼女の出演が目当てでした。

ということで、まさに昭和44(1969)年を象徴する歌と映画の欧米中華思想!?

今から思えば笑われるかもしれませんが、まだまだ上昇気流のエネルギーに満ちていた日本では、それこそタイトルどおりに笑って許せる出来事でした。

こういう雰囲気こそが、現代に必要なのかもしれません。

コメント (5)
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